対魔忍世界なんかに屈しない!   作:倉木学人

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初回だけ、日記形式です。


とある転生者の日記

・○月×日

 

 偶然、この日記帳を手に入れることができた。

 日記という響きには文明的なアトモスフィアを感じる。

 これから毎日、日記をつけることにしよう。

 

 

・㈲月㈱日

 

 吾輩は転生者である。

 名前はまだない。

 

 黒塗りの高級車に激突した所で、前世の記憶とやらは途切れている。

 それからハガレンの真理的な存在に会い、神様転生的にチート能力を貰ったのを覚えている。

 私のチートは、“ジョジョの奇妙な冒険”における全スタンド能力のDISC。

 気分はリアルディアボロの大冒険といった所だろうか?

 

 意図はつかめないが、気前の良い存在もいたものだ。

 スタンド能力を使いこなそうとするだけで、毎日が楽しい。

 ゲーマーとしての腕がなる。

 

 

・↑月↓日

 

 私はこの世界のことを良く知らない。

 分かることは、その世界で私は獣人と呼ばれる種族の雌として生まれたということだ。

 この世界において獣人は魔族と呼ばれる存在の一部であり、その中でも獣人は下等な種族らしい。

 

 私は狼女である。

 しかも、ケモ耳と尻尾があるだけのなんちゃってタイプだ。

 男はケモ度が高いのに、女は人に近いとこれいかに。

 まあ和製ファンタジーだなとは思うが、もっと良い種族があっただろうと思わないでもない。

 魔族とかなら、吸血鬼とか魔人とかになりたかったな。

 変にゴブリンやコボルトなどの種族にならなかっただけ、マシだと思うことにする。

 

 あと前世は男だったので、地味に傷ついている。

 まだ若い子供なので性差はあまり感じないのだが。

 スタンド能力でも、この辺りはどうしようもないのだ。

 “ダイバー・ダウン”や“クヌム神”で肉体の改造・変身はできるが、それっぽくなるだけだし。

 この辺りはその内、あきらめがつくと良いのだが。

 

 気になることとして、時々近代的な物を見かけることがある。

 魔術とかもあって世界観はファンタジーっぽいが、微妙に現代文明の香りがする。

 特に村のインフラを担うバイオマス発電機は、その存在が不格好だ。

 そのせいで、中国の田舎にでも来たような印象を受ける。

 

 ちなみに、私は魔術が使えないようだ。

 やけに美人でエロい体つきの母親曰く、獣人は身体能力がそこそこ高いだけの種族らしい。

 魔術が使えないのは残念だが、まあスタンド能力があるので良しとしよう。

 能力持ち、しかも複数持っているというだけでも、この世界では希少な部類らしいからな。

 

 

・…月…日

 

 最近、私はもっぱら狩りをして日々を暮らしている。

 スタンドを使うのにも大分慣れてきた。

 私が村を脅かす妖狐を討伐したことから、“フォックスハウンド”という名前がついた。

 名づけがこんなのでいいのかと思ったが、この村ではどうやらこういうものらしい。

 あと、妖狐は何故かとてもエロかったです。

 

 この村は退屈だ。

 たいした娯楽もなく、教育の概念も感じられない。

 大人たちの娯楽と生活は狩りをして食って、酒を飲んでヤるだけである。

 正に蛮族という他に言いようがない。 

 

 私の母親も、村の名も知れぬ男と盛っているのを見かける。

 新しい弟か妹かが出来る日も近いだろう。

 既に十分な数がおり、全くと言ってありがたみは感じないが。

 

 私もいずれ、ああなるのだろうか?

 最近、この現状に対して恐怖を感じる。

 この村から出たいという気持ちが日々高まっている。

 

 最近の楽しみは、外から来た行商人のおじさんと話すことである。

 彼からは、多少なりとも知性というものを感じ指させてくれる。

 この村の連中を露骨に見下しているが、私も同類だ。

 褒められたものではないが、共感はできる。

 

 とにかく前世の娯楽が恋しい。

 この世界に、そういったものはないのだろうか?

