それでも我輩はネコである。   作:far

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毎回毎回、マジで続かないはずなんだけどなあ……
なぜかシーンが思い浮かんで、書き出したら一気に出来上がります
アリ編はエサになる未来しか見えないので、多分ここまで。のはず。


オマケ3 fin

 我輩は猫であった。

 過去形である。

 名前はまだなかった。

 これもまた、過去形である。

 

 今まで我輩は、いくつもの世界で。いくつもの人生を歩んできた。

 中には。人生というのには、短すぎるものもあるが。

 どれもこれも、短いわりには濃かったので。人生と言い切る勇気には、不自由せぬ。

 

 それでだ。それぞれの世界で。我輩は別の姿を取ってきた。

 基準は解らぬし、自分で選べた試しはないのであるが。

 

 そして最初の。もしくは、二度目の。

 ネコとしての人生では最初の。ヒトとしての人生では二度目の。

 あのヒーローとヴィランのおる、僕のヒーローアカデミアの世界のみを別として。

 我輩は。何らかの元ネタのある、猫系のキャラクターの姿となっておった。

 

 この世界でも、そうであったらしい。

 つい先ほどまでは。何のキャラクターであるかは、気付いておらなんだのであるが。

 

 

 我輩は、マタムネである。

 

 

 シャーマンキングなる漫画に登場した、ラスボスの前々世の飼い猫である。

 いや。前々前世だったかもしれぬ。

 ともあれ。死後に精霊化して、ラスボスの子孫の持ち霊として、ラスボスの前世に挑んで勝利した。前作主人公の仲間とでも言うべき存在である。

 能力としては、バカでかい刀を具現化できる。そして刺す事で、霊的な存在を、克殺なる方法で除去する事ができるようだ。

 

 まあ、平たく言うと除霊なのである。

 でもそれってこの世界だと、除念って言わないか。

 

 あとマタムネは、千年前のラスボスの力で具現化していて。力を使い切ったら消滅しておった。

 我輩もそうではないという、保証はどこにもない。

 

 だがしかし。その辺のことは、ひとまず置こう。

 考えても、おそらく答えは出てこぬ。いつもの如く。行き当たりばったりで、何とかするしかあるまい。

 

 さし当たっての問題は、だ。

 

 

 そこに。我輩の死体があるじゃろ?

 

 

 尻尾が二本ある以外は、何のことはない。普通の猫の死体であるのだが。

 マフィアやら。ゾルディック家やら。クモの旅団やら。クラピカやら。

 その他諸々の。居合わせた者たちの抗争に、巻き込まれてしまった結果である。

 

 それで死んだと思えば、こうして幽霊のようになって。

 和服を着込んで、キセルをくわえておって。

 そのキセルに、力を注げば。柄だけで、成人男性の身長ほどはある巨大な刀が出てきたわけで。

 それで、ようやっと。今世の己というものを知ったわけだ。

 

 うん? それはそれとして、抗争が気になる?

 というか、お前、死ぬのかって?

 

 失敬な。我輩とて、死ぬ時はアッサリと死ぬのである。たぶん。

 なぜか自信を持って、断言はできぬが。

 

 それと、抗争であるが。

 まず。舞台はヨークシンである。これは原作補正さんが、頑張った結果だと思われる。

 

 

 ただ。頑張りすぎたのであるな。

 

 

 まず大前提として。クラピカは復讐に生きておらなんだ。

 だってクルタ族は、クルダ族として、天空闘技場でもはや名物となっておるし。

 クルダ族串焼きや、クルダまんじゅうとか売ってるらしいぞ。

 だからクラピカは。復讐する相手、クモを探してはおらなんだ。

 

 はずであった。

 

 旅団がどこからか。ヒソカが旅団には入ったフリだけしておる、偽りの仲間であると聞きつけて、彼を始末するまでは。

 

 どこから聞きつけたのであろうかなあ。

 我輩には、とんと覚えが無いのである。

 

 と、いう事にしておこう。

 しておいてください。お願いします。ほんの出来心だったのである。

 完全犯罪だから。何人たりとも、我輩の仕業であるとは気付けないから。

 だからセーフ…! 圧倒的セーフッ…! 犠牲者はヒソカだから、社会的にもたぶんセーフ…ッ!

 

 

 はなしを、もどそう。

 

 

 ヒソカが亡くなったのは。

 快楽殺人の異常者がひとり、世間から消えた。そういう事であったのだが。

 それだけでは、終わらなかった。

 

 彼にも、友人がおったのだ。

 クラピカである。

 

 友人だった。という事にしておこう。

 

 ユウジョウ!

 

 そういう事である。いいね?

 

 しかもだな。

 ヒソカのヤツがなあ。最初から裏切るつもりであったのがバレて、粛清されたというのを、クラピカには隠し通して死におってなあ。

 

「キミのためだよ☆」

 

 などと、テキトーなウソを吐いてから死におってなあ。

 もうクラピカの中では、ヒソカの株の上昇が止まらないのである。

 なにせ『大事な人』である自分のために、仲間であったはずの旅団を裏切ろうとして殺されてしまったのだ。

 

 愛のために戦い、死ぬヒソカとか、どういう事なのであろうか。

 別に我輩は、彼には直接はほとんど関わっておらぬのであるが。

 

 まあ。それはそれとして、だ。

 友人の敵討ちへと動いたクラピカであったが。そこへ助っ人が現れたのだ。

 それが、ゾルディック家である。

 キルアの兄のひとり、イルミ。彼も、ヒソカの友人、のようなもの、であったらしい。

 格安での、クモの抹殺依頼を持ちかけてきたのだ。

 

 なお。旅団は、ゾルディックの当主が割に合わない、というほど手強い相手である。

 だというのに、格安になった理由であるが。

 ヨークシンのオークションの出品物を、丸ごと盗もうとしているというタレコミが、マフィアにあったらしいのだ。

 そして、なにやらそれを裏付けるような予言もあったらしいので。旅団相手への暗殺依頼が、ゾルディックへと出ていたのだそうな。

 

 つまりは。ただの料金の二重取りであるな。

 

 少し前まで、クラピカらはゾルディック家で、なんやかんやしておったらしいので。

 仕事に巻き込んでも、殺さない。むしろ味方をしてやる。

 そういう心遣いだったのかもしれないが。

 

 しかしながら。マフィアにタレコんだのは、誰であろうか。

 これは本当に、我輩に心当たりはないのだが。

 そこらへんのことを、ポロッとレオリオあたりに話した覚えはあるが。彼にマフィアとのつながりなぞ、無かったはずであるしなあ。

 

 はてさて。

 町のあちらこちらから、銃やら爆発やら悲鳴やらが聞こえるし。まだ、抗争は続いておるようだ。

 力は手に入れたが。積極的に使っていくのは、やはり性に合わぬし。

 何より、寿命が縮むやもしれぬから、ナシである。

 

 ふうむ。

 

 とりあえず。

 自分の遺体を自分で埋葬するという、稀有なる経験でもするとしようか。

 面白くはなさそうだが。人生、何事も経験であると言うし。

 だがここ、都市なのであるよなあ。

 どこか、埋められるような場所は、近くにあるだろうか?

 

 




●ユウジョウ!
ニンジャスレイヤーより。外人が思い描く、勘違いしたニッポンを全力で再現するマンガに登場する、アイサツの一種。
アイサツは、ジッサイダイジ。
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