ハピネスチャージプリキュア 激獣拳使いの幼馴染み   作:ナツ・ドラグニル

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どうも、ナツ・ドラグニルです。


前回の投稿から4か月以上も投稿が遅れてしまい、申し訳ございません!!


言い訳としては、3月にモンハンが発売し、5月にバイオハザードが発売したために、7月の始めまでずっと遊んでいました。


殆ど遊びつくしたので、しばらくは今までと同じ1ヶ月投稿になると思います。


長くなりましたが、作品をどうぞ


第32話 ケンに彼女!!?ドキドキの初デート

 

 

「流石我が盟友達、我らこそゲキレンジャーやあの女共と違い真の絆を感じる。さぁ我が盟友達に命ずる、この世界に地獄を作ろう」

 

 

そう宣言するドンの後ろのステンドガラスには、赤き玉と青き玉が描かれていた。

 

 

「では...私が盟友達...諸君らの健闘を祈ろう」

 

 

そう言って、ドンはその場から消える。

 

 

ドンと一緒に女の怪人、ギョクナもその場から消える。

 

 

2人の姿が消えたのを確認すると、ゼカは立ち上がり出口に向かおうとする。

 

 

「ゼカ」

 

 

ゼカは振り返らず、そのまま返答する。

 

 

「何だ、ウンライ」

 

 

ゼカに声を掛けたのは、ウンライだった。

 

 

「聞きましたけど、貴方ドン様の命を背いたらしいじゃない」

 

 

「あぁ゛、何でその事を知ってやがる」

 

 

っと、キレ気味に質問する。

 

 

「ひっひっひ」

 

 

と笑い声がして、ゼカは笑い声のする方に顔を向ける。

 

 

「てめぇか、ロノイ」

 

 

笑い声を上げたのは、ロノイだった。

 

 

怪しい笑みを浮かべるロノイの周りには、人魂が浮いていた。

 

 

「ひっひっ、僕の特製の監視カメラに、君の無様な面がバッチリ撮れてたよ~。君のあの面を見た時は、笑い転げたよ~ひっひっひっひ」

 

 

ロノイの馬鹿にする物言いに、ゼカは蟀谷にしわを寄せて頭に血が上る。

 

 

「良いわね、やっぱり争いを観戦するのは。体がゾクゾクするわ...。でも、やっぱり男女のドロドロな争いが欲しいわ」

 

 

その様子を見ていたラブマナンが、体を擦りながら悶絶する。

 

 

ダンダとゲンヤハは、興味が無かったのかいつの間にかいなくなっていた。

 

 

「ロノイ、仕事をする前にウォーミングアップに付き合って貰うぞ。うっかり殺っても知らんがな」

 

 

と、両手に普通の人ならば飛ばされる位の風を纏いながら、ロノイに脅しに入れる。

 

 

「おやおや、怖いですね~恐ろしいですね~」

 

 

ロノイは笑いながら、両手に深青色の幻気を纏う。

 

 

「ハァ...」

 

 

ウンライはため息を吐きながらゼカを見て、彼らの後ろにいるフードを被った者達の八割は困惑する。

 

 

残りは先ほど帰ったダンダとゲンヤハに着いていったのか、居なくなっていた。

 

 

「そこまでだ」

 

 

一発触発の中、見ているだけだったツトコウが止めに入った。

 

 

「ゼカ、ロノイ、お前達が争う事でドン様の命令に支障が出たらどう責任を取るつもりだ」

 

 

頭では理解しているが、ゼカにもプライドがあり納得がいかない様子でいる。

 

 

「それでも続けるつもりなら、俺が2人の相手をしてやる。安心しろ、殺すことは無い。9割くらいで済ませてやる」

 

 

ゼカは、ツトコウが冗談を言う男ではない事を知っている。

 

 

「チッ...」

 

 

ツトコウが本気だと分かり、ゼカは纏っていた風を消して出口に向かう。

 

 

ロノイの隣を通る時、ゼカはロノイを睨みつけてその部屋から消える。

 

 

ウンライも、ゼカに続くようにして消える。

 

 

そしていつの間にか、ラブマナンもフードの者達も居なくなっている。

 

 

残っているのは、ロノイとツトコウとカーだけだった。

 

 

「(あらら~あっという間に逃げ出して、だから貴様は弱虫と言われるんだよ~)ひっひっひっひ」

 

 

ロノイはゼカに睨まれたにも関わらず、平然とし笑いながら消えていった。。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

『せ、せ、せ、せ、先生!かわルンルン!』

 

 

「変装完了!」

 

 

いおなはフォーチュンピアノで、先生の衣装へとコスチュームチェンジする。

 

 

「わお!いおな先生だ!」

 

 

「超似合う!」

 

 

先生に変装したいおなの姿に、ゆうことめぐみが称賛する。

 

 

「夏休みの宿題は今日全部終わらせるわよ」

 

 

「はーい!」

 

 

いおなの言葉に、めぐみが元気よく返事する。

 

 

勉強の準備を行う中、誠司がある事に気付いた。

 

 

「ん?何でランだけ歴史の教科書が2つあるんだ?」

 

 

誠司の指摘通り、ランが用意している教科書の中で歴史の教科書が2つ用意されていた。

 

 

「あっ、これ?こっちはこの世界の教科書で、こっちは私達の世界の教科書よ」

 

 

そう言って、ランは最初に誠司達も持っている教科書を持ち上げ、次に全く違うデザインの教科書を持ち上げた。

 

 

「なんで2つも用意してるんだ?1つで充分だろ」

 

 

「何を言ってるんですか!!!」

 

 

ゴウが指摘したら、ランはバンッと力強く机を叩いて立ち上がる。

 

 

「世界が違うという事は、歴史に起こった出来事も違うという事ですよ!!それを比べないでどうするんですか!!?」

 

 

「お、おう...」

 

 

力説するランに、ゴウは引き気味に返答する。

 

 

「ねぇ、その教科書見せて貰ってもいい?」

 

 

いおなも興味が出てきたのか、教科書を貸して貰おうとランに頼む。

 

 

「えぇ、良いわよ」

 

 

ランの了承を得たいおなは、教科書を手に取って中を確認する。

 

 

その時、皆の話を聞いていたブルーが指摘を入れる。

 

 

「皆分かってると思うけど、次のテストで赤点取ったら...」

 

 

「プリキュアの活動を禁止でしょ?分かってまーす!」

 

 

ブルーの言葉に、めぐみがまた元気よく答える。

 

 

めぐみの反応に、ブルーは苦笑し、誠司は本当に分かってるのかと疑う。

 

 

 

 

 

誠司達が勉強を始め、数時間が経過した。

 

 

