それでも我輩はネコである。   作:far

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第8話

 

 我輩はナメていたのである。なまじ、その中で生まれ育ったので、わかっていなかったのだ。

 

 ニッポンの文化の汚染力、マジパネエのである。

 

 そしてホグワーツの生徒たちの学習力と応用力も、パなかった。

 極力呪文を短く、とっさの時でも使えるように、と実戦的であったハリポタ式の呪文を改造。

 あえて長くすることで、威力や効果や範囲などの要素を強化する手法を見出したのだ。

 

 ただ「Kaiserd ALzardten…(カイザード アルザード)」やら「Au-bira Unken Sowaka(アビラ ウンケン ソワカ)」やら。

 毛色が少し変わって「Ο monoλIθοσ KIΩN TOY AI△OY(ホ モノトーリス キーン トゥ ハイドゥ)」など。

 みな、どこかで聞いた詠唱なのが、とても気にかかる。

 きちんと魔法として発動しているあたり、どういう理屈が働いておるのか見当もつかぬ。

 

 実は我輩の魔法も、ネコ語で発動している。

 

 実はそのあたり、細かいことは気にしなくとも良い、いい加減なものであったりするのだろうか。

 だが原作では、ロンなどが呪文を間違えて、魔法が発動しなかったりしたこともあったはずなのであるがなあ。

 

 まあ。深く考えていくとだ。

 言葉で何かが起こること自体が、そもそもオカしい。そういう結論に行き着いてしまうのであるがな。

 

 ことはファンタジーの領分である。魔法はきっと、ふわっとした何かで出来ているのだ。

 だから夢のあることならば、大抵は受け入れてくれる。だからあれらの呪文も有効に働く。

 きっとそうだ。そういうことにしておこう。

 

 さて。それでだが。

 

 文化侵略がこれくらいですんでおったならば、それで良かったのである。

 しかし、一歩先に進めた。進めてしまった馬鹿者が出た。

 

 魔法界に、まさかのアニメ進出である。

 

 テレビなどの家電は、魔法界では動かない。そういうふうに、出来ている。

 銃も確か、ダメであったはずだ。魔法の優位を守り、いざマグルに攻め込まれても大丈夫なように。魔法界の文化を守るために。魔法族が、魔法族であり続けるために。

 それは必要なことだったのであろう。

 

 今、眼の前で「アニメが見たいから」という理由で、壊されたがな。

 

 直接テレビが見られないなら、魔法の道具で録画してから見ればいいじゃない。そんな映画泥棒のような手法を、思いついたヤツがいたのだ。

 犯人は、マグルの家で育った魔法族。ハリー・ポッター、まさかの暗躍である。あの父親の血でも騒いだのだろうか。

 そして有志の手により、あれよあれよと言う間に、アニメの数々がホグワーツに輸入されてしまった、その結果。

 

 決闘クラブ、原作よりも大幅に前倒しで設立。

 

 もちろん、諸君の予想通り。原作とは、大きく違っているとも。

 

 原作の決闘とは、杖を構える。お互いに礼を、もといおじぎをする。呪文を打ち合って決着をつける。杖を手放しても負け。

 そういう方式であった。

 杖を構えて、おじぎをするところまでは、このクラブも同じである。伝統は大事だ。

 しかし、その後は大きく違った。

 

 魔法で動かす人形で戦っているのだ。

 

 白いアレであったり、赤いソレであったり、つまりはガ○プラバトル(リアル)である。

 材質は、魔法の粘土限定。初期はそこも自由であったらしいが、とある魔法使いが金属製の機体を持ち出して無双した結果、ルールが定められたのだそうな。

 攻撃が通らないのもつまらないが、壊れたら悲しい。なので、直しやすい素材を求めて、そこへ行き着いたらしい。

 魔法の粘土だけあって、魔力を通すとイメージ通りに動かせる。あとは手本になるガン○ラの実物のパーツがあれば、機体の種類も大きさも自由自在。

 なお、使える粘土の量が決められているので、大きくすればしただけ薄くなり、もろくなる。そのあたりのバランスを見極めるのも、ビルダーの腕なのだとか。

 

 この短い期間に、君らどれだけハマってるのであるかね。

 そして、どれだけ発展させてるのか。

 その結束力やら学習力があれば、闇の帝王とか普通に倒せそうで怖いわ。

 

 なお、決闘クラブの顧問は、我輩のマスターの校長である。

 まさかこれを使える日が来ようとは。そう言って、鉄の城というか、神にも悪魔にもなれそうなアレというか。

 マジ○ガーZを持ち出して、うれしそうに戦っておった。

 

 前述の、金属製の機体とはこれのこと。つまり、無双したのはマスターである。

 どうやら。すでに、ニッポン経験済みであったらしい。長生きしているだけあって、経験豊富であるな。

 

 まさか、名無しさん(ヴォルデモート)もそうではあるまいな?

 

 ふとよぎった、イヤな予感を無かったことにしようと、頭を振る。

 なんかもう、魔法とかどうでもよくなって来たが。

 まだ別世界へは行けそうもないし、現実にいてもひたすらヒマなだけであるし。

 ああ。久々に、酒が飲みたい。

 助けて、黒い人。

 

 

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