Re:ゼロから帰ってきた異世界人〜Parallel・The・Walking・Dead~   作:伊吹恋

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ゲーム実況でこちらをおろさかにしすぎました。今回はミツル一行と暴徒との戦いになります。


5話「開戦」

「死にたくなければどきやがれーーー!!!」

 

怒号と共に銃声が鳴り響く。ミツルは銃を乱射し後ろにいる車を牽制する。後ろにいる敵の車を狙うが上手く窓を割ることが出来ない。

 

相手も負けじと銃を撃ち返してくるが、スバルがミツルを狙うことを予測してハンドルを切る。

 

「ナイスだスバル!」

 

「そんなことよりあいつら何なんだ!」

 

「さあな、相当俺らは奴らのテリトリーに入り込んじまったって事だろ!」

 

弾倉を変えてスライドを引きコッキングする。それと同時に敵車両の後ろから車とは違うエンジン音が響く。そのエンジン音は車と違いだんだん近づいている。

 

「ちくしょう、バイクかよ!」

 

「機動力で負けるのが目に見える。スバル!奴らは必ず前に来ようとするはずだ。その前に潰す。撃ち漏らしたら撃て!」

 

スバルは腰に指している拳銃を手に取る。殺すのは御免だが、殺されるのはもっと嫌だ。だったら殺される前に殺すのだ。

 

「敵が左右に別れました!」

 

レムの声にいち早くミツルが反応する。

 

「いくぞ!」

 

再び窓から身体を出し銃をバイク乗りに向かって撃つ。バイク乗りは左右にジグザグに動きながらミツルの照準から外れながら片手に銃をつかむ。銃は片手でも乱射させることが出来るスコーピオンサブマシンガン。男が左手に銃を持った瞬間、ミツルの銃の弾が切れてしまう。

 

「チィ!」

 

最悪なタイミングに弾切れを起こしてしまう。拳銃を構えるにもバイク乗りの男が早く銃を撃つ。スコーピオンの照準がミツルを捉えた。

 

 

 

 

「アル・ヒューマ!」

 

 

 

 

だがバイク乗りの男が銃を撃つことは無かった。男のバイクはレムが放った氷の塊により粉々に破壊されたのだ。エンジンやマフラー、ハンドルなどのパーツを地面にぶちまけると男の身体は地面をゴロゴロと転がっていく。だが彼の運命はそこで終わりを迎える。

 

後ろにいる車だ。車のタイヤは彼の頭を捉えそのまま前へと前進。タイヤの下敷きになった男の頭は車の重量とタイヤとの摩擦により被っていたヘルメットを粉砕し、赤い鮮血をバラまいた。

 

「…お気の毒だ」

 

敵とはいえとんでもない最後を一部始終目撃してしまったミツルは少ない同情を敵に送った。だがそんな中でも戦いはまだ続く。

 

ミツルが席に戻り銃の弾倉を変えようとしていた瞬間、もう一台のバイクがいつの間にか前に来ていた。もう1人のバイク乗りは左手に銃を持ち、フロントにいるスバルに照準を付ける。

 

「伏せろ!」

 

ミツルがスバルの頭を手で掴みしたに頭を下に押さえつける。

 

パララララ!!

 

軽い火薬の弾ける音と共にフロントガラスとリアガラスが割れる音が響く。全弾を撃ち尽くした男はバイクのスピードを上げて逃げる。

 

「大丈夫か!?」

 

「ああ、なんとか」

 

「レムちゃんは!?」

 

「はい、こちらも大丈夫です!」

 

2人の安全を確認するとミツルとスバルは拳銃を手に取って前のバイク乗りに照準を合わせる。

 

「墜ちろ!」

 

パパンパパン!

 

と2丁の拳銃がほぼ同時に銃声を出す。

 

「ッ!」

 

スバルも銃の振動に耐えながら銃を乱射する。腕の筋肉が銃の反動により悲鳴をあげる。だが殺られる前に殺ると決めたのだ。こんな所でやめるわけには行かない。生き残る為にスバルは引き金を引いた。

 

キュルルルルル!!

 

左右に蛇行しながら銃弾を避けながら射程距離から遠のくバイク乗りに対し2人が拳銃の弾を全弾撃ち抜く頃にはバイクの姿は小さくなっていき、高速道路を出る下道を使い戦線を離脱した。

 

「ちっ、逃がしちまったか!スバル、前にあいつが戻ってきたら迷わず撃て、俺は後ろの奴らに集中する!」

 

助手席に座っていたミツルは後部座席に移動すると窓から身体を出し再び後ろの車両に向かって即座に銃を構え再び銃を乱射させた。

 

フロントガラスに銃弾の嵐が飛び、フロントガラスに血の様な液体が飛び散った。運転手を射貫いたであろうその車は左に曲がっていくと車体は左に曲がっていき、もう1台の車を巻き込み遮音壁にぶつかった。スピードを上げていた車体は元々ボロボロになって今にも崩れそうになっていた遮音壁をぶち破りそのまま高速道路から消え失せ、大きな爆発音のような物が聞こえた。

 

「イピカイエークソッタレ!!」

 

敵に向かって罵倒するが、車はもう1台ほど残っている。ミツルは残りの車に向かって銃を撃つが、次はその車から人間が身を出し、ミツルたちの車に向かって銃を撃ち出した。

 

「うおっ!」

 

パララララララ!!!!

