それでも我輩はネコである。   作:far

9 / 76
20・19・18……ひゃあ、ガマンできねえ投下だ!
自分で思った以上にSAOが打ち切り臭かったので、続きを投下。
しかしSAOではないという。


ハリー・ポッター編 ダンブルドアと極東の文化
第1話


 我輩は幽霊である。肉体が無いのは、あの塔の時と変わらぬ。

 

 肉体は無いが、存在する。それが幽霊である。

 

 といっても、死んだわけではない。幽体離脱なるものが出来るようになったわけでもない。

 あの世界とはまた別の、異世界への一時転移である。

 

 我輩はあれ以来というもの。アインクラッド世界のその後が気になり、祈るような気持ちで瞑想する日々であった。

 そんなある日のこと。ふいに、壁を乗り越えたような。そんな感触がして。

 気が付けば。大きな岩の上にそびえ立つ、白い石で出来た西洋風の、どこか見覚えのある古い城。その門の前におったのだ。

 

 あたりは暗く。夜であるようだった。城からは明かりが漏れており、ひとまず中へ入ってみようと、一歩踏み出そうとした。

 

 地面の感触が、無かった。

 

 いや、落とし穴やガケがあったわけではない。

 ただ単に。我輩が空中に浮いておったというだけのことだ。

 しかも、我輩にはヒザから下が存在せず、その上も透けておった。

 

 思わず手で叩いて、足が存在することを確かめたが、その手もまた透けておることに気付き、我輩は恐慌に陥った。

 

「おおおぅぁ、あわわわわわわわわ」

 

 うむ。意味がある言葉は、出てこなかったな。

 人間。不意に追い詰められて混乱すると、そんなものである。

 

 この時、大根を両手に持って踊る小人が見えたような気もするが、きっと気のせいだ。

 

 そしてそんな我輩の前で、門が急に開いて、ヒゲもじゃの巨人が出てきた。そして彼は我輩に話しかけてきたのだ。

 

What are you doing?(なにやってんだオメェさん) Who are you?(だれだぁ)

 

 イカン。英語だ。

 そう思った我輩は、とっさに世界共通語で返した。

 

「ニャー」

 

 猫の言葉は、みんな好き好きに解釈してくれると思うので、結果として共通語になるのではなかろうか。

 少なくとも、この時は通じた。

 

Are you a lost child?(オメェさん迷子かい) OK,come in(わかった、ついてきな)

 

 ヒゲの巨人はそう言うと、我輩を城の中へと連れて行ってくれた。

 よし。このくらいの英語なら、まだ覚えているのである。高卒認定試験ありがとう。

 とはいえ、会話が複雑で理解が追いつかなかったり、話す速さに付いていけなかったりしそうなので。しゃべれぬ振りは続けるのであるが。

 

 なにせ、ここがどこのどんな世界かは、読めたであるからなあ。

 というか。この巨人を、我輩は知っている。見覚えがある。記憶に残っておる。

 彼は、ハグリッドである。ホグワーツの森番で、森に人食い蜘蛛を放って、繁殖させた男。禁じられた森を、さらに禁じられた場所にした危険人物。

 

 森番とは、いったい何だろう。

 

 哲学的な思考に陥りかけた我輩を、早く来いとばかりに、ハグリットが首根っこを引っつかもうとした。

 意外とその手つきは優しかったが、我輩は幽霊である。その手は我輩を突き抜けてしまった。

 ふむ。感触があると言えばある。ないと言えばない。これはまた、不思議な感覚であるな。

 

「にゃ~?」

 

 どこ行くの? そんな感触、意味合いで問いかけてみると、きちんと返事が返ってきた。ダンブルドア校長のところらしい。

 

 あのホモのところか。確か、男に惚れて付いていこうとしたら、弟に止められて争いになって。そこで事故が起きて、妹が巻き込まれて死んだのだったか?

 映画でしか知らぬ上に、うろ覚えで、ヘンな覚え方をしている恐れはある。しかし、これは大体合っているという自信もあるな。

 彼は計算高いが、善良でもあるという記憶もある。まあ、悪いことにはなるまい。逃げ出すのは、いつだって出来る。

 

 魔法の世界。ホグワーツ。まずは、このファンタジーを味わうとしよう。

 

 

 




●あわわわわわわ
恋姫夢想より。慌てた時には、あわわかはわわである。臥龍、鳳雛の二大軍師のうち、史実で早死にする方のセリフ。三国志の武将などを全員女性化した、その発想はあったが、誰がそこまでやれと言った。というゲームから。なお元はエロゲである。

●大根を両手に持って踊る小人
魔法陣グルグルより。場が混乱していると「ダイコンランです」と、大根を両手に持って背景で踊る、ただそれだけの妖精。
なお一発変換で出てくる魔方陣は、全部のマスに数字を入れ、縦、横、斜め、どの列の数字の合計であれ同じという別物のことなので、気を付けるんだ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。