ハピネスチャージプリキュア 激獣拳使いの幼馴染み   作:ナツ・ドラグニル

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どうも!ナツ・ドラグニルです!!


大変お待たせしてしまって、申し訳ございません!!


まぁ、しばらく休むって言ってたんですけどね...


私のわがままでアクセル・ビルドをリメイクしているのですが、そのお陰でハピネスチャージが投稿が遅くなっていしまいました。


それでは!!作品をどうぞ!!


第37話 ファントムの秘策!!もうひとりのキュアラブリー!!

「倒しなさい!!私の為に」

 

「必ず、ミラージュ様のために」

 

 

そう答えるファントムだったが、口元は嬉しそうに笑みを浮かべていた。

 

 

パチパチパチパチ。

 

 

「流石ですね、ミスミラージュ様」

 

 

拍手をしながら、ドンとゼカが現れる。

 

 

「一体何しに来たの?ドン」

 

「えぇ...ファントムさんに助っ人を用意しました」

 

 

ドンのその言葉に、ファントムは顔をしかめる。

 

 

「助っ人だと?フンっ...断る」

 

 

鼻で笑ったファントムは、ドンの誘いを断った。

 

 

「その精神は素晴らしいですね...。ですが、ファントムさん貴方一人でゲキレンジャー達とプリキュアを相手にしてブルーを消すのは些か無茶ではありませんか?」

 

 

図星を突かれ、ファントムは言い淀む。

 

 

「安心してください、ファントムさんの邪魔はしません。彼がお膳立てしますので」

 

 

そう言うと、ドンはゼカに目で合図を送る。

 

 

「来い」

 

 

ゼカの言葉を合図に、上からフードを被った何者かが現れ、ゼカの前で膝まつく。

 

 

「こいつは俺の臣下だ、良い働きをするぞ」

 

「ふ~ん...」

 

 

ミラージュはゼカの説明を聞いて、少し考える素振りを見せる。

 

 

「良いわ、彼との同行を許可するわ」

 

「なっ!!?」

 

 

ミラージュの思わぬ言葉に、ファントムは驚く。

 

 

「いいわね?ファントム」

 

「くっ......畏まりました...」

 

 

素性もよくわからない奴を同行させるなんて、とファントムは不満に感じていた。

 

 

しかし、ミラージュの命令という事なので渋々承諾した。

 

 

「ミスミラージュ様の心広い寛大さに、感服いたします」

 

 

ドンはそう告げると、ミラージュに向けて頭を下げる。

 

 

「ちっ」

 

 

気に食わないファントムは、その場を後にしようと歩き出す。

 

 

それに続いて、ゼカの臣下も後を追いかける。

 

 

臣下がドンの隣を通り過ぎようとしたその時。

 

 

「作戦通りに...」

 

「...了解」

 

 

と、小さな声でそんなやり取りをするドンと臣下。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「うーん、綺麗だねーシャイニングメイクドレッサー」

 

 

目を輝かせながら、シャイニングメイクドレッサーを見つめるひめ。

 

 

めぐみも、目がキラキラさせる。

 

 

「見た目だけではありませんわ、ドレッサーの加護を受けたプリキュアはとっても強くなれるのです」

 

「おー!」

 

 

リボンの説明に、めぐみはテンションを上げる。

 

 

「強くって、誠司達よりも超強くなれる?」

 

「それは、ひめ達の技量次第ですわ」

 

『おおおおおおっ!!!』

 

 

誠司達よりも強くなれると聞いて、テンションが上がるめぐみとひめ。

 

 

「このアイテム1つで俺達よりも強くなれるなんて......まいったぜ...」

 

「確かにな」

 

 

ゴウの言葉に、ケンも同意しハハッと笑う。

 

 

「それに、ドレッサーには秘密のパワーが隠されていて、すげー奇跡を起こせるって言われてるんだぜ」

 

「奇跡...」

 

 

ぐらさんの説明に、誠司は奇跡という言葉を繰り替えす。

 

 

「(どんな奇跡も起こせるなら...死んだ父さんも...)」

 

 

そこまで考えた誠司だったが、左右に振るって考えを打ち消す。

 

 

「(いや...何を考えてるんだ俺は...死んだ人間はもう帰ってはこないんだ...)」

 

 

思い留まった誠司だったが、次のめぐみの言葉で考えが打ち消された。

 

 

「奇跡、それって...テストで満点とれるとかー?」

 

