個性『傀儡士』   作:野良風

4 / 8
四話

朝 大型自動車が次々と道路を走っていき、目的地に着いたようだ。そう、そこはあのヒーロー学校、雄英高校だ。

 

「カメラ回すぞ」

 

「早く!行くぞ!」

 

そういったかけ声が交じり合い、雄英の生徒一人一人に声をかける。

 

 

「オールマイトの授業はどんな感じです!?」

 

マイクを向けた先は、ボサボサとした緑色の髪の緑色出久だった。

緑谷はビクッと体を固めた。なにを言えばいいのか分からない様子で

 

「え?!あっ、いやスミマセン…僕、保健室に行かなきゃいけなくて…あの…本当にすみません!では!」

 

 

「平和の象徴が教壇に立つのはどんな感じですか?!」

 

マイクを向けたのは茶髪で頬は赤らむ麗らかな女の子、麗日お茶子。 お茶子は考えながら

 

「えーっと…筋骨隆々?って感じです!ムキムキマッチョで、アメリカンで〜…なんか、面白いです!」

 

 

「教師オールマイトについてどう思ってますか?」

 

マイクを向けたのはメガネをかけた大真面目な飯田天哉。

 

「最高峰の教育機関に自分は在籍していると事実をことさら意識させられますね。風格はともかくユーモラスな部分など様々なものを感じますね。トップヒーローとは常にトップヒーローであり、トップヒーローとは、何がヒーローであるかを意識させ、ヒーローなるもの…」

 

長々と話し出す飯田、マスコミは話し相手を選ぶ相手を間違えたという表情でため息をつく。

 

 

「オールマイ…あれ!?君確かヘドロのときの…」

 

「やめろ!」

 

マイクを向けようとした先は、グギギと歯ぎしりする爆豪勝己。黒歴史を掘り起こされては当然の反応だ。無理もない…

 

ある意味ニュースにされ、騒ぎを起こした彼は有名人といっても間違いではない。

 

「すいません、オールマイトについて一言でも」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

サソリにも来たが無視をした

 

 

「オール…小汚!なんなんですかあなた!?関係者ですか!?」

 

マイクを向けた先は1ーAの担任、相澤消太だ。

 

相澤はマスコミに手をしっしと払いのける感じに

 

「彼は今日非番です、授業の妨げになるので帰って下さいそれと、赤砂遅刻寸前だぞ」

 

「すいません、昨日オールマイト先生に壊されたので朝まで直してました」

 

「次から気を付けろよ」

 

「あっ!ちょっ、待ってくださいよ!貴方雄英の関係者か何かでしょ!?オールマイトについて一言だけでいいですので聞かせて下さい!」

 

赤砂は、教室に行こうとしたら

 

ピーー!!

 

ガガガガガガガガガ!!!

 

校門のセンサーに触れてセキュリティが動いたきそのため門は完璧に閉まった

そのまま教室に向かった

 

かれこれ時間はSHRの時間だ、連絡事項や生徒の出席の確認…様々だ。

 

「さてホームルームの本題はここからだ、早速で悪いが君らにどうしてもやって貰わなければいけないことがある」

 

「うわ!もしかして抜きうちテストとか!?」

 

「うわー!マジ最悪!相澤先生の場合、赤点の人は除籍処分とかされそー!」

 

相澤は発狂する芦戸と上鳴に

 

「お前ら除籍処分にされたいか?」

 

「嫌っす聞きます」

 

怒れる相澤を前に2人は恐縮している。

 

「それで、本題とは?」

 

サソリがそう聞くと

 

「ん、お前ら…今から…」

 

みんなはゴクリと唾を飲み相澤は雰囲気をまとってこう言った。

 

「学級委員を決めてもらう」

 

「クソ学校ッぽいのキターーー!!」

 

ヒャッホーイと歓喜の声をあげるみんな、みんなが予想してたのとは違ったため良かったのであろう。

ホッと一息つくと同時に、異常気象で突然嵐が発生したかのように、一気にクラスの皆んなが大きく騒めき出す。

 

「(学級委員か)」

 

他のクラスメートが騒いでいると飯田が

 

「だからこそ複数の票に入ったものが、多数決で決めるというのはどうだろうか?それでこそ真の学級委員に相応しくないか!?というわけで先生!票で決めて宜しいでしょうか!?」

 

皆んなを説得する飯田は、先生の方向に振り向く。ここでキャンプでもするのかとツッコミを入れても良いのだろうか、相澤先生は寝袋に入っていた。それも睡魔に襲われてるのか、眠たそうな顔をして。

