それでも我輩はネコである。   作:far

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間話 座 2話

 

 我輩はいろいろあった結果、英霊の座に登録された元一般人である。

 このところは、さまざまな世界をさまざまな姿で巡り、さまざまに結末と過程を書き換えてきた。

 その結果の、座の登録である。

 

 真名はネコである。宝具は魔法の杖と、札束と、聖杯くんだ。

 

 そんな我輩は、聖杯戦争中である。むろん、マスター側での参加ではない。サーヴァントとしての参加である。

 聖杯にかける望みなどは、全く無い。その上、別に戦いたくもない。

 サーヴァント側ではあるが、巻き込まれ枠であるな。

 

 巻き込んだのは聖杯くんだ。なんでも、良かれと思ってのことらしい。

 

 そもそもの始まりは、座で何もすることが無いので、我輩がただひたすらにヒマであったことだ。

 そしてヒマをつぶすべく瞑想しておる時に、気が付いた。

 

 スキル:単独顕現があれば、好きな時、好きな場所に行けるのではなかろうか?

 

 聖杯くんに確認したところ、その通りではあった。ただし、そのためには悟りを開かなければならないらしい。

 よし。そうと決まれば。遊びに行くために、悟りを開こうではないか。

 

 キリトとサチとアスナの三角関係は、どうなったのか。茅場は倒せたのか。サチは最後まで生きていただろうか。

 マスターことダンブルドアは、名無しさんにキッチリトドメを刺せたのか。そしてあの世界でのハリーは、どんな進路を選んだのであろう。

 結局、少佐は勝てたのか。そして勝ったとしたら、なにをしておるのか。あのオッパイ、もとい、婦警もどうしておるだろうか。

 承太郎は、結婚できただろうか。娘は生まれたろうか。そういえば杜王町で写真のジジイを倒し忘れておったが、事件は起きてしまったのだろうか。

 ぐだ男は、あのあとどうなっただろうか。第二部は正直、あまり覚えておらぬのだ。

 ダンターグアニキら七英雄は、復讐を果たせたであろうか。果たしたとして、そのあとはどう生きるのであろう。

 

 知りたいことも、たくさんあるのだ。

 また会いたい人も。やり残したことも。たくさんある。

 

「だから 負けないんだよ」

 

 ああ、そうであるな。オールマイト。

 たくさん、守るべきものがあるなら、負けられぬよなあ。

 

 座る。背筋を伸ばす。瞳を動かさずに、まぶたを半分閉じる。手を自然に組み、そうっと、ゆっくりと呼吸をする。

 心臓の鼓動さえもゆっくりに。意識は広がり、溶ける。

 答えを探す。どこかにあるはずの、なにかの答えを探し続ける。そして――――――

 

 

 ――――――見つからなかった。

 

 まあ。弥勒菩薩が、悟りを得るまでに五十六億七千万年かかるだとか聞いたことがある。

 仏であってもそうなのだ。人間、そう簡単には悟れないのであろう。

 ダルマさんだって、座禅を組みすぎて、足が変形してしまい。立つことすらできなくなって、ようやく悟ったらしい。

 悟りというやつは、意外と近くに転がっておるような気もするが、やはり遠くにあるのであろうか。

 

 そうして自分勝手に修行しておると、聖杯くんがスネた。

 自分こそ、好き勝手にしておるくせに、もっと構えと要求してくる。

 ここでは魔力が足らなくなることはないらしく、それをいいことにさまざまな世界を眺め、時にはちょっかいを出して遊んでおるくせに。

 

 そのあたりを指摘して、たまには我輩にも遊ばせろ。我輩は、そう言った。言ってしまった。

 

「その言葉が聞きたかった!」

 

 どこぞの闇医者のようなセリフとともに、聖杯くんが輝いた。

 

 

 このあと。空中に召喚されてしまい、屋根へと上手く着地。まだパスがつながりきっていないのをいいことに、そのまま逃走。

 そのまま適当に現世を楽しんだのちに、不完全なパスが原因の魔力不足で消滅することで帰ろう。そう思っておったのだが。

 クラススキル:単独行動が、そのジャマをした。A++と、ムダにランクが高い。マスターなんて飾りです。そう言わんばかりであるな。

 そしてセイバーなどの一部のを除いて、全サーヴァントが我輩という、最終鬼畜な聖杯戦争に巻き込まれてしまうのであるが―――

 

 それは、別のハナシだ。

 

 




●「だから 負けないんだよ」
僕のヒーローアカデミアより。宿敵との戦いの中。巻き込まれた一般人を背にして、残った力はもう尽きかけて、血を吐いて、宿敵はまだまだ力を残していて。
ガレキに埋もれて動けない一般人の「勝って」という応援に、宿敵AFOが「ヒーローは守るものが多くて大変だな」と皮肉って、嗤った。
主人公の師匠、オールマイトのそのあざけりへの、返答。これはマジでカッコ良かった。アニメが楽しみである。

●「その言葉が聞きたかった!」
ブラックジャックより。手塚治先生の名作である。リメイクもされていたが、ストーリーはほぼいじられていなかった。というかいじる必要が無い。さすがである。
これだけの大金を払えるか?と患者や関係者に聞き、どれだけ時間をかけても払ってみせます!と言われると、ブラックジャックはこう言ってテンション上げて手術に取り掛かる。なお手術代は、だいたい本当に払わせる。

●別のハナシ
外伝で書くかもしれないし、書かないかもしれない。
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