 

めぐみは、全てのテストで満点を取る想像をする。

 

 

ひめも隣で拍手を送る。

 

 

「そういう事は、奇跡に頼るんじゃなくて自分で努力して取るもんだろ」

 

『うっ...』

 

 

笑顔になってるめぐみとひめに向かって、突っ込みを入れる誠司。

 

 

「じゃあ、毎日お米が食べ放題にー?」

 

「おー!」

 

「おコメおコメ」

 

 

ゆうこが想像したのは、大量の俵の山だった。

 

 

「それはまだ夢があるな」

 

「確かに」

 

 

ゆうこの想像に、ゴウとケンはうんうんと頷いて同意する。

 

 

「というわけで」

 

『全部まとめてお願いします』

 

 

声を揃えシャイニングメイクドレッサーに、お願いをするめぐみ達4人。

 

 

だが、シャイニングメイクドレッサーは無反応だった。

 

 

「あれ?」

 

「ドレッサーはそう簡単には応えてくれないよ」

 

 

何も反応がない事に不審がるめぐみだったが、ブルーが説明する。

 

 

「どうすれば応えてくれるの?」

 

「プリキュアの強いイノセントな想いなら」

 

 

ゆうこの質問に、ブルーは説明を続ける。

 

「イノセント?」

 

「イノセントって言うのは、心からの気持ちってことよ」

 

 

めぐみの疑問に、ひめはめぐみの胸に手を当てて教える。

 

 

「心からの...」

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

その頃、ぴかりが丘の一角にある森林地帯。

 

 

強風が吹く風が強い日だったが、その強風の中気の天辺に立つ一人の男の姿があった。

 

 

「ブルー」

 

 

そんなファントムの元に、フードを被ったゼカの家臣が近づく。

 

 

「こんな所にいたのか、ファントム」

 

「何の用だ」

 

 

フードの男の問いに、ファントムは素っ気なく答える。

 

 

「何の用だはねぇだろ、今回の作戦で一緒に戦う仲間だろ?」

 

 

フードの男の言葉に、ファントムはフッと鼻で笑う。

 

 

「仲間だと...笑わせるな。俺は一度もお前達を仲間だと思った事はない」

 

「おいおい、悲しい事言うなよ」

 

「フードで顔を隠して、素性を隠す奴が良く言うな...」

 

 

ファントムのその言葉を聞いたフードの男は、自身が着ているフードに手を掛ける。

 

 

「なら...見せてやるよこの俺の力をな」

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

『かわルンルン!!』

 

 

フォーチュンピアノを使って、ドレスに着替えるいおな。

 

 

「変装完了!」

 

 

ドレスに着替えたいおなの前に、用意される数々の化粧道具。

 

 

「しょうがないなー、しばらくはおしゃれな鏡として使うしかないか」

 

 

そう言って、いおなの化粧を始めるひめ。

 

 

「困りましたわねー。早くクイーンミラージュの居る幻影帝国に乗り込まないといけませんのに」

 

「これも運命か」

 

 

ブルーの呟きを、誠司が拾った。

 

 

「ブルー?どうかしたのか?」

 

「いや、昔の事を思い出してね。300年前、僕とミラージュはドレッサーの力を借りて大きな敵と戦ったんだ」

 

 

そう言って、ブルーはかつてプリキュアだったミラージュ、キュアミラージュと共にドレッサーの力を使って敵と戦った事を語った。

 

 

「キュアミラージュ!!」

 

「プリキュアだったの⁉」

 

 

ミラージュが自分達の先輩だったと知って、めぐみ達は驚く。

 

 

「そんな前から、幻影帝国があったの?」

 

「いや、あの頃は幻影帝国はなかった...」

 

 

ブルーがランの質問に答えると、そのまま立ち上がった。

 

 

「少し風に当たってくるよ」

 

 

そう言って、ブルーはその部屋から出て行った。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

ぴかり神社に鏡が現れ、そこからブルーが現れた。

 

 

ブルーは神社の階段前で、そこから見える町を見下ろしていた。

 

 

かつてミラージュと一緒に見てきた景色を見ながら、ミラージュとの出会った日々を思い出す。

 

 

「ミラージュ...」

 

 

悲しそうにミラージュの名前を呼ぶブルーは、握る手の力が強くなる。

 

 

「何辛気くせぇ顔してんだよ」

 

 

声を掛けられた事に驚いたブルーは、声のした方に振り向いた。

 