 ”バーニング・ダウン・ザ・ハウス”でお菓子や本の幽霊を出して気を紛らわせているが、限界が近い。

 

 

・+月×日

 

 今日も行商人のおじさんから村の外の話を聞く。

 外の世界はきらびやかで、楽しいことが一杯らしい。

 ハッキリ言って胡散臭いことこの上ない語りであるが、嘘ではないと信じたい。

 少なくとも、この村の生活よりは幾分マシだと思う。

 

 そういう私を見かねたのか、一緒に来ないかとの勧誘を受けた。

 私はこれに快諾した。

 明日にでも、この村を発つつもりだ。

 

 母親には当然不審に思われ、猛反対された。

 曰く、外の世界は危険でいっぱいらしく、私でも無事で済む環境ではないとのことだ。

 あんな親でも、心配はしてくれるのであろう。

 昨日はあんなアへ顔を晒していた癖に。

 

 私にはスタンドがある。

 どんな環境でも生きていける自信が私にはある。

 最強のスタンド勢が、私の手元にあるのだから。

 

 ただ、“ドラゴンズ・ドリーム”で占った所、凶と出たのがどうしても気になった。

 “ペイズリー・パーク”もこの村に居る事が最善だと出ている。

 一方で、“ヘイヤー”は私に賛同してくれる。

 この能力たちは信用と信頼ができるので、どうしたものか。

 

 この村を出る事は決定事項だが。

 一つ、策を練ってみることにする。

 明日に向けて、“シンデレラ”のメイクをしておこう。

 

 

・*月※日

 

 今明かされる、衝撃の真実ゥ!

 どうやらこの世界は18禁ゲー“対魔忍アサギ”の世界であるらしい。

 どうも日常にエロ関係の物が多いと思ったら、そういうことかよ!

 

 行商人のおじさんが私を奴隷にしようとしてきたのが、事の始まりである。

 それを事前に察し、“ヘブンズ・ドアー“を使って返り討ちにして洗脳した。

 その際、幾らかの情報を抜き出したのだが。

 この男がノマドという組織の下の下っ端であることが判明したのだ。

 

 私もそれだけなら気づかなかったのだが、偶然“エドウィン・ブラック“の名を見つけてしまったのだ。

 その名は対魔忍世界におけるラスボス的存在である。

 私が頭を抱えたのも無理はないと思う。

 

 スタンドを持つことで今まで調子に乗っていたが、これは楽観視できない。

 この世界の連中の戦闘力に関して、見直す必要があるだろう。

 “ハイスクールD×D”のようにインフレこそしてないが、それでも世界観的に“Fate/”ぐらいの強さがあるだろう。

 そうした中で、スタンド能力なら大丈夫だと思えるだろうか?

 普通、“ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム”が負けるとは到底思えないのだが。

 

 対魔忍世界は頭こそ悪いが、エロに特化しすぎていることで有名だ。

 万が一、ということも考えられる。

 これからは気を付けよう。

 

 しかし、これからどうしよう?

 とりあえずは、この男の奴隷のフリをしておこうと思う。

 しばらく様子を見てみることにする。

 

 

・!月?日

 

 奴隷に扮して裏から人を操り、魔界を転々とする日々が続く。

 

 この世界は、やはりお世辞にも良い場所とは思えない。

 魔界は群雄割拠の時代が続いており、その中での小競り合いが目立っている。

 文化は歪で、前世を持つ私に馴染むものはあまりにも少ない。

 なんかエロに関係するものだけ無駄に強力で多種多様である。

 はっきり言って、イカれてるとしか思えない。

 異常なのは私の方だとは分かっているが。

 

