銃撃の中のナイフ使い   作:風峰 虹晴

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平日でも頑張って更新するのです。


part9 友達

「これで大丈夫よ〜。」

 

「ありがとうございます先生。大丈夫?」

 

「あっ……えっと……だ、大丈夫です。お二人ともありがとうございます。」

 

「お礼なら助けてくれたあの人達にも言わなきゃなんだけど……正直会いたくない……。」

 

私は保健室に女の子を連れてきた。ところどころ切り怪我があったので、先生に絆創膏を貼ってもらい、1人で立てないぐらいフラフラだったので、ベットで寝てもらった。助けてくれたあの人達は『迅さんにフラれたけど迅さんを見守ろう会』?だっけ?の人。一度フっちゃったから会いづらい……。

 

「あ、あの……ここまで連れてきてもらって……あ、ありがとうございます。」

 

「いいよいいよ!」

 

私は女の子の寝ているベッドの近くの椅子に座る。

 

「あ、そうだ。自己紹介してなかったね。私、2年3組の隼 迅って言うの。あなたの名前は?」

 

「い、1年1組の空峰 静瑠です。」

 

「えっと……イジメっていつから……?」

 

「…………入学してすぐだったはずです……。」

 

「…………。」ギュッ

 

「!?」

 

私は黙って椅子から立ち上がる。そして、私は静瑠ちゃんを……静かに抱きしめた。

 

「ずっと辛い思いしてたんだね……。」

 

「え、えっと……あの……///」

 

「あっ!ごめん!苦しかった!?」

 

「い、いえ……そうじゃなくて……。」

 

私は静瑠ちゃんのことを離す。怪我人を無闇に抱きしめるのは良くないね。傷に触れて痛かったかもしんないし……。

 

「う、嬉しかったんです……友達なんて高校に入ってからいなかったので……こんなに優しくしてもらえると思ってなかったので……。」

 

「えっ?」

 

私は心底驚いた。お世辞抜きでこの子はとても可愛い。超が3つぐらいついてもいいレベル。私よりも絶対モテてもいいはずなのに……。っていうかなんで私はこんなにモテるの?そのせいであんな変なグループ生まれてるし……(汗)

 

「じゃあ、私が友達になろうか?」

 

「え?」

 

私は静瑠ちゃんにそう言うと、今度は静瑠ちゃんが、とても驚いた顔をした。

 

「あ、ごめん、嫌だった?」

 

「いえ……そ、そうじゃなくて……い、いいんですか?わ、私なんかが友達で……。」

 

「勿論!なりたくて言ってるんだよ♪」

 

私は静瑠ちゃんにそう言った。静瑠ちゃんは私の方を向いて、涙を流し始める。

 

「あ、あの……ひぐっ……わ、私とと、友達に……えっぐ……なってくれるんですか……?」

 

「勿論!ほら、泣き止んで。」

 

「は、はい……。」

 

私はハンカチを取り出して静瑠ちゃんの涙を拭く。

 

「どう?落ち着いた?」

 

「はい……。ほ、本当にいいんですか?こ、こんな私と……。」

 

「いいのっ!じゃあ、今日一緒に帰る?朝見かけたから多分帰り道一緒でしょ?」

 

「え……い、いいんですか?」

 

「うんっ!」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「うわっ!予鈴鳴った!じゃあ私行くね!」

 

「あ、はい。」

 

私は保健室から飛び出て、自分の教室に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、友達……ふふっ♪」

 

ちっちゃな体の女の子は、ベッドの上でそう言い、可愛らしい笑みを漏らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃー!やっと終わったー!」

 

私は授業とHRを終え、椅子にもたれかかってそう言った。

 

「んじゃ、帰ろうか。」

 

「その前に、寄らなきゃいけないところが。」

 

「ん?」

 

私は立ち上がり、荷物を持って聖平と一緒に教室を出た。目指すは1年1組の教室。私と聖平は1年1組の前に到着すると、後ろのドアから中を見渡す。

 

「んー……どこかなー……?あっ、いた。静瑠ちゃん!」

 

私が静瑠ちゃんを呼ぶと、私に気付いたらしく、小さな体でちょこちょこと歩み寄ってくる。……何この子、めっちゃ可愛い。

 

「えっと……こ、この人は?」

 

「無視してもいいy」

 

「おいこら。俺は山祇 聖平。まあ、こいつの幼馴染ってやつだ。」

 

「そうでしたか。空峰 静瑠です。よ、よろしくお願いします。」

 

「じゃあ、帰ろっか。」

 

「あ、はい。」

 

「あっ、静瑠ちゃんの家寄ってもいい?見てみたい!」

 

「あ、俺もいいか?」

 

「ぜ、全然いいですよ……!」

 

私は聖平と静瑠ちゃんと一緒に下校する。勿論、帰る途中も会話をする。そして、1つわかったことが。

 

「静瑠ちゃんもGGOやってるの!?」

 

「えっ!?あっ、はい、やってます……。」

 

「私もやってるんだ〜聖平からのプレゼントで。」

 

「バイトで頑張って貯めた。」

 

静瑠ちゃんもGGOをやってるらしい。フレンドになりたい……。一緒にスコードロン組んでモンスター狩りしたいなぁ……。そして、その後3人で歩くこと数分…………。

 

「ここが私のお家です。」

 

「…………(汗)」

 

「…………(汗)」

 

私と、多分聖平も困惑してると思う。お金持ちだったよ静瑠ちゃん。静瑠ちゃんはインターホンを押して、

 

「風友美さん、門開けてください。」

 

静瑠ちゃんがそう言うと、屋敷の中から1人の1人のメイドさんが出てきて、門を開ける。うわ、めっちゃ美人。

 

「おかえりなさいませ、お嬢様。……この方達は?」

 

「隼 迅です。」

 

「山祇 聖平です。」

 

「私のお友達だよ。通してあげてね。」

 

「わかりました。自己紹介ありがとうございます。わたくし、メイドの咲妃 風友美と言います。以後、お見知りおきを……。」

 

初めてみたメイドさん!メイドさんは美人って相場が決まってるのかな?

