犬山さんちのハゴロモギツネ   作:ちゅーに菌

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更新は 忘れた頃に やってくる (震え声)

珍しく気持ちシリアスな回(当社比)






縊り狐 (下)

 

 

 

 

 

「随分、大それたことをやってくれたのう……"名無し"よ?」

 

 遥か空に輝く月に見下ろされ、月下美人のような儚く白い容姿を宿す大妖怪――羽衣狐は月に捧げるように尻尾で縛り付けた名無しを空に掲げていた。

 

 その光景だけで、悪道に生きる純然たる魔としての格も、その雰囲気から神さえ届くのではないかと錯覚するほど溢れる神秘性も比べるべくもない。羽衣狐が名無しを遥かに凌ぐ妖力を持つことに誰も疑問に思わないであろう。

 

「さて、貴様をどうしてくれようか?」

 

 にたりと張り付けた笑みを浮かべつつも酷く熱のない視線を名無しへ向ける。隠す必要がない為か、今宵の羽衣狐は仮面を付けておらず、彼女の光を飲むような漆黒の瞳がただそこにあった。

 

 名無しは依然として抜け出そうともがく。しかし、純粋に妖怪としてあるいは呪術師としての格が上であるため、一度このようにされてしまえば名無しが抜け出す術は最早ない。

 

 羽衣狐という妖怪がなぜ妖怪から見た日本三大悪妖怪最凶の一角に数えられているのかの答えは至極単純――。

 

 このようにおぞましい程まで用意周到で陰湿なのだ。その上、本来の彼女が最も得意とするのは、実に獣らしい奇襲という在り来たりな戦法である。

 

 しかし、羽衣狐に狙われれば最後、数多の大妖怪は完全に詰んだ状態からの交戦を余儀なくされたために今がある。それ故に彼女はとてつもなく強く、同時に妖怪たちの中で疎まれ、それ以上に畏怖されたのだ。

 

「諦めろ。既に貴様は袋のネズミじゃ……いや、ネズミ一匹逃げられはせん」

 

 その言葉と共に羽衣狐が他に視線を向けると、月明かりに照らされた無数の妖怪達が彼女と名無しのいる電波塔をずらりと取り囲んでいる事がわかった。

 

 

 百鬼夜行――。

 

 

 それはかつて、平安京を大いに脅かした大妖怪を頭目に、様々な目論見の元に行われる妖怪の進攻である。

 

 当時の京で百鬼夜行の列に並んでいたような名のある京妖怪が中心だが、それ以外にも羽衣狐に鼻っ柱を圧し折られて軍門にくだったような輩が並んでおり、どれもこれも妖怪の頭領や地方の有力者に容易くなれるような実力者ばかりだ。

 

 その中には羽衣狐の信徒のしょうけらや、同世代の友人の吸血鬼ジョニー、人前に連れて来られて明らかに気だるげな刑部姫の姿もあった。

 

「姫とハロハロちゃんはね、レベルを最高に上げてから敵のボスキャラに戦いを挑むんだ。敵のHPは10000くらいかな。姫とハロハロちゃんは全然ダメージを受けない。しかし姫の攻撃も敵の防御力が高くて100くらいずつしかHPを減らせないんだよ。妙な快感を覚える反面ハロハロちゃんと比べた姫の火力の低さにひどく虚しくなる」

 

「おっきー、後で構ってやるから今は黙れ」

 

「ハロハロちゃんはそんなこと言わない」

 

 集団の場に放り込まれたストレスで少し可笑しくなっていると思われる刑部姫を放置し、羽衣狐は名無しに問い掛ける。

 

 羽衣狐としてはどのみち名無しは消滅させる予定であるが、過程を重んじる彼女は形式上の弁明の機会を与えることにしたのだ。

 

 彼女の悪い癖であろう。一般的にこのような行為は異端審問や処刑と言う他ないが、それらが生み出す規律と絶対性こそ悪妖怪共の軍団を率いるに値するだろう。

 

