犬山さんちのハゴロモギツネ   作:ちゅーに菌

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どうもちゅーに菌or病魔です。

他の投稿小説を粗方投稿したらかなり遅れました。すみません。ではどうぞ。


羽衣狐(狸) 前半

 夕方にまなとお母様と共に居間でテレビを見ていると、それは唐突に訪れた。

 

 テレビをジャックした刑部狸を始めとした八百八狸による日本侵略宣言である。

 

「お姉ちゃん……これ……」

 

「………………」

 

 私はテレビから目を離せないまま、まなの声も耳には入っていなかった。

 

 日本侵略。何れも妖怪の中で企てようとした馬鹿や集団は幾度となく目にして来たが、それらのほとんどは他の妖怪を対象にしたものであり、人間そのものまで無差別に巻き込もうというものはそうはいなかった。

 

 それは偏に強者としての矜持、要するに妖怪としてのプライドを持っていたからであろう。悪党にも悪魔にもルールや越えてはならない一線がある。例え死のうともそれを守らねば無意に喰らうだけの獣と何が違うというのか。

 

「狸どもが……何百年経とうと所詮は獣か」

 

「ひっ……!? お姉ちゃん!?」

 

 まなの小さな悲鳴で思考から脱した。お母様に聞こえぬように小さく呟いたが、私に注目していたまなは私の呟きと僅かばかり漏れた殺意が伝わってしまったらしい。悪いことをしたな。

 

「少し外に出るわ」

 

 私はまなの無言の静止やお母様の疑問を聞かず、外に出てた。

 

 そして、自宅から徒歩である程度離れてから、辺りに生き物一匹居ないことを確認し、妖怪城の時に着ていた服装を身に纏って空へと飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ……が……ぁ…………」

 

 家を出てから少し経った頃。私の目の前で電柱に磔にされてピクピクと僅かに蠢く一匹の狸の姿があった。両手両足の爪が全て剥がされており、身体中にも夥しい数の刃物傷や焼け跡がつけられている。

 

「始めからこうすればよかったのう……」

 

 手元の狐火を消し、何処にでもあるような安物で切れ味の悪いナイフを尻尾にしまってから深い溜め息を吐いた。

 

 狸だから野山の方に拠点を構えているものかと考え、そちらの方を捜索していたのだが、全くの見当違いであり、今の拠点の出入り口は街の地下にあったらしい。

 

 見付からず、街に戻ると狸を見掛けたので拷問に掛けると簡単に吐いてくれた。全くもって時間の無駄だったと言えよう。

 

 それにしてもガッツのない狸だ。高々八百八しか居ないにも関わらず、爪の二本か三本の時点でもう吐いてしまったからな。

 

 実に不敬で不誠実な奴だ。そのようなものには全身に余すことなく、拷問をくれてやった。お陰で更に時間を喰ってしまった。

 

「……た、助け……」

 

「おう、解放してやろうぞ」

 

 私は四本目の尻尾を出し、そこから"四尾の槍"を引き摺り出した。

 

 そして、槍を構えて狸の腹を刺し貫いた。若干力を入れ過ぎて背中を突き抜けて電柱を粉砕してしまったが、非常事態故に致し方なしだ。

 

 狸は声すら上げれず、激痛による苦悶の表情のまま消え、魂だけの姿となった。私はそれを掴み取り、口に含む。

 

「不味いのう」

 

 相変わらず、妖怪の魂は美味しくない。人魂の天ぷら等は非常に美味だというのに。

 

「これで八百七狸じゃな」

 

 私は槍を肩に担ぐと、一本の尻尾で縛り付けて宙に浮かしている狸ではない男の妖怪に目を向けた。

 

「んー? そこは笑うところじゃぞ? "ねずみ男"よ」

 

「……そ、そうでございますね……」

 