 

するとそこには、鏡から出てきたであろう誠司が立っていた。

 

 

「誠司...どうかしたのかい?」

 

「あぁ——...ブルーが心配になってな」

 

 

ブルーの問いに、誠司は何処か言い辛そうに後ろ髪を掻いた。

 

 

「うわぁ...とととと、待って、待って待って~!」

 

 

その時、消えようとする鏡の中からめぐみが現れた。

 

 

「めぐみ?」

 

 

めぐみの声が響いた事に、誠司は驚いて振り向く。

 

 

「おわぁ———!!」

 

 

勢いよく入ったせいか、出てきたのはいいが転びそうになるめぐみ。

 

 

「とーとっとっと!!」

 

 

けんけんしながら、転びそうなのをめぐみは堪える。

 

 

そんなめぐみを、誠司は受け止める。

 

 

誠司に抱きしめられる形で受け止められためぐみは、すぐに状況を理解して顔を赤くする。

 

 

「違うの!じゃなくてゴメンね!あーでもなくてー!」

 

 

手をバタバタと忙しなく動かし、うろたえるめぐみ。

 

 

その様子に、誠司はなぜ慌てているのか分からず、きょとんとする。

 

 

「あーいやー、ブルー大丈夫?」

 

 

誠司だけでなく、めぐみまで心配された事にブルーは驚く。

 

 

しかし、ブルーはめぐみの問いに答えず、ミラージュについて語りだした。

 

 

「あの時、僕とミラージュは確かにパートナーだった。でもそれは遠い過去の話だ。今の彼女はクイーンミラージュ。世界を不幸に撒き散らすほど僕を憎んでいる。もし彼女に会えたとしても、僕の言葉は届くだろうか...」

 

 

ブルーは不安そうに、空を見上げる。

 

 

「きっと届くよ」

 

 

不安そうなブルーに、めぐみが答える。

 

 

「めぐみの言う通りだ。ミラージュに対する気持ちは本物なんだろ...ならその気持ちに嘘をついたら駄目だ」

 

「そうだ!!会いに行こうよ!クイーンミラージュに!」

 

 

そこで、めぐみが何か思いついたのか、ブルーに提案する。

 

 

「あぁ、そうだね。ありがとう、めぐみ、誠司」

 

 

2人にお礼を告げて、笑いあう誠司達。

 

 

「愚かな男だ」

 

 

その声に、誠司とブルーが反応する。

 

 

「ゲキワザ!!砲砲弾!!」

 

 

グルルルル!!ガォォォォォ!!

 

 

誠司達に向けて放たれた光線を、誠司の砲砲弾が打ち消した。

 

 

「ファントム!!」

 

 

誠司達の前に現れたのは、ファントムとフードを被った謎の人物だった。

 

 

「お前はあの方の怒りを分かっていない。ブルー、ミラージュ様の命に従い、お前を倒す」

 

「ミラージュが僕を倒せと言ったのか?」

 

「そんな事をしたら、ミラージュは本当に取り返しの付かない事になっちゃうよ」

 

「それがどうした。ミラージュ様はお前の事など、既に何とも思っていない。この世界から、消えろ!!」

 

 

今にも襲いかかろうとするファントムに、誠司が静かに質問する。

 

 

「何とも思っていないなら、なぜブルーを倒そうとする?」

 

「⁉」

 

 

誠司の言葉に、ファントムは言葉を失う。

 

 

「それはつまり、ミラージュはまだブルーの事を...」

 

 

「黙れっ!!!」

 

 

誠司の言葉を遮るように、ファントムが叫んだ。

 

 

「貴様に!!あの方の何が分かる!!?」

 

 

ファントムの怒号に、またも誠司は静かに答える。

 

 

「確かに俺は、ミラージュを知らない。だが、思いやる事は出来る」

 

 

誠司はそう言うと、右隣にいたブルーに手を差し伸べた。

 

 

意図が分からなかったが、ブルーはその差し出された手を握った。

 

 

そして今度は、左隣にいためぐみにも手を差し伸べる。

 

 

めぐみにも意図が分からなかったが、笑顔でその手を握った。

 

 

「こうやって寄り添うことで、これから相手を知っていけば良いんだ」

 

 

『⁉』

 

 

誠司の言葉に、驚くブルーとファントム。

 

 

その後、2人は真逆の反応を示す。

 

 