「して、貴様……妾のまなに何をしておる? 陰陽五行に逆五芒星と来れば、陰陽道の触りしか知らぬ者でも物怪調伏(もののけちょうぶく)を悪用した類いのモノと気付くのだが?」

 

『――――――――』

 

 その言葉に名無しは答えない。まるで虫のような意思のない瞳を向けるばかりであり、名無しもまたただの妖怪のそれではない事は明白である。

 

 周囲の妖怪達は処刑される場においてそのように振る舞う名無しの様子に異様さを覚え、怪訝な顔を浮かべている者もいるが、羽衣狐は顔色ひとつ変えずに暗い笑みを浮かべ続けていた。

 

 名無しが得体の知れない虫ならば、羽衣狐は嗤う悪意そのもの。その他妖怪には到底理解できない思考と風体は仄暗いカリスマとなり、見たものに絶望を覚えさせる程莫大な妖力の元に数多の妖怪達を従えるに至るのだろう。

 

「まあよい、魂に聞くことにしようか――」

 

 彼女は尻尾を寄せて眼前に名無しを持ってくると、片腕を大きく振りかぶってその腕に光を呑むほど黒々として濃厚な妖気を宿す。

 

 そして、妖気で数多の文字や陣を形作り、見た目から想像できないほど細やかな呪術とすると、その腕を一気に名無しの胸部へと差し込む。

 

(暗いのう……その上、人間も妖怪も共に滅びればいいとでも言わんばかりに冷たく熱い……)

 

 体内の名無しの妖気に直に触れた羽衣狐の感想がそれであった。

 

 人間や並みの妖怪が触れば、即座に気が狂ってしまうほど悪意に捻れ果てた妖気を一切意に介さず、彼女は更に奥深くへと手を伸ばす。

 

(希望……慟哭……絶望……憎悪……なんだこれは? 元は何だったと言うのじゃ貴様は……?)

 

 妖怪の全てを形作る中心――名無しの魂へと手を伸ばしながら近付ける度に名無しからは想像できない感情が逆流してくるのを直に羽衣狐は感じていた。

 

 それでも彼女は目を反らさずに名無しの魂へと手を伸ばす。他を滅するのならば、その全身全霊を否定し、呑み込まぬ事は何よりもの罪と彼女は考えているのだから。

 

(これではまるで――)

 

 そして、羽衣狐が結論に至ると共に、確かに名無しの魂にその指が触れた。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

『それまでにこの子の名前を考えてくださりませ――』

 

 

 

 まず始めに見えたものは何処かの山中で、人間の女と妖怪の男が寄り添い合う光景だった。

 

 それで羽衣狐が驚いたのは、人間の女の方の姿が余りにも妹の"まな"に似通っていることだ。更に彼女が愛おしそうに撫でる先には丸みを帯びた腹がある。

 

 そして、山中の何処か遠く、あるいは近くでは人間とも妖怪とも取れる多数の怒号と息遣いを確かに耳にした。

 

 

(止めろ――)

 

 

 羽衣狐は己の勘の良さを呪う。しかし、信念から名無しの魂に刻まれた記憶から目だけは反らさない。

 

 

 

『決して結ばれてはならぬ二人――』

『父上! 愛することが罪なのですか!――』

 

 

 

 逃げること叶わずに捕らえられた人間の女と鬼の男は、妖怪の男の父親の前に引きずり出され、愛を謳い慟哭する。

 

 しかし、辺りにあるのは人間と妖怪たちの憎悪であり、その言葉はそれらを強めるだけ。そこに人間も妖怪も然したる違いはなかった。

 

 

(止めろ――!)