「うー、もうだめ!」

 

 

数学の教科書と睨めっこしていためぐみは、そのまま背中からソファに倒れ込む。

 

 

「私もまったく捗らない...」

 

 

ひめも同じように、ソファに倒れる。

 

 

「その様ですわね...」

 

 

倒れるひめを、リボンが呆れた顔で見つめる。

 

 

めぐみやひめが倒れてる中、未だに別の世界の教科書に目を通しているいおなにぐらさんが話しかける。

 

 

「随分熱心に読んでるが、何か面白い物でもあったのか?」

 

 

「えぇ、大体は私達の世界と変わりないんだけど、此処を見て」

 

 

そう言っていおなが見せてきたのは、忠臣蔵について記載されたページだった。

 

 

「ここに赤穂浪士が乗り込む前に、巨大戦があったって書いてあるのよ」

 

 

『巨大戦?』

 

 

教科書には、赤穂浪士が乗り込む前に剣を持った巨人とアンコウの巨大な怪物が戦っていたと、確かに記載されていた。

 

 

横には挿絵として剣を持った獅子の鎧を纏った巨人と、槍を持ったアンコウの怪物の絵が描かれていた。

 

 

「何これ!!そっちの世界では、そんな事があったんだ!!」

 

 

さっきまでもうだめと言っていためぐみでさえも、興奮気味に教科書を覗き込む。

 

 

「ねぇ、これゲキリントージャに似てない?」

 

 

「そんな訳ないでしょ、忠臣蔵が行われたのは江戸時代なのよ」

 

 

巨人の絵を見たひめの質問に、いおなが指摘を入れる。

 

 

「流石の誠司君達でも、タイムスリップするなんて事がある訳が...」

 

 

「いや、あるよ」

 

 

『あるの!!?』

 

 

誠司の何気ない言葉に、めぐみ達は驚愕の声を上げて一斉に誠司に視線を向ける。

 

 

「ひめちゃんの言う通り、その教科書に載ってるのは皆も知ってるゲキリントージャよ」

 

 

「そうなの!?」

 

 

ひめも何気なく言った言葉だったが、まさか本当にゲキリントージャだと思わなかったのか驚きの声を上げる。

 

 

「でも、どうやって江戸時代にタイムスリップしたの?」

 

 

ゆうこの質問に、誠司が答える。

 

 

「敵の攻撃を受けて、江戸時代に飛ばされたんだよ」

 

 

「いきなり飛ばされたからな、あの時は大変だったぜ」

 

 

ゴウが当時の事を思い出し、悪態をつく。

 

 

「あぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

いきなりケンが大声を上げながら、立ち上がった。

 

 

ケンが大声を上げた事で、全員がビクッと反応した。

 

 

「やべぇ!!約束の時間まであと少しじゃねぇか!!」

 

 

壁に掛けてある時計を確認しながら、ケンは慌てだす。

 

 

「約束?何だよケン、この後予定があったのか?」

 

 

「だったら先に言えよな」

 

 

予定があった事を知らなかった誠司達は、何も知らせなかったケンに呆れる。

 

 

「じゃあそう言う事だから、俺はもう行くぜ」

 

 

ケンはそう言うと、急いで支度をして玄関へと向かう。

 

 

「予定って、何の予定が入ってんだよ」

 

 

気になったゴウが、ケンに質問する。

 

 

「決まってんだろ、これとデートだよ」

 

 

ケンは小指を立てて、ゴウに宣言する。

 

 

「そうか、気をつけろよ」

 

 

『いってらっしゃい』

 

 

「そっちから聞いておいて、その反応かよ」

 

 

既にケンに興味を無くし、勉強に夢中になっていた誠司達にケンは悪態をつく。

 

 

ケンが居なくなった後も、勉強を続けながらケンについて話し続ける誠司達。

 

 

「デートって何だっけ?」

 

 

「付き合った異性の人と、お出かけする事よ」

 

 

「あのケンがデートね」

 

 

「いつの間にか彼女が居たみたいだな」

 

 

「あのケンさんが...」

 

 

 

 

 

『........ん?』

 

 

 

 

 

「ケンが...」

 

 

「彼女と...」

 

 

「デート...?」

 

 

そこでようやく誠司達は、ケンの言葉の意味を理解する。

 

 

『えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』

 

 

大使館に、誠司達の驚愕する声が響いた。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「あいつ、いつの間に彼女なんか出来たんだ?」

 

 

「さぁ?少なくとも私は気づかなかったわ」

 

 

誠司とランがそんな話をしてる中、ゴウはこの後のオチを予想する。

 

 

「彼女って、どうせ妹の幸子ちゃんの事じゃねぇか?」

 

 

「でも、わざわざこっちの世界に呼ぶかしら?」

 

 

ゴウが予想したオチに、リンが指摘する。

 

 

「じゃあ、美希さんか、なつめか?」

 

 

「もしその2人だったら、私達にも連絡がくるはずでしょ」

 

 

「私達の方にも、そんな話来てないよ」

 

 

さらに誠司が予想するが、ランとめぐみが否定する。

 

 

今誠司達は、彼女とデートすると言ったケンが気になり、全員で尾行していた。

 

 

全員が、サングラス(・・・・・)マスク(・・・)を着けた状態でだ。

 

 

明らかに悪目立ちしており、逆に怪しかった。

 

 

少し離れた所から監視していた誠司達だったが、ケンが1人の女性に手を振りながら近づいていった。

 

 

「お待たせしました!美和子さん!」

 

 

「いえ、私も今来たばかりですから」

 

 

遠巻きながら見ていた誠司も、自分達も知らない女性と親しそうに話してるケンに驚愕する。

 

 

女性の第一印象は、丁寧な口調とお淑やかそうな見た目から何処かのご令嬢のように思えた。

 

 

「あの人がケンの彼女さん?」

 

 

「どこで知り合ったのかしら」

 

 

めぐみ達は、ケンがどうやってあの女性と知り合ったのかが気になった。

 

 

「ん?」

 

 

その時、誠司が何かに気付いた。

 

 

「どうしたの?誠司」

 

 

「いや、あの女の人......何処かで見たような...」

 

 

ひめの問い掛けに、誠司が頭を悩ませながら答える。

 

 

「誠司、あの人の事知ってるの?」

 

 

「何処で会ったのよ!?」

 

 

ランとリンの質問に、誠司は考えながら答える。

 

 

「ん~、何か頻繁にあの顔を見たような気が...何処で会ったんだっけな?」

 

 

考える誠司だったが、いくら考えても答えは出て来なかった。

 

 

誠司達が尾行している等、露にも思っていなかったケンは美和子との会話を楽しんでいた。

 

 

