銃撃の中のナイフ使い   作:風峰 虹晴

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サブタイで誰が登場するかわかっちゃましたかね。


part5 女アサシンと女スナイパー

私はスナイパーのいるビルの頂上から、死角になっている場所に隠れる。周りを確認。モンスターや、他のスコードロンがいないのを確認して、ステルス発動。このスキル、まだ他のプレイヤーには発見されてないスキルらしく、レイに隠しておいた方がいいって言われました。普通に看破された時は、回り込まれたとしか思われてないらしいです。

 

「……今のうちにポイントを……。」

 

私はポイントをさっさとAGIに振る。そして、ビルに向けて走る、走る、走る。《視力強化》でビルの頂上を見ながらビルに向けて走る。狙われては……ないようだ。少なくとも看破されてない。私はビルの中に入る。

 

「はぁ……第一関門クリア……。さて……。」

 

私は一気に階段を駆け上がる。流石にAGIに全て振ってるだけあって、かなり速い。2秒で1階を駆け上がる。このビル、かなり高く、10階ぐらい。だから、合計20秒。私は屋上の既に開かれているドアの前で立ち止まる。足音はない。これも便利です。これがなかったらそんなにkill数は稼げてません。ステルスをふたたび発動。しゃがみながらゆっくり進む。そこでは、女の子プレイヤーが私に向けてハンドガンを向けていました。私はびっくりして声を上げるところを、必死に堪えました。どうやら、バレているわけではなく、来るのはわかっているのでいつ来てもいいように構えてるようです。水色の髪の毛と目で、抹茶色の服に白いマフラー、黒いデニムに、ショートブーツ、そして、滅多にいない女の子。それに、悪戯心も働きました。こっそり後ろに回り込み、そして……

 

「こんばんわっ♪」ポンッ

 

「!!?」

 

私は後ろから挨拶と同時に声をかける。その女の子はびっくりして後ろを向き、私にハンドガンを向ける。バレットラインが私の頭を捉える。

 

「待って!待って!撃たないで!」

 

私は全て武器を仕舞っていて、両手をあげる。目の前の女の子も戦闘の意はないことをわかったらしく、ハンドガンを下ろす。背中には、大きい銃を背負っている。やっぱりさっきのスナイパーだ。私はその場に座り込む。

 

「ねえ、お話しない?ここなら狙い撃たれることはないし、ゆっくりお話しできるでしょ?」

 

「…………わかったわ。」

 

目の前の女の子は私のことを警戒しているようだ。まあ、仕方ない。この世界はPKを推奨しているゲームだ。警戒しない方がおかしい。

 

「私の名前はマックス。あなたの名前は?」

 

「……シノンよ。ねえ、聞きたいことがあるんだけど。」

 

「ん?何?」

 

「さっき、私あなたのこと撃ったわよね?」

 

「うん、撃ったね。あれは本当に危なかったよ。凄いね、あんな正確な射撃ができるなんて。」

 

「私初めて狙撃銃使ったんだけど……。」

 

「え?」

 

私は衝撃の事実を聞かされた。初めて?初めて?初めてであの距離からのヘッドショット?私、ナイフ、ハンドガンの次にスナイパーライフルが使えるけど、ハンドガンとの間に乗り越えられない壁があります。

 

「だったら、凄い上手だよ!」

 

「あ、ありがとう……。で、どうやって私の射撃を避けれたの?あと、なんで私に見つからずにここに来れたの?」

 

「あ〜……。だ、誰にも言わないでくれる?」

 

「えぇ、いいわよ。」

 

「じゃあ話すね。」

 

私はシノンちゃんに説明した。AGIに全振りしていること。遠距離ショットを風切り音で避けたこと。《暗殺者》スキルのステルスで姿を消したことを。シノンはGGOを始めたばかりらしい。つい2週間前ぐらいに。凄いよね、うん。私には、スナイパーなんて無理。

 

「へぇ……そのスキル、面白そうね。」

 

「体のどこかに命中したら一発KOだからね。多分好みは人によると思う。」

 

「じゃあ、私には合わなさそうね。」

 

「あはは……。さて、お話できて楽しかった!ありがとう!」

 

「えぇ、私も貴重な意見が聞けて良かったわ。」

 

私はシノンちゃんと別れて、廃墟ビルを降りていく。あー!このゲームで女の子と話すの初めてで楽しかったなぁ!そして、私はAGIをフル活用してモンスターを片付け、待ち伏せを開始。まだステルスしてはしてない。数分、スコードロンがやってくる。

 

『………………。』

 

足音的に……5人?スコードロンにしては珍しく会話していない。ステルスを開始。いつもの通り、後ろから襲えるように通過を待って……。今っ!

 

「来たぞ!アサシンだ!!」

 

「やっぱりか!!」

 

え!?な、なんでバレた!?うっそ看破率かなり低くなってるはずなんだけど!?っていうか誰が話した!?よく確認すると、他の4人と後ろの方に離れて行動してる男の人が1人。こ、こんな対策初めてなんだけど!!

 

「オラオラ!!1発でもいいから当てろ!!」

 

「ちっ!すばしっこいな!!」

 

私はなんとか素早く動き回り、コンクリートの壁に隠れて乱射をやり過ごす。しかし、5人による掃射に怯えることしかできない。分厚いコンクリートの壁の向こう側で、壁を削る音が聞こえる。この壁から出たら当たって死ぬ。このままここにいたらコンクリートの壁を削りきられる。正に万事休すです。

 

「ここまま倒してやr」

 

すると、喋っていた1人の声が止み、粒子になる音が聞こえた。そして、銃の発砲音と、コンクリートが削られる音が止む。

 

「そ、狙撃だ、狙撃されt」

 

もう1人撃たれたらしく、そのまま粒子になったらしいです。そして、ザッという隠れた音。私はその隙にステルスを再発動。そしてAGIを全力に活かして……

 

「アサシン狩りに来たのにとんだ邪魔g」ザシュッ

 

「チッ!アサシンk」ザシュッ

 

「な、何が起こっt」ザシュッ

 

ナイフで3人の喉を一気に切り裂いていく。そして、3人とも光の粒子になって消えてしまいました。私はステルスを解いて、シノンちゃんがいた廃墟ビルの屋上を《視力強化》を使って見る。すると、グッドサインをしていたシノンちゃんを見て、私もグッドサインを送り返しました。本当に助かった……。

 

「……さて!MK(モンスターキル)行きますかー!」

 

私は全力ダッシュでその場を離れた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………狙撃が上手……か。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シノンちゃんのいた場所から離れて、いつものフィールドでソロMKを開始して3時間。レベルが16になり、街に戻りました。勿論ポイントはAGIに。そして、ログアウト寸前、一つのフレンド申請が。

 

「誰からだろ?」

 

私は誰からかなフレンド申請か確認する。そこには、《Sinon》の名前が。

 

「やった!」

 

私は承認。そして、フレンドリストの中に、シノンちゃんが追加され、私はログアウトしました。




プレイヤーネーム MAX(マックス)
レベル16
Str 0
Agi 500(650)
Vit 0
Dex 0
Int 0
Lux 0

装備
メイン コンバットナイフ(柄が赤黒)
サブ プロキオンSL(銃身が赤黒)
赤黒コート(フード付き)
赤黒長袖Tシャツ
赤黒ショートパンツ
赤黒ブーツ

スキル
《暗殺者》
ステルス能力
足音消去能力
与ナイフダメージ 2倍
Agi 1.3倍
被ダメージ 4倍

《視力強化》
1x〜4xの視力強化

なんだか、展開が急?な気がする。まあ、いつものですよいつもの

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