 

 

 彼女はよく知っていた。妖怪はよく人間を侮蔑し、人間もまた妖怪へ畏怖と嫌悪を覚える事が本来の形と言えるが、本質的に妖怪と人間の違いなど寿命の有無程度しかないということを。

 

 故に今、この場で二人を追い詰める人間と妖怪に何の差があろうというのか。掟などという下らないモノに縛られ、それが絶対だと思い込み、殺生という原則を破り捨て、人間と妖怪が交わってはならないという暗黙の了解さえ踏み倒し、勝手に作った憎悪に囚われて無秩序に人間も妖怪も問わず群れて追い立てる。

 

 そういう意味で、羽衣狐は最初から人間にも妖怪にも無意識に絶望し、期待など初めからしなかったために今があるのかも知れない。

 

 

 

『せめてこの子が生を受けるまで――』

 

 

 

 そして、その想いは決して届かず、胎――愛を受ける筈だった"名無し"の水子に届いたのはただ鋭利な切っ先と、人間と妖怪から与えられた有らん限りの憎悪だけであった。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「――――――!?」

 

『――――――』

 

 名無しへ干渉中に羽衣狐の精神が弱ったことで、腕が弾き出されて魂の記憶の読み取りは遮断される。

 

 彼女にとってそれが幸いだったのかはわからないが、少なくとも明らかに怯んだことで拘束が緩み、名無しが尻尾から脱出して夜空に飛び出すという結果だけが残った。

 

 羽衣狐は反射的に名無しを即座に九尾で取り囲み、さながら九つの巨大な斬擊そのものが空を駆けるように見えた事だろう。

 

 更にそれに続くように周囲の妖怪達から嵐のような数々の攻撃が名無しを目掛けて飛び、次の瞬間には空の塵と化す――。

 

 

(あれは――)

 

 

 羽衣狐の脳裏を過ったのは、名無しから読み取った記憶であった。

 

 それは僅かな迷いを生み出し、極限まで加速した思考の中で葛藤を生み出す。

 

 

()には救えぬモノじゃ――)

 

 

 しかし、羽衣狐はそんな葛藤を振り払う。そうし続ける事で、彼女は最凶の大妖怪とまで呼ばれるほどに外道へと至った。

 

 全ては己の信じる下らない正義のため。全ては何て事はない日常を謳歌するため。そして、全ては最愛の家族に捧げるため――それが羽衣狐という愛に溺れ果てた愚かな(ニンゲン)の全て。

 

 故にそれを知ってか、偶々そう聞こえただけか、僅かに開かれた名無しの唇から呟かれた言葉は余りにも致命的だった。

 

 あるいは羽衣狐の迷いが生み出した願いが、幻聴となっただけかも知れない。

 

 

 

『タスケテ――オカアサン――』

 

 

 

(――――――――)

 

 

 

 その瞬間、ほぼ無意識に羽衣狐は己の九尾を反転させ、名無しを守るように広く長く伸ばす。それは大輪の白百合のようであり、配下の妖怪達の豪雨のような攻撃を盾となって防いだ。

 

 当然、大妖怪やそれに片足を突っ込んだ者も多く、平均的に生半可な妖怪ではない羽衣狐の配下たちのそれらは、彼女の尻尾を多少なり傷つけ、それが周囲を埋め尽くす程の数放たれたとなれば、彼女の尻尾から鮮血と飛沫のような妖気が飛び散る様は必然と言えよう。

 

 しかし、羽衣狐はまるで意に介さず、ただ全てをその身に受け、己の全てを投げ出しながら妖気を振り絞って尻尾を固め、膨張と再生を絶え間なく繰り返して耐えるばかりだ。

 

 その様はまるで腕に子を抱く母親そのものであった。

 

 

『――――――――――――!』

 

 

 それに名無しは驚くように瞳孔を大きく見開いたように見え、一番人間的な反応をしたように思える。

 

「そこ――」

 

『――ゥ』

 

 その直後、羽衣狐の九尾のほんの僅かな合間を縫うようにして小さな折り紙のアザミのひとつが突破した。

 

 それは名無しの胸を刺し貫くように抉るが、先に名無しが僅かに避けた事で致命傷ではなくなる。ましてや、名無しのような怨霊に近い妖怪ならば尚更である。

 

「浅かったかぁ……」

 

 名無しは最大の隙をわざわざ羽衣狐が作ったことに乗じて、その場から煙のように消え失せる。そこにはもう何も残っては居なかった。

 

「あぁ……あぁぁ――」

 