「ケンさん、今日はありがとうございます」

 

 

「それはこっちの台詞だって美和子さん!今日は荷物持ちでも何でもしちゃいますよ!!」

 

 

ケンがテンションを上げて張り切る様子を見て、美和子はクスクスと笑う。

 

 

「張り切るのは嬉しいですが、今からその調子じゃ直ぐに疲れてしまいますよ」

 

 

「す...すみません」

 

 

美和子に指摘され、ようやくケンは落ち着いた。

 

 

誠司達はその後も、ケン達の尾行を続けた。

 

 

まず最初にケン達が訪れたのは、洋服のブランドショップだった。

 

 

「ねぇ、ケンさん。これ似合うかしら?それともこっち?」

 

 

美和子は洋服を比べ、ケンに尋ねる。

 

 

「どっちも似合ってます!!」

 

 

「そう?じゃあ、両方買おうかしら」

 

 

ケンの返事を聞き、美和子は比べていた洋服を購入する。

 

 

 

 

 

お昼は近くのファミレスに入り、食事をするケンと美和子。

 

 

甘いものが好きなのか、美和子はチョコパフェ美味しそうに食べていた。

 

 

ケンは食べている様子を見て、幸せそうにしていた。

 

 

美和子はチョコパフェを食べ終わり、ナプキンを取ろうと手を伸ばしたその時。

 

 

「あっ!!」

 

 

近くに置いてあったお冷を倒してしまい、バシャッと中身をこぼしてします。

 

 

「ご、ごめんなさい!!」

 

 

「いえ、大丈夫です」

 

 

ケンは何枚かナプキンを手に取り、テーブルに零れた水を拭き取る。

 

 

そんな2人の様子を、離れた席に座る誠司達はメニューで顔を隠しながら見ていた。

 

 

「楽しそうですわね」

 

 

「あぁ、本当にデートしてるみたいだな」

 

 

ひめといおなが顔を隠しているメニューから、同じように顔を出して2人の様子を見るリボンとぐらさん。

 

 

「あいつ、意外と女性の扱いに長けてるな」

 

 

今までのやり取りから、誠司はケンが女性の扱いに慣れている事に疑問に思った。

 

 

「あれだろ?ナンパばかりしてるから慣れてるんだろ?」

 

 

『あぁ...』

 

 

ゴウの一言によって、今回のデートによって少し上がっていた、女性陣のケンに対する好感度が一気に下がった。

 

 

「すみません、一本電話をしてこようと思うのですが、荷物を任せても宜しいですか?」

 

 

美和子は携帯を取り出し、ケンに席を外す了承を得る為に質問する。

 

 

「はい、良いっすよ」

 

 

「ありがとうございます、すぐ戻ってきますので」

 

 

ケンから了承を取った美和子は、荷物をケンに任せ連絡する為にその場から離れた。

 

 

ケンから姿が見えなくなった場所まで来ると、辺りを見渡し誰もいないのを確認すると美和子は近くに声を掛けた。

 

 

「出てきていいわよ」

 

 

それを合図に、美和子に近づく者がいた。

 

 

「そろそろ始めるのか?」

 

 

「ようやくですな」

 

 

美和子に近づいてきたのは、オレスキーとナマケルダの2人だった。

 

 

「えぇ、作戦開始よ」

 

 

先程までのお淑やか喋り方から一転し、急に人が変わった美和子。

 

 

それもそのはず、この美和子という女性...実はホッシーワが変装した姿である。

 

 

「くふふ、案外チョロいわね。これなら上手くいきそうだわ」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

遡る事、数日前。

 

 

「ナマケルダ、オレスキー、貴方達には私の作戦に協力してもらうわよ!」

 

 

ホッシーワがある作戦を行うに当たって、ナマケルダ達の協力を要請する。

 

 

――しかし

 

 

「めんどくさいですぞ」

 

 

ナマケルダはいつものように、めんどくさいと断り。

 

 

「俺は今、己を鍛える為に忙しいんだ。失敗すると分かっている作戦に参加する程、暇ではない」

 

 

オレスキーは自分磨きで忙しいと、スクワットしながら言う。

 

 

「失敗するって何で分かるのよ!!やってみないと分からないじゃない!!」

 

 

オレスキーに決めつけられた事で、ホッシーワは憤慨する。

 

 

「じゃあ、聞きますけど何をするつもりですか?」

 

 

「この私の美貌を使って、ゲキレンジャーの1人を籠絡するのよ!」

 

 

ナマケルダの質問に、ホッシーワは自信満々に答える。

 

 

「ナマケルダ、悪いが背中を押してくれ」

 

 

「しょうがないですね」

 

 

興味がないのか、今度はストレッチを始めるオレスキーの背中を、同じように興味が無くしたナマケルダが押す。

 

 

『いっちに、さんし、にっに、さんし』

 

 

「ちゃんと聞きなさいよ!!」

 

 

既に興味を無くした2人に、ホッシーワは大声を上げて意識を向けさせる。

 

 

はぁ、とため息を吐いた2人はホッシーワに向き直り、質問する。

 

 

「籠絡すると言いますけど、どうやってあのゲキレンジャーを籠絡すると言うんですか?」

 

 

「プリキュアならまだしも、ゲキレンジャーを籠絡するなど無理な話だろ」

 

 

2人の言葉に、ホッシーワはふふんと鼻を鳴らした。

 

 

「ゲキレンジャーの中にも1人いるじゃない、チョロそうな奴が...」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

そして行われたのが、今回のホッシーワによる作戦だった。

 

 

「さて、そろそろあいつとの遊びも終わりにしないとね」

 

 

「その事なんだがな...」

 

 

作戦を実行しようとするホッシーワを、オレスキーが指摘する。

 

 

「お前、本当に作戦の為にあの男とデートしてるんだよな?」

 

 

「はぁ?当たり前でしょ」

 

 

何言ってんのよとホッシーワはオレスキーに顔を向けるが、ナマケルダが代わりに答える。

 

 

「一部始終を見ていましたが、あなた普通にデートを楽しんでいましたよね」

 

 

「なっ!?そんな訳ないでしょ!?」

 

 

思わぬ所を指摘されたホッシーワは、大声を上げる。

 

 

「そんな事より!アンタ達!ちゃんと言われた事やりなさいよ!失敗したら許さないんだから!!」

 

 

ビシッと指を差し2人に指示をすると、ホッシーワはケンの元へと戻った。

 

 

「では、言われた通りに動きますか...」

 

 

「あぁ、失敗でもしたら後がうるさいからな」

 

 

そう言ってナマケルダ達は茂みに隠れ、次の作戦を実行する為にホッシーワの尾行を始めた。

 

 