ブルーは誠司の優しさに涙を流し、ファントムは何の根拠のない誠司の言葉に怒りを見せる。

 

 

「落ち着け、冷静さを欠ければ例の作戦も上手くいかないぞ」

 

「分かっている」

 

 

フードの男に指摘された事で、ようやくファントムも冷静さを取り戻した。

 

 

「ブルー、下がってろ!!」

 

「分かった」

 

 

これ以上話をしても聞く耳を持たないだろうと判断した誠司は、ブルーを下がらせる。

 

 

「行くぞ!!めぐみ!!」

 

「うん!!」

 

 

誠司はゲキチェンジャーを、めぐみはプリチュンミラーを構える。

 

 

『かわルンルン!!』

 

「プリキュア!!くるりんミラーチェンジ!!」

 

「たぎれ!!ケモノの力!!ビースト・オン!!」

 

 

めぐみはキュアラブリーへと、誠司はゲキレッドへと変身する。

 

 

「ブルーは私達が守る!!」

 

 

ファントムは早速、ブルーに目掛けて光弾を放つ。

 

 

「ラブリーシールド!!」

 

 

ラブリーは目の前に、ハートの形をしたシールドを張って攻撃を防ぐ。

 

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ラブリーは羽を生やして、ファントムへと突撃する。

 

 

「ふっ!!」

 

 

ラブリーの攻撃をファントムは腕の籠手で受け止めようとする。

 

 

しかし

 

 

「⁉」

 

 

籠手で防がれると思ったラブリーの攻撃は、ファントムが瞬間移動をした事で空を切った。

 

 

「なっ⁉」

 

 

咄嗟の出来事で驚くラブリーの横に、ファントムはまたも瞬間移動で現れ、手刀を横薙ぎする。

 

 

虚を突かれたラブリーだったが、体をひねることで攻撃を回避する。

 

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

 

ラブリーは一回転し、ファントムの脳天目掛けてかかと落としを繰り出す。

 

 

しかし、それも瞬間移動によって交わされてしまう。

 

 

一旦距離を取ったラブリーは、ラブリービームの構えを取った。

 

 

「ラブリービーム!!」

 

 

発射されたラブリービームを、今度は瞬間移動で避けるのではなく、弾き飛ばすことによって明後日の方向へと飛ばした。

 

 

「愛の名を持つプリキュア、邪魔をするならお前も倒す」

 

「私を倒すっていうなら相手になるけど、私だけを相手にしていて良いの?」

 

 

ラブリーの質問の意図に気づいたファントムは、鼻で笑った。

 

 

「ふっ、ゲキレッドの事を言っているのか?奴には空を飛べる手段がない」

 

 

ファントムは、空を飛べる事が出来ないを笑う。

 

 

「ゆえにこんな上空で戦う俺達に対して、奴は何もできまい」

 

「それはどうかな」

 

 

驚きで体を強張らせてしまったファントムに、後ろからの攻撃を避けるすべは無かった。

 

 

「ぐぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

凄まじい衝撃に、勢い良く吹っ飛ばされるファントム。

 

 

勢いを殺し、痛む背中を押さえるファントムが見たのは、過激気によって空を飛ぶスーパーゲキレッドの姿だった。

 

 

「飛べないなんて、俺は一言も言ってないぜ」

 

「貴様!!」

 

 

明らかな挑発に、ファントムは怒りを見せる。

 

 

「ラブリー!!一緒に行くぞ!!」

 

「おっけー!!」

 

 

スーパーゲキレッドは拳に過激気を、ラブリーは巨大な光の拳を作り出す。

 

 

「ゲキワザ!!スーパータイガー撃!!」

 

「ラブリー!!パンチングパンチ!!」

 

 

2人の必殺技が、ファントムに迫る。

 

 

「⁉」

 

 

避けようとするファントムだったが、先程のスーパーゲキレッドの一撃が効いていたのか、ファントムの背中に痛みが走る。

 

 

そして、その隙が命取りとなる。

 

 

「ぐぉぉぉぉぉぉっ!!?」

 

 

2人の攻撃が命中し、地上に向かって吹っ飛ばされるファントム。

 

 

地面に激突する寸前、ファントムは攻撃を後ろへと投げ飛ばした。

 

 

地面に着地したファントムの後ろに、パンチングパンチとスーパータイガー撃が着弾し、砂埃を上げる。

 

 

ファントムの前に、ラブリー達が降り立った。

 

 

