Girls and Panzer ParallelーーAnzio Storiesーー 作:黒野ハジメ
もう少し頑張らないと(´・ω・`)
サンダースとヨーグルト学園の試合から数日後、アンツィオ高校は練習に励んでいた。軽快に走り回るcv33と、遠くの的へと砲撃を行っているセモヴェンテの姿が見える。アンチョビは全体を見渡せる位置から、指示を出しながら見ていた。
「はぁ、戦場をかき乱すcv33、火力の要としてセモヴェンテがあるのはいいが前線を張れる戦車が少ないなぁ。P40が1台じゃすぐにやられてしまうし・・・。もう一台買わないとだめかなぁ?」
練習の様子から、前線を支えられる戦車がいないことを嘆くアンチョビ。現在アンツィオが抱えている問題の一つだった。アンツィオ高校の戦車は、cv33が8台、セモヴェンテM41が4台、P40が1台となっている。
「とはいえ、資金的にはギリギリなんだよな~。買ったとしても、運用できるかどうか・・・」
アンチョビが考えていると、学園備え付けのスピーカーから音声が流れてきた。
『安斎千代美さん、安斎千代美さん。至急、職員室までお越しください』
「ん、呼び出し?わ、私何かしたのか!?と、とりあえず行かなければ」
アンチョビは通信機を使い、ひなを呼びだす。
「ひな、すまないが練習の指示を頼む。私は職員室に行ってくる」
『分かりました。ちなみにドゥーチェ何かしたのですか?』
「いや、私にも分からないんだ・・・」
『もしかしたら戦車道関係かもしれませんよ?』
「だと良いが・・・と、行かなければ」
『はい、いってらっしゃいませ』
通信を切り、アンチョビは職員室へと向かった。職員室に着くと、入り口の前に一人の先生が立っていた。
「安斎さん、来たのね。蝶野さんという方から電話がかかってきてるわ。」
そう言って職員室に招き入れ、電話を渡す。
「はい、お電話変わりましたアン・・・安斎です」
『もしもし、安斎さん?蝶野よ、久しぶりね!』
「蝶野さん。お久しぶりです」
『・・・少し大丈夫かしら?』
「はい、大丈夫ですけど・・・何かあったのでしょうか?」
蝶野の言葉の雰囲気から、少し不穏な空気を感じ警戒心を見せるアンチョビ。
『実はね、今年から出場校による屋台が禁止になったの』
「・・・え?・・・えええええええええ!?」
職員室に大音量の声が鳴り響いた。
「はぁ、まさかなぁ・・・」
電話を終え、練習に戻るアンチョビだがその足取りは重い。原因は先ほどの電話にあった。
「まさか、今大会から大会出場校による屋台の出店が禁止になるなんて・・・」
会出場校の屋台の出店禁止。それがアンチョビの足に鉛を付けている原因でもあった。蝶野曰く、
『理由としては、出場校は大会に出場してほしいってことらしいんだけど、私も詳しくは聞かされていなくて・・・。ひとまず安斎さんには知らせておいたほうが良いかと思って電話したの』
『ちなみに、お金を取ったりしなければ問題はないの。あくまでお金が絡んでくることに関してだけ。まあ、そうなってくるとさっき言った理由に少し矛盾がでるんだけど・・・』
『ごめんなさいね・・・あなたたちが屋台で運用費を稼いでいることは知っているのだけど、どうにもできなかったわ』
『そう言ってくれると助かるわ。もし困ったことがあったら何でも相談して。私にできることがあれば協力するから』
とのことらしい。ただでさえ資金的にはギリギリ。しかも大会中の運用費を屋台で稼ごうと思っていた矢先の凶報であった。
「とりあえず運用費をどうにかしないと、今のままだと2回戦でギリギリだ」
考えども、良い方法は思いつかない。ひとまず練習場に着き、ひなとペパロニを呼ぶ。
「ドゥーチェ、どうでした?」
「姐さん、もしかしてテストの成績悪かったんすか?」
「んなわけあるか!?・・・重要な話だ」
アンチョビが真面目な顔つきをすると、ひなもペパロニも真剣な顔つきになる。
「実はな、今大会で出店ができなくなった」
そう告げると、2人は驚いた顔をした。
「な、な、何でっすか!?」
「まさか、去年の出店で不手際が!?」
「それとも、あれっすか!?うちらが稼ぐのが気に入らないとか・・・」
お互い、原因になりそうなことを挙げていく。アンチョビはそれを手で制し、落ち着くように促す。
「聞いた話だと、大会出場校には大会に集中してほしいとのことだ。本当のところは分かっていないが、今大会はお店を出せない」
アンチョビの言葉を聞いて、この世の終わりみたいな顔をするペパロニ。ひなは何かを考えている。
「じゃああれっすか?試合後の宴会も・・・」
「ああ、それは大丈夫だ。あくまで出店がダメなだけで、お金を取ったりしなければ問題ないとのことだ」
「でも、それじゃ大会中の弾薬費や燃料費が・・・」
ひなの言葉にペパロニもハッとする。
「どうするんすか、姐さん?」
「ひとまず、それを今から考える。お前たちも、何か思いついたら教えてほしい」
教えてほしい、とは言ったものの、高校生の知恵ではあまり良い案は出ないだろう。一応、アンチョビは案がないわけではないが、それは最終手段と言ってもいいもの。できればその方法は取りたくない。その方法を取ることは、アンチョビの将来にも関わってくるのだ。
「とはいえ、手段を選んでいる余裕はない・・・か」
「ドゥーチェ?」
「姐さん?」
ぽつりと呟いたアンチョビを見て、不思議そうな顔をする2人。そんな二人にアンチョビは、優しく笑いかけてから一言、「私がどうにかする」と言ってどこかに歩き出した。
「ドゥーチェ、どちらに?」
「少し用ができた。ひとまず今日のところは練習を切り上げてくれ」
そう言ってそのまま去っていくアンチョビ。後には頭に疑問符を浮かべた2人が残った。
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アンチョビは執務室に来ていた。携帯を取り出し、アドレス帳からある名前を見つけ、電話をかける。
『はい、もしもし』
「あ、もしもし。お久しぶりです、千代さん――――――――