ヒーローと黒猫のウィズ   作:ロック・ハーベリオン

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就活中のため、執筆がまた遅れてしまいました。
黒ウィズはイベントが多いし、手が回らないや
時間が欲しいよー(切実)(´・ω・`)


第8話:全てを破壊する夢(ブレイクメア)

死柄木side

 

「ってえ…」

 

結局、俺たちは黒霧のワープで拠点にしているBARに撤退した

もう少してゲームクリアだったのにも関わらず…

 

「両腕両脚撃たれた…。完敗だ…。脳無もやられた。手下共は瞬殺だった。子供も強かった…」

 

グチグチと結果を言う

だが、そんなことよりも心に刺さったのは、

 

「平和の象徴は健在だった…!」

 

だからこそ、自身が尊敬する人に聞く

 

「話が違うぞ、先生…」

 

『違わないよ』

 

その声はモニターから聞こえた

 

『ただ見通しが甘かったね』

 

『うむ…。なめすぎたな。(ヴィラン)連合なんちうチープな団体名で良かったわい』

 

そして、モニターからは先生の治療を担当している博士の声も聞こえた

 

『ところで、ワシと先生の共作、脳無は?回収してないのかい?』

 

「吹き飛ばされました。正確な位置座標を把握出来なければいくらワープといえ探せないのです。そのような時間は取れなかった」

 

黒霧が答える

全く、イラつく

この結果全てにイラつく…!

 

『せっかくオールマイト並のパワーにしたのに…。まあ、仕方ないか…。残念』

 

「パワー…。そうだ…。一人、オールマイトに近い力を持つ子供がいたな…。脳無のショック吸収は超えられてなかったけど…」

 

『…へえ』

 

「それよりも黒猫の魔法使いだ…!あいつさえいなければ引かなくても良かった…!オールマイトを殺せたかもしれない…。魔法使いがっ…!」

 

そんな俺の気持ちを知ってか先生が話を続ける

 

『悔やんでも仕方がない!今回だって決して無駄ではなかったハズだ。精鋭を集めよう!じっくりと時間をかけて!我々は自由には動けない!だから、君のような”シンボル”が必要なんだ。死柄木弔!!次こそ君という恐怖を世に知らしめろ!』

 

ああ、そうだな、先生

俺がやるんだ…

この世に恐怖を…

 

「それとは別に予定通り撤退に置いてきたみたいだね?」

 

そして、今まで全く聞こえなかった声がカウンターの奥から聞こえた

それに対し、黒霧が答える

 

「ええ、使っていいとのことでしたのでありがたく…。しかし、脳無とは違い、あのようなものだと我々まで被害を被るのでは?」

 

「そこは仕方がないと思ってくれ。所詮僕は3流魔法使いだからね。まあ、混乱を産む意味としてはいいんじゃないかな。最も最近は見張りが厳しくて新しいの連れてこれないんだけどねぇ。そこだけどうにかしないとね…」

 

こいつはよく分からねぇ

先生が急に連れてきたからな

だが、利用されるくらいなら利用してやるよ…

 

「兎に角、あの夢は黒猫の魔法使いに倒されるだろうね。やれやれ、メアレスでもないのに本当に厄介な存在だよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒猫side

 

「セメントス!!」

 

そいつが出てきた瞬間、俺は叫んだ

 

「っ!」

 

次の瞬間、俺の叫びに答えたセメントスが個性で地面のセメントを操り、壁を作った

 

「ヒャッハァァァァ!!!」

 

しかし、それは目の前の男に破壊された

叫んだだけで周りのものを破壊し、地面まで亀裂を入れた

 

「全員、下がれ!!特級だ!!」

 

「なっ!?」

 

「校長!」

 

「全員、生徒の避難を優先してくれ!」

 

俺はその言葉を聞く前に飛び出す

 

「はぁぁ!!」

 

俺は【ラギド】の力を今出せるだけだし、殴りにかかるが、

 

「ハカイィ!!」

 

オーラを纏った拳で返される

 

「ぎっ!?」

 

それは異形の装甲を打ち破り、俺の腕を傷つけた

 

「っ、なんでお前が敵連合といる!?ロストメア!!」

 

「ハカイ、全てをハカイ!!」

 

「コイツ…!?まさか、自我が…」

 

「ヒィィィハァァァァ!!」

 

再び、絶叫

その時に起こる破壊の衝撃波で俺は飛ばされる

 

「まーくん!」「行っちゃだめにゃ!」

 