美和子が元の場所に戻ったが、先程買った荷物はあるがケンの姿は見当たらなかった。

 

 

「あれ?ケンさん?」

 

 

キョロキョロと辺りを見渡すが、何処にもケンの姿は見当たらなかった。

 

 

「(もう!しっかり荷物見てなさいよね!)」

 

 

美和子は胸中で、ケンに対して悪態をつく。

 

 

「あっ!美和子さん!!」

 

 

その時、美和子の後ろからケンの声が聞こえた。

 

 

美和子は、一言文句を言おうと振り返った。

 

 

しかし。

 

 

「美和子さん、良かったら貰ってくれませんか?」

 

 

そう言ってケンが美和子に見せたのは、花をモチーフにした1つのネックレスだった。

 

 

「あ...ありがとう...」

 

 

今までみたいな演技等ではなく、美和子は純粋に驚いてネックレスを受け取った。

 

 

「おっ!サプライズ成功みたいだな」

 

 

「そういう所は本当に気が利くのよね」

 

 

その様子を、近くの茂みの中から見ていた誠司達は少し感心していた。

 

 

「まったく、あんなチャラチャラした男の何処が良いんだか?」

 

 

しかしそこで、ケンの事を悪く言う声が聞こえる。

 

 

「まぁそう言うなって、あれでも結構男気がある奴だからな」

 

 

「女にだらしなさそうだけどな」

 

 

「まぁ、それは否定できないな」

 

 

「お前さっきから誰と話してんだよ、誠司」

 

 

「へ?」

 

 

てっきりゴウと会話してると思っていた誠司は、声が聞こえてきた方とは反対側からゴウに話しかけられポカーンとする。

 

 

え?と思い、声が聞こえた方に視線を向ける。

 

 

「ん?」

 

 

そこで誠司は、同じ茂みに隠れていたオレスキーと目が合った。

 

 

『あ――――――っ!!!』

 

 

お互いを指差し、誠司とオレスキーは驚きの声を上げる。

 

 

「オレスキー!!?」

 

 

「ナマケルダもいるですわ!!!」

 

 

オレスキー達が居る事に、ひめとリボンは驚愕する。

 

 

「ゲキレンジャーにプリキュアだと!!?」

 

 

「なぜこんな所に!!?」

 

 

それはオレスキー達も同様で、2人共驚きを隠せなかった。

 

 

「ハッ!!そう言う事か!!」

 

 

そこでようやく、誠司は今まで感じていた違和感の正体に気付いた。

 

 

「ケン!!!」

 

 

美和子との会話を楽しんでいたケンだったが、誠司に声を掛けられた事でようやく誠司達の存在に気付いた。

 

 

「誠司!!?それに皆も!!?」

 

 

何でこんな所に!!?とか、何だよその格好等、色々と突っ込み処満載な誠司達に何処から突っ込んでいいかケンには分からなかった。

 

 

「気をつけろ!!その女はホッシーワだ!!!」

 

 

そんなケンを無視し、誠司は気づいた事をケンに伝える。

 

 

「ホッシーワだと!?」

 

 

「あの女の人が!!?嘘でしょ!!?」

 

 

誠司が告げた言葉に、ゴウやめぐみ達が驚きの声を上げる。

 

 

「本...当に...ホッシーワ...なのか...?」

 

 

その中でも、ケンが一番驚いていた。

 

 

「チッ!バレちゃあしょうがないわね」

 

 

美和子はそう言うと、着ていた服に手を掛ける。

 

 

そしてそのまま服を脱ぎ捨てると、ストレートだった髪がいつもの縦ロールに、服がいつもの黒とピンクを基調した服に変わっていた。

 

 

「美和子さんがホッシーワだったなんて...」

 

 

実際に目の前で姿が変わったにも関わらず、ケンはまだ信じられ無かった。

 

 

「ふふふ、それなりに楽しかったわよ。あなたとの付き合いわ」

 

 

その一言を聞いて、ホッシーワは高笑いをする。

 

 

「ねぇ!パパ!ママ!あれ!」

 

 

「幻影帝国!?」

 

 

そこに、子供連れの親子が居合わせる。

 

 

「調度いいわ、あなた達やるわよ!」

 

 

ホッシーワの言葉を合図に、3人は親子に視線を向ける。

 

 

『鏡に映る未来を』

 

 

「最悪にしろぉ!!」

 

 

「最悪に変えろ!!」

 

 

「最悪に変えちゃって!!」

 

 

ナマケルダが父親を、オレスキーが母親を、ホッシーワが子供を1つの鏡ではなくそれぞれ別の鏡へと閉じ込める。

 

 

「来い来い!!サイアーク!!」

 

 

「カモン!!サイアーク!!」

 

 

「いらっしゃ~い!!サイアーク!!」

 

 

『サイアーク!!』

 

 

親子を鏡に閉じ込めた事で、3体のサイアークが現れる。

 

 

ナマケルダが父親から作ったサイアークは、スーツに営業用のカバンを持ったサラリーマンのサイアーク。

 

 

オレスキーが母親から作ったサイアークは、エプロンにフライパンを手に持った主婦のサイアーク。

 

 

ホッシーワが子供から作ったサイアークは、黒いランドセルにリコーダーを手に持った小学生のサイアーク。

 

 

「あいつら、何の関係もない家族を!!」

 

 

「早く助けないと」

 

 

ケン以外の全員が変身アイテムを構えようとした、その時だった。

 

 

「...許さねぇ」

 

 

ぼそっとケンが呟いたのをホッシーワが気づき、耳に手を当て馬鹿にする様に聞き返す。

 

 

「何て言ったの?全然聞こえないわよ~」

 

 

「お前らだけは、絶対に許さねぇ!!!」

 

 

ケンが声を張り上げたのと同時に、ケンから激気が溢れる。

 

 

「これは!?」

 

 

「何よ!?」

 

 

ケンから激気が溢れている事に、誠司とホッシーワは驚愕の声を上げる。

 

 

「サイブレード!!!」

 

 

ケンがサイブレードを召喚すると、ケンの放つ激気に共鳴したのかサイブレードの刀身が少し伸びる。

 

 

「研ぎ澄ませ!!新たなケモノの刃!!ビースト・オン!!」

 

 

サイブレードのスイッチを押すことによって、ケンにゲキスーツが装着される。

 

 

しかし、そのゲキスーツはいつものとは異なる物だった。

 

 

チョッパーの角部分が少し伸び、両腕の白い部分が黒色に変わっている。

 

 

そして、腰の帯のオレンジ色が無くなり黒一式になる。

 

 

「己を磨き、人々の明日(あす)を切り開く!シンアメイジング・アビリティ!ゲキライノゥチョッパー!!」

 