 

無数の銃弾が雨のように車に飛んでくる。運転席側のサイドミラーが割れ、銃弾がヒュンヒュンと空気を切り裂きながら飛んでくる。

ミツルもすぐに身体を引っ込めるが、勢い余りそのまま倒れ込むような姿勢で後ろに下がる。

 

「きゃっ」

 

後ろにいたレムにぶつかり、後ろに下がるとむにゅっとミツルの後頭部になにやら柔らかい物が当たる感触がした。

 

「おっと、すまねえ」

 

「こ、こちらこそ申し訳ありません!」

 

「いやいや、ありがとうございました」

 

何食わぬ顔でミツルは後ろに居るレムに謝り両手を合掌させて感謝を述べているとスバルが声を上げる。

 

「そんな場合じゃないだろ兄貴!」

 

「分かってる!だが多勢に無勢なのは変わりない。このまま逃げるにしても残りの燃料が心元ねえし、弾もあまりねえ・・・」

 

弾を入れているバックを見ると残りの弾倉は2つだけ、荷物から引っ張り出せばいいものの、そんなことをしている暇はない。現に後ろから銃弾が雨あられと降ってきている。

 

もう悩んでる時間は無いのだ。

 

「仕方ねえ、使いたくは無かったが背に腹は変えられん」

 

バッグを手に取り何かを探す。そして中から出したのは丸い筒状の缶だった。

 

 

 

 

 

敵の銃弾は止むことを知らず引き金を引き続けた。

 

キュルルルルル!!

 

いきなり前にいるミツル達の車が蛇行し始めると敵は銃の引き金から指を離した。

蛇行してから車のスピードがゆっくりと落ちていき、やがて車はスピードを無くし、まるでガソリンが底をついたかのように道路の真ん中で止まった。

 

「止めろ!」

 

1人の男が運転手に止めるように指示をすると、車を降りて4人の男が降りる。

 

「周りを警戒しろ。死んだか確認するぞ。」

 

4人の男達は周りを確認しながらミツル達の車に近づき、サイドミラーで確認をする。中では赤い液体を頭から流し、座席に座ったミツル達がいた。

一人の男が銃でミツルをつついてみるがミツルは力なく動くだけになっていた。完全に死んだと思った男は銃を後ろに回しミツルの体を触りだす。

 

「へ、死んでるぜ。ち、女の方も死んじまってる…勿体ねえな…まあいい、暖かい内に犯してやる」

 

と男がミツルの肩を持った瞬間、首から暖かい液体がドロドロと出ていく。鈍い痛みがまるで熱を帯びる様にジワジワと感じ、そして呼吸が出来なくなる。

 

「あ…れ…?」

 

男も何が起きたのかわからず、振り絞った最後の肉声を吐き出し抜けていく力と呼吸困難の苦しみからドサッと首から血しぶきを上げながら男はミツルの死体を出すこともなく倒れる。

 

「なんだ!?どうしたんだ!!?」

 

男たちが倒れた男に駆け寄る。死体を見てみると首を掻き切ったような切り口が首にあった。ドクドクと血が地面に流れ落ちていき、一瞬で死体の周りは血だまりが完成する。

そして疑問が生まれる。何故首が掻っ切られたのか。その理由は直ぐに理解出来た。

 

「ハロー」

 

後ろにいたのはナイフを手にした顔に血を流しているのにも関わらず、ピンピンした姿で居るミツルだった。よく見ると血が滴っているのにもかかわらず外傷が全く見当たらない。銃弾が擦った訳でも、身体を貫いた訳でも何でも無い。車からカランと音を立てて転がってくるトマト缶を目にした時、男達は銃を構えることを忘れ全てを理解出来た。

 

「まさか・・・!!!!」

 

「ビンゴ!」

 

ミツルは素早くソードオフショットガンを手に取り、ホルスターから抜き腰だめで引き金を引いた。散弾銃の弾は短く切り詰めた銃身によりバラバラに散っていき、一瞬で3人の男の体を貫いた。

 

男達の身体がスクラップになっている車の車体に当たり、動かなくなる。

 

「愚弟の嫁候補に触ろうとした罰だ、地獄に墜ちろ・・・」

 

ショットガンの銃身から撃ち終わった二発分の薬莢をはき出し、素早く次の弾を入れて銃身を元に戻す。

 

「ミツルさん・・・」

 

後ろから同じく頭から微量ながらトマト缶の汁を流している。

 

「悪いなレムちゃん。死んだふりをするためとは言え、少し汁を付けさせて貰った。服には付かないように細心の注意を払ったつもりだ」

 

「それは別に気にはしておりません。ですが・・・」

 

レムは死体達を見ている。

血を流し続け、目から光を失った男達の成れの果てを。

 