 お金などの持ち物は肥大化する一方だが、“エニグマ“により紙にして纏められるので問題はない。

 未だ完全に使いこなせてはいないが、いくらでも持てる保存の壺はやはり反則だと思う。

 いくつかのスタンドのDISCや小道具は、緊急時のため普段からそうやって持ち歩いている。

 スタンドのDISCは基本一つしか装備できないが、外した後も効果が残る能力はいくつかあるのは助かる。

 

 そうした活動の中で、日本産のインスタント食品であるカップ麺を手に入れる機会があった。

 懐かしの味とはかなり違ったが、それでもあまりの美味しさに思わず涙してしまった。

 私の中で、日本を目指すことが確定した瞬間だった。

 

 日本の中で魔界の住人が住める場所となると、魔都“東京キングダム”となる訳だが。

 そこまでの上手くルートを構築するのに悩んでいる。

 最近では奴隷のチェックも厳しく、仮装奴隷としての身分に悩んでいる。

 “ヘブンズ・ドアー“や”ホワイトスネイク”による洗脳は便利だが、偶に洗脳耐性がある奴を見かけるので頼り切りにすることはできないでいる。

 

 できれば、きちんとした身分を確保したい所だ。

 具体的に言うと、地球で使える銀行口座かクレジットカードが欲しい。

 

 

・@月◎日

 

 今の奴隷としての身分を捨て、一回こっきりの傭兵となることにした。

 魔界のとある小組織が東京キングダムにおいて活動する予定で、大量の傭兵を募集していた。

 今回はそれに乗っかった形だ。

 これで簡単に東京キングダムに行くことができた。

 私は単なる雑兵扱いだったが、こちらはそう死ぬ玉ではないので問題ないはずだ。

 失敗しても逃げればいいし、いけるいける。

 そう思いたい。

 

 当初、獣人の子供ということで見くびられたが。

 能力者であることを示すと、すんなりと受け入れられた。

 とにかく少しでも力ある奴を揃えたかったようだ。

 東京キングダムでの仕事が終われば、そこからその場で別の仕事を探せば良いだろう。

 スタンドの御蔭で、仕事に困ることはないだろう。

 

 傭兵になったのは良いが、周りの獣人やオーク共の視線が煩わしい。

 子供相手に欲情してんじゃねーよ、ボケ共が。

 あまり強いスタンドではないが、“イエロー・テンパランス“で変装するべきだったか?

 

 

・^月’日

 

 今日、対魔忍と戦った。

 ぶっちゃけ、対魔忍舐めてた。

 あいつら戦闘に関しては、めっちゃ強かったわ。

 

 私は武装した獣人たちと拠点の防衛を任されていて、スタンドでそいつの存在を感知したのだが。

 そいつが現れた瞬間、あっという間に私の周りの奴は死んでいった。

 こちら側も銃で武装しているはずなのに、それがまったくといって意味を成していない。

 相手だけ無双ゲーやっている感じだった。

 彼女は名も知らぬ対魔忍だったが、そのことが恐ろしく感じた。

 

 その時、私はお気に入りのスタンド、“ウェザー・リポート”を使っていたのだが。

 相手は霊能系忍術の使い手であることを説明口調で態々名乗っており、こちらのスタンドが見えるらしかった。

 まあそれでもスタンドにはスタンド攻撃しか通じないようなので、それだけなら驚くことはなかったのだが。

 なんと“ヘビー・ウェザー”や純粋酸素を使わなかったとはいえ、相手は私と互角へ持ち込んでいた。

 

 “ウェザー・リポート“はかなり強力なスタンドのはずなのだが。

 攻撃も防御も索敵もできると応用範囲がすさまじく広く、その威力はラスボスすら殺して抜ける。

 よって、これまで戦闘にも愛用していたのだが。

 まさか稲妻攻撃や風圧を乗せたラッシュをモブ対魔忍に防がれるとは思っていなかった。

 今後はもうちょっと慎重になるべきなのかもしれん。

 

