そんな読者さんに、だら子氏の 氷柱は人生の選択肢が見える を推してみる。
鬼滅世界で、他人には見えない、定期的に現れる選択肢を選んで生きなきゃいけなくなった転生オリ主のお話。ヤバい選択肢は(死)とかついてる親切設計だから安心。
ただし全ての選択肢に死が付く可能性はある。
はたから見たオリ主の描写が豊富で、そこが楽しい。
あとIFの方の外伝もちょいちょい書いてるので、そちらは知らないという方は見ていただけたら嬉しいです。
我輩は白面の者を滅ぼすものである。
はずであった。
過去形である。
その為に、獣の槍を使い。
インドへの旅の道中、洗脳呪文で手下にした妖怪どもを組織して、百鬼夜行の群れを作った。
日本の人間や妖怪らと、何とか繋ぎを取って、共に白面の者と戦おうと考えた。
みな、過去の話である。
今? うむ。今、現在は、だなあ。
そこに、いい笑顔をした白面の者がおるじゃろ?
あれ。我輩の味方です。
いや、我輩が奴の味方だというのが、正しいのであろうか。
どうしてこうなった。
「フッフッ。まさか
白面さん。初めての友達たちとのお出かけに、うっきうきの様子である。
本当、どうしてこうなった。
我輩は、ただ。
ヒマであったので、少しばかり都に顔を出して。ついでとばかりに、少しばかり遠出をした。
それだけであったのだがなあ。
ただそこで、白面さんと、ばったり顔を突き合わせてしまっただけで。
我輩は激しく動揺したが、なんと白面さんもそうであったようだ。
と、いうのもだ。
白面さんは、そもそもインドで実体を得た。
とら。そう呼ばれる事になる化け物が、人間だった頃。その体に取り憑き、暗い感情を蓄えて受肉したらしい。
その後は、そのままインドを滅ぼし。中華へとやって来て、女に化けて王などをたぶらかし、国を荒らして遊んでおった。
すると、王が化け物退治用の神剣を造ろう。そう言い出して。
生意気な。と、本気を出して国ごと滅ぼした結果。
生き残りの中から、神剣を完成させるどころか、獣の槍に成ってしまった男が現れて、襲撃してきたのだ。
白面さん。人生、いや妖生? で初の敗北と恐怖を味わったらしい。
何をやっても止まらず、ひたすら自分目掛けて飛んで来る、一本の槍。
強力で、敵などないはずであった自分の尾が、何の抵抗にもならずに貫かれてしまう。
逃げても、追ってくる。どこまでも、疲れも諦めもせずに、どこまでも。
未完成の、鉄に変えつつあった尾で、何とか止まり。
そこで尾を噛み切って、逃げた。
恐怖を与え、それを力とする大妖怪が。
たった一本の槍に、逆に恐怖し、必死に、無様に逃げた。
その槍を持った我輩と、唐突に出会ってしまったわけだ。
そろそろ傷が癒え、隠れ家の外の様子を伺おうとしていた矢先の、不意の出来事であったらしい。
この時ばかりは。久方ぶりの外、という誘惑に負け、気まぐれを起こした結果であったそうなので。
まあ、仕方が無い面もある。
「待て。話せばわかる。話し合おう。お互い紳士じゃないか」
唐突な出会いに、若干ならず混乱した我輩は、そう言った。
しかし通じなかった。全く持って、通じることがなかった。
おぎゃぁあぁあ!!