広場にクラスメイトが集まってくる

そして、俺が怪我をしているのを見てか渡我が近くに来ようとするが、それはウィズが止めた

俺にみんなが視線を向けている間に既にオールマイトは避難していた

 

「全員、ここから出るんだ!!」

 

「しかし、校長先生!」

 

「早く!僕達では、絶対あれには勝てない!」

 

周りがそんなことを言っている間も俺は魔法を放ちながら、突っ込んで行った

しかし、魔法も鎧も容赦なく、破壊されていった

 

「ぐはっ!容赦ねぇな…」

 

「ハカイだ、全てを、破壊する!!!」

 

「全てを破壊する夢、ブレイクメアってとこか。『汝、無情のさだめ、非情の因果より逃れることあたわず』!」

 

複数の追撃する雷を放つが、順番に破壊される

 

「もういい。俺も攻撃する」

 

「っ!?いけない、轟くん!!」

 

先生方の静止を振り切って、轟は個性をブレイクメアに使おうとしたが、

 

「がっ!?なんだよ、これ!?頭が、割れるようにいてぇ…!」

 

「攻撃をしようとしてはダメだ!あれはそういうやつなんだ!」

 

ロストメアの特性、夢を持つ者は戦うことができない

それに阻まれ、轟はその場に膝をついた

 

「ぐっ!はぁはぁ、」

 

魔法も破壊され、傷だらけになり、血も滴ってきた

それでも、俺は諦めない

こいつはここで倒さなくてはならない

でなければ、周りがめちゃくちゃになってしまう…

 

ともかく、

 

「やっと突破口を見つけた…。ウィズ!」

 

「にゃ!?」

 

「ミリィを呼べ!!」

 

「わかったにゃ!」

 

ウィズはそう答えると人の姿になり、1枚のカードを取り出した

 

「『我が召喚に応えよ!召喚(サモン)!【戦鳥裂帛 ウォーブリンガー=ミリィ】!』」

 

そして、現れたのは片手にお菓子を持ち、さらに口にくわえた状態のミリィだった

 

「え、ええ、どういう状況ですか!?」

 

突如、呼ばれたせいで多少混乱していたミリィだが、

 

「ミリィ!!フルバーストの準備!!ウィズはサポート!!」

 

「っ!うすうす!」「わかってるよ!」

 

俺の状況を見てすぐさま正気になり、パイルバンカーを構えた

そして、ウィズに召喚されたフルバースト用の装備を装着していった

 

「『八十葉をなして、天霧らせ!!地より逆撃つ雷霆樹!!』」

 

俺はブレイクメアの周りに幾重もの雷の柱を立て、ミリィの所まで下がった

 

「時間が無いから要件だけ言う。俺の言うタイミングでフルバーストを放ってくれ。ウィズも魔法を」

 

「そ、それはいいんですけど、魔借さん、大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫だ。いいか、ミリィ!お前が突破口だ。頼んだぞ!」

 

「…うすうす!!」

 

「ウィズ、もしもの時は頼む」

 

「大丈夫、わかってるから」

 

2人の言葉を聞いた俺はブレイクメアが包まれた雷の方に向く

そして、憑依召喚(インストール)に使っている【ラギト】のカードを取り出す

 

「力を貸してもらうぞ、ラギト。『我が呼び声に答えし異界の精霊よ。その力を我が元へ!全て変える力となれ!完全憑依召喚(フルインストール)!!【血火咆哮 ダイトメア=ラギト】!!』」

 

俺は自身の切り札を使った

完全憑依召喚(フルインストール)

通常の憑依召喚(インストール)とは違い、精霊の力を100%以上引き出す魔法

魔力消費がとてつもなく、体にも相当の負担がかかるが、膨大な力を引き出すことができる

デメリットとしては完全憑依召喚(フルインストール)に使用したカードは魔法を解除した後、24時間、使用不可能になるという事だ

そしてもう1つ、精霊の力が強すぎるため、俺に干渉してくるのだ

下手すると俺の自我が飲み込まれる可能性があるため、普段は使用をしないようにしている

しかし、今回は仕方がない

完全憑依召喚(フルインストール)を使わないと勝てない

 

「『行くぞ』」

 

その影響で俺とラギトの声が合わさって聞こえるようにもなる

しかし、そんなことを気にしている場合では無い

 

「ヒィィィハァァァァ!!」

 

三度、ブレイクメアの絶叫

奴を囲っていた雷の結界が破壊された

 

「『ミリィ!!』」

 

その瞬間、俺は走り出し、ミリィに声をかけた

 

「『オールウェポンズ・フルドライブ!!』」

 