 結局、一騎打ちで勝負はつかず。

 増援に来たオーク共が催淫ガスを投げ込んだことで決着はついた。

 情報として知ってはいたが、対魔忍ってビックリするぐらい搦め手に弱いのな。

 

 てかあいつら、味方のこちらも巻き込みやがってクソが。

 私もまとめてお楽しみにしたい、という気持ちを隠していないことに反吐が出る。

 即興で“ウェザー・リポート”による雲のスーツを作っていなかったらヤバかった。

 

 あの後私はその場を離れ、敵を捕まえたことを報告した。

 持ち場を離れたことは怒られたが、正直あの場に居たくなかったので仕方ない。

 モブ対魔忍がどうなったかは興味が無い。

 あいつらは種族と仕事的に私の敵だったのだし。

 彼女も対魔忍的なことになっているのは心が痛むが、それだけだ。

 

 結局、我が身が一番可愛いのだ。

 チートで複数の能力持ちの私は、色々言えたことではない。

 分かってはいたが、私に黄金の精神など無いな。

 せめて漆黒の意思ぐらいは持ちたい所だが。

 

 

・^月∩日

 

 拠点を探すために、東京キングダムで情報を集める日々が続く。

 傭兵の雇い主に会いに行ったが、以前捕らえられたモブ対魔忍は未だになぶられ続けているようだった。

 そんな情報、知りたくねーよ。

 

 てかあいつら、まだヤり続けてんのかよ!

 嬉々として子供相手に拷問道具を見せて説明すんじゃねーよ!

 下のお口はそんなデカいのは入らないだろ!

 対魔忍が頑丈とは聞いていたが、程度があるだろ!

 

 明日は、わが身になるかもしれない。

 気を付けよう。

 ホント、自分がああなるかと思うとゾッとする。

 

 比較的安全なラブホテルや屋敷幽霊に寝泊まりしているが、それでもおちおち安眠できない。

 “デス・13”みたいなのに襲われると困るので、寝る時はスタンドをスタンバっている。

 それでも何があっても可笑しくはない。

 まったく対魔忍世界は(女にとって)地獄だぜ!

 

 早く比較的安全な拠点が欲しい。

 折角日本に来たってのに、サイバーパンクな退廃具合に精神がやられそうだ。

 だが、ここが踏ん張りどころだろう。

 頑張ろう。

 

 

・?月$日

 

 ねんがんの拠点をてにいれたぞ!

 

 あれから傭兵仕事を終えて現地に残った私は、東京キングダムにおける生活拠点の確保を行った。

 適当な不動産屋を傭兵時代のつてから紹介してもらい、人からくすねた札束の山で無理やり確保した形だ。

 暴力や洗脳を用いなくても、大抵のものは金で買えるって素晴らしいね。

 最低限の暴力や洗脳が無いと、即堕ちエンドなのは目を瞑りたい。

 

 そこは古くてこぢんまりとした倉庫風の建物だ。

 一人暮らしにはやや大きすぎるくらいで、大した設備もないのは不満だ。

 だが“ドラゴンズ・ドリーム”で占って吉と出た場所なので、悪くはない立地なのだろう。

 

 ここで私は商売を始めることにする。

 仕事はスタンド能力を生かしたヒーラー。

 つまりの所、ブラックジャック的な闇医者である。

 治療の出来るスタンドが複数あるので、それを有効活用する形だ。

 元手がタダであるし、治療行為は金と地位になると踏んだのだ。

 

 何もかもが手さぐりの状態ではある。

 今の所お金には困っていないが、社会における信用は確保しておきたい。

 一刻も早く、音楽などの前世でお世話になった便利アイテム群を確保したいのだ。

 この商売が軌道に乗ってくれることを祈るばかりである。

 

 久しぶりに気分が良い。

 さて、表にゴミ捨て場で拾ってきた病院の看板でも立てかけるか。




適当に続く。

あとで日記の内容を一部詳しく描くかも。
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