 

ゲキライノゥチョッパーへとパワーアップを果たしたケンは、新たな名乗りを上げる。

 

 

「嘘でしょ!!?このタイミングでパワーアップなんて!!?」

 

 

チョッパーがパワーアップした事に、ホッシーワは驚愕する。

 

 

「お前だけは許さねぇからな!!!ホッシーワ!!!」

 

 

チョッパーはそう叫ぶと、ホッシーワが呼びだしたサイアークへと駆け出して行った。

 

 

ケンがパワーアップした事に驚いていた誠司達だったが、いち早く誠司が復活し他のメンバーに指示を出す。

 

 

「ケンがあいつらの相手をしてる間に、俺達はサイアークの相手をするぞ!!」

 

 

『応!!』

 

 

 

 

 

『かわルンルン!!』

 

 

『プリキュア!!くるりん・ミラーチェンジ!!』

 

 

「プリキュア!!きらりん・スターシンフォニー!!」

 

 

めぐみ、ひめ、ゆうこがプリチュンミラーで、いおながフォーチュンピアノでプリキュアに変身する。

 

 

『たぎれ!!ケモノの力』

 

 

「響け!!ケモノの叫び!!」

 

 

『ビースト・オン!!』

 

 

誠司、ラン、リンがゲキチェンジャーで、ゴウがゴングチェンジャーでゲキレンジャーへと変身する。

 

 

「ゴウはケンのサポートを頼む、俺達はそれぞれ別のサイアークを相手する」

 

 

「ああ、任せろ」

 

 

誠司の指示の元、バイオレットはケンのサポートを、トライアングルはオレスキーが召喚したサイアークを、プリキュア達はナマケルダが召喚したサイアークを相手する。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「人間とは良く分からないですね、恋なんてしても良い事なんてないですぞ」

 

 

「そんなことない!!恋する事は素敵な事なんだよ」

 

 

否定するラブリーに、ほぅとナマケルダが口角を上げニヤリと笑う。

 

 

「恋に振り回されているあなたが、そう言いますか」

 

 

ナマケルダに指摘された事で、ラブリーは驚き言葉を失う。

 

 

「匂いで分かりますぞ。貴方だけでなく、他の3人も恋に振り回されている事に」

 

 

「えぇ!!?」

 

 

「嘘でしょ!!?」

 

 

ラブリーだけでなく、自分達もバレてしまった事にプリンセスとフォーチュンは驚きの声を上げる。

 

 

「まぁ、誰に恋をしてるのかは見れば分かりますけどね」

 

 

そう言ったナマケルダは、オレスキーのサイアークと戦っているゲキレッドに視線を向ける。

 

 

「恋などしない方が身のためですぞ、悩む事自体無駄で面倒なのですから」

 

 

視線をゲキレッドに固定しながら、そうラブリー達に参考にもならないアドバイスを送った。

 

 

「余計なお世話よ!!」

 

 

「えぇ、無駄かどうかは自分達で決めるわ」

 

 

しかし、ナマケルダの言葉にもめげる事なくラブリー達は力強く宣言する。

 

 

「ふん、後で後悔する事になりますぞ」

 

 

ナマケルダはそう言うと、右手を上に掲げる。

 

 

それを合図に、ナマケルダとサイアークの周りに大勢のチョイアークが現れる。

 

 

「やっちゃいなさい!チョイアーク!」

 

 

ナマケルダの命令で、ラブリー達にかかっていくチョイアーク達。

 

 

「私に任せて!!」

 

 

ハニーがそう叫ぶと、プリチュンミラーと3枚のカードを構える。

 

 

『かわルンルン!!』

 

 

「プリキュア!!くるりんミラーチェンジ!!ポップコーンチア!!」

 

 

プリチュンミラーにポップコーンチアのカードをセットし、コスチュームチェンジする。

 

 

「プリキュア!!リボンハートエクスプロージョン!!」

 

 

ハニーは新体操のリボンをくるくる回し、ポーズを決める。

 

 

「ビクトリー!!」

 

 

ハニーを中心に発生した大爆発が、チョイアーク達を包む。

 

 

『ちょいー!!』

 

 

チョイアーク達を一掃したハニーは、ラブリー達の近くに着地する。

 

 

「あとはサイアークだけよ!」

 

 

「流石ハニー!」

 

 

チョイアーク達をすべて倒したハニーに、ラブリーは称賛の声を掛ける。

 

 

「おのれ~!!」

 

 

チョイアーク達が倒された事に、ナマケルダは頭に血が上り蟀谷に皺を寄せる。

 

 

「サイアーク!!今日こそプリキュア達を倒すのですぞ!!」

 

 

ナマケルダの命令を受けたサラリーマンサイアークは、一気にプリキュア達との距離を詰め営業カバンを上から振り下ろす。

 

 

「サイアーク!!」

 

 

ドッガァァァァァン!!!

 

 

叩きつけられた営業バッグを、ラブリー達は後ろに跳ぶことによって回避する。

 

 

「サイアーク!!!」

 

 

サラリーマンサイアークは、懐から皮状の名刺入れを取り出した。

 

 

「何あれ?名刺入れ?」

 

 

「何でこんな時に?」

 

 

疑問に思うラブリー達だったが、この後にその意図を知る事になる。

 

 

サラリーマンサイアークは名刺入れの蓋を開け、バサッと頭上に名刺をばら撒いた。

 

 

10枚以上の名刺がばら撒かれ、1枚1枚がその場で電動ノコギリの様にギュイィィィィンと高速回転を始める。

 

 

ヒュン!!と風を切る音と共に、高速回転した名刺がラブリー達を襲う。

 

 

 

向かってくる名刺を、ラブリー達は跳躍する事で回避する。

 

 

ズバンッ!!!

 

 

後ろに飛んでいった名刺の1枚が、1本の木を切断しなぎ倒す。

 

 

「ちょっと!!あの名刺威力高すぎるんですけど!!」

 

 

「当たったら怪我程度じゃ済まないわね」

 

 

名刺の威力を見たプリンセスは驚愕の声を上げ、当たっていたらと想像してフォーチュンは戦慄する。

 

 

「大丈夫!!ここは私に任せて!!」

 

 

そう言ってラブリーは、3枚のプリカードを取り出した。

 

 

『かわルンルン!!』

 

 

「プリキュア!!くるりんミラーチェンジ!!チェリーフラメンコ!!」

 

 

ラブリーは炎技を得意とする、チェリーフラメンコへとフォームチェンジする。

 

 

ギュィィィィン!!!