 彼はねずみ男。なにやら狸に混ざっていた鼠だったのでさっきの狸のついでに捕まえた妖怪である。微妙に鬼太郎の妖気の残り香を纏っていたので捕まえたのだ。

 

 私は反応の悪いねずみ男に槍を突き付け、見本ににっこりと笑って見せた。今日は口元の空いた狐の仮面をしているので、花が咲くような笑顔が見えるだろう。

 

「誰が頷けと言った? 笑え」

 

「は――? は、はは……ははははは! ははは……!」

 

 ちなみにこの男、私に捕まり私の妖気を見た瞬間に狸の巣の位置を吐いたりしていた。

 

 逆に信じられなかったので狸にも聞いたのだが、結果は同じであった。真実のみで私を欺くとは中々やるなこの妖怪。

 

「黙れ……耳障りじゃ」

 

「――!? はい……」

 

 何故かコイツを見ていると私の耳がみこんと、まなのために半殺しぐらいにした方がいいと感じる。しかし、コイツは鬼太郎と繋がっているかも知れないので仕方なく、身体は傷付けないことにしたのである。

 

 私は再び槍を肩に担ぎながら、ねずみ男を案内人として狸の巣穴のある住宅地の一角を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんじゃこれは?」

 

 住宅地に来ると入り口には何やら巨大な岩が置いてあった。よく見れば微妙に動かされており、ギリギリ人がひとり通れる程度の隙間がある。

 

 ははは、ここを通れというのか。

 

「へ、へい……ここを――」

 

「ふざけるな」

 

 私は片手で岩石を掴んで持ち上げ、空へと岩石を放った。最後にボールのように空中へと放られた岩石を伸ばした一本の尻尾が追撃し、爆散させた。

 

 私をいったい誰だと思っている。最悪の妖怪、羽衣狐のお通りだ。

 

 そのまま巣穴に入り、内部は妙に巨大で明るい洞窟を進んでいると前から何かが来るのがわかった。

 

「狸――」

 

 その時、私の耳と尻尾がみこーんっ!っと来た。

 

「いや……いやこれは!?」

 

 即座に私は洞窟の天井に飛んで張り付く。更に尻尾で身体を覆い、変化の術の応用により毛を震わせて尻尾の色と質感を洞窟の天井と全く同じようなものに変え、息を潜めた。

 

「い、いったい」

 

「黙れ」

 

「………………」

 

 ねずみ男を黙らせながら30秒程そうしていると私の真下を二人の女が通り過ぎる。

 

「走ってまな!」

 

「うん! 猫姉さん!」

 

 駆け抜けていったその二人は鬼太郎の猫娘と、私のまなであった。私の狐の知らせの感度はやはりバリ3である。バリ3とか今の子知っているんだろうか。

 

 む、よく見たらまなの肩に目玉のおやじとやらも乗っているな。まあ、目玉だしどうでもいいか。

 

「この先に刑部狸がいるのじゃな?」

 

「ええ、そうです……」

 

「そうか」

 

「へ……?」

 

 私は尻尾で拘束していたねずみ男を離してやった。当然、今は天井にいるので慣性の法則に従ってねずみ男は20~30m程上から真っ逆さまに落ちる。

 

「ちょ!? まっ――アー!!?」

 

 ねずみ男が蛙のような声を上げながら地面にべちゃりと落ちる音を聞いた。大丈夫、妖怪はそれぐらいじゃ死なない。

 

 それよりも何故まなが居たかは不明であり気になるところだが、まあいいだろう。まなはまなで私は私である。行動を縛るのはよくないことだ。

 

 折角なのでこのまま天井を歩いて狸が集まるところを目指すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 羽衣狐が猫娘と犬山まなを見掛けた少し前。刑部狸を筆頭とした八百八狸が拠点としている場所で鬼太郎と猫娘は八百八狸と対峙していた。

 

 眼前では刑部狸がまなを人質に捕らえており、そのせいで鬼太郎と目玉のおやじ、猫娘は動けずにいる。

 

(ここは……)

 

 鬼太郎に真っ先に浮かんだことはひとまず降伏し、まなを解放させてから攻撃に転じる隙を伺うということだ。

 

(――!)