 

「うん、まあ制限時間内に決めりゃあなんでもいいよ」

 

やる気のない、ダルい声でボソリと呟くと、ゼリー状の栄養食品を飲みはじめた。

 

 

そして

数分後

 

票が多かった数

緑谷出久 3票

八百万百 2票

飯田天哉 1票

その他1票、あるいは0票

 

「ぼ、ぼ、僕3票ーー!?」

 

選ばれたのは、緑谷出久だ。

 

「な、何でデクに…一体誰が…!」

 

ありえないと言う様子の爆豪

 

「まー、オメーに入れるよりかはマシかもな!」

 

「あぁ!?しょうゆ顔今なんつった…?」

 

「あ、いや…」

 

つい言ってしまったと後悔する瀬呂にキレる爆豪。

 

「……」

 

横目でなるべく爆豪を見ないようにしてるのはお茶子であった。

 

(爆豪くんにバレたら怒りそうで怖いな〜…)

 

心のなかでそっと言い聞かせるお茶子

 

「くっ…やはり誰も入れてくれなかった…!」

 

「他に入れたのね…」

 

と言う蛙吹に砂糖は

 

「飯田、お前やりたかったのに誰に入れたんだ?」

 

「緑谷くんだ」

 

「じゃ、飯田に入れたのは」

 

サソリは、飯田に入れていたのだ

 

時間が来たため委員長決めは終わったことを確認し相澤は学級委員決めを締め切ることにした。

 

「学級委員は緑谷、副委員長は八百万だ、これで決まりだ」

 

相澤がそう言い終わると八百万は

 

「んー、なんかちょっと悔しいですわ……」

 

「ま、ままママママ、マジでか!!?」

 

横目で見やる八百万に緑谷は動揺を隠せない。

 

(ま、まさかぼ、ぼぼぼ僕が…!うおおぉぉー!)

 

皆んなはどう反応するのか、飽きられたり、批判されたりしてしまわれるのか…そんなことを緑谷は考えていたが、それは大きく外れた。

 

「へー、けど緑谷いいんじゃね!なんだかんだ訓練の時熱かったし!」

 

「八百万は講評のとき凄かったからな!」

 

切島に続き、上鳴も納得したかのように声に出す。この二人は単細胞な為か、疑うことや否定論は全くない。寧ろ相手の良いところを見つけ褒める長所のある良い二人だ。

 

「…くっ!」

 

飯田は正直、少々心苦しいような、誰も選んでくれなかったような寂しさと悔しさの顔が浮かび上がる。

 

「チッ…クソナードが!!」

 

爆豪は緑谷が委員長になったことに悔しさ、怒り、ありとあらゆる感情が心の底から込み上げて来て、思わず掌から爆破を出すのを何とか我慢している。

 

 

 

昼食 食堂メシ処

 

「お米がうまい!」

 

ホクホクの白いご飯が盛られてるお茶わんを持って箸でお米を口に入れるお茶子。美味しそうに食べてるのが分かる。食堂では、緑谷、お茶子、飯田、サソリの四人が来ている。

ここはランチラッシュが安価で一流の料理をふるまってくれるので、食堂は快適だ。

だがその分雄英高校では人が多く、食堂は常に混雑しているのだ。

 

「それにしても…学級委員だなんて僕が務まるのかな〜…」

 

心配する緑谷に対して

 

「ツトマル!」

 

カタコトの飯田とお茶子

 

「うん、緑谷くんなら出来るさ!とっさな判断力と胆力があるから僕は君に票を入れたのさ!」

 

(あの1票僕に入れたのか!)

 

ついとっさに答えた飯田に緑谷はえー!っというような顔をする…当然本人にそんなことは言えない。

 

「けど飯田くんなら迷わず自分に票を入れるかと思った!だってメガネだもん!」

 

(理由そこ!?ていうか相変わらずざっくりくるよな麗日さん…裏表ない証拠なのかな?)

 

メガネだからと言うお茶子は自分の口元についてるお米をとって。

 

飯田は少々目をつむり、考えるように

 

「俺は、飯田に入れた皆をまとめれるきががしたからな」

 

「嬉しいよ、赤砂くん」

 

肩を叩かれ飯田は

 

「でも僕はぼくの正しいことをやったまでで…」

 

ん?

ぼく?

僕??