「ハロハロちゃん!?」

 

 それよりも刑部姫は明らかに取り乱した様子の羽衣狐を見つけ、

 

 羽衣狐の配下らには、かつて混沌としていた平安京を思想と暴力で束ねた鵺こと絹絵という旗本に、その母君であり今や日ノ本を代表とする大妖怪である羽衣狐に集まっている。そんな彼らにとって羽衣狐は種を超えた絶対強者であり、彼女が揺らいでいる事はそれだけで驚嘆に値する事であった。

 

 そのため、彼らの多くが抱くのは己が主をこのようにした名無しへの侮蔑と殺意であり、羽衣狐らの狂信者であるしょうけらが前に出る。

 

「まだ、そう遠くへは行ってはいない筈です……。草の根を上げてでも討ち滅ぼしなさい」

 

 そのため、歪な怨念そのもののように一枚岩の彼らは、言われずとも即座に羽衣狐以外の指揮官を立て、七割強を追撃に裂き、残りを彼女の護衛に当てた。

 

 平安を超え、現代まで退魔師や妖怪と殺し合う激動の勝利者として生き延びてきた彼らの倫理観や根本原理は、鎌倉武士と大差はない。唯一、大きく異なる点は忠誠心のみであり、主君だけは裏切らない点のみであろう。

 

 

 

「やめよ――」

 

 

 しかし、そんな彼らの行動は主君の一声で完全に停止する。その間に名無しは完全に消え、最早補足は困難であろう。

 

「……あれは"水子の霊"じゃ。飛びきり暗く黒く変容した……な。喰ろうても貴様らの腹の足しにはならんだろう」

 

 その言葉に羽衣狐の百鬼夜行は騒然となる。

本質的には実際に赤子を食らったところで柔らかい肉程度にしか思わない彼らであるが、水子の霊――というより水子の悪霊では話が変わる。

 

 呪いや祟りとは、当然ながらより怨む程に効力を増すものだ。そして、その中でも極めて異質なものが、"産まれられなかった怨み"そのものだろう。

 

 ここにいる妖怪らは、かつては人間だった者や、生まれながらに霊だった者や、人間の畏れが転じた者など多種多様な生まれを持つ。しかし、形は違えども少なくとも生まれられなかった者は居なかった。

 

 そして、羽衣狐が二の足を踏む程となれば、産まれられなかった水子の悪霊が怨むとなれば、それは妖怪も人間も関係無く、生まれたもの全てを呪う原初の呪詛そのもの。

 

 そんな存在は最早、人間でも妖怪でもない。到底、生半可な妖怪の手に負える代物ではないのだ。仮に名無しをこの場で殺せば、与えられた死をトリガーに周囲一帯に死の呪詛を撒き散らし、この街を人間も妖怪も存在できない死の領域に変えてしまう事も十分にあり得た。

 

 故に羽衣狐の奇妙な行動は妥当であり、非は我らにあったと百鬼夜行の大多数が納得した事だろう。

 

「今宵はここまでじゃ。名無しは妾と刑部(おさかべ)がやる」

 

「よーし! じゃあ、お言葉に甘えて姫はかえっ…………………………なんて――?」

 

 それならばと羽衣狐の百鬼夜行は徐々に解散を開始した。

 

 羽衣狐の隣で唖然としつつ絶望したような表情をしている刑部姫であるが、彼女は日本妖怪の中でも上から数えた方が遥かに早く、呪法にも明るい大妖怪の一角である。また、一派と言うよりも羽衣狐個人に仕えているという認識が正しくそれにも関わらず、一派内では幹部相当の扱いを受けているという一目を置かれた存在なのであった。

 

 まあ、少々性格や言動に問題はあるが、羽衣狐の昔からの友人でもあるため、ご愛敬と言える。

 

 また、彼らにとっては、半人半妖の依り代に身を(やつ)した(あるじ)が、以前と変わり無いどころか力を増している姿を見れただけでも意味はあろう。

 