 

 しかし、鬼太郎はふと自身のポケットにある感触に意識を向け、隠れてポケットに手を突っ込み、それを一瞥した。

 

(羽衣狐の……)

 

 それは温泉に行った時に羽衣狐に押し付けられた一日に1度だけ羽衣狐の狐火が放てるという呪具であった。

 

 鬼太郎は羽衣狐の狐火を思い出して少し考える。これを投擲すればこの場を最も良い形で切り抜けられるかもしれないと。少し前の鬼太郎ならば何の躊躇もなく使っていたことだろう。

 

 しかし、彼なりにプライドがあった。

 

 最初に出会った時はただの悪逆無道な妖怪だと考えていた。再び出会った時には本人から話を聞かされ、その性質を決めきることができずにいた。何せ仮に羽衣狐の言葉を信じて彼女を本当に人間の街が好きな妖怪だとするのならば――あれだけ邪悪でありながらも羽衣狐は鬼太郎と本質はそう変わらないということになる。

 

 故に羽衣狐という異形の大妖怪への嫌悪と同時に、彼は自分でも気づかないうちに似た存在への小さな対抗心を抱いていたのである。それが一瞬の判断を僅かに鈍らせた。

 

 だが、その背中を押したのも紛れもなく羽衣狐であった。

 

"力に善きも悪しきもなく、ただ愚直に振るわれるだけじゃ。故に何に力を使うかが善悪の分かれ目となる。単純なことじゃが、それを人も妖怪も直ぐに忘れおる。お主は賢く正しい。努々忘れぬようにな"

 

 忘れていた。プライドがなんだ、目の前でまなが 、遠くでは妖怪獣によって人間たちが脅かされようとしている。悩む理由など最初からどこにもなかったのだから。

 

 鬼太郎はポケットから呪具を取り出し、起動術式を押した。

 

「まな! 猫娘! 父さん! 目と耳を塞ぐんだ!」

 

 そして、鬼太郎は起動したことで術式が怪しく輝き始めた呪具を宙に投げる。

 

「何をッ!」

 

 即座に反応した刑部狸は念仏を唱えるような動作によって呪具を念力で落ちぬように空中に固定した。

 

「フッ、小細工など――」

 

 そこまで言ったところで刑部狸の言葉が途切れる。いや、テレビのチャンネルが切り替わったように光と音が変わった。

 

 それはこの大空洞そのものを塗り潰してあまりある程の爆音と、閃光であった。あまりに壮絶な音と光は目を閉じて耳を塞いでいる鬼太郎すら怯ませる程である。

 

(くそ……アイツ……何があのときの狐火だ)

 

 鬼太郎は思いとは裏腹に渇いた笑いを浮かべながらまなへと駆け出した。

 

(光も音も数段上じゃないか……!)

 

 流石は名だたる大妖怪の呪具。その力は鬼太郎をして想像の斜め上を行くものであった。

 

 しかし、今回に限ってはそれが功を奏する。あまりにも激しく耳を貫くような爆発音と、目を潰さんばかりの閃光はこの空間にいる八百八狸全ての感覚を塗り潰したのである。

 

 まだ、効果が続いているうちにまなの前まで来た鬼太郎は髪の毛を一本抜き、それを剣としてまなを掴んでいる刑部狸の腕に振るい切り飛ばした。

 

「――――!?」

 

 目も耳もマトモに働いていないであろう刑部狸は更に腕に激痛が走り、声にならない声を上げた。

 

 それをよそにまなを確保した鬼太郎は猫娘の元に向かい、まなと目玉のおやじを猫娘に預けた。

 

「まなと父さんを連れて逃げてくれ猫娘!」

 