赤子の泣き声のような、悲鳴のような。獣の吼え猛る叫びのような。
敵意のこもった、悲鳴が白面さんの答えであった。
そして、戦いが始まった。
結果。
我輩、無事死亡。
うむ。死んでしまったのである。
この身はすでに妖怪。
獣の槍にささげる、人としての寿命のようなものがないため、体が強化されたりはせぬが。
この身はすでに妖怪。
雷を操り、炎を吐き、長い毛を刃物のように変え、鋭い爪と牙を持つ。
獣の槍も、武器としては普通に使える。
そして魔法もあった。いざとなれば、洗脳魔法で一発よ。などと思っておったのだが。
なぜか白面さんには、効かなかったわけで。
ならばライデインストラッシュである。
などと、槍に雷を落として、そのまま斬りつけたりもしたが。
白面さんが、療養中に雷の尾を作っており。それで防がれてしまった。
大きさは向こうが上なのに、向こうの方が速く。
力も、生命力も、向うが上だった。
我輩よりも、獣の槍へと攻撃しておったので。何とか戦えてはおったが。
酸で溶かそうとして、その余波で皮膚がボロボロになったり。
攻撃を反射されて、体中が傷だらけになったり。
鉄の尾を叩きつけられて、気が遠くなったり。
一応は、プロテゴという防御の呪文もあるのだが。正直、気休めである。
焼け石に水、とまでは言わぬが。まあ、気は心、というあたりであろうか。
プロテゴマキシマ? すまぬ、それは覚えておらぬのだ。
アバダケタブラ? うむ、それなら使ったぞ。
婢妖を一体だけ、葬ることが出来るな。
あれ、死の呪文とかいうが。しょせんは単体用の魔法であるからなあ。
最初に使った時に、でっかい海鼠のような使い魔をそれで仕留めたが。
どうも、それで警戒されてしまったらしい。
それ以降は、婢妖が身代わりに受けて、防がれてしまうようになってしまった。
それでまあ、最後は。
鉄に変えた尾を、さらに巨大な刀に変えて、我輩が真っ二つにされてしまった。
それだけでは、死ななかったわけだが。
そういえば、原作のとらも左右に真っ二つにされても死ななかったな。
しかも、左右どちらの体も、普通に動かせておった。
我輩は上下に分けられたせいか、下半身は動かせなかったが。
だが上半身は動かせたわけで。
これはもういかぬな。
そう思った我輩は、槍を手放す事にした。
一足速く、日本へと飛んでゆけ。
そう念を込めて。えいやっと、力の限りに槍を東、と思しき方向へとブン投げたのだ。
おぎゃぁぁあああ!!!
白面さんが、吼えた。
追い詰めて、追い詰めて。ようやっと始末できると思った、にっくき敵が。
手の内から、するり… と逃げてしまったのだ。
その怒りは、我輩へと向けられて。
がぶり。
ぐちゃぐちゃ。ばりばり。
ごくん。
どのような味であったのかは、さすがにわからぬし、知りたくもないが。
我輩は、食べられてしまったのである。
そして尾から生えてきた我輩が、今ここにおるじゃろ?
「えっ」
そう口にしたのは。
生えてきたばかりの我輩と目が合った、白面さんであったか。それとも我輩であったか。
まあおそらくは、両方であろう。
「話し合おう。話せばわかる……事もきっとあるはずだ」
我輩の提案は、今度は受け入れられた。
その結果。
なってしまったことは仕方が無い。お互い諦めて、仲良くやっていこう。
そういう、妥協が成立した。
なぜか、成立したのだ。
これは、おかしな事である。極めて、奇妙な事である。理屈に合わぬ結果なのだ。
だって、白面さんは、陰の者であるのだから。
昔、陽の気が集まり人間となり、陰の気が集まり白面さんになった。
白く、明るい陽の気に、なぜ自分はそうではないのか、と白面さんが嫉妬したらしいが、それは置こう。
大事なのは、白面さんが陰の気で出来ている、という事だ。
そうすると、どうなるのかといえばだ。
行動、趣味、嗜好などが、暗い方向へと固定されてしまうのだ。
いかに陽の気から出来た人間をうらやみ、そうなろうとしても、出来ない。
妬み、引きずり落とし、いたぶって暗い笑みを浮かべる。
陰の気からのみ出来た白面さんは、そういう風に出来ている。
魂まで陰キャなので、陽キャになるとか無理。と言えば、わかりやすいだろうか。
そんな白面さんが。妥協とは言え、我輩を受け入れたのだ。
無論、利用してやろうとか、そういう思考はあるのだろうが。それでもこれはおかしい。
根っからの陰キャが、プライベートスペースを侵されるのに耐えられるはずがない。と言えばわかりやすいだろうか。
つまり、そんな白面さんが、こんな結論を受け入れた。という事は。
魂に関わるほどの、何かがあった。という事ではなかろうか。
それで、魂ごと取り込まれたっぽい、我輩がここにおるじゃろ?
これか?
今回の、上司からのお題はこれであるか?
まさかの、白面さんの更正計画とな?
しかしその手段が、無惨さまに続いての、食われてどうぞ。というのは抗議活動が足らなかったと見える。
座に帰ったならば。今度こそ、目に物を見せてやるとするのである。
いや。今からでもいいな。
白面さん、白面さん。
あの槍、日本にまで飛んでいったと思うのだが。
我輩の仲間と組んでの、日本侵攻。 や ら な い か 。
●話し合おう。お互い紳士じゃないか
GS美神より。西条のセリフであるが、どんなシチュで言ったのかまでは覚えていなかったり。横島と一緒に言ってた気がする。
●「えっ」
オーバーロードより。アインズ様ではない、鈴木さんの言葉。素になって言おう。
きっと白面さんも素で言ってた。
●やらないか
ネット上でのネタキャラと化した安部さんより
海外でもネット上では認知されており、やらないかガイなどと呼ばれているらしいw