銃撃の中のナイフ使い   作:風峰 虹晴

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またまたタイトル通り。


part11 新武器とボスモンスター

かなり時は進んで私がGGOをやり始めて約3ヶ月。レベルは31になりました。毎日MKかPKを2〜5人でやるんだけど……。最近、少し悩んでいる。それは…………

 

「このお金……どうしよう……。」

 

私は手元に大量にあるクレジット(GGOでのお金)の使い道に悩んでいました。わかるだけの理由は、銃や防弾チョッキ等を買っても意味がない。もしくは装備できないことがあること。AGI全振りしているので、筋力値のせいで銃を持つことができないことや、防弾チョッキ等の防具は、ダメージ4倍なので全然意味がありません。今ので十分に事足りています。あと、ハンドガンの銃は、そもそもあまり撃たない(具体的には1ヶ月に10マガジン消費)ので、そこでもお金を使いません。

 

「うーん……ショップにでも行くかなぁ……。」

 

私はお金を消費するためにショップに向かいました。お金をリアル還元はしません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん……やっぱり、いいのはないよね……。」

 

私は商品を見ながらそう呟いた。元々ナイフプレイだから、近距離で攻撃力の高い武器なんてそうそうないし……。ちなみに手元にあるお金は50万クレジット(現実換算すると5千円)。私は1人でショップ内を歩いていく。すると、あるものが置いてある場所に着いた。

 

「…………光剣かぁ…………。」

 

名前だけは聞いたことがある浪漫武器、光剣。某有名SF映画に出てくるような見た目と性能の武器で、なんでも斬れるそうな。でも、浪漫武器ではあるけど、人気はないらしい。理由は、近づかないと折角の攻撃力が意味を成さないらしいから。銃弾も斬れるけど、フルオートの銃弾の雨を斬って近づける人なんていないだろうし、いたら化け物です。

 

「……………………えいっ♪」

 

私は光剣の種類を選び、光剣の購入ボタンを押す。出てきたYes/NoボタンのYesを押すと、商品をロボットが持ってきてくれた。不人気だけど、面白そうな性能してるし、きっと何かの役に立つでしょ。私は光剣のエネルギーパックも購入する。光剣はエネルギー消費で使えるらしく、エネルギーパックも必要っぽい。

 

「でも、まだお金余るなぁ…………。」

 

私は高価な光剣を買ってなお残ったお金の使い道を考えました。そして、一つ思いついたことがありました。

 

「そうと決まれば売り場に直行〜♪」

 

私は少しテンション高めにして、目的のものが置かれている場所に歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「〜♪」

 

店から出てきた私には、装備が2つ追加されていた。一つはエネルギーの刃の色が、赤に黒を足した赤黒で、柄の部分が黒に赤を足した赤黒の光剣、カゲミツG4。もう一つは、刃渡り20cmのコンバットナイフ2本目。とても奇妙な装備になってしまいました。

 

「まあ、今日は予定もないし、適当に蟻狩りに行こっと。」

 

私は蟻を狩りにフィールドに向かった。そろそろ巨大金属女王蟻を攻略してみようかな…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれかぁ……大きいなぁ……。」

 

私は物陰に隠れながら、いつも狩っている金属巨大蟻が、数匹いる。その数匹が守っているようにしている、2倍くらいの大きさで、他の蟻より、光沢の強い金属で体を構成している蟻。あれが、ここら辺のボスモンスター、『女王蟻』。びっくりするぐらい攻略情報がないモンスター。どうやら、すっごい硬いらしい。

 

「とりあえず……周りの蟻……!」

 

私はまず、近くにいる立場的に『働き蟻』に当たる金属蟻に向けて、ステルスを発動して突撃。2本のナイフを逆手持ちして、まだこちらに気付いていない蟻の右に向けて突撃。そして、そのままの勢いで右脚3本を一気に切り落とす。蟻の体力は一気に6割まで減少する。体勢を崩した蟻の口元に走り、思いっきり口元にナイフを2本突き刺し、引き抜く。それにより蟻の体力がググッと下がり、爆発四散して光の粒子に。

 

「キュイィイィィィイイィ!!」

 

すると、女王蟻が耳をつんざく咆哮を放つ。蟻ってこんなに大きく叫べるんだ。初めて知った。すると、女王蟻が赤い瞳でこちらを見てくる。あれぇ?ステルスしてるはずなんだけどなぁ……?