「鬼太郎はどうするの!?」

 

「なんとかするさ」

 

「わ、わかったわ…………気をつけてね」

 

 それだけ言うと猫娘はまなと目玉のおやじを連れて、洞窟の外へと逃げた。それを見てから鬼太郎は八百八狸に向き直る。

 

 既に奥の方にいて比較的被害の軽微だった八百八狸が、鬼太郎を早くも囲み始めていた。

 

 数だけは異様に多く、鬼太郎自身でさえひとりで捌ききるのは不可能と言わざるを得ないだろう。

 

「よくもやってくれたな鬼太郎……」

 

 斬られた腕を押さえ、目を見開いて牙を覗かせながら八百八狸を統括し、鬼太郎と対峙する刑部狸。

 

 互いに抑えるものも牽制するものも最早ない。刑部狸が鬼太郎に八百八狸たちを差し向けようと指示を送ろうとした次の瞬間。

 

「よう、鬼太郎よ。久し……くもないのう」

 

 天井から鬼太郎の目の前に全身を黒い装いに包み込んだ女性妖怪が降って来た。

 

「羽衣狐!?」

 

 それは紛れもなく羽衣狐であった。今は温泉にいた時にしていたマスクではなく、最初に会った時に着けていた黒い狐の仮面をしている。更に肩にはいつか鬼太郎を貫き、投げ返した四尾の槍――形状でいえば"十字槍"を担いでいる。

 

 突然の羽衣狐の出現に八百八狸達がざわめき出す。

 

「羽衣狐だと……?」

「あれが今の羽衣狐か」

「おのれ憎き狐め……」

「恨みを今!」

 

 それだけではなく、八百八狸の中から怨嗟の声が上がっていることに鬼太郎は気がついた。そして鬼太郎の方へと向いているため、がら空きの羽衣狐の背中に向かって怒りに顔を歪ませた4体の八百八狸が息を殺して迫るところも鬼太郎からは見えた。

 

 更に羽衣狐はその代名詞ともいえる九尾の尻尾を一本たりとも出してはいなかった。つまりは完全に無防備の状態であると鬼太郎は考える。

 

「羽衣狐! 後――」

 

 しかし、その声は少しだけ遅れた。鬼太郎が声を上げるよりも獣の瞬発力で迫った八百八狸たちの方が若干速かったのである。

 

 そうして、鬼太郎が羽衣狐に八百八狸たちが殺到するのを確信し、羽衣狐の髪に4体のうち先頭の八百八狸が触れようとした瞬間――。

 

 

 

 

 

 全く相手を見ずに真後ろへと繰り出される突き、斬り、払い、打ち。想像を絶する速度と力で繰り出された十字槍による演舞のような槍術でもって瞬時に羽衣狐は4匹の八百八狸を葬った。

 

 その様は鬼太郎ですら一瞬、場を忘れて魅入る程である。

 

 死んだことにすら気づいていない表情で消えた4つの八百八狸の魂を一瞥し、羽衣狐は牙を向く獣のような笑みを浮かべながら溜め息と共に言葉を吐いた。

 

「これで八百三狸じゃな」

 

「お前……」

 

 鬼太郎は見魅ったことと同時に自身と戦っていた時に、羽衣狐がどれほど手加減していたかということに気づく。しかし、この場で言っても仕方のないことのため、鬼太郎は口を閉じた。

 

「この十字槍を尾に加えた時代に"その槍神仏に達す"と謳われた生臭坊主から学んだ槍術じゃ。奴には到底及ばぬ猿真似のようなものじゃが――貴様ら不徳を殺し切るにはあまりに役不足じゃな」

 

「え……?」

 

 人から学んだ。確かに羽衣狐はそう言った。あの誰より傲慢で人を嘲笑うかのような不遜な態度を取る羽衣狐がである。

 

 思えば対峙した時に羽衣狐は三尾の太刀を型のある剣術でもって使っていたことを思い出す。

 

