我輩は久々の休暇中である。なんとか、ヒロアカ世界へと帰ってくることができたのであるな。
きっかけとなったのは、やはりというか、あの矢であった。
予想通りであった。そして、予想外でもあった。
もう少しくわしく言えば、だ。
矢を使えば、戻れるかも知れぬという予想のもとに、矢を装備してみた。
こう、額の小判をペリッと外して、その代わりにはめ込んだのだ。
うむ。実はアレ、外せるのだな。
うまくすれば、レクイエム化して新たなる能力が。そう、期待したのであるが。ここで予想外の結果が出た。
我輩に、スタンドが出たのである。
しかも。これがどう見ても、スター・プラチナなのである。
「わけがわからないよ」
久々にあの白いナマモノが、大根を持って踊る妖精たちに囲まれながら、脳内でそうつぶやいた。
ここで、ハナシを少し戻す。
エチオピアのホテルで朝を迎え。一晩寝て、精神力も回復した一行で、朝食を取っている時のことだ。
このままエジプトを目指す組と、日本への帰還組にわかれよう。そうジョセフが言い出したのだ。
帰還組と言っても、承太郎と花京院のみのハナシである。
要は、戦いが大方終わったので、学生は学校へ行け、ということであるらしい。
この時。我輩はすでに矢を狙っておった。DIOを倒しても戻れぬ以上は、帰るために次の手を打たねばならぬ。
スタンドを発現させ、進化させる矢は、そのための最有力の心当たりであったからだ。
そして矢は、エンヤ婆がいくつか持っていた。原作では、確かエジプトでポルナレフがそれを見つけていたはず。
で、あるならば。我輩もエジプトへ行きたいので、本体の承太郎もエジプトへと行って欲しい。
ここから先は大人に任せておけ、というジョセフらの言葉に、承太郎も反発を覚えている。
我輩たちの気持ちは一つであった。
だがしかし。旅費を出すのは、自分たちではないという弱点を突かれては、どうしようもなかった。
おのれ。やはり金の力というのは、偉大であるな。
そして日本へと戻ったわけであるが。戻る途中、順調に飛ぶ飛行機の中で、我輩は思い出した。
あれ? 億泰の兄は、どこから矢を手に入れたのであったっけ?
もしかして、杜王町の虹村家に、矢がある?
我輩は承太郎に頼み込み、再び杜王町へと向かうことに成功した。
どう頼んだかって? 正直に話したとも。
そこにパワーアップアイテムがあると思うので、回収に行かせてくれ、とね。
承太郎は、ため息を一つついて承諾してくれた。オフクロの見舞いに行ったあとにな、と条件は付けたが。
ところで、虹村家の人々であるが。現在、父親も兄弟もスピードワゴン財団にお世話になっておるのだな。
将来、承太郎が滞在するやも知れぬホテル。あそこに長期宿泊中だ。
我々がDIOを倒すまでは、保護観察で。その後は父親が復讐に走らないかの監視である。
そういうわけで、都合よく無人になっておる、虹村家を探索すること小一時間。
スタンドの身体を生かして、色々とすり抜けてみた。
まずは玄関をすり抜けて、鍵を外して扉を開き。部屋に入っては、鍵付きの引き出しを開け。金庫を見つけては、開けずに中身を探り。
そうして、とうとう矢を発見することとなった。
そして、さっそくその場で装備した結果がアレだよ!
自分にどんな力が? とワクワクした気分が全部すっ飛んでしまった。
しかもこのスター・プラチナ。動かせないのであるが。
その場でパンチを打たせようとしても、ピクリともしないのであるが。
そうして困っておったら、承太郎が動かしだしたのだが。
フン。妙にシックリくるぜ。とか言っておるのであるが。
いや、まあ。そりゃあ、確かに。
スタープラチナと言えば、承太郎のスタンドであるというのは、ジョジョの世界では常識ではあるけれども。
曲がりなりにも、ここまでずっと彼のスタンドを勤めてきたのは我輩なのであるぞ。
「あれー? ポッと出のスタンドが本体を取っていいの? ザ・ワールドDぞ? 我、ザ・ワールドDぞ?」
気付けば、そんなよくわからぬノリでスター・プラチナにからんでいた。
「落ち着け」
スパーン!
そんな我輩に、承太郎がスター・プラチナを使ってツッコミを入れた。
軽く頭をハタいたのだ。
そしてその衝撃で、矢が取れた。
「あっ」
ヤバイ。引き離される。そう、直感した。
我輩が矢を装備したら、スター・プラチナが出た。で、あるならば外せばスター・プラチナが消えるのが普通だ。
だが我輩は普通ではない。通常の手段でここにいない。
矢を拾おうとしたが、それも間に合わぬとわかる。わかってしまう。
時間が無い。せめて承太郎に一言だけ――――――残す時間すらも無い。ならば。
時よ止まれ!
時は。
止まらなかった。
承太郎のスタンドではなくなってしまった我輩には、その力はなかったのか。
それとも、別の理由なのか。それはわからない。
確かなのは、また未練を残した世界が一つ、我輩の記憶に増えた。それだけである。
終わりというのは、時にあっけなく訪れてしまい、それでも取り返しが付かない。
そんなことも、忘れていたようだ。
あの世界から消えた。そう思ったら、しばしの何もできぬ、ぬるりとした空間をただ通るだけの。そんな何とも言えぬ、気持ち悪い時間を経て、現実へと戻れていた。
だが、一欠けらほどの喜びすらも感じない。
DIOの死に引き続き、またしても精神が落ち込んでしまった。
ああ。こういう時は、寝るに限る。
今回はどれだけ、この世界を離れていたのかやら、この世界でなにか動きがなかったかなど。調べることも、あるにはある。
だが、明日でも良いだろう。今は、なにをするにも、おっくうだ。
「ありがとう ごめんなさい」
もう会えなくなった人に送る言葉は、これくらいしか思いつかぬし、これでいいのだと思う。
あの一瞬。承太郎へと伝えようとした言葉は、また別であったようにも思うのだが。
とっさの事であったので、思い出せぬ。
はぁ……
ああ、まったく。
ままならぬものであるなあ。
●わけがわからないよ
魔法少女まどか☆マギカより。魔法少女のマスコットって、実はいいように小さな女の子をダマして利用してないか? というウガッた見方を設定段階から取り込んだらこうなる、というアニメ。
ジョジョ第五部の代表的なセリフの一つ「吐き気を催す邪悪とはっ! なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!! 自分の利益だけのために利用する事だ…」
自分の利益のためだけではないが、ほぼ当てはまる邪悪なマスコット、きゅうべえのセリフ。キミたちを利用したが、何か問題が? という態度でこうトボける畜生である。
●我、○○ぞ?
「ボケて」という、写メに言葉を付けて遊ぶサイトのヒット作。両手を腰に、笑顔だが横目で誰かを見ている嵐の二ノ宮の下に「あれ~?新人俳優ごときが俺にそんな口きいていいのかなー?嵐ぞ?我、嵐ぞ?」というコメントが。
我、兵長ぞ? というリヴァイや、ふなっしーぞ? や我、英雄王ぞ? など数々のパロディが作られた。
●「ありがとう ごめんなさい」
蒼天航路より。数ある三国志マンガの一つだが、どいつもこいつもキャラが強烈である。特に曹操と劉備は印象深い。でもあの孔明はイヤだw
劉表に世話になっていたが、彼が亡くなり、曹操が攻めてくるので逃げ出すことにした時。その前に劉表の墓を抱きしめて、真顔で劉備が言ったセリフ。
なおその後、全力で走って逃げ出す。