我輩はどんな顔をしたらよいのか分からないのである。
聖杯くんが笑えばいいと思うよ、と言っておるが、それも違う気がするのだ。
「こういう時、引いたらアカン。
ダウンタウンのハゲ頭の方も、そう言っていた。
でも、これは笑っちゃダメなやつだと思うんだ。
ジル元帥。サーヴァント召喚で、ちっちゃいジャンヌを召喚する。
うむ。ひとまずは落ち着いて、ハナシを聞いて欲しい。
企画したのは確かに我輩であるが、まずは聞いて欲しい。
悪気は、無かったのだ。結果としても、悪いものではない、はずだ。
前回、向こうにまだ聖杯があると聞いて、少し混乱したが。同時に直感が働いた。
あっ。こっちもサーヴァント、呼べるわ。と。
聖杯があれば、サーヴァントは召喚できる。そして今、目の前に聖杯くんが居るのだ。
「ええ~。でもさ~。やっぱり、マスターは人間じゃないとぉ~」
ちらっ、ちらっと元帥の方を見ながら。聖杯くんはロコツな態度で「アイツに呼ばそうぜ」と主張した。
我輩としても、別にいいと言えばいい。
というか。我輩も、少しばかり気になった。
向こうのジルが邪ンヌを作ったのならば、こちらのジルならなにが出るだろう?
そんなささいな好奇心の結果がコレだよ!
出来上がったものを解説すると。涙を流して、ジャンヌの名を呼びながら、ヒザを突いて少女にすがりつく中年男である。
元帥が立ち直った(?)のは良いのだが、あまりにも見た目からの犯罪の臭いがキツいのであるが。
「アウトだよ!」
青い髪の、恋愛下手そうな少女が脳内で叫んだが、誰がどう見てもアウトであると思う。
ちっちゃいジャンヌの格好も、アウトっぷりに拍車をかけておるな。
かなりギリギリの白のミニスカートに、黒いニーソックス。その間に見える絶対領域で、肌の白さが輝く。
上着は白のケープをはおるだけで、黒の見せブラがむきだしである。
そんな少女にすがりつく、酔っ払って涙を流している中年男。
「アウトだよ!」
ちっちゃいジャンヌは、そんなダメになった元帥を優しくあやしている。
泣き虫なマスターさんですね、と頭をなでて、微笑すらも浮かべている。
でも元帥は召喚主であるから、そんなちっちゃいジャンヌに対する令呪を手に入れてしまっておるんだよなあ。
「アウトだよ!」
教えてくれ聖杯くん。我輩は、あと何回ちゃんみおの声を聞けばいいんだ。
元帥が寝ちゃうから、そろそろ打ち止め? ああ、うん。それは良かった。
通報しようと思ったのだが、どこに通報すれば良いのか分からなくて、困っていたのである。無政府状態というのは、こういう時に困るのであるな。
飲んで、泣いて、寝た。
これで目を覚ました時に、立ち直っていなかったら、もう知らぬ。
戦力が足らぬので、手を貸したが。いい歳をした大人が、こんな時に何もせずに落ち込み続けるなぞ、気に食わぬ。
戦うべき悪が居るのならば、立ち向かえ。助けを必要としている存在が居たら、がんばれ。それが、ヒーローの勤めであろう。
まあ。このちっちゃいジャンヌこと、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィのおかげで、アッサリ立ち直られてもだ。それはそれで、少し思うところはあるが。
そこは気にしない方が、きっと幸せである。
●「こういう時、引いたらアカン。
ダウンタウンの松本人志の発言。会場のお客さんたちと一緒に引いてしまうと、空気を暖めなおすのが大変なので、笑って流しておけ、という教え、だと思う。
●アウトだよ!
あらゐけいいち先生の、日常というマンガ、もしくはアニメより。長野原みおのセリフである。全く関係は無いが、彼女が疾走、暴走する動画にカブせて、紅蓮の弓矢を流したMADには大変笑わせてもらった記憶がある。
タコさんウィンナーを落として、手ではじいてキャッチャーのグローブにはじかれて、モヒカンを貫通して、と散々な結果のあとに「三秒ルールでセーフ」と食べようとした相生へのツッコミ。
汎用性が高いので、彼女の顔に似せたイラストで、多くのキャラが叫んでいる。アウトだよ!