それでも我輩はネコである。   作:far

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注意。今回の前書きは深夜テンションでできています。

東北で稲作が紀元前から行われていたという事実にビックリ
稲の原産地が、熱帯のタイとかあちらだから、そこから北上してきたとして
おそらく中国の南西部のどっかから九州へ、そっから日本全土へ徐々に広がったとして

(え?朝鮮?北海道より北の地域が、九州より先に広まらないよ。稲のDNA検査でも日本が先だと判明してるし。教科書にあった?ただの古い間違った情報だね)

紀元前には、すでに日本中に稲作があった、という事に。縄文時代に稲作が無い、とは何だったのか。
あと狩猟採集生活のはずなのに、なんで定住してるんだ。貝塚とか家とか作って定住してるじゃん。食料求めて、放浪するのが狩猟採集生活ちゃうんか。
教科書の歴史の初期は、情報少ないけど多分こうだろう、こうであって欲しいってファンタジーで出来てるから困る。原始共産制とか。
原始時代で強い奴が上に立つ階級社会以外に無いだろ……猿の群れと一緒や。何で平等だと思ったねん。
あ、本編始まります。



ザ・ラスト・オブ・オマケ 北の国から

 我輩は白面さんと開墾中である。

 墾田永年私財の法はまだ無いが。ここ、東北は大和朝廷の支配下の外なので。

 まあ、勝手にやってしまっても問題はあるまい。

 地元の方々にも、大変に恐れられつつも、非常に感謝されておる事であるし。

 

 まずは川を辿って、おおまかに地形を把握した。

 白面さんは空を飛べるので、ひと目でわかってしまう便利さを誇っていいと思う。

 

 そして山のように。本当に小山ほどの大きさの、くらぎという名前の大百足やら。

 同じく山のように大きな、あやかしという名前の、海鼠のような鯨のような、海蛇のような怪獣やら。

 翼の付いた目玉、という少々気味の悪い見た目の、これまた山のように沢山、無数におる使い魔の婢妖。

 それら総出で、川の流れを都合のいいように、変えてゆく。

 

 神や大妖怪が山を動かしたり、湖を作ったりと。地形を変えたという神話は、まあ、ありきたりではあるが。

 それをこうして実際に、目で見てみるとだ。

 豪快すぎて、こう、天変地異というか。大災害というか。

 とにもかくにも、もの凄まじいものがある。

 あるのだが。

 

 凄まじすぎて。現実感がまるでないのだよなあ。

 

 白面さんも、吐いた息で丘を雑に吹き飛ばして、平地に変えたりしておるし。

 我輩も、大陸では山奥に隠れ里を作る程度の、土木工事ならやったのであるが。

 我輩がやっておったのが、ダッ○ュ村とするならば。白面さんのこれは、大規模公共事業であるなあ。

 

 正直、勝てる気がせぬ。

 まあ、勝つ必要も、勝つつもりもないのだが。

 

 それで、だ。

 

 なぜ白面さんが、こうして川の流れを整え、平野を作り、ついでに耕しているのかと言えばだ。

 

 独立国家ホッカイドー。その防衛のためである。

 

 繰り返す。

 独立国家ホッカイドーである。

 

 どうしてこうなった。

 

 どうしてこうなった。

 

 ホッカイドーの名前が、我輩がちょくちょく口にしていた北海道から採用されてしまったので、いつもの台詞も使えぬ。

 

 本当に。どうしてこうなった。

 

 我輩は、ただ。

 

 また朝廷に攻められても嫌だし。

 というか、また白面さんが戦ったとして。殺戮の中で、また陰の者になってしまわれても困る。

 そう思って、とりあえず戦士階級をアイヌの中から作り出して。

 いざという時は、そいつらが戦うようにと組織作りをして。

 防御拠点として、白河の関が将来できるかな。と思しき所に、見張り櫓付きの砦を築いて。

 ついでだからと、タタキと漆喰を教えて。石垣と上下左右の矢狭間と、鉄砲窓に、天守閣を備えたお城に発展させて。

 そうしたら、兵糧やら兵士の食い扶持やらのための食糧を生産せねばならなくなって。

 