 

「キュイィイィィ!!」

 

「うわっ!!」

 

女王蟻が叫ぶと、働き蟻の一匹が私に突進してきた。私はびっくりしたけど、冷静に回避し……

 

「それっ!」

 

足の下に潜り込み、すれ違いながら脚の関節を斬り落とす。この蟻の超質量体当たりなんて何回も見たから、避けて斬ることなんて簡単。

 

「今のうちにっ!!」

 

私は一直線に女王蟻に向けて走って行く。左脚を振りかざし、その腕を振り下ろして私に当てようとする。私はそれを回避して、攻撃の隙をついて、その腕を斬り落とした……つもりだったのだが…………

 

ガァァァァァン…

 

「うわっ!?」

 

私は全速力のスピードのまま関節に2本のナイフで同時に斬りかかったが、柔らかいはずの関節に、金属が打ち合う高い音が、周りの空気を揺らし、私のことを弾き返した。

 

「何これ硬い!!うわっ!!」

 

女王蟻に愚痴を言ってると、働き蟻が私に連続で脚を振り下ろすモーションを見て、私は思いっきり横に跳躍して躱す。

 

「ていっ!!」

 

両脚が攻撃後の硬直で動かない蟻の前脚を斬り落とす。やっぱり、斬れ味云々ではなさそう。単純に、関節までもが硬い。そんなんで動けるの?硬くて柔らかい?謎性能過ぎて訳がわからないから絶対違う。

 

「実弾銃なら……。」

 

私はナイフをしまい、ホルスターからハンドガンを抜き、女王蟻の方を見る。よく狙いを定め、撃つ!…………検証虚しく、関節部分に命中したけれど、カンッと音と共に弾かれてしまった。

 

「とりあえず、働き蟻っ!!」

 

私は脚を薙ぎ払ってくる女王蟻の脚を、ジャンプして回避して、反対方向にいる働き蟻の方に、女王蟻の上を高速で走り抜け、飛び降りる。そのまま左脚3本を2本のナイフで斬り落としていく。そして、光の粒子になる。さて、残りは女王蟻さんなのですけど……。

 

「…………どう考えても詰んでない?」

 

銃弾も、得意のナイフも通じない。硬すぎる!こんなん倒せるのとかいるの!?

 

「キュイィィイイイィィイィィ!!」

 

「うるさっ!?」

 

女王蟻が大きく咆哮する。すると、地面から地震の時のような音が聞こえる。そして、その直後、地面に亀裂が走り、地面を突き破り、なんと働き蟻さんが先程の倍、6匹登場する。

 

「えぇ!?こんなのズルいー!!」

 

私は一旦距離を取るために、後ろに全力バックダッシュ。一瞬で数百mの距離を取れたが、蟻達は私の方に近づいてくる。うー……一旦諦めるかな……。そんなことを考えてるそのとき、一発の発砲音が。私に向けて撃ったと思ったけど、その一発は女王蟻の関節部分に命中。しかし、その弾でさえ弾かれてしまう。

 

「マックス!」

 

「ま、マックスさん!」

 

「あぁ……シノンちゃん!ボイちゃん!」

 

後ろを振り向くと、一発撃ったらしい体勢のシノンちゃんと、その後ろでちょこんとしゃがんでるボイちゃんが見えた。私は一度蟻達から離れ、跳躍して建物の上に着地する。

 

「あー!来てくれてありがとう!シノンちゃん、ボイちゃん!」

 

「ま、マックスさんを誘おうとしたんですがいなかったので、ここまで来たんですが……。」

 

「マックスが蟻達に珍しく苦戦してたから、一番大きいのを私が狙ったんだけど……なにあれ?関節部分でも銃弾が弾かれたんだけど?」

 

「あ、説明するね…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………。あの女王蟻についてはこんな感じ。」

 

「うーん……攻略は困難ね……。」

 

私とシノンちゃんは攻略に悩んでいました。すると、ボイちゃんはあることを言う。

 

「あの…………マックスさん。」

 

「ん?どうした?ボイちゃん。」

 

「あ、あの……その腰に下げてるのって、間違えてたらすいませんけど、光剣……じゃないですか?」

 

「ふぇ?あっ、すっかり忘れてた。」

 

私は腰に下げていたカゲミツG4を手に持ち。刃は出さずに空中に投げてキャッチして投げるのを繰り返していた。

 

「えっと……それなら、関節部分なら斬れるんじゃないですか?」

 

「それだよボイちゃん!」

 

「わっ!///き、急に抱きしめないでくださいぃ!///」

 

「あっ、ごめんね。」

 

私はボイちゃんのことを離した。その発想はなかった。確かに、光剣なら斬れるかもしれない!