 ぼんやりと輝く月が傾き始めた頃。日本三大悪妖怪の百鬼夜行は、影が溶けるように緩やかに消えて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでハロハロちゃんには何が見えたの?」

 

「……………………」

 

 百鬼夜行が解散し、辺りに静寂と微かな虫の音だけが広がる頃。電波塔の上に立ち、何をするわけでもなくほんやりと月を見上げる羽衣狐に刑部姫はそう問い掛けた。

 

「嘘はあんまり吐かないけれど、ホントの事も言わないのがハロハロちゃんだもの」

 

「――景色が見えた……」

 

 刑部姫が促すと、一度目を瞑ってから再び開いた羽衣狐はそう呟く。その表情は彼女にしては珍しく面白く無さげに見え、友人が精神的に疲弊している稀有な様子に眉を上げる。

 

「奴は鬼と人の間に産まれられなかった水子の霊じゃ……その上、母方の血が妾のこの身体に流れておる」

 

「ふーん……」

 

 どうやらただ事ではないらしいことは刑部姫も理解した。人と妖怪の間の子、それは今の犬山乙女の身体もそれだ。その上、己がその血を引いているとなれば、羽衣狐が取った不可解な行動もわからなくもない。

 

「例えに赤子の手を捻るとは言うが……如何に黒くとも産まれてさえいない無垢な稚児(ややこ)――"人間"を手折るのは矜持に反する」

 

「ねぇ、羽衣ちゃん? でもそれってアレを殺さない理由にはならないでしょ?」

 

 その余りに人情の無い刑部姫の正論に、羽衣狐は彼女を睨むと共に細く伸ばした尻尾が首筋にそっと這わされ、その身からは酷く暗く静かな妖力が滲み出ている。

 

 しかし、簡単に頚を刎ねられるであろう状態にありながらも、刑部姫はまるで意に介さず、羽衣狐の瞳を真っ直ぐに見据えながら言葉を吐いた。

 

「優しいねぇ。でも今も昔も……出産前の子は人間に数えなかったハズだけど?」

 

 羽衣狐の本質は人間を護る怪異であり、刑部姫が知る限り最も優しく甘い理想を抱いた存在である。

 

 しかし、今の彼女は他でもない自身の博愛によって、その途方もない在り方そのものである信念を捻曲げた事は明らかだった。

 

 数少ない羽衣狐の本質を知る刑部姫は、それだけは我慢ならなかったのだろう。何よりも唯一無二の友人として。

 

「――――!? そんなわけがあるか……。腹に稚児(ややこ)を宿した事のある者なら……そんなわけがあるものかッ!!」

 

 それは血を吐くような言葉であり、羽衣狐――羽衣というただ一匹の妖狐にとって、深い深い水底の奥の奥にある一条の光。

 

 かつて、それだけを(よすが)に妖怪を喰らい始めたちっぽけな狐の慟哭である。

 

「人間を……。産まれることすらできなかった子を……二度殺すなど……できるものか……! 妾には……! 妾には……殺せなかった……殺さなきゃならないのに……」

 

「よしよし、よく言えました」

 

(やっぱり私が殺らなきゃダメかぁ……。あー、かったるいなぁ)

 

 崩れ落ちた羽衣狐を胸に抱き止め、そう考えつつもここではない何処かを眺める刑部姫の瞳は、大妖怪らしい怨讐とすら思える明確な殺意を宿していたのだった。

 

 

 

 

 






名無し(ハゴロモ特効)



~QAコーナー~

Q:羽衣狐の一派って鬼太郎的にどんな集団なの?

A:鬼太郎が倒すのに1体で1話掛かる悪い武闘派妖怪がうじゃうじゃ集まってる奴ら(国籍問わず)。鎌倉武士。拳王軍。


Q:おっきーって一派の大多数の妖怪たちの認識(重要)だとどんな位置にいるの? ぬら孫で例えて。

A:土蜘蛛


Q:おっきーと羽衣狐の関係ってなんなの?

A:事実婚(共依存)


Q:fateのジャックちゃんを羽衣狐に会わせたらどうなるの?

A:産む


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