 武術とは人が人へ、あるいは妖怪などの怪異に対峙するために編み出されたものである。通常妖怪は妖怪としてのプライドなどから、人間の技などにはまず頼ろうとせず、技量を取らぬ直感や力に任せた攻撃を行うものがほとんどなのだ。

 

 つまり経緯はどうあれ、羽衣狐は少なくとも人間に師事していたという事実が証明されたのだ。それだけでもとてつもなく異端の妖怪である。

 

「貴様は羽衣狐か!? またか! また貴様は我らを阻もうというのか!?」

 

 十字槍についた血のような妖気の残滓を振り払ってから刑部狸に振り返った羽衣狐に対して、刑部狸は驚きの表情で声を荒げた。

 

「知り合いなのか?」

 

「お主とお主が葬った妖怪の関係じゃ」

 

「ああ……」

 

 質の悪い腐れ縁という奴だ。どうやら羽衣狐は遠い昔に八百八狸たちを少なくとも1度は殺しきったことがあるらしい。刑部狸の焦りの表情からそれが真実であることは明白である。

 

「なぜだ! なぜ我々を阻む!? 人間を守る価値などどこにもありはしないハズだ! 我々妖怪こそが世を統べるべきなのだ!」

 

「そうさな、人間はいつまで経っても間違える生き物じゃ」

 

 刑部狸の言葉を聞いた羽衣狐は目を細めると人間のことを語り始めた。

 

「人間同士ですら思った通りには動かず、自他問わず利益か感情で動きおる。怠惰な上に言われたことすら満足に守れず、そのクセ優柔不断で白黒つけるのは不得手。トドメに傲慢で自尊心だけは高い」

 

 鬼太郎もそのことには全く反論の余地はなかった。良い悪い問わず人間とはおよそ全てがそのようなものだ。鬼太郎自身もよく知っている。

 

「そんなものの営みを好いておる妾は妖怪として道を違えておるのであろうな」

 

 羽衣狐は最後にそう言葉を閉めると、片手で顔を隠して自嘲気味に笑った。そして、ひとしきり笑った後で顔から片手を退ける。

 

「ならば――」

 

「じゃが妾が違えておるからといって、貴様らが正しいわけでもあるまい」

 

 次の瞬間、刑部狸の言葉を遮り、あのドス黒い濁流のような妖気が羽衣狐から溢れ出る。あまりの濃度と、寒気という言葉では足りない程重苦しく冷たい妖気に、何度か晒されている鬼太郎すら自然に身構えた。

 

「どちらも間違っている。なら……死んだ方がより間違いじゃ。妾が理不尽を与えてやろうぞ」

 

 羽衣狐は槍を上段に構える独特の構えを取り、苦虫を噛み潰したような顔をしている刑部狸に矛先を向ける。

 

「他ならぬ貴様らが蔑む人間の技でな」

 

 その言葉の直後、羽衣狐は尾を収納したまま十字槍一本で、八百八狸の大群へと弾丸のように飛び込んでいった。

 

 敵の敵は味方……とは言い切れないが、今ばかりは羽衣狐のことは考えず、鬼太郎も八百八狸へと攻撃を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃。海上に産まれ落ちた妖怪獣は人間のあらゆる兵器をものともせずに陸へと上陸し、無差別な破壊を繰り広げていた。

 

 その様は特撮映画から出てきた怪獣そのものであり、最早滑稽な程であるが、これは現実の光景である。妖怪獣を倒すための巨大なヒーローが現れるわけもない。

 

 人類はたった一体の妖怪の前に成す術がなかったのである。

 

 数十mは下らない四足歩行の巨体が移動する様は圧巻であるが、その止まらぬ歩みは人類にとって絶望しかないであろう。

 

 上陸した街を粗方破壊した妖怪獣は次なる指示を八百八狸から待ったが、何故か特に何も指示がないため、機械的に近くの街を目指して次なる街を目指した。

 

