「リンク・スタート。」
私はいつもの流れで、GGOにログインした。プレイし始めて、1ヶ月と一週間が経ちました。昨日のモンスター狩りの途中までの時点では、今日は1人でモンスター狩りをする予定でした。しかし、それはもう過去のお話。今日は約束があります。
「うーん……そろそろ待ち合わせの時間だな〜……。」
「おまたせ。待たせたかしら?」
「ううん。そんなことないよ。」
後ろから女の子の声。後ろを振り向くと、水色の髪の毛の女の子が。今日は、初めてシノンちゃんとスコードロンを組んで、モンスター狩りに出かけます。昨日、大体ポップしていたモンスターを狩り終えたころ、一つのメッセージが届いたんです。
『明日、スコードロン組んでモンスター狩りしない?』
シノンちゃんからそんなメッセージが届きました。私は嬉しくなりました。1週間前に助けてもらったこともあり、一緒に戦えると思う嬉しくなりました。
『勿論!!明日の8時、ポータル前で待ち合わせよっ!』
『わかったわ。』
ということで、私、シノンちゃんと2人でスコードロンを組んで、モンスター狩りをすることにしました。
シノンちゃんは、一週間前に出会った廃墟ビルの近く、ビル約3階ぐらいの高さの廃墟の上で。私はモンスターがよくポップする場所の近くの影に潜んでいた。この場所は強いモンスターが現れ、あまり他のスコードロンも来ない。
ドォォォォン…
「キュオォォォオオォォ!!」
『マックス。大型金属蟻。』
「わかった!」
私はシノンちゃんとの通信機の通信を切り、巨大な体が金属で出来ている蟻だ。全長は15mほど。私はステルスを発動。ちなみに、ステルスはスコードロンを組んでいる仲間には見えるらしい。流石に仲間にも見えないのはアレだから、嬉しいシステムです。私は右脚に向けて走っていく。
…バンッ!パンッ!…バンッ!パンッ!
シノンちゃんも攻撃を開始したらしく、一番前の右脚と左脚が、シノンちゃんの狙撃で消える。全身金属だが、金属ではない部分もある。それは、口内と関節。それにそこを金属化してしまうと、口内だと口を動かせない。関節だと動けない状況になる。
「よい……しょっ!」
私は右脚残りの2本を切り落とす。すると、金属蟻は体勢を崩してしまう。体が金属なので、勿論体重がかなり重い。勿論、時間が経つと……詳しくいうと、大体120秒で復活する。しかし、戦闘で120秒という時間は大きい。
「シノンちゃん!口内目指してどんどん撃って!!」
『わかった。』
シノンちゃんは口内に向けてスナイプショットをしていく。蟻の弱点は口内だ。シノンちゃんのスナイプショットは正確だし、7.62弾なので威力も大きい。ちなみに、FR-F2という銃名らしい。私もハンドガンを使って口内を撃っていく。なぜナイフを使わないかというと、普通に邪魔になってしまうから。弱い訳ではないし、連射できるから、良いダメージになっているらしく、蟻の体力はどんどん減少していき……
バンッ
金属蟻は爆発音と共に粒子になってしまう。この蟻、中々良い経験値を手に入れることができる。相性バッチリってこと。
「お疲れシノンちゃん!」
『この調子で頑張りましょう。』
私達は数分間隔でポップする巨大金属蟻を狩り続けた。
バンッ
私とシノンちゃんは15匹目の巨大金属蟻を倒す。私のレベルは17になっていた。うん、かなり良いレベリング方法だ。またレイも連れてきて3人でやったらもっと効率良くなるかな?
『マックス。北北東からそっちに1組のスコードロンが来た。全員で6人。』
「!わかった。私は隠れているから、ちょうどいいタイミングで1人をヘッドショットで倒して、その後は隠れてて。」
私はシノンちゃんにそう伝え、影に隠れてステルスを発動する。微かに足音が聞こえる。段々足音が近づいてくる。そして……
バンッ!ビシュッ!
「な、なに!?1人やられた!」
「あっちだ!撃て撃て!」
1人撃たれ5人になったスコードロンは、シノンちゃんの方向に撃ちまくる。しかし、すぐに姿を隠したシノンちゃんにその弾は当たらない。その間に私は後ろからまず1人。音もなく切り裂き、その後1秒後にもう1人を切り裂く。
「なっ!?2人やられた!?」
「もう1人いるぞ!」
残った3人は私の方に銃を向ける。しかし、そこに私はいない。
「シノンちゃん、お願い。」ボソッ
私はそう小さく呟き、AGIを全力で生かして1人の首を切り裂く。それと同時に、シノンちゃんが1人の頭を撃ち抜く。
「くっ、くそぉぉぉ!!」
そう叫んだ男の首をすれ違いざまに切り裂いた。そして、パンッと音とともに、消えてしまった。
「シノンちゃん、そろそろ街に戻る?」
『そうね。今ので興が冷めたわ。』
「じゃあ、合流するね。」
『ええ、わかったわ。』
私はシノンちゃんと合流するために走り始めた……。
「ふぅ……今日はありがとう!シノンちゃん!」
「いえ、私こそ感謝するわ。また一緒にスコードロンを組みましょうね。」
「うん!じゃーねー!」
私は手を振ってシノンちゃんと別れた。シノンちゃんは、1人でダンジョンに挑むらしい。さて、私は1人でいつものフィールドに行こっと……。
「あ、あの……《アサシン》さん……ですよね?」
「へ?」
私は、1人の自分より小さい女の子に話しかけられた。
プレイヤーネーム MAX(マックス)
レベル17
Str 0
Agi 676
Vit 0
Dex 0
Iut 0
Lux
武器や装備等は変化ないので割愛させていただきます。