「ゲキレッドが強いのは知っていたが、キュアラブリーも力をつけたな」

 

「みんなを守る為にね!!」

 

 

ラブリーの言葉に、ファントムはふっと鼻で笑った。

 

 

「強くなったのはお前だけではない」

 

 

ファントムがそう言うと、ヘイトリッドブレイドを取り出した。

 

 

「この剣が教えてくれた、新たな技でキュアラブリー...お前を倒す」

 

 

ブレイドを掲げると、赤黒いエネルギーを纏う。

 

 

「はぁ!!」

 

 

横薙ぎに振るわれた斬撃は、ラブリーを襲う。

 

 

「ふっ!!」

 

 

寸前で後ろに飛び退き避けるラブリーだったが、狙いはラブリーではなかった。

 

 

その斬撃は、ラブリーではなくラブリーの足元の影を切り裂いた。

 

 

「私の影が?」

 

「何だあれは?」

 

 

影が分離された事に、誠司達は警戒する。

 

 

ファントムはラブリーの影の中に、手を突っ込む。

 

 

「捉えたぞ!!」

 

 

見ているラブリー達の前で、影から巨大な赤黒い塊を引きずり出す。

 

 

「俺は幻影を操る戦士。キュアラブリー!!お前はお前の影によって倒される!!」

 

 

ファントムがその塊を前に掲げると、その塊が人の形へと姿を変える。

 

 

すると、闇塊の中から、糸を引くように黒いブーツ、ロング手袋を纏った手が出てきた。

 

 

「あなたは!」

 

「マジかよ...」

 

 

中から出てきたのは、黒いドレスを纏い赤いスカートを履いたキュアラブリーそのものだった。

 

 

もう一人の自分が現れた事に、動揺したラブリーは瞬間移動で目の前に現れた影のラブリー『シャドウラブリー』に反応できなかった。

 

 

シャドウラブリーは足に力を入れると、地面が陥没する。

 

 

そしてシャドウラブリーのパンチが、ラブリーへと炸裂する。

 

 

「きゃあ!!」

 

 

真面に攻撃を食らったラブリーは、後ろへと吹っ飛ばされた。

 

 

「ラブリー!!」

 

 

スーパーゲキレッドはラブリーを追いかけようとするが、その前を謎のフードの男に阻まれた。

 

 

「何だお前は」

 

 

邪魔された事にいらつくスーパーゲキレッドだったが、フードの男はスーパーゲキレッドの質問を無視し、ファントムに告げる。

 

 

「作戦通りに、お前はブルーを片付けろ」

 

「ふん、言われるまでもない」

 

 

ブルーの元に向かったファントムを追い掛けたいスーパーゲキレッドだったが、邪魔されてしまう。

 

 

スーパーゲキレッドは2人の安否を気にして、急いで奴を倒そうとする。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

上空へ飛ばされたラブリーに、追い打ちを掛けるように更に瞬間移動してきたシャドウラブリーがラブリーの腹部に手を当てる。

 

 

その手から放たれた衝撃波によって、ラブリーは更に吹っ飛ばされる。

 

 

「うっ!!」

 

 

勢いよく吹っ飛ばされたラブリーは、建物に激突した事でようやく止まった。

 

 

しかし、シャドウラブリーの攻撃は止まらない。

 

 

建物に突っ込んだラブリーに追い打ちを掛け、建物を貫通して反対側から2人が出てきた。

 

 

シャドウラブリーの攻撃を、ラブリーは腕をクロスさせて受け止めると地面を滑っていく。

 

 

「何者なの⁉」

 

 

ラブリーがもう一人の自分に聞くと、シャドウラブリーはいつものラブリーと同じような笑顔で話す。

 

 

「私は貴方だよ。だから...今からこの街をメチャクチャに壊してあげる」

 

 

彼女が指先にエネルギーを纏い、ある一定の大きさになるとそのエネルギーを空へと放つ。

 

 

「何を...」

 

 

不思議がるラブリーを他所に、空に放たれたエネルギーが解放され、空が薄黒く染まった。

 

 

先程まで青空だったぴかりが丘が、一瞬にして暗くなってしまった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「うわ!真っ暗!」

 

「これは!」

 

 

急に空が真っ暗になった事に、驚くプリンセス達。

 

 

「嫌な予感がする...急ぎましょう!!」

 

 

何かを感じたのか、ハニーが皆を急かす。

 

 