 

「…」

 

「ん?どうしたんだい三人とも固まって?」

 

「「「・・・」」」

 

「ん?どうしたんだい三人とも固まって?」

 

二人は意外みたいな顔をしているに対し飯田は不思議そうな顔をする。

そんな飯田にお茶子は

 

「飯田くん…前々から気になってたんだけど…もしかして、坊っちゃん!?」

 

「坊!!」

 

「そ、そう言われるのが嫌だから一人称を変えてたんだ!つい癖で言ってしまった…ああもう!恥ずかしい…!」

 

「けど飯田は、オレンジジュースもいっつも飲んでるよな!」

 

サソリが聞くと

 

「いや、これは違うんだ…俺の個性はエンジンで、オレンジジュースはエンジンのガソリンとなるんだ!」

 

「へぇ!なるほど…!あとでメモしておこっかな…」

 

ボソリとつぶやく緑谷。

 

まさかオレンジジュースが飯田のエンジンのガソリンになるとは知らなかった。飯田は観念したかのような顔でこういう

 

「実は俺の家は代々ヒーローの一家なんだが、俺はその次男だ」

 

「ええーーーー!!」

 

緑谷とお茶子は、驚きのあまり大声をあげてしまう。

 

し、知らなかった…!ちなみにどんなヒーローの!?」

 

興奮して飯田に食いついてくる緑谷。

 

「…ターボヒーロー、インゲニウムは知ってるかい?」

 

「知ってるよ!たしか事務所で65人もののサイドキックを雇ってる大物プロヒーローだよね!飯田くん、まさか…!」

 

緑谷はもしやと飯田家のことを予想した。

 

「ああ、それが俺の兄さ!」

 

「あからさま凄いや!」

 

飯田は自慢気にいうと緑谷はなお一層目をキラキラさせている。

だが飯田は

 

「俺の兄は人々を導く存在だ、だから俺はそんな兄に憧れた…だけど俺にはまだ人を導く立場は早すぎるんだと思う」

 

「飯田…くん」

 

(僕のヒーロー像がオールマイト…だけど飯田くんの場合はインゲニウム、飯田くんのお兄さんなんだ)

 

緑谷は、飯田の気持ちがよく分かった。

 

幼いころ緑谷はオールマイトにずっと憧れてた、何度も何度もネットの動画でオールマイトの活躍を観るくらいに。けど

 

(飯田くんは真面目だし…それに人の立場や状況を分かってる…飯田くん考えすぎなのかな、飯田くんは十分に人を導ける立場なのに……勿体無いな…)

 

声に出して言いたかったが、出すことが出来ずつい心のなかでそう呟いた。

 

「なんか飯田くんって凄いこと考えるんだね!凄いやすごいや!」

 

「す、凄いこと?ぼ…俺は兄と俺のことを言ったまでで別にそんな」

 

苦笑する飯田にお茶子はまた

 

「あー!飯田くん笑うところ初めて見た!」

 

「お、俺だって笑うときはあるぞ!」

 

「一様、飯田だって人だぞ」

 

お茶子と飯田はそんなやりとりをしているのに対し緑谷は安心、暖かい目で3人のやりとりを見守る。

 

その時

ヴヴヴヴヴヴーーーー!!!

 

警報がなった

 

「な、なんだ!?」

 

突然の出来事に驚く飯田にお茶子は驚きのあまり飲んでた味噌汁を吹き出してしまう。

 

緑谷なんかは食べてたカツ丼を途中で喉に詰まったために、水を飲んで腹を手で叩いている。

 

「これは警報…?けど一体何で」

 

首をかしげる飯田

 

『セキュリティ3が突破されました』

 

どうやらアナウンスがそういうと食堂にいたみんなは慌てて一斉に逃げるようにする

 

「セキュリティ3?何ですかソレは!?」

 

「学校の中のセキュリティだよ!誰かが潜入したんだ、今まで3年間そんなことなかったのに!君たちも早く逃げるんだ!」

 

3年生の先輩が逃げるようにそういった。

侵入者?一体誰が??

 

数分で行列となり動けなくなるぐらいになった

そして、サソリ

 

「(あれ、マスコミか)」

 

いち早くマスコミが犯人だと分かった

 

「飯田」

 

「どうした」

 

「これは、マスコミの仕業だ」

 

サソリは、飯田に伝えた

 

 

 

そして、外では

 

「オールマイト居るんでしょう!?出してくださいよ一言いただけたら帰りますから!」

 

「だから非番だっつーの!」

 

しつこいマスコミに舌打ちするプレゼント・マイク。

 

「だから一言いただけたらもう帰りますから!」

 

「一言とって二言欲しがるのがあんたらマスコミだ」

 

両手でなんとか落ち着かせるようにする相澤先生。

だが一向におさまらないマスコミ、流石に限度が過ぎてるので、プレゼント・マイクは相澤に舌打ちする。

 

「なあ、もうこれ不法侵入だ…ヴィランだぜこれ?ぶっ飛ばしてもいいかな…?」

 

「やめろマイク…あることないこと書かれるぞ、取り敢えず警察を待とう……連絡しておいた」

 

キレるマイクを止める相澤、相澤がとても大変そうだ。

 

 

 

学校内では

 

(先生方がマスコミを止めている…となるとみんなはこのことに気付いてない…そうだ!)

