私がGGOを始めて1週間。聖平と学校で話す機会も多くなって、ストレスもGGOをプレイすることで今の所は解消できている。
キーンコーンカーンコーン
「さて、帰ろ。」
「迅、一緒に帰ろうぜ。」
「うん、いいよ。」
私は聖平と一緒に帰路につく。……なんだか、途中視線が気になったりしたけど、もう気にしてたら負けだよね。
「じゃあ、今日の8時な〜。」
「はーい。」
私は聖平と別れ、家の中に入る。聖平の家は、私の家の隣ではないが、3つ右の家です。なので、昔から遊ぶ機会とか、交流する機会とかは多かったです。
「ただいま〜。」
「迅、おかえり。」
家に帰ると、お母さんが家事をしていた。お父さんは遠いところで働いていて、1年に数回帰ってくる程度です。でも、私がアミュスフィアを使ってることは知ってるらしく、お父さんもOKだったそうです。我が家族ながらノリが軽い……。
現在の時刻は7時。晩御飯と歯磨きを終え、勉強もしたので、何もやることはない。というわけで。
「リンク・スタート。」
私の感覚は現実の世界から切り離され、GGOの世界に送り込まれる。ちなみに、今のレベルは8。レベルが上がると、やっぱり次のレベルまで時間が空きますけど、それも楽しいです。
「……フィールド行こっと。」
レイが来るまで時間があるので、フィールドに行くことにしました。クレジット……現実でいうお金が貯まってきたので、念願の物を買えるかもしれません。ちなみに、GGOには、クレジットを現実の円に変えることができるらしく、10万クレジット……現実で1000円から両替可能らしく、それで生計を立てている人もいるらしいです。そこまで稼げるって、ほんとすごいですよね。逆にお金持ちの人は、リアルマネートレードと言って、簡単に言えば課金です。現実のお金をクレジットに変えて、レアな装備を手に入れるらしいです。まあ、私はどちらもしませんが。
一時間後
「はぁ……はぁ……ま、間に合った?」
「ああ、ちょうどだぞ。っていうか、なんで疲れてんだ?GGOじゃ走っても疲れないだろ?」
「気疲れってやつかな?」
8時になり、レイと合流した。結構ギリギリまで狩っていたので、間に合うか心配でした。俊敏力に物を言わせて走りました。
「で、どうする?いつもみたいにモンスター狩り?」
「あ、その前に買い物に付き合って。」
「OK。」
私がレイにそう頼み、2人で武器のショップに向かいました。そして、私がショップで購入したものは……。
「わーい!念願のコンバットナイフ!」
「お前近距離でしか戦わないのか?」
私は念願のコンバットナイフを購入しました。刃渡りは大体20cmぐらい?ナイフの方がハンドガンより使いやすいので、自分としては嬉しいです。隣ではレイが呆れています。確かに、GGOのことについて調べていても、ナイフメインでサブにハンドガン使う人は、見たことないです。
「あと、もう一つやりたいことがあるんだけど……。」
「ん?はいはい。」
私は、レイを連れて次の目的地に向かいました。
「これで完璧だ!」
「まあ、髪とおんなじでいいんじゃないか?」
私が行ったのは、服とナイフ、ついでにハンドガンの色替えです。髪が黒に赤を足した色だったので、服の色とナイフの柄、そしてハンドガンの銃身とエネルギーパックも、赤黒い色にしました。静脈の血のような色ですが、問題はないでしょう。何しろGGOは明るい色より、暗い色の方が普通な気がします。
「試し振り、してみたら?」
「あ、忘れてた。じゃあ、フィールドにレッツゴー!」
「おー!」
そういえば、GGOをし始めてから、GGO内でのテンションが高くなってる気がする。気のせいですかね?多分慣れですね。はい。
私とレイはフィールドに出て、モンスターを求めて歩いていた。私は歩きながらナイフを逆手に持って、ブンブン振り回していた。
「おい、俺に当てんなよ。」
「わかってる。だから距離とってるでしょ。」ブンブン
「どんだけナイフ好きなんだよ……。」
筋力値的に少し重い気がする?けど気のせいだと思うし使いやすいしかっこいい!女のロマンだね!