そのハニーの腕の中には、リボンとぐらさんが抱えられていた。

 

 

しかし、急ぐ3人の前を遮るように、一発のエネルギー弾が着弾する。

 

 

「今のは!!?」

 

 

見覚えのあるエネルギー弾に、フォーチュンは飛んできた方向を注目する。

 

 

そこには、先程ブルーを追ったはずのファントムの姿があった。

 

 

「ファントム!⁉」

 

「なぜ貴方がここに⁉」

 

 

ファントムと鉢合わせした事に、驚くプリンセス達。

 

 

「あの神を消す前に、まず邪魔なお前達を排除する」

 

 

こうして、プリキュア達3人とファントムの戦いの火蓋が切られた。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

同時刻。

 

 

プリキュア達とは別方向から、誠司達の元に向かうゲキレンジャー達。

 

 

「辺りが急に暗くなった!!」

 

「これも敵の何らかの技なのか?」

 

 

急に辺りが暗くなった事に、相手の技なのかとバイオレットとチョッパーが警戒する。

 

 

走って向かうゲキイエロー達の前を、何かが凄い勢いで通過した。

 

 

「うおっ!⁉」

 

「何!⁉」

 

 

ドッガァァァァン!!!

 

 

ゲキイエロー達の前を通り過ぎた物は、近くの建物に激突した。

 

 

「一体なにが...」

 

「気をつけろ!!」

 

 

何が出てくるか分からない為、警戒するゲキレンジャー達。

 

 

しかし、中から出てきた人物にゲキイエロー達は驚愕する。

 

 

がらがらとがれきをどかして、建物の中から出てきたのはゲキレッドだった。

 

 

『ゲキレッド!!!』

 

 

ゲキイエロー達は、慌ててゲキレッドに駆け寄った。

 

 

「大丈夫⁉」

 

「あぁ、助かった」

 

 

ゲキブルーがゲキレッドを支え、バイオレットが訳を聞く。

 

 

「何があったんだ?」

 

「それが...」

 

 

ゲキレッドが話そうとする前に、フードの男がゲキレンジャー達の前に現れた。

 

 

「気をつけろ!!あいつ結構強いぞ!!」

 

 

ゲキレッドの言葉を聞いて、全員が警戒する。

 

 

「何もんだお前⁉」

 

「ふふふふっ」

 

 

チョッパーの問いに、フードの男は笑いながらバサッと着ていたフードを外すことで答えた。

 

 

「なっ!⁉」

 

「お前は!⁉」

 

 

フードの下から現れたのは、バッタの装飾が額についた一体のリンリンシーだった。

 

 

「俺はゼカ様の臣下の1人!!臨獣グラスホッパー拳使いのタッバ様だ!!」

 

「ゼカの臣下だと⁉」

 

「あいつも、マク達三拳魔みたいに臣下がいるのか」

 

 

ゲキレッドはフードの男がゼカの臣下だと聞いて驚き、バイオレットはゼカにマク達と同じように臣下が居る事に驚いていた。

 

 

「獣人邪身変!!」

 

 

タッバの顔が体に埋まり、リンリンシーの身体が獣人化する。

 

 

上半身、主に胸部には特徴としてバッタの頭部が浮かび上がる。

 

 

「俺を楽しませてくれよ」

 

 

こうして、獣人化したタッバとゲキレンジャーとの戦いが始まった。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

ゲキレンジャーがタッバと、プリキュア達がファントムと戦っている間、ラブリーはシャドウラブリー相手に苦戦していた。

 

 

「街を壊すって、どうして⁉」

 

 

自分が大好きな街を壊すと言われ、動揺するラブリーは本気を出せないでいた。

 

 

「うふ♡めぐみが皆を守るだなんて言ったからだよ」

 

 

そう言うと、シャドウラブリーは近くにあった電柱を殴ると手がめり込んだ。

 

 

手を突っ込んだまま、電柱を引っ張る事で電線を引きちぎるシャドウラブリー。

 

 

その電柱を、シャドウラブリーはラブリーに叩きつけた。

 

 

砂塵が巻き起こるが、少し離れた所に何とか避けていたラブリーが着地する。

 

 

「ほ~んと、ダメな子だね」

 

「どういう事?」

 

「あたし、めぐみの事何でも知ってるんだから~。醜くて自分勝手なもう一人な私」

 

 

そう言われ、怯むラブリー。

 

 

