我輩はにゃん太である。で、あるからして。色々とやらかしたネコなる人物とは、係わり合いがないのであるな。
つまり我輩は無罪である。オーケー?
「オーケイなわけないだロ。せめて口調くらいは変えなヨ」
む。心外な。変えておるぞ。普段の我輩ならば、オーケーなどという横文字は、極力使わぬ。
違う、そこじゃない? もっと根本的に変えろ?
それはイヤであるな。我輩はあまり自分というものを曲げたくはないのである。
「ミクは自分を曲げないよ!」
「俺様は俺様だ。ただひたすらにオレサマだ!」
ただのワガママ。下らぬこだわりではあるがね。
誰にだって、そういうものはあるものであろう?
「じゃあ、何で今は偽名を名乗ったのサ」
思ったよりも、事態が混沌としてしまったのでなあ。少しばかり、目をそらしておきたかったのだ。
ほら。誰にだって、そういうものはあるものであろう?
うむ。現実逃避だよ。わかるだろう?
わからなくもないけどサ。そう言った彼女の名前はアルゴ。たびたび我輩に会いに来ては、会話で情報を仕入れようとする、情報屋さんである。
黒猫団に具体的な警告をしたことで、我輩をアインクラッド内部の情報を渡してくれる、NPCかなにかだと思ったらしい。
そして物は試しと、やって来たのが、この間のアレである。
その結果。我輩のウワサに、ヤバイやつかもしれないという内容がくっついた。
奇妙なプレイヤー。バグがいつまでも直されない。ダメージを完全にカットする上に壊れない盾。たまに意味深なことを言う。などのウワサに加えて、である。
我輩の正体が茅場という説は、そこから飛躍したものである、らしい。
らしい、というのは。さすがにウワサの流れを完全に追うことは、情報屋アルゴにもムリだったからだそうな。
なお。あの時にアルゴに頼んだ、正式ヒロイン予定のアスナさんに流した情報。主人公キリト、死ぬはずだったが生き残ったヒロインサチと同棲始めました。というお知らせだが。
少し、思ったのとは違うことが起きてしまった。
と、言うのもだ。まだこの頃のアスナさんは、一刻も早く攻略を、という使命感。というよりは強迫観念に駆られていて、キリトとうまくいっていなかったはずであった。
ところがだ。この情報を聞くなり、なにやら、どこかからヘンな電波でも受け取ったのか、突如「泥棒ネコー!」と叫びを上げて、サチに食って掛かりだしたのだ。
二人の家の場所が、第二十二層の釣りが出来る、あのあたり。つまりは、原作でアスナさんが将来キリトと同棲する場所であったのが、マズかったのであろうか。
それとも、原作補正さんが誤作動でも起こしたのであろうか。
まあ、これはキリトの周りでラブコメ度が上がっただけとも言えるので、問題は無いと言えば無い。
むしろ、このままヒロインの座をめぐる争いに、正妻さまが参加すらせずに消えて行く。そんな可能性が無くなった分だけ、良かったのではなかろうか。
問題は、前回キリトに投げた、茅場はプレイヤーの誰かだという、あの情報である。
うん。なんかね。
疑心暗鬼が、広がっちゃってね。
一部では、その、なんだ。なんと言ったら良いか。
え~~。あ~~。うん。魔女狩り。
そんなことが、起きてしまったらしいよ?
キバオウという人が関わっているらしいが、狩った側か、狩られた側かもわからない。
騒動が突発的にあちこちで起きて、事はもう、大混乱と言っていいらしい。
事態を収束するべく、最前線の攻略組すらも、一時攻略の手を止めて動き始めたのだそうな。
違うのだ。
ここまで大事になるとは、思ってもいなかったのだ。
ただキリトが頭の片隅にでも、この情報を置いておいてくれたら。原作と違う展開になっても、あの場面でひらめいてくれるはずだと、そう思って伝えただけなのだ。忠告のつもりであったのだ。そう。
良かれと思ってぇ!
こうなったらもう、茅場を売るくらいしか、解決策は思いつかぬが。
その場合、ヤツは逃げ出すだけで、原作のように一騎打ちなど受けてはくれぬであろう。
つまり。ゲームクリアには、百層まで行かねばならないことになる。
そうならないためには、何をどうすれば良いのか――――――
うむ。我輩には、思いつかぬな。
で、あれば。誰かに聞いてみるしか、道は無い。
アルゴくん、アルゴくん。すこぅし、相談があるのであるが。
情報料として、茅場晶彦のプレイヤー名を教えるから、一緒に考えてはくれぬかね?
●「ミクは自分を曲げないよ!」
アイドルマスターシンデレラガールズより。猫耳アイドル前川みく。CD第二弾に選ばれた彼女の、ドラマパートでの発言。魚が嫌いでネズミが苦手など、ネコキャラ? と自分の売りを疑われた時に放ったセリフ。AA化がやたら早かった。アニメでもこのセリフは採用された模様。
なお「え……ひどくない?」のセリフも彼女のものである。
●「俺様は俺様だ。ただひたすらにオレサマだ!」
ブラックロッドシリーズ、ブライトライツ・ホーリーランドより。武装坊主ガン・ボーズ。巨大な杖を持つ捜査官。魔法+サイバーパンクな、シャドウランと似たコンセプトながらも、東洋色が強く、各地のアーコロジー以外に生き残った人はほぼいないという世紀末。そんな中、他人の命など屁とも思わぬ、暴虐を振るう魔人GGスレイマンのセリフ。ただひたすらにユニーク。