 

 

フォームチェンジしたラブリーに向かって、高速回転した名刺が襲う。

 

 

しかし、ラブリーは慌てる事なく、技を発動する。

 

 

「プリキュア!!パッションダイナマイト!!オレ!!」

 

 

ラブリーを中心に爆炎が発生し、全ての名刺を炎が包み灰に変える。

 

 

「何!?」

 

 

サラリーマンサイアークの攻撃を簡単にいなされ、ナマケルダは驚愕する。

 

 

「良し!ここはアレで止めだよ!」

 

 

「アレね」

 

 

『了解!』

 

 

ラブリーの言っている『アレ』が何なのかをプリンセス達は直ぐに理解し、ハニーはラブリーの前に、フォーチュンはプリンセスの前に立つ。

 

 

『ハピネスバズーカ!!』

 

 

スクラッチ社が開発したプリキュア専用武器、『ハピネスバズーカ』。

 

 

ゲキバズーカが赤、青、黄色の3色で彩られているのに対し、ハピネスバズーカはピンク、水色、黄色、紫の4色で彩られていた。

 

 

召喚したハピネスバズーカをハニーとフォーチュンが左右から抑え、ラブリーとプリンセスがレバーに手を掛ける。

 

 

『激気注入!!』

 

 

ハピネスバズーカに、4人の激気が吸収される。

 

 

「この技はゲキレンジャーと同じ技!?」

 

 

プリキュア達がゲキレッド達と同じ技を使用した事に、ナマケルダは驚愕する。

 

 

『プリキュア!!!ハピネス砲!!!』

 

 

4色の入り混じったエネルギー弾が、サラリーマンサイアークに向かって放たれる。

 

 

「サ、サイア―...ク...」

 

 

エネルギー弾がサラリーマンサイアークに着弾し、爆発に包まれた。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

ゲキレッドは主婦サイアークと戦いながら、ラブリー達の戦いを見ていた。

 

 

その戦いぶりでラブリー達の成長を改めて見たゲキレッドは、笑みを浮かべた。

 

 

「俺達も負けてられないな」

 

 

「えぇ!!」

 

 

「そうね!」

 

 

ゲキレッドの言葉でゲキブルーとゲキイエローは気合を入れ直し、3人はスーパーゲキクローを召喚する。

 

 

『スーパービースト・オン!!!』

 

 

過激気を纏い、スーパーゲキレンジャーへと変身する。

 

 

「それにしても、恋なんかして何が面白いんだ?そんなもの何の意味もない!!」

 

 

オレスキーの言葉に、ゲキレッドが反応する。

 

 

「俺は恋とか愛とかまだ分からない...。それでも!恋をする事に意味が無いとは思わない!」

 

 

「減らず口を...やれ!サイアーク!」

 

 

「サイアーク!」

 

 

オレスキーの命令を受け、ゲキレッドに向け主婦サイアークはフライパンを振り下ろす。

 

 

そのフライパンを、ゲキセイバーを手に持ったゲキレッドが迎え撃つ。

 

 

「ゲキワザ!スーパー波波斬!!!」

 

 

サイアークのフライパンと、ゲキレッドの剣が交差した次の瞬間には...もう両者はお互いに振り切った状態だった。

 

 

一瞬の静寂の中、主婦サイアークが持っていたフライパンからピシッと音が鳴った。

 

 

ピシピシと音を立てながら亀裂はみるみる内に広がっていき、最後には粉々に砕け散った。

 

 

「なっ!!?」

 

 

「サイアッ!!?」

 

 

自分の武器が無くなった事に、主婦サイアークは勿論、オレスキーも驚愕の声を上げる。

 

 

ゲキレッドは、もう一度ゲキセイバーに過激気を纏わせる。

 

 

「ゲキワザ!!スーパー水流破!!!」

 

 

過激気で赤い水流を生み出し、高速で振り回しサイアークを切り付ける。

 

 

「サ...サイア―...ク...」

 

 

切り伏せられたサイアークは、そのまま地面に倒れ動かなくなった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「この土壇場でパワーアップって、意味わかんないんですけど!!?」

 

 

ライノゥチョッパーが新たな力に目覚めた事に、ホッシーワは動揺を隠せなかった。

 

 

「そんな事はどうだっていい!!!よくも俺を騙してくれたな!!!」

 

 

騙されていた事にライノゥチョッパーが怒り、怒声を上げる。

 

 

それによって、ようやくホッシーワも我に返る。

 

 

「ふん!騙される方が悪いのよ!サイアーク!!さっさとそいつら片付けちゃいなさい!!」

 

 

「サイアーク!!」

 

 

小学生サイアークは、ランドセルを開けると中から何かがが飛び出してきた。

 

 

「何だあれ、筆箱か?」

 

 

飛び出してきたのは、両面開きになっている筆箱だった。

 

 

筆箱には、サイアークとチョイアークが描かれていた。

 

 

筆箱が空中に浮遊し、一人でに筆箱が開いて中から、鉛筆がいくつも出てきた。。

 

 

「サイアーク!!」

 

 

小学生サイアークの掛け声を合図に、全ての鉛筆達がライノゥチョッパー達に向かって発射される。

 

 

「うおっ!!?」

 

 

バイオレットは後ろにバックステップで回避するが、筆箱からさらに鉛筆が飛び出してきた。

 

 

「あの鉛筆は幾らでも出てくるのか!!!」

 

 

「上等だ!!俺が相手してやるぜ!!!」

 

 

そう宣言すると、ライノゥチョッパーはサイブレードを構える。

 

 

「サイブレードフィンガー!!捻裂弾!!」

 

 

サイブレードに1つの捻捻弾が激気研鑽され、向かってくる鉛筆達に放たれた。

 

 

「ふん!そんな一発の銃弾で...」

 

 

何が出来ると言いかけたホッシーワだったが、その一発の捻捻弾が炸裂弾のように弾け全ての鉛筆を撃ち落とした。

 

 

「なっ!!?」

 

 

10本以上あった鉛筆が全て撃ち落とされた事に、ホッシーワは驚きで言葉を失った。

 

 

「まだこれで終わりじゃないぞ!!」

 

 

ライノゥチョッパーはもう一度、サイブレードに超捻捻弾を激気研鑽する。

 

 

しかし、その超捻捻弾は今まで研鑽してきた超捻捻弾の中でも一際大きかった。

 

 

「超捻捻弾・凱!!!」

 

 

筆箱に向かって放たれた超捻捻弾・凱は、大きさだけでなくスピードも上がっていた。

 

 

超捻捻弾・凱は、筆箱をズガンッと音を立て貫通した。

 

 

大きな風穴が空いた筆箱は、ドガァンッと爆発を起こし木っ端微塵となった。

 

 

「サイアーク!!?」

 

 

「嘘でしょ!!?」

 

 