シャドウラブリーは電柱を捨てて、片手にエネルギー状の刀を出現させ、ラブリーに斬りかかる。

 

 

ラブリーもラブリーソードで応戦し、鍔迫り合いを始める。

 

 

「ねぇ...覚えてる?小さい時、初めてお母さんの手伝いをした時の事...」

 

 

鍔迫り合いの状態から、押しきる形でシャドウラブリーはラブリーを吹っ飛ばした。

 

 

「そして...お母さんからありがとうって言われたその時、私はとても嬉しかった。お母さんが喜んでくれた...こんな私でも役に立つだってね」

 

 

吹っ飛んだラブリーに一気に距離を詰めたシャドウラブリーは、ラブリーの後ろ襟を鷲掴みにして引っ張りながら上空へと飛んだ。

 

 

自分の前にラブリーを持ってきて、シャドウラブリーは更に言葉をぶつける。

 

 

「それから私は、もっとありがとうが欲しくて色々頑張った」

 

 

余裕顔のシャドウラブリーに対して、動揺しまくりなラブリー。

 

 

「そしてそれはお母さんだけじゃなく、他の人にもお手伝いをして沢山ありがとうって言われて嬉しかった」

 

 

動揺解けぬラブリーを、今一度地面に向けて投げつける。

 

 

ドガァァァァァン!!と大きな音を立てて、ラブリーは地面に激しく墜落した。

 

 

追撃を加えようと、エネルギー弾を飛ばす。

 

 

「それの...何がダメなのー!!」

 

 

砂塵の中から、飛んできたエネルギー弾をはじき返すラブリー。

 

 

その一撃で砂塵が消えるのと同時に、瞬間移動でラブリーの前に現れる。

 

 

突然目の前に現れた事に驚くラブリーを他所に、シャドウラブリーはラブリーに抱き着いた。

 

 

「分からないの?本当の愛乃めぐみは、ありがとうって言葉が欲しいから自己満足する為に人助けをしている...最低な偽善者なのよ」

 

「そんなこと...」

 

「そして、回りからしたら貴女のやっている事はただのお節介だって...まぁ関係ないよね自分がハピネスになれればどうでも良いのだから」

 

 

動揺するラブリーに、シャドウラブリーはそう耳打ちする。

 

 

「私がプリキュアに変身したのは、皆を幸せハピネスにする為?ハハハ...違うよ。私は誠司を護る為にプリキュアになったのよ」

 

 

シャドウラブリーの言う通り、ラブリーがプリキュアになった理由がそれだった。

 

 

「勉強も運動も全然駄目で、将来の夢すらまるで決まってない。普段から誠司に頼りっぱなしな私は...このままだと誠司に見放されるかもって」

 

 

本心を付かれ、何も言えなくなったラブリー。

 

 

「プリキュアになった事で誠司より優れ、どんな相手でも誠司を守れると思ったよね」

 

 

すっかり脱力したラブリーを、軽く押したシャドウラブリーは拳を構える。

 

 

「でも現実は残酷だった...誠司は私より遥かに強く、覚悟も凄かった。本当に私は中途半端、だからこんなあたしみたいな悪者にも全く歯が立たない」

 

 

シャドウラブリーの言葉で、等々泣き出してしまうラブリー。

 

 

ラブリーの腹を突いて、吹き飛ばすシャドウラブリー。

 

 

後に吹き飛んで建物に激突し、倒れるラブリー。

 

 

ラブリーは立ち上がることなく、地面に倒れたまま嘆いている。

 

 

ラブリーの前に、シャドウラブリーが着地するが見向きもしなかった。

 

 

「めぐみの愛なんかじゃ、誰の幸せも満たせるわけないよ」

 

 

 




如何だったでしょうか?


今回、オリジナルキャラであるタッバが登場いたしました!


ゼカの臣下にして、グラスホッパー拳使いのリンリンシーです。


そして今回、原作と違う所はファントムがラブリーの影を纏いアンラブリーとなりましたが、今作では影がラブリーの姿に変わってシャドウラブリーへと変わったところでしょうか。


そして、文字数の関係上2話に分けさせていただきました。


既に38話は出来上がっていますので、12月に投稿いたします。


それでは次回、第38話もしくはベストマッチな加速能力者第7話でお会いしましょう!!

ゲキレンジャーの原作の話をハピネスチャージの1話より前に、加えようと思っています

  • ゲキレンジャー側での誠司の活躍が見たい!
  • 今のままで、充分
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