「くらえぇ!!」

 

そして、数多のミサイルと弾丸、魔法がブレイクメアに向かっていった

しかし、

 

「ヒィィィハァァァァ!!」

 

それは破壊の障壁で防がれた

 

「『それを待っていた!!』」

 

俺はミサイルなどの爆煙に突っ込み、ブレイクメアの懐に入った

破壊の障壁は厄介だ

最大の攻撃法でありながら、防御にも使える

しかし、魔法を防がれているのを観察して欠点を見つけたのだ

一度破壊の効果を使った場所の障壁は再展開するまで破壊の力は無くなるのだ

そこで俺はミリィのフルバーストを広範囲攻撃を利用したのだ

障壁の殆どを意味なくした瞬間に突っ込み、懐に入り込む

結果としては上手くいった

後は、最大火力を打っ放す!!

 

「『シヴァリング・エンド!!』」

 

それはラギトのSSの名を関する一撃

自身の受けたダメージを加算して相手に攻撃を喰らわせる技

それは紫色の魔力の奔流となって放たれた

 

「『ウォォォォォ!!』」

 

そして、

 

「は、はか…い……」

 

ブレイクメアはそれに飲み込まれ、消え去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『はぁ、はぁ、『魔法解除(リセット)』。つ、疲れた…」

 

「お疲れ様です」「お疲れにゃ」

 

やっぱり、完全憑依召喚(フルインストール)は体への負担が大きいな

ものすごく疲れる

それに今回はボコボコにされたからな

傷が痛てぇ…

 

「あの、そろそろ事情を聞きたいんですけど?」

 

「ああ、すまんな、ミリィ。実は「ちょっと待ってくれ、黒猫くん」…校長」

 

ミリィに事情を話そうとしたらネズミなのか熊なのかよく分からない生物代表である根津校長が来た

 

「警察が到着した所さ。事情聴取を取りたいそうだから着いてきてくれるかな?それと治療も。そちらのお嬢さんも一緒に」

 

「…わかった。ミリィ、すまんが着いてきてくれ」

 

「わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人称視点

 

「18、19、20…。指を負傷した彼と全身を怪我をした魔法使いを除いて…ほぼ全員無事か…」

 

USJ事件で利用された敵の引き取りに警察が来た

その警察をひきいていたのは今、生徒の安否を確かめた塚内直正という刑事だった

ほぼ全員無事…

この言葉を聞いて生徒が少しづつ話し出した

 

「尾白くん…、今度は燃えてたんだってね。強かったんだね」

 

「いや、俺の場合は黒猫が既に敵を倒してたからさ…。葉隠さんはどこいたんだ?」

 

「土砂のどこ!轟くん、クソ強くてびっくりしちゃった」

 

「…(凍らすとこだった、危ねえ)」

 

周りの影響を省みない轟であった 

 

「僕がいたとこはね…どこだと思う?☆」

 

「そうか、やはり皆のとこもチンピラ同然だったか」

 

「ガキだとナメられてんだ」 

 

「どこだと思う!?☆」

 

「どこ?」

 

皆に無視されても問い続ける青山に、蛙吹が聞くが、

 

「秘密さ!!」キラッ

 

全く答えになっていなかった

 

「とりあえず生徒らは教室へ戻ってもらおう。すぐ事情聴取ってわけにもいかんだろ」

 

「警部さん、相澤先生と黒猫ちゃんは…」

 

相澤を心配した蛙吹が塚内に聞いた

先程まで相澤を運んでいたのは彼女だったため、余計に心配だったのだ

 

『両腕粉砕骨折、顔面骨折…。幸い脳系の損傷は見受けられません。ただ…眼窩低骨が粉々になってまして、眼に何かしらの後遺症が残る可能性もあります』

 

「だそうだ」

 

「ケロ…」

 

塚内の持つ携帯から聞こえた結果に蛙吹は心配そうな声を出し、峰田は泣きかけていた

 

「13号の方は背中から上腕にかけての裂傷が酷いが、命に別状はなし。オールマイトも同じく命に別状なし。彼に関してはリカバリーガールの治癒で充分処置可能とのことで保健室へ。緑谷くんは比較的軽傷だったから同じく保健室とのことだ」

 

「まーくん…」「黒猫さんは…!?」

 

渡我と八百万が黒猫のことを心配し、塚内に聞く

 

「黒猫、魔法使いか。彼も保健室で間に合うそうだ。さっき運ばれたよ。そうだ、私も保健室の方に用事がある。三茶!後、頼んだぞ」

 

「了解」

 

