我輩は無双中である。
この世界。個性は使えぬが、ホグワーツで学んだ魔法は使えた。そして、杖もなぜだか持っておった。
必要の部屋を出す時。この先ずっと使える杖がほしい。そう願っていたおかげかもしれぬ。
部屋を出ても消えなければいいな、という程度であったのだが。これはうれしい誤算である。
魔力自体が無いのか、
まあ、今は使えている。それでいい。
そして新ホグワーツ式とでも言おうか。アニメの影響を受けて、長い詠唱を必要とする代わりに、強力になった呪文を撃つ。
まずはたいていの魔法を強化する、万能強化呪文を唱える。
「四界の闇を統べる王 汝ら欠片の縁に従い 汝ら全ての力持て 我に更なる力を与えん」
魔王たちの血などの、欠片はないのだが。この呪文、なぜか発動する。
くそいー加減な性格とまで言われた、大魔王の部下だからなのか。それともこの魔法は、魔王に関係がないのか。とにかく発動するのだ。
代償として、若干心が痛い。昔の自分が真剣に唱えた時は、盛り上がっていた部分がイタイ。
だがとても便利なのだ。これを使えば、失神呪文などは範囲攻撃になる。部屋の外から唱えるだけで、制圧完了である。
ホワイトハウス内部だからか。それとも我輩が単独犯だからか。今のところ、反撃に爆発物や重火器は使用されていない。
撃たれたら、即コンティニュー。もしくは、自分を分解して避ける。
これで意外と戦えている。そもそも、撃たれても死なない化け物が単独で攻めてくるなど、想定して備えている方がオカしいのだ。
うまく対応できない彼らを、責めることは出来ない。
「僕はどこにでもいて、どこにもいない」
何度も撃たれたり、転移することで。この言葉の意味が、だいぶ理解できてきた。
自分が認識する場所に、自分という存在がいる。
「
意思があれば、そこに存在する。今の我輩や、あのシュレディンガー准尉は、そういう生き物だ。
逆に言えば、意思がなければ存在できない。酔っ払ったり、記憶喪失になったら死ぬのではなかろうか?
寝るのはセーフであろうか。さすがに実験してみる勇気はないが。
いやはや。これはますます、長居ができぬ。この世界を、早急に退去せねば。
まるで何かのゲームのように。具体的にはコ○エーの三国や戦国のアレのように。護衛や兵隊の皆さんを失神させて倒していくのも、飽きてきた。
オリ主のたしなみである、俺TUEE。ここに来て初めて体験してみたが、これがまた性に合わないのだ。
強い自分というものに、まず違和感がある。直接自分の手で倒す、戦う。これもオカしいと感じる。
どうやら我輩は、黒幕という立場が気に入っていたらしい。
いや。黒幕というか、そのそばでウロチョロする、あの、アレだ。たまに悪の側にもいる、マスコット。アレであるな。
もしくはネズミ男とか、コウモリ猫とか、ちょっと……いや、かなり違うけどミネフジコみたいな狂言回し。
そうやって、少し物思いにふけっておったところ、うっかり壁をいくつかすり抜けておった。
ホグワーツの幽霊時代のクセであるな。なるほど。こういったことも出来るらしい。
そして、記憶にある顔を発見した。
「
見よう見まね。服従呪文。
死の呪文などの闇の呪文は、さすがに練習できなかったのでぶっつけ本番だったが、うまくいった。
服従呪文は、印象深かったので自信はあった。
バジリスクのマンダ相手に、マスター・ダンブルドアがカッコ良くキメておったのをよく覚えている。
イメージが出来ていれば、あの世界の魔法は割とうまくいくのだ。
大統領の周りにいた人らが、我輩目掛けて発砲したり、何事かを叫んで大統領へと駆け寄る。
だがしかし。その銃弾は我輩をすり抜けていくし、大統領はすでに我輩の味方だ。
壁がすり抜けられるならば、銃弾もできるだろう。そう思って試してみたが、案の定成功した。
あとは服従呪文の連打。それで全ては終わった。
大統領の近くにいたということは、彼らは護衛と、大統領用のスタッフであろう。
これから大統領にする頼みごとに、ぜひ彼らも手を貸してもらわねば。
問題は英会話くらいであるな。正しく伝わるかは、ちょっとした賭けだ。
「
さて。これで上手く行くであろうか? ああ、そうそう。これも言っておくか。
「
戦後処理とか、我輩できないので。ちょっと気を使ってみた。
はてさて。最高のタイミングで、横合いから殴りつける。であったか?
間に合うかどうかはわからぬ。一切計算などしておらぬので、ひたすら運任せであるが。
場を混乱させ、物語をかき乱し、壊してしまわねば。さもなくば我輩、この世界からは出られぬと思うのであるからして。
行くが良い、米軍。我輩のために。そして、世界のために。
さあ。がんばれ。