 

飯田はふと閃いた。自分が今取るべき行動を、自分が何をすべきか、どうすれば皆んなをまとめれるのか。

 

「赤砂くん麗日くんのところまで飛ばしてくれ」

 

「分かった」

 

飯田に糸をつけ麗日の所へ飛ばし

 

「麗日くん!俺を浮かしてくれ!」

 

「え?う、うん…分かった!」

 

するとなんとか、お茶子の手がギリギリ飯田の手に触れることが出来た。

 

個性で浮かされて飯田は

 

(目立つ場所で)

 

足のエンジンを使って

 

ドロロローーーン!!

 

エンジンの音が皆の頭上で響く。

すると回転するように扉の上の壁になんとかくっつき。

 

(短く!正確に!大声で!大胆に!)

 

そして大きな声で

 

「皆さん!大丈ーー夫!!」

 

するとようやく飯田に注目した。

 

今の飯田はまさに非常口の看板だ。

 

「皆さん落ち着いて下さい!ただマスコミが校内に入っただけです!」

 

そうすると

 

「なんだよ…」

 

「ビックリした〜」

 

「驚いたぜ」

 

「押して悪かったな」

 

皆んながそう声を交わっている。

 

「まあ、それにしても飯田スゲェな!なんだそれ、非常口の看板じゃんか!」

 

感心する切島は飯田に指をさしてものを言う

 

サソリは、窓を見ると

変なヤツがいた

 

「なんだアイツ」

 

「クラス委員長、早く初めて」

 

教室内では、今度は委員決めを行うそうだ。カチコチしてる緑谷に八百万がそういうと

 

「で、では他の委員決めを行おうと思います…が、その前に…」

 

すると緊迫してた緑谷は、すぐに緊張を解きほぐし飯田をみる

 

「クラスの委員長は、飯田くんがやるべきだと思います」

 

「!」

 

緑谷の発言に飯田はおどろき固まってしまう。

緑谷は話を続けて

 

「だって…飯田くんは皆んなをまとめれることが出来たんだもん…僕は飯田くんがやるべきだと思います!」

 

「緑谷くん…」

 

緑谷に続き

 

「あっ、確かにそれいいな!緑谷もいいけど食堂のときの飯田カッコよかったしな!」

 

「非常口みたいだったしな」

 

納得する切島と上鳴に続きほかの皆んなも

 

「おー!確かにその方がいいよな!」

 

「非常口飯田頑張れよ〜!」

 

砂糖に瀬呂

 

そして飯田の後ろのお茶子は

 

「良かったね、飯田くん!」

 

そして、サソリも

 

「俺も賛成だ」

 

お茶子とサソリは喋った、飯田はクスッと微笑んだ。

 

クラスの委員長である緑谷くんが言うなら仕方ないな!では俺がクラスの委員長になろう!」

 

飯田はみんなにそういうと

 

「おう!頑張れよ非常口飯田!」

 

「非常口〜!」

 

飯田の名前はいつしか非常口などと名付けられたが飯田自身は嫌がってない様子だ。

 

「オイ…何でもいいが早くしろ…時間ないんだから」

 

ギロッとみんなを睨む相澤にみんなは静まり返る。

 

「では、まずほかの委員決めだが…!」

 

 

校門では

 

「……ねえ、普通に考えてさ…ただのマスコミに…こんなこと出来るかい?」

 

静かな声だが、そこには裏付け…まるでその原因を探るような、怒りを隠す声がそう響く。

身長は低く、白いネズミみたいな人が、そう、校長であった。

 

「そそのかした者がいるね…」

 

他の教師たちも『ソレ』を見てうなずくと

 

「邪な者が入り込んだか…あるいは…」

 

『ソレ』は今、目の前の校門の現状…校長先生はこう言った。

 

「宣戦布告の腹づもりか」

 

校門のセキュリティバリアーが崩壊されていた。まるで枯れ葉を粉々にしたようなそのバリアーに、殺意と悪意が込められていた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。