「セキュリティの大幅強化が必要だね」

 

「ワープなんで個性、ただでさえものすごく希少なのに。よりにもよって敵側にいるなんてね…」

 

先生方は今後の対策について話し合っていた

ヒーローとしての視点から意見を出し合っていた

 

「塚内警部!約400m先の雑木林で敵と思われる人物を確保したとの連絡が!」

 

「様子は?」

 

「外傷はなし!無抵抗でおとなしいのですが…、呼びかけにも一切応じず、口がきけないのではと…」

 

捕らえられたのは脳無であった

オールマイトにぶっ飛ばされてなお無傷

対オールマイトと言える凄さがわかるものだ

 

「校長先生、念の為、校内を隅まで見たいのですが」

 

「ああ、もちろん!一部じゃとやかく言われているが、権限は警察の方が上さ!捜査は君たちの分野!よろしく頼むよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保健室side

 

「今回は事情が事情なだけに小言も言えないね」

 

保健室にはベッドに横たわり、包帯だらけのオールマイトと椅子に座り、指を治療して貰っている緑谷、そして治療をするリカバリーガールがいた

 

「多分だが…、私、また活動限界早まったかな…一時間くらいはまだ欲しいが…」

 

「オールマイト…」

 

「まー、仕方ないさ!こういう事もある!」

 

オールマイトの活動限界

ワン・フォー・オールを緑谷に讓渡した事で、彼には残り香しか残っていない

今はそれを消費して活動しているのだ

しかし、無理をすれば急激に減っていく

それは平和の象徴のカウントダウンとも言えるのだ

 

「失礼します」

 

「ま、魔借!?」

 

そして、そこに入ってきたのはボロボロになった黒猫だった

しかし、そこにはトゥルーホームのオールマイトの姿がある

緑谷はオールマイトの秘密が知られたかと思い、声を上げたが、

 

「出久、オールマイトのことなら知ってるから安心しろ。リカバリーガール、すいませんが治療をお願いします。体力がギリギリなので個性使わず…」

 

「全く世話が焼けるねぇ」

 

彼の傍にはミリィもウィズもいなかった

ミリィはロクス・ソルスに帰し、ウィズも連れて行ってもらい、事情を説明するようにしてもらったのだ

 

「魔借、あの」

 

「オールマイトのことか?黙っていてすまなかったな。俺も色々とあって知ってるんだよ。お前が後継であることもな」

 

「黒猫少年…。他のクラスメイトに私のことは」

 

「バレてないだろ。全員俺に目がいっていたからな。分かったらきっと声をかけてくるだろ。その時はあんた自身で何とかしてくれ」

 

「失礼します。…オールマイト、久しぶり!」

 

そんな話をしているところに、塚内が入ってきた

 

「塚内くん!!君もこっちに来ていたのか!」

 

「オールマイト…!え、いいんですか!?姿が…」

 

「ああ!大丈夫さ!何故って!?彼は最も仲良しの警察、塚内直正くんだからさ!」

 

「ハハッ、何だ、その紹介」

 

そう、塚内はオールマイトの旧友

故にオールマイトの秘密を知る数少ない人物なのだ

そして、

 

「塚内さん、お久しぶりです」

 

「ああ、黒猫くん。怪我大丈夫かい?」

 

「ええ、見た目ほど重症ではないので」

 

「充分重症だよ!」

 

リカバリーガールに怒られながら、治療される黒猫にも声をかける

塚内はロストメアの秘密を知る1人なのだ

故に、こちらの世界に来たロストメアの情報は彼から黒猫に流れることが多く、よく話をする間柄であるのだ

 

「早速で悪いが、オールマイトと黒猫くん。敵について詳しく…」

 

「待った、待ってくれ、それより…」

 

オールマイトは塚内の質問に待ったをかけ、問いかけた

 

「生徒は皆、無事か!?相澤…イレイザーヘッドと13号は!!」

 

「…生徒はそこの彼と黒猫くん以外で軽症数名。教師2人はとりあえず命に別状無しだ。3人のヒーローが身を挺していなければ、生徒らも無事じゃあいられなかったろうな」

 

「そうか…しかし、一つ違うぜ、塚内くん。生徒らもまた戦い、身を挺した!!こんなにも早く実践を経験し、生き残り、大人の世界を、恐怖を知った1年生など今まであっただろうか!?

(ヴィラン)も馬鹿なことをした!!1-A(このクラス)は強いヒーローになるぞ!!

 

そう言ってオールマイトは緑谷にサムズアップをした

 

「私はそう、確信しているよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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