 

「では、どうぞ。」

 

風友美さんは私達に道を開ける。3人で門を通ると、風友美さんは門を閉めた。そして、私達は静瑠ちゃんの家の中に入る。

 

『おじゃましまーす……。』

 

私と聖平は少しビビりながら玄関に立ち入る。正直恐縮です。

 

「お母さん、ただいま。」

 

「おかえり静瑠。……あら、お友達?」

 

「うん。私の部屋に連れてくね。」

 

静瑠ちゃんは大きな廊下をどんどん進んでいく。そして、一つのドアの前で止まり、ドアを開けて中に入る。私達も、静瑠ちゃんに続いて部屋の中に入る。そこには、少し高級そうな内装の、女の子らしい部屋でした。

 

「ここが私の部屋です。」

 

「わぁ〜!」

 

私も女の子です。可愛らしい内装には正直興奮します。しかし、そんなとき少しの違和感が。私は時計に近寄り、隣接している壁に耳を当てる。……うん、やっぱり。

 

「ねえねえ静瑠ちゃん。」

 

「?どうしましたか?」

 

「ここ……空洞音が聞こえる。なんかあるの?」

 

「……言いたくありません……。私のこと……嫌いになっちゃうかもしれないので……。」

 

「……大丈夫!私、なにがあっても静瑠ちゃん嫌いにならないよ!」

 

「で、でも……。」

 

「こいつの言葉は信用できるぞ。有言実行もこいつの取り柄だからな。」

 

「わ、わかりました……。」

 

静瑠ちゃんは机の中から一つの鍵を取り出す。そして、時計に近づき、鍵穴に突き刺す。っていうかそんなとこに鍵穴あったんだ。全然気がつかなかった。すると、時計が横に動き、階段が現れる。なるほど、空洞音はこれか。

 

「ど、どうぞ……。」

 

私達3人は、階段を降りていく。そして、その先にある部屋からの光が見える。その先にあったのは………………大量のエアガンでした。

 

「わ、私、昔から銃が大好きなんです。昔サバゲーもやってて……。」

 

「へぇ……ねえ、好きな銃とかは?」

 

「え、えっと……こ、これですね。」

 

静瑠ちゃんは2つの銃を取って、私達の方に戻ってくる。

 

「GGOでも使ってる、ドラグノフっていうスナイパーライフルと、スコーピオンっていうサブマシンガンです。」

 

「ん?この銃……見覚えが……。」

 

しかも、見たのはつい昨日のような……。しかも、超至近距離で。

 

「……ねえ静瑠ちゃん。」

 

「や、やっぱり嫌ですよね……銃が大好きな人なんて……。」

 

「いや違う違う。昨日GGO赤黒の服着て、ナイフ持ってる人とプレイしてた?」

 

「え?な、なんで知ってるんですか?……え……も、もしかして、マックスさん?」

 

「ボイちゃん?」

 

昨日一緒にスコードロン組んで、フレンド登録したネガティブ思考の《虚空》の少女、ヴォイドもといボイちゃん。

 

「わーボイちゃんだー!」

 

「えっ!?あ、あのっ!ちょっと!///」

 

私は静瑠ちゃんを抱きしめる。わー!昨日の通り可愛いっ!確かに考えてみれば色々と似てる。口調とか、ネガティブ思考なところとか。

 

「あのっ!色々と困りますぅ!///」

 

「ハッ!あはは、ごめんごめん。」

 

「うぅ〜……///」

 

「おい迅、説明しろ。」

 

「あぁ、はいはい。えっとね〜…………。」

 

静瑠ちゃんを解放した私は聖平に説明を求められたので、聖平に説明し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………というわけ。」

 

「なるほど、この子が今日お前が話してた子ってことだったってわけか。」

 

「うんうん。」

 

「皆様、お菓子を持ってまいりました。」

 

「風友美さん、ありがとう。」

 

気の利くメイドさんによって持ってこられたお菓子を食べながら、ギリギリの時間まで私達は話した。銃の話や、GGOの話で、そして、時間になった。

 

「じゃあ、また広場でー!」

 

「はい、力になれるかわかりませんけど、頑張ります。」

 

「じゃあねー!」

 

私と聖平は、暗くなったので家に帰った。けど、またすぐ会う。GGOの中で遊ぶ約束をしたから。家に着き、やるべきことをやった私は、自分の部屋に入る。

 

「さて、やりますかー!」

 

アミュスフィアを被り、ベッドに寝転がる。そして…………

 

「リンク・スタート!」




静瑠ちゃん=ボイちゃん

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