我輩はナメていたのである。なまじ、その中で生まれ育ったので、わかっていなかったのだ。
ニッポンの文化の汚染力、マジパネエのである。
そしてホグワーツの生徒たちの学習力と応用力も、パなかった。
極力呪文を短く、とっさの時でも使えるように、と実戦的であったハリポタ式の呪文を改造。
あえて長くすることで、威力や効果や範囲などの要素を強化する手法を見出したのだ。
ただ「
毛色が少し変わって「
みな、どこかで聞いた詠唱なのが、とても気にかかる。
きちんと魔法として発動しているあたり、どういう理屈が働いておるのか見当もつかぬ。
実は我輩の魔法も、ネコ語で発動している。
実はそのあたり、細かいことは気にしなくとも良い、いい加減なものであったりするのだろうか。
だが原作では、ロンなどが呪文を間違えて、魔法が発動しなかったりしたこともあったはずなのであるがなあ。
まあ。深く考えていくとだ。
言葉で何かが起こること自体が、そもそもオカしい。そういう結論に行き着いてしまうのであるがな。
ことはファンタジーの領分である。魔法はきっと、ふわっとした何かで出来ているのだ。
だから夢のあることならば、大抵は受け入れてくれる。だからあれらの呪文も有効に働く。
きっとそうだ。そういうことにしておこう。
さて。それでだが。
文化侵略がこれくらいですんでおったならば、それで良かったのである。
しかし、一歩先に進めた。進めてしまった馬鹿者が出た。
魔法界に、まさかのアニメ進出である。
テレビなどの家電は、魔法界では動かない。そういうふうに、出来ている。
銃も確か、ダメであったはずだ。魔法の優位を守り、いざマグルに攻め込まれても大丈夫なように。魔法界の文化を守るために。魔法族が、魔法族であり続けるために。
それは必要なことだったのであろう。
今、眼の前で「アニメが見たいから」という理由で、壊されたがな。
直接テレビが見られないなら、魔法の道具で録画してから見ればいいじゃない。そんな映画泥棒のような手法を、思いついたヤツがいたのだ。
犯人は、マグルの家で育った魔法族。ハリー・ポッター、まさかの暗躍である。あの父親の血でも騒いだのだろうか。
そして有志の手により、あれよあれよと言う間に、アニメの数々がホグワーツに輸入されてしまった、その結果。
決闘クラブ、原作よりも大幅に前倒しで設立。
もちろん、諸君の予想通り。原作とは、大きく違っているとも。
原作の決闘とは、杖を構える。お互いに礼を、もといおじぎをする。呪文を打ち合って決着をつける。杖を手放しても負け。
そういう方式であった。
杖を構えて、おじぎをするところまでは、このクラブも同じである。伝統は大事だ。
しかし、その後は大きく違った。
魔法で動かす人形で戦っているのだ。
白いアレであったり、赤いソレであったり、つまりはガ○プラバトル(リアル)である。
材質は、魔法の粘土限定。初期はそこも自由であったらしいが、とある魔法使いが金属製の機体を持ち出して無双した結果、ルールが定められたのだそうな。
攻撃が通らないのもつまらないが、壊れたら悲しい。なので、直しやすい素材を求めて、そこへ行き着いたらしい。
魔法の粘土だけあって、魔力を通すとイメージ通りに動かせる。あとは手本になるガン○ラの実物のパーツがあれば、機体の種類も大きさも自由自在。
なお、使える粘土の量が決められているので、大きくすればしただけ薄くなり、もろくなる。そのあたりのバランスを見極めるのも、ビルダーの腕なのだとか。
この短い期間に、君らどれだけハマってるのであるかね。
そして、どれだけ発展させてるのか。
その結束力やら学習力があれば、闇の帝王とか普通に倒せそうで怖いわ。
なお、決闘クラブの顧問は、我輩のマスターの校長である。
まさかこれを使える日が来ようとは。そう言って、鉄の城というか、神にも悪魔にもなれそうなアレというか。
マジ○ガーZを持ち出して、うれしそうに戦っておった。
前述の、金属製の機体とはこれのこと。つまり、無双したのはマスターである。
どうやら。すでに、ニッポン経験済みであったらしい。長生きしているだけあって、経験豊富であるな。
まさか、
ふとよぎった、イヤな予感を無かったことにしようと、頭を振る。
なんかもう、魔法とかどうでもよくなって来たが。
まだ別世界へは行けそうもないし、現実にいてもひたすらヒマなだけであるし。
ああ。久々に、酒が飲みたい。
助けて、黒い人。