 

 

『貴様は不徳だ』

 

 

 

 だが、次の瞬間、妖怪獣の頭に八百八狸とは違う奇妙な言葉が響き、妖怪獣は行動を停止した。

 

 更にそれに遅れるように妖怪獣の目の前に自身の背丈よりも巨大な扉が現れる。その扉は亡者の骸骨が一斉に逃げ出す様子をそのまま押し固めたような"地獄"をそのものを現した装飾がなされている。

 

 そして、ゆっくりと地獄の扉が開かれた。

 

 

 

『己の意思を持たず、しかして他に利用され何もかもを討ち滅ぼす。だが、貴様は妖怪だ。思考する頭はあろう』

 

 

 

 扉の縁を巨大な黒い腕のような何かが掴みながら這い出る。その姿は巨大な黒い影のようであり、闇のようであり、泥のようでもある何かであった。辛うじて二本の腕があることはわかるが他は獣のようにも、虫のようにも、のっぺりしたドームのようにも、人のようにも見え、実際に目にしているというのに全く要領を得ない。

 

 そして、なによりソレがおぞましいことは不定形の身体が妖怪獣の倍程になったと思えば、次の瞬間には十倍程まで伸び、あるいは縮みを絶えず繰り返し、見ているだけで畏怖、不安、底の知れない禍々しさを掻き立てた。

 

 その存在はただそこにあるだけで妖怪獣よりも遥かに怪物染みた化け物である。

 

 

 

『ならば貴様は不徳だ、最早無知では赦されん。余は"鵺"、不徳を喰らうものぞ』

 

 

 

 妖怪獣はその日、初めて恐怖という感情に出会った。

 

 

 

 

 




 羽衣狐は尻尾にある武器を極めているという設定があるので、それに沿ってうちのハゴロモさんも武器を極めております。ただし、本人があんな感じで"独学で武術するとかねーわ"とか思っているので、武術は全て人外レベルの達人にどうにか弟子入りして習っております(基本日本人)。

 ハゴロモさんは師と比べるべくもないとか言っていますが、無論ただの謙遜であり、確かに技量という面では到底及びませんが、それを妖怪最強クラスの羽衣狐の身体能力という力・速さ・野生の勘で補っているので、長期戦なら師にほぼ分がない程度には強いです。ついでに及ばないといえど向上心が高くポンポン技量面の知識を吸収するので師としても最高の打ち合い相手になるのでWin×Winな関係となっております。真剣で斬っても死にませんし。

 五尾の槍は羽衣狐ものが十字槍なので十字槍といえばやはり宝蔵院十字槍あの人が師になりました。FGOではチョコ渡すと精進料理くれたり、酒と肉は食べないとかいってるくせに即座に般若湯とかいって飲んでた二代目の方です。そんな感じでこの小説では出ませんが微妙にキャラを使ったりします。




◆今回のまとめ◇
 羽衣親子ぶちギレる




・蛇足
 なんだよ……なんなんだよ! サバフェス(夏イベ)のおっきー可愛すぎかよ! 英霊旅装もニー子みたいな顔しやがってよぉ!? おぉん!?(キモイ) おっきーと朝日を見たい人生だった(真顔)

 そういや今回の水着……私2万でジャンヌ宝具Lv3、BB宝具Lv2、ばらきー宝具Lv3、牛若丸宝具Lv2、XX宝具Lv2、メイヴちゃん宝具Lv2になったんですよね……近いうちに死ぬんでしょうか?(尚、友人には殺されそうになった模様)

あ、まだ枠あるので作者とFGOでフレンドになりたかったら機能にあるメールでユーザーネームとフレンドIDをくれたら誰でも受けますよ。全くの初心者が私のサバのみで一部を駆け抜けられる程度は強いと思いますので安心してください。まあ、そこまで強くはありませんが。
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