立て続けに技が攻略された事に、小学生サイアークとホッシーワは驚きの声を上げる。

 

 

「凄ぇな」

 

 

ライノゥチョッパーの活躍に、バイオレットも驚いた。

 

 

「サイアーク!!あんたの力はその程度じゃないでしょ!!さっさとそいつらを片付けちゃいなさい!!」

 

 

「サイアーク!!」

 

 

ホッシーワの命令を受け、小学生サイアークはランドセルから飛び出したリコーダーを武器として手に持った。

 

 

「上等だ!!俺もこっちで相手してやるぜ!!サイブレードカッター!!」

 

 

小学生サイアークがリコーダーを持ったことに対抗して、ライノゥチョッパーはサイブレードの刃を返しサイブレードカッターに変化させた。

 

 

「サイアーク!!」

 

 

「ゲキワザ!!鋭鋭刀!!」

 

 

リコーダーを振り下ろしてくるのに対して、ライノゥチョッパーは鋭鋭刀で迎え撃つ。

 

 

「チェスト――!!!」

 

 

リコーダーとサイブレードカッターが交差するが、激気研鑽されたサイブレードカッターにリコーダーが勝てる筈もなく、スパンッと縦に一刀両断する。

 

 

「サイアーク!!?」

 

 

ライノゥチョッパーはリコーダーを真っ二つにしただけでなく、サイアークにまでダメージを与えた。

 

 

怯んだサイアークの隙を見逃さなかったライノゥチョッパーは、新たなゲキワザを繰り出した。

 

 

その場で駒の様に回転を始めたライノゥチョッパーは、サイアークにそのまま近づき回転斬りを放った。

 

 

「ゲキワザ!!千千弾・断!!」

 

 

サイブレードカッターを構え、猛スピードで高速回転しながら、間合いを一気に詰めてすれ違い様に小学生サイアークを切り裂く。

 

 

「せいやぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

ズバァァァンッと、下から振り上げられた止めの一撃が決まった。

 

 

「サ...サイアーク...」

 

 

一撃必殺の攻撃を受けた小学生サイアークは、そのまま動かなくなった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「くぅ!!またしても敗れるとは!!」

 

 

「おのれ!!ゲキレンジャーにプリキュア共め!!」

 

 

サイアークが負けた事に、ナマケルダとオレスキーは悔しそうに唸る。

 

 

「サイアーク!!あんた達の力はこの程度では無いでしょ!!立ちなさい!!」

 

 

ホッシーワの言葉で、サイアーク達の目に光が戻る。

 

 

『サイアーク!!』

 

 

立ち上がったサイアーク達は、そのまま巨大化を果たした。

 

 

「巨大化しようが関係ねぇ!!俺が倒してやるぜ!!」

 

 

ライノゥチョッパー操縦刀を手に取り、頭上に掲げる。

 

 

「いでよ!サイダイン!!」

 

 

ライノゥチョッパーによって、サイダインが呼びだされた。

 

 

「獣拳変形!!サイダイオー!!」

 

 

サイダインが変形し、サイダイオーへと変わる。

 

 

「俺達も行くぞ!!」

 

 

『応!!』

 

 

ゲキレッドの言葉を合図に、全員が激気と紫激気を練る。

 

 

『ゲキワザ!!来来獣!!』

 

 

「ゲキゴリラ!!」

 

 

「ゲキペンギン!!」

 

 

「ゲキガゼル!!」

 

 

「ゲキウルフ!!ゲキタイガー!!ゲキジャガー!!」

 

 

各々が、ゲキビーストを召喚する。

 

 

『獣拳合体!!』

 

 

ゲキゴリラ、ゲキペンギン、ゲキガゼルが合体しゲキファイヤーに、ゲキウルフ、ゲキタイガー、ゲキジャガーが合体しゲキトージャウルフへとなる。

 

 

『ゲキファイヤー!!バーニングアップ!!』

 

 

「ゲキトージャウルフ!!バーニングアップ!!」

 

 

「鏡に捕らわれた者達を救う為、激獣拳の拳士達がゲキファイヤー!!ゲキトージャウルフ!!サイダイオーとなって戦いを始めました!!」

 

 

「ゲキレンジャーの前には、3体のサイアークが立っています!!」

 

 

小学生サイアークが筆箱を、サラリーマンサイアークが名刺を取り出す。

 

 

『サイアーク!!』

 

 

筆箱から出たきた鉛筆が発射され、名刺が回転を始めゲキファイア達を襲う。

 

 

「おおっと!!最初に動いたのはサイアークの方だ!!大量の鉛筆と名刺がゲキレンジャー達を襲った!!」

 

 

サイアークの先制攻撃を受け、ゲキファイヤー達は砂塵に包まれる。

 

 

「いきなりの攻撃に、ゲキレンジャー達は手も足も出ないなんて!!?これではもう...」

 

 

最悪の展開を予想したバエだったが、それは良い意味で裏切られた。

 

 

砂塵が晴れ、その中から見えた光景に美代が声を荒げる。

 

 

「あっ!あれは!!」

 

 

砂塵の中から現れたのは、激気によってさらに大きくなった盾でゲキファイヤーとゲキトージャウルフを守る様に前に立つサイダイオーの姿だった。

 

 

「な、なんと!!今の攻撃を全てサイダイオーが護り切りました!!」

 

 

「チョッパーが強化された事で、サイダイオーも強化されたようですね!!あの攻撃を全て防ぎきるとは」

 

 

サイダイオーの活躍に、バエも美代も興奮し実況する。

 

 

「今度はこっちから行くぜ!!」

 

 

そう言って、ゲキトージャウルフが飛び出した。

 

 

「はぁっ!!」

 

 

ゲキトージャウルフは飛び上がったと同時に、主婦サイアークに膝蹴りを放つ。

 

 

「おおっと!!ゲキトージャウルフの膝蹴りが、主婦サイアークに炸裂だ!!」

 

 

「しっ!!」

 

 

続けて肘打ちを放ち、主婦サイアークが持つフライパンをへし折る。

 

 

「ふっ!!!」

 

 

肘打ちから流れる様に、後ろ回し蹴りを繰り出した。

 

 

「俺達も行くぞ!!」

 

 

負けてられないと、ゲキファイヤーもサイダイオーの後ろから飛び出した。

 

 

『はぁ!!』

 

 

過激気によって強化された拳で、小学生サイアークをぶん殴る。

 

 

『はぁ!!はぁ!!はぁ!!』

 

 

ゲキファイヤーのラッシュ攻撃が、小学生サイアークを襲う。

 

 

「ゲキファイヤーの連続パンチが放たれた!!ラッシュ!!ラッシュ!!」

 

 