 そういう流れの、最初の一歩を踏み出してしまっただけなのであるがなあ。

 なお、三和土と書いてタタキと読む、和製コンクリートの作り方だが。

 我輩は鉄腕なあの番組で見たのを、なぜか覚えておった。原作知識といい、意外と忘れないものであるなあ、前世の知識というのは。

 

 ただ。砂利や赤土に、消石灰とニガリでタタキになるのは覚えておったのだが。

 配合率とか。海水を一割に減るまで煮込んで取れる、ニガリはともかく、消石灰の作り方とか。

 細部まで覚えておるかというと。実のところ、まあ、かなり怪しいわけである。

 

 しょうせっかい、と覚えておったので。石灰石を砕けば、それでよいだろう。そう誤解して。

 しょうせっかいは、しょうせっかいでも。消石灰ならぬ生石灰の方をそのまま混ぜてしまい。

 結果。水分に反応して、激しく発熱してしまった事件もあった。

 

 そうそう。生石灰に水をかけると、高熱を発するのであったな。

 弁当をあっためるのに、ミスター味っ子でやってた、やってた。いや、懐かしい。

 

 我輩はそんな風に、なごんだが。試させていた村人は、たいそう驚いておった。

 いや、悪い事をしたのである。

 

 そう思っておったら。後にこの男、関東での篭城戦で相手に生石灰をぶっかけるという暴挙を実行。

 敵味方の双方に恐怖されて、ウワサが広まり。しまいには嫁に逃げられる事になったらしい。

 いや、本当に悪い事をしたのである。

 

 うむ。関東での事である。

 

 だが、そちらの話は、一旦置こう。

 今は、東北の話である。

 

 それで東北で、城を作らせたわけであるが。

 そこに至るまでの、一連の流れの中。我輩は、常に白面さんと一緒であった。

 一緒というか。まあ、分離できないのであるが。

 

 つまりは。白面さんも、ずっと見ておったのだ。

 人を見て、選び、集めて、揃えて、鍛えて。

 話して、聞かせて、命じて、やらせて。

 褒めて、叱って、怒鳴って、慰めて。

 我輩が、人々と関わり、育てる様を。ずっと一緒に、見ておったのだ。

 

 彼ら人々もまた、我輩だけでなく白面さんを見て、話して、大いに関わった。

 ポロレタスマリカムイ。そう呼ばれる白面さんは、怖がられながらも、好かれていた。

 彼らに対して、白面さんがどういう感情を持ったのかは、わからない。白面さんは、そういう事を口にはしないからだ。

 

 ただ、開墾をしたのは。

 彼らが望んだわけでも、我輩が言い出したからでもないのは、確かである。

 

 子供の名前を、付けてくれ。

 

 新婚の夫婦に、そう願われたのが。今思えば、キッカケだった気がする。

 少し考えさせてくれ。

 そう言った後に、ふわりと飛び立ち。しばし、あちらこちらを飛び回り。

 ああ、真剣に考えておるのかなあ。

 我輩が、ほほえましく思いながら、黙って見守っておると。

 

 突然に。尾の使い魔らを使って、大規模な自然破壊を始めてしまったからなあ。

 

 当初、開墾とはとても思えない所業に、すさまじくビビッたのである。

 人々もそうであったらしく。

 怒りを静めたまえ、とそれぞれ祈り始め。

 しまいには、誰を生け贄にするか、と話し始めておったからなあ。

 

 その頃には、これが開墾ではなかろうかと、見当が付いておった我輩が、十和子と名付けられた人間型の使い魔に、伝言を頼んでおらなかったら。

 誰も幸せになれない、嫌な事件が起きてしまっていたであろう。

 危ないところであった。

 

 ところでだ。

 十和子もそうだが。くらぎも、あやかしも。みな和風の名前である。

 あとシュムナというアイヌ風のもある。

 さすがに無数にいる婢妖一体一体にまでは、名前が無いが、種としての名は婢妖と付けられた。

 

 名付けたのは、白面さんである。

 

 