 

「それじゃ、作戦はこうだね!」

 

私達が考えた作戦を簡単に言うと、シノンちゃんとボイちゃんが、私を襲おうとする働き蟻を足止め、もしくは撃破して、その間に私が女王蟻を攻撃するという作戦です。

 

「んじゃ、2人ともお願いね!」

 

「う、うまくできなくて、足引っ張るかもしれませんけど……が、頑張ります!」

 

「任せなさい。」

 

「んじゃ、作戦開始っ!」

 

私はそう言うとピョンっと建物から飛び降り、多分200m/sぐらいのスピードになる全力ダッシュで、女王蟻に向け一直線に走っていく。すると、働き蟻達が、女王蟻を守るように私に襲いかかってくる。しかし、その働き蟻の脚が吹き飛び、体の体勢を崩す。

 

「今度こそ……!」

 

私は片手にカゲミツG4を持ち、スイッチをONにする。すると、1m程の長さの明るい赤黒のエネルギーの刃が出現する。女王蟻は、私に向けて両足を振りかざし、振り下ろすが、私はそれを避ける。私はその振り下ろされた女王蟻の右脚の関節に向けて、思いっきりカゲミツG4を振り下ろす。

 

「うん……しょお!!」

 

0.5秒ほどかけて、右前脚を斬り落とす。しかし、まだ足りない。私は右脚の2本目に向けてカゲミツG4を斬り上げる。また0.5秒ほどすると、2本目が切れて、女王蟻は体勢を崩す。

 

「これで……終わりっ!!」

 

頭部に向かって、大きく振りかぶり、胴体と頭部の間の関節にカゲミツG4を振り下ろす。

 

「うぎぎぎぎ……。」

 

少しずつカゲミツG4が奥に進んでいく。しかし、少しして女王蟻の体が少し動く。ふと脚を見ると、脚が治りかけていた。

 

「うぅ……サヨナラッ!!」

 

腕にAGIの加速力を込める。すると、少しだけ奥に進む速度があがる。そして、ついに胴体から頭が切断される。HPバーはぐんぐん減少していき……残り1割で止まった。

 

「えぇぇぇぇ!?」

 

これぞ生命の不思議!頭切られても生きてるとかある意味すごい!そんなことを考えていると、切断面の部分に、数発の弾丸が打ち込まれる。そして、HPは少しずつ減少していき………………ほんの少しの残量で止まった。

 

「こんな時にマガジン内の弾が……!」

 

「あ、あと少し……!」

 

「まだぁ!!」

 

シノンちゃんが撃ってダメージが通る。つまり、ナイフが通る。私は即座に片手でナイフを抜き…………。

 

「本当の本当に最後だっ!!」

 

その切断面に思いっきり突き刺した。すると、断末魔もなく、女王蟻は、光の粒子になって消えてしまった。それと同時に、周りの蟻も消えてしまった。どうやら、女王蟻が死ぬと女王蟻が呼び出した蟻も死ぬらしい。

 

「…………あーっ!!疲れたー!!」

 

私の目の前に、報酬ウィンドウが現れる。多くの経験値のクレジット。そして、異端の物が。

 

『ラストアタック特典。防具や服等にそれぞれAgility×1.05倍付与』

 

『クリア特典。スキル1つ(特殊スキル除く)自由に入手可能』

 

…………なにこれ、私得すぎ。すると、スキルの取得画面が現れる。私はその中から、《Agility強化》を選択する。私はそれを終え、シノンちゃん達の元に走っていく。

 

「お疲れー!」

 

「お疲れ様。」

 

「お、お疲れ様です!」

 

私達はお互いにハイタッチをする。本当に疲れた。

 

「よくこんなのに挑んだわね……。」

 

「あ、あはははは……。」

 

シノンちゃんに飽きられました。蟻達はいつも相手してるので、勝てると思いました。

 

「もう疲れた!グロッケンの町に帰ろー!」

 

「えぇ、そうね。」

 

「元々私達マックスさんをお茶に誘う予定だったんですけどね……。」

 

「あ、そんなんだ。じゃあお茶しようか〜。」

 

私達は建物から降りて、グロッケンの町に戻っていった。その後、GGO攻略サイトに、巨大金属女王蟻の攻略情報が更新されたらしい。




プレイヤーネーム MAX(マックス)
レベル31
Str 0
Agi 800(1440)
Vit 0
Dex 0
Iut 0
Lux 0

武器
コンバットナイフ2本(柄が赤黒)
カゲミツG4(エネルギーの刃 明るい赤黒 柄 暗い赤黒)
ハンドガン M9


コート フード付き(Agi×1.05 赤黒)
長袖Tシャツ(Agi×1.05 赤黒)
ショートパンツ(Agi×1.05 赤黒)
ブーツ(Agi×1.05 赤黒)

スキル
《暗殺者》
ステルス能力
足音消去
与ナイフダメージ 2倍
Agi×1.3
被ダメージ 4倍

《視力強化》
視力を1x〜8xまで強化する

《Agility強化》
Agi×1.3

今回は長めでした!

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