ゲキファイヤーの戦いぶりを、バエが実況する。

 

 

『はぁ!!』

 

 

「ふっ!!」

 

 

ゲキファイヤーの右パンチと、ゲキトージャウルフの膝蹴りが炸裂して巨大化したサイアーク達を一か所に留める。

 

 

『ケン!!』

 

 

「今だ!!」

 

 

「おう!!」

 

 

ゲキレッド達が、ライノゥチョッパーに止めを刺すように促す。

 

 

「サイダイオー!!ゲキワザ!!」

 

 

砕大剣を回して円を描いて激気の塊を作り、サイアークに向かって飛ばす。

 

 

『サイアッ!!?』

 

 

3体のサイアーク達は、激気で出来た球体の中に閉じ込められる。

 

 

「大月切り!!」

 

 

満月を模した球体に閉じ込めたサイアークを、砕大剣を振り下ろすことによって真っ二つにする。

 

 

『ごくら~く』

 

 

サイダイオーの一撃を受け、サイアーク達は浄化される。

 

 

『獣拳は正義の拳!正しき者が必ず勝つ!!!』

 

 

『ゲキファイアー!!』

 

 

「ゲキトージャウルフ!!」

 

 

「サイダイオー!!」

 

 

『WIN!!!』

 

 

「やったー!!やりました!!」

 

 

「本日も獣拳巨人の勝利です!!」

 

 

ゲキレンジャー達が勝利した事に、美代とバエが大手を上げて喜ぶ。

 

 

「くっ!恋をしたって今回みたいに後悔するだけよ!精々痛い目にあうことね!」

 

 

そう言い残し、ホッシーワ達は姿を消した。

 

 

「はっ!!これは自然の木のパワーを感じるですわ!!こちょこちょしてくださいな!!」

 

 

「こちょこちょ」

 

 

リボンにいつもの奴が起こり、ゆうこが鼻をこちょこちょする。

 

 

「は、は、はっぴしょん!!」

 

 

くしゃみと同時に、2枚のプリカードがリボンから生まれる。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

誠司達は家に帰る為に、夕暮れの橋の上を歩いていた。

 

 

しかし、その足取りは重く、誰も会話する事が出来ない程だった。

 

 

先頭をケンがとぼとぼと歩き、その後ろを誠司達が歩く。

 

 

ホッシーワの事があり、誰もケンに話しかける事が出来なかった。

 

 

全員を代表して、誠司が話しかけようとした時。

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 

急にケンが立ち止まり、雄叫びを上げた。

 

 

突然の出来事で、驚く誠司達を他所にケンは名一杯叫んだ後、息を切らしながら誠司達に振り向いた。

 

 

「はぁ...はぁ...誠司!!ゴウ!!ラーメン食いに行くぞ!!」

 

 

『はぁ!?』

 

 

いきなりの事で、思わず声を揃える誠司とゴウ。

 

 

「こうなったらやけ食いだ!!食べれるだけ食べてやる!!」

 

 

意図を察した誠司達は、笑顔でケンに近づく。

 

 

「まったく...心配した俺達が馬鹿だったな」

 

 

「あぁ、この程度でへこたれるケンじゃないしな」

 

 

誠司達が横並びで歩き始めると、ガシッと誠司達の首に腕を回すケン。

 

 

「よっしゃー!!行くぞ!!」

 

 

もう既に自棄になってるケンと共に、誠司達はぴかり商店街にあるラーメン屋を目指す。

 

 

「あれだけ元気なら大丈夫そうね」

 

 

「そうね」

 

 

心配していたラン達だったが、自棄になってるとは言え元気になったケンを見て安堵する。

 

 

「それじゃあ、私達は先に帰ってよっか」

 

 

「そうね、どうせ食べ過ぎて帰って来るだろうし、胃薬でも買って待ってましょ」

 

 

この後、お腹を抱えて帰って来るであろうケンの為に、めぐみ達は薬局へと向かうのであった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

場所は変わり、幻影帝国のアジトであるブルースカイ王国。

 

 

自室代わりにしている部屋で、ホッシーワはお気に入りのアクセサリーを眺めていた。

 

 

「あんな失敗で私達を振り回しておきながら、よく呑気に宝石何て眺めていられますね」

 

 

部屋の入り口に立ち、ホッシーワに向けナマケルダが嫌味を言う。

 

 

「何よ、失敗したのはあんた達のせいでしょ」

 

 

ホッシーワの返答に答えたのは、ナマケルダではなくその後ろから現れたオレスキーだった。

 

 

「確かにゲキレンジャー達にバレたのは俺達のせいだが、ゲキレッドの言う通り最初からお前の作戦には無理があっただろ」

 

 

「うぐっ...」

 

 

オレスキーの正論に、ホッシーワは口を紡いだ。

 

 

「ふ、ふん!!今に見てなさいよ!!私があんた達をあっと驚かせてやるんだから!!」

 

 

「だといいですけどね」

 

 

ホッシーワの宣言に、ナマケルダは興味なさげに呟きオレスキーを連れ部屋を出ていった。

 

 

ホッシーワはもう一度机に向き直り、アクセサリーを眺める。

 

 

ナマケルダ達は、部屋に入った時に気づかなかった。

 

 

お気に入りのアクセサリーの中に、ケンがプレゼントしたネックレスが混ざっている事に。

 

 

ホッシーワはネックレスを両手で持ち、眺める。

 

 

「ふふっ♪」




はい!如何だったでしょうか?


今回、ケン×ホッシーワという新しいカップリングを作ってみました。


私的には良い出来になったんじゃないかと思います。


ゲームで遊んでいたのもそうですが、思いの外アイデアが出てきて纏めるのにも時間がかかりました。


赤穂浪士、ケンのデート、チョッパーの強化、巨大戦。


最初は前回同様2話に分けようかと迷いましたが、ケンの強化回ということもあってやめました。


そして、活動報告でも書きましたが、ようやくフェアリーテイルのコラボ小説が2話書き上がりました。


小説を書く合間に息抜き程度で書いていましたが、思いの外早く書き上がったので場合によっては3作目として投稿を考えております。


最近は更に熱くなってきましたが、皆様も熱中症等にはお気をつけてください。


私は先々週、暑さのせいで倒れ1週間は寝込みました。


皆様も倒れないように、水分補給を怠らないよう気を付けてください。


これからも頑張っていきますので、応援の程宜しくお願いいたします。


それでは次回、第33話もしくはアクセル・ビルド第7話でお会いしましょう!!


それじゃあ、またな!!!

ゲキレンジャーの原作の話をハピネスチャージの1話より前に、加えようと思っています

  • ゲキレンジャー側での誠司の活躍が見たい!
  • 今のままで、充分
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