「誰か 名付けよ 我が名を 断末魔の叫びからでも 哀惜の慟哭からでもなく 静かなる言葉で 誰か 我が名を呼んでくれ 我が名は 白面に あらじ」

 

 

 原作の、白面さんの最後の言葉である。

 我が呼ばれたき 名は と続き、そこで言葉は途絶えたが。

 陰の気より生まれ、陰の者として生き。他者の苦しみと死を喜ぶ、邪悪の化身の。最後の言葉と望みが、そういうものであったのだ。

 

 我輩と混じり、それとは変わってしまった白面さん。

 日本へと来て、うっかり神様になってしまって、名前をもらった白面さん。

 そして白面さんは、自分の一部とも言える使い魔に、名前を付けた。

 そして今、その使い魔らとともに。自分から、人のために動いている。

 

 これは、良いことなのであろう。

 きっと、素晴らしいことなのだろう。

 だが、我輩は、こう思うのだ。

 

 

 獣の槍、どうしよう……

 

 

 いや、マジで。

 あの槍は、白面さん絶対殺す槍なのである。

 今の、改心した白面さんを殺しに来られても。その、すごい困るのだ。

 

 日本に持ち込んだの、我輩だけどな。

 

 いや、だって。あの時は、まさかこんな事になろうとは、夢にも思わなかったのだ。

 ああ、どうしよう、どうしよう。

 

 とりあえず、ニガリの他の使い方として、豆腐の作り方と、豆腐料理のいくつかを教えるとしよう。

 なぜか細々としかやっておらぬが、田んぼでの水稲栽培がすでにあるので、途中で水を抜いて根を張らせる農法とかも教えねば。

 もちろん、なろうの定番、千歯こきとかも教えてしまうぞ。

 北海道のアイヌはそうでもなかったが、東北の人の中には金属加工の技術を持った人らもいたので、それらも改良して広めねば。

 いやあ、これは忙しくなるぞう。

 

 って違う。違う違う。

 

 あやうく仕事、仕事? に逃げてしまう所であったが、それは違う。

 考えねば。何とか、うまく丸く収まる方法を、考えねば。

 

 え~っと。

 直接出会ってしまえば、もう戦う以外の道は無いであろうし。

 かといって、向こうを排除するのも、後味が悪いし。

 

 ふむ。

 とらが生きて、白面さんを憎んでおる限り、白面さんは完全には滅びないという設定があったな。

 一度、討伐されて滅んだ振りをして、槍の中の人に成仏してもらっては駄目だろうか。

 白面さんが乗ってくれるか、復活できるか、向うが成仏するかは賭けになるが。

 

 よし。

 とりあえず、時間を稼ごう。

 ここまで派手にやってて、出てこないのだ。槍はおそらく、西日本のどこかだろう。

 北海道、東北にいる我輩たちに直接出会わないように。関東も独立させよう。

 どうせ時代を数百年先取りして、武士団を作ってしまったのだ。新しい皇と名乗った、あのお方の野望も先取りしてもかまうまい。

 それで独立したら、こっちと同盟を組んでもらって。戦になったら、援軍を出せばいい。

 それで史実のように、一年持たずに滅亡とかはしないだろう。

 

 そうと決まれば。さっそく白面さんに頼むとしようか。

 こんな面倒なお仕事はゴメンである。

 というか。頭に立てる人材を探して、そそのかして、集団を巻き込んでとやっていくのに。白面さんに勝てる気がしないのである。

 まあ、勝つ必要も、勝つつもりもないのだが。

 

 普通の人には見えなくなる事も、取り憑いて意識を操作する事も出来る婢妖と。

 頭が良く、顔が良く、性格が悪く、他人に取り入るのが上手い悪女の十和子。

 このふたつの使い魔を送り込むだけで、おそらくは成功するであろうからなあ。

 

 そして本当に後日成功して。

 おまつさえ、小田原城とか、造られてしまって。

 下手をすると、数百どころか千年以上先取りをした、小田原城攻防戦などがあったらしいが。

 

 さすがにここまで来ると。

 目の前の出来事ではないし。さすがに、責任は持ちきれぬので。

 我輩は悪くない、と。そう思うのである。うん。

 

 

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