エアリア世界大会で優勝を果たした後は、祝勝会やらなんやらで色々あったが、ようやく平常の日常が戻った頃だった
「やっぱもう来ないか、水原部長達数名も今年度卒業なので区切りと言う事で、大会後しばらくして退部したし、俺達も潮時かね」
「だな、部員は半数以下になっちゃったからね、満足に練習も出来ないと思うよ」
「あ~あ、勿体ないなぁ~7年ぶりだったんだろ?優勝したのってさ」
「らしいな、祝勝会で初めて知ったよ」
俺達は友人たちと静かになった部室で、エアリア部の今後を話し合っていた、アンジュ達が来なくなったのだ、理由はニュースでも散々聞いてたが、事故で第二皇女のシルヴィア・斑鳩・ミスルギが意識不明の重体、どうも噂ではアンジュの目の前の事件だったらしく、本人はショックで学園にも最近来ていない事から事実なのだろう
「んでどーすんだよヴィー」
「俺はこのまま居ても意味ないし、辞めようかなと思ってる」
「だな」
そして俺達は、その日の内に退部届を提出して退部した
部活を辞めてから、放課後は友人達と次に何かおもしろい事が無いか探しているが、特別何かある訳でもないので、そのまま帰宅するか、エアリア部の先輩に誘われて遊びに行くくらいだ、俺達が退部した事は残念がってたけど、怒られはしなかった、どうやら残った部員は居ないらしく、事実上の廃部だそうだ
「なんやかんや言いながら、アンジュって意外と部員を引っ張る存在だったみたいですね」
「そうね、少し寂しいけどしょうがないわ」
そして俺達は、友人たちの要る方へ合流し、アトラクションの続きを楽しむのだった
ようやくダミー用のパラメイルの設計が終わり、各パーツを組み立てていく、最終的な仕上げは基地でやるが、細かい部分だけは自宅でやっている、同時に母艦の細かい部分も作り、一定量が溜まったら送っている、双方を混ぜる事で、誰にもパラメイル以外を作ってるとは気が付かれない様にする為だ
夏休みに入り、予定通りにダミーパラメイルと母艦を完成させ、作ったパラメイルを使って飛行テストを繰り返し行い
「まぁ~こんなもんか」
「ようやく完成したんですね、おめでとうございます」
「ええ、まぁ~試作一号機としては、いいんじゃないっすかね」
「そうね、いささか趣味の範囲を超えてる気はしますけど、いいんじゃないです?」
概ね高評価を得る事が出来たので、暫らくは改良をしながらテストしますと言って、無人でパラメイルを飛ばしている間などに、地下での作業を始めた
無人パラメイル君には、予定してる航路をゆっくりと飛んでもらう事になってるし、その予定している航路も伝えてある、予定フライト時間は5時間
俺は、地下に入ると素早く掘った通路を埋めなおして陸からの通路を完全に閉鎖、いよいよ母艦で出港する時が来たのだ、既にすべて積み込んであり、行先も決まっている
俺は母艦を出向させて、海底を突き進んでいく
「コレで俺は自由だーーーっ!」
ダミーパラメイルを空中で爆発させて海の藻屑へと変える事で、俺は死んだか行方不明という事に
目的地へ到着し、無人島であるのを魔法で確認すると、地下に俺と同じ趣向を持った同志が作った物が無いか、丁寧にサーチして何もないのを確認すると、さっそく地下へ掘り進めて新たな基地を建設する、事前に海のゴミに紛れさせておいた生活に必要な物は来る途中に回収済みであり、数年は問題ないはず
地下を大きく作り、プラント施設にして野菜や果物と言った栽培を行う、もちろんオートで管理されており土にまみれて作業なんかしない
海の幸も養殖場プラントで増やしておく
肝心の基地は海の中にあり、島は手つかずにしておく、上から見られて怪しまれないようにね
なぜ誰にも伝えず、こんなことをしたかには理由がある、皇帝陛下のハッキングで調べた事になるが、人間とはマナが使える人を指す、ここまではいい
しかし裏があったんだ、便利で何でもできる代わりに調律者って呼ばれてる奴や国に管理されてる、思考や感情すら管理されてる部分があるらしく、色々調べて行くとマナネットを利用して洗脳まで出来やがるのだ
俺は、一気に気持ち悪くなり、自分のマナネットから不正に侵入されないように何重にもブロックをかけたが、それでも安心できず、友人や部活の先輩のマナネットに侵入して洗脳プログラムを入れてテストしたら成功したのだ
こうなってくると調律者って奴が、頭のおかしい奴、俺達は、それの奴隷みたいなもんだ、もう最悪だね
一応だけど親や友人達、そして部活の人達には、俺と同じ様にセキュリティーを何重にも入れておいた、まぁ~俺からの餞別みたいなものだ、どの程度の効果があるかは分からないが、無いよりはマシなんじゃないかな
そして俺は、人間を辞める事を決意、マナなんか技術でどうにでもなる、むしろ体からマナを使えないってだけだ、それよりも調律者や国の奴隷である事のほうが気持ち悪い
家にいる間、色々試したが、人間を辞めるのは簡単には出来やしない、仕方が無いのでマナネットを使わず、独自のPCを制作してPC側からマナネットを繋げる事には成功したので、以降はそれを使い、重要なデーターを扱う時は未接続のPCを使った
そして少しでも洗脳を避ける為に、急いで脱出する為のパラメイルと母艦の制作を急いでいたのだ、俺は学園も絡んでるんじゃないかと疑ったからだ、もう疑い出したらきりが無く、毎日が恐怖でしかなくなったのだ
なるべく人を避けた場所で、人間を辞めるべく研究をする為に、俺はここへ来たのだ、手がかりすらない状態で何が出来るのかは分からないが、やらないよりはマシだろう
この世界では人間と呼ばれている存在だが、実際は一部の奴らの人形でしかない俺達マナノイド、そしてノーマを俺はノーマルノイドと呼ぶようにした
さらにドラゴノイドなる存在があるらしい事が分かってる、まさかドラゴンが人間だとは、皇帝陛下のハッキングをしてる時に見つけた資料に出てたが、人間を改造してドラゴンにまで変化しちゃってるとは、機会があれば死体でもいいから手に入れて本当なのか確認してみたいが、マナノイドが近寄ると発狂するそうだ、俺もマナノイドなので危険だし近寄りたくはないが、発狂する原理の中にマナノイドからの脱却する鍵が隠されてるかもしれないので、最終手段として考えるかも知れない
しかし何処を探してもDNAという単語どころか、それに似たような事すら何処にも無いのだ、おかげで調べる事も研究方法も分からない状態からのスタートとなる、だが何処かにヒントはあるはずだ、でなければマナノイドもドラゴノイドも居る訳がないんだから
まずはこの基地を完全な物にするところからだろう、世界は思ってた以上に危険で敵ばかりなんだから