「お、早速モンスターだ。ほら、ご自慢のナイフの出番だぞ。」
「うん!」
私の目の前に現れたのは、大きさが全長6mぐらいの大きさの蠍型モンスター。前に殺された蠍の配下?とか子分?みたいなポジションのモンスター。目の前に出てきたのは私はAGIを全開にしてモンスターに走り出す。蠍モンスターは両腕の鋏を叩きつけようとしてくる。私はそれをサイドステップで躱して、ナイフを構えて、鋏と腕の間を俊敏力を最大限まで発揮して、スパスパっと切り裂く。地面に落ちた鋏はパンッと音と共に光の粒子になってしまう。私は両腕の鋏を切られて怯んでいる隙に後ろに回り込み、毒の判定がある尻尾攻撃を封じるために、尻尾の付け根に、両手を使ってブスッとナイフを突き刺す。蠍が悲鳴のような声をだす。そのまま私は尻尾を切り落とす。
「ラストッ!」
鋏と尻尾を失い、既に体力がない蠍。私は跳躍して蠍の前に立つ。そして、顔にナイフを突き刺す。血は出ない。そのまま蠍はパンッと光の粒子になってしまった。
「おぉ……ナイフの扱いに慣れてる……。」
「やっぱり、素早いのにナイフは合うってことだね。」
「まあ、ナイフ使うのに力が強いだけとかだと合わないな。やっぱり、ナイフプレイはAGIが高い人が使うべきだな。」
「だよね〜。」
私はナイフを鞘に納める。私はスキップをしながら進む。けど、ちょっとした驚きが。これでもAGI働く。気がついたらレイが走ってきてた。慌てて私は進むのを止める。そして数秒後、レイが私に追いつく。
「AGIってスキップにも影響するのか……俺も初めて知った……。」
「私も知らなかった……。」
「よし、じゃあ狩りますか!」
「うん!」
と、私達は動き出したその時。微かにだが、前方から足音が聞こえた。
『!!』
私達は音の聞こえた方から隠れるように岩陰に隠れる。どうやら、レイにも聞こえていたようだ。
「初の対人戦、どうする?手伝おうか?」ヒソ
「ううん、いいこと思いついた。丁度いい武器あるし。」ヒソ
私はそう言って、鞘に収めたコンバットナイフを見せる。すると、レイは全てを察したような顔をして、
「なら、頑張れ。」ヒソ
「うん。ちゃんとバレないように隠れててよ。」ヒソ
そう言って、私は鞘からナイフを抜いて、右手でナイフを逆手で持つ。そして、敵の様子を伺う。足音が、だんだん近づいてくる。
「いや〜、かなり大量に狩れたな。」
「そうだな。どんどん狩っていこうぜ。」
どうやら、男2人のペアのようです。武器はわからないけど、今回の作戦ならそこまで気にするほどではないと思う。私達の姿は見えてないらしく、そのまま岩の前まで到達する。とても緊張している。NPCのモンスターと違い、予想とは違う行動をしてくる可能性もあるから、結構怖い。でも、スリルがあって楽しいです。そして、男2人が岩を通過して去る瞬間……
(今っ!!)
私は低く跳び、足音を立てない工夫をしました。そして、着地したのは右の片方の男のちょうど真後ろ数cm。そして…………
「ばーい……。」ボソッ
右の片方の男の首を思いっきり、深く切り裂く。
「……え?」
切られた男は何があったかわからない状況のまま、HPがどんどん減っていき……光の粒子になりました。
「!?な、なんだ!?」
もう1人の男は死んだもう1人の方を振り向き、私の姿を視認しようとします。しかし、そこに私の姿はいません。私は高速で動き、もう1人の死角に入り込み、ナイフで首を切り裂く。サクッと音とともに赤い被弾エフェクトが見え、HPがどんどん減っていき……パンッと音と共に光の粒子になってしまった。
「…………ふぅ〜……。」
私は溜息をつく。息を殺して隠密PKをするのはかなり疲れた。身体的には疲れないけど、やっぱり精神的な疲労は無理です。
「おお、凄いな。まるで暗殺者《アサシン》だったぞ。」
「そんな物騒な……ん?なんかお知らせ?」
私はメニューを開き、お知らせを見る。『取得可能スキル』?私はどんなスキルか見てみる。
「ねえねえ、これ何?」
「ん?なんだ?」
私はそれをレイに可視モードにして見せる。そこには、《暗殺者》というスキルがあった。
「なんだこれ?こんなスキル見たことないぞ?」
「とりあえず……取得♪」
私はそのスキルをタップし『《暗殺者》を入手しますか?』というメッセージとYes/Noボタンが出現し、Yesを押す。すると、ピロンという音が鳴る。
「スキル欄、覗いてみたら?」
「うん。」
私はスキル欄を開き、《暗殺者》というスキルの内容を見てみる。
スキル《暗殺者》
ステルス能力
足音消去
AGI 1.3倍
与ナイフダメージ 2倍
被ダメージ 5倍
「ねえ、これってどう?」
「ん?……んん!?ステルス能力だと!?」
レイはそれを見て驚く。え?何?これって普通じゃないの?
「お前……ステルス能力なんて超レアだぞ!?この世界でステルスと言ったら光学迷彩で、光学迷彩ってボスモンスターの専用技ぐらいなんだぞ!?」
「んん……?」
いまいちピンと来ない。とりあえず、強いってことだよね。多分、さっきの立ち回りが原因かな?
「とりあえず、セットっと……。」
私はスキルをセットしてみた。このスキルは、私にとって都合が良い。ナイフをメインで使っていくつもりだからナイフのダメージが増えるのも嬉しいし、更に速く動けるのも嬉しい。まあ、ダメージ5倍もある意味凄いけど……。
「とりあえず、このスキル試したいなぁ……。」
「まあ、モンスター狩りやろうぜ?さっき中断したし。」
「うん、いいよ。」
レイはAKMを、私は、右手に逆手でコンバットナイフを、左手にプロキオンSLを持って。ポップしたモンスターを手当たり次第に狩り始めた。
プレイヤーネーム マックス
レベル 8
Str 0
Agi 340(442)
Vit 0
Dex 0
Iut 0
Lux 0
武器
メイン コンバットナイフ(柄が赤黒)
サブ プロキオンSL(銃身が赤黒)
服
赤黒コート(フード付き)
赤黒長袖シャツ
赤黒短パン
赤黒ブーツ
スキル
《暗殺者》
ステルス
足音消去
与ナイフダメージ2倍
Agi 1.3倍
被ダメージ5倍
ついにナイフ登場!そしてオリスキル登場!メリットは大きいですがデメリットも大きいです。