「別段珍しい事ではない。感染者が現れた瞬間、確かに対抗するために人類はあらゆる手を尽くした。結局俺達の中に感染源が分かった時には世界は崩壊し、生き残りは限られた物資を奪い合い、殺し合った」

 

男達の服を漁り、銃の弾を手にする。

 

「だが、俺は仕方がないと考えてる。この世界には今や食うか食われるかしかない。食物連鎖とはよく言ったものだな」

 

「だからこそ、俺らは戦い、勝ち残り、生き残らねばならない。例え俺達が感染者達に敗北したとしても、誰かを蹴落として生き残らねばならないとしても、俺達の背中には、今まで生きるためにその身を捧げた犠牲者や、意思を託した仲間たちの想いを未来に残さなければならない。俺達が牛や豚、野菜を食べて命を紡ぐ様に、俺は泥水をすすろうが、その意思を捨てる気は無い…」

 

「ミツルさん…」

 

「兄貴…真面目な話に水を指すようだけど、何か拭くものある?」

 

レムの横でドロドロと頭から大量のトマト汁を垂れ流しているスバルに、ミツルは「はぁ…」とため息を吐く。

 

「締まらねえなお前は…」

 

「締まらなくしたのは兄貴だろ!?人の頭に思いっきりトマトスープぶっかけやがって!!」

 

「わかったわかった。こいつらが持ってた水筒の水使えよ。なんかオイル臭いが使えるだろ」

 

「大丈夫かそれ!?ガソリンとか入ってないだろうな!?」

 

そんなやり取りをしながらミツルは死体から剥ぎ取った水筒をスバルに差し出すとスバルはすぐに頭から水をかけてトマトスープを洗い落とす。

 

「うわ、ホントにオイルくせえぞこれ…」

 

水筒から水をチョロチョロと頭からかけていくスバル。濡れた髪を車の中にある適当な布で拭いていく。

 

「…」

 

死体から銃弾を取っていくミツルは二人目の死体から剥ぎ取り終わった頃、ある事に気がつく。

 

「おい!3人目の死体は何処だ!!?」

 

スバルたちは先ほどミツルが撃ち抜いた三人の男を見る。死体が二つある。二人とも防弾チョッキのような物を着ているが至近距離からの散弾によりチョッキを貫通していたが肝心のもう一人の死体が忽然と消えていた。しかも男が居たであろう場所には多少ほどしか血が流れていない。これが何を意味しているのか、レムはもちろん、スバルも理解していた。男は生きている。

ミツルとスバルは拳銃を構えると、レムも後退し、モーニングスターを手にし、三人は背中合わせにするように辺りを警戒する。

 

「何処だ…!」

 

スバルの声が合図になったのか。

 

「うがあああぁぁ!!」

 

ミツルの目の前からナイフを持った男が飛びかかってきた。

 

「うおっ!」

 

咄嗟の事でか、ミツルは男のタックルをくらうと、後ろにいる二人の背中を押すような形をとってしまい、2人は体勢のバランスを崩してしまう。

 

「おわっ!」

「きゃっ!」

 

ミツルが倒れたところに男は馬乗りになってミツルに刃物を突き立てるが、ミツルは男の両手を掴み、ナイフを止めようとする。

 

「がああぁぁ!!」

 

錯乱したように男が雄叫びを上げる。

 

「く…うう!!!」

 

ミツルも必死に押さえるが、ジリジリとナイフが胸に突き立てられていく。刃の先端が服に到達した瞬間、

 

「うおおおおおお!!」

 

スバルはすぐに立ち上がり、ナイフを持った男にタックルした。

 

「ごあっ!!」

 

男の身体をスクラップ状態の車に叩きつける。

 

「スバル!」

「スバル君!」

 

「殺させない!俺の唯一の肉親を…!!!」

 

「このっ…!」

 

男はすぐに手に持っているナイフをスバルに振り下ろすために上に掲げた。だが、

 

「スバル!避けろ!!」

 

ミツルがすぐに立ち上がり、男を押さえているスバルに向かって走りだす。

 

「ミツルさん!」

 

それに合わせるようにレムも立ち上がり走り出す。二人は歩幅を合わせるように走る。スバルは二人が三歩手前まで来たところで男の拘束を解放し、その場を離れる。

 

「弟にぃぃ!!」

 

「スバル君にぃぃ!!」

 

「「手を出すなァァァァァ!!!」」

 

二人の肘が男の腹に当たり、男の身体を車にめり込ませた。ガラスの残った破片や部品の破片などが男の身体にバケツに注いだ水を頭から被ったかのように降りかかる。男は口から血を吐き出しながらそのまま気絶してしまう。

 

「これで、仕舞いだ」

 

身体に付いた埃を手で払い、ミツルは懐からタバコを出して口に咥える。タバコに火を付けようとライターを出そうとするも、横からレムがマッチに付けた火をミツルに差し出す。

 

「ありがとう」

 

ミツルはタバコをその火に近づけ、タバコに火を付け口から紫煙を吐き出す。

 

 

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