てか、ここからが本番的な?やー長い。早く原作やりたいね。
そんな事を思いながら次回の登場人物の多さに頭を抱える事になる。前作は登場人物の多さで失敗したのに、また同じ失敗を歩もうとする作者無能すぎww
そんなことする奴さすがにいな.....ここにいたわ(暗黒微笑)
目元に光が差し込み自然と目蓋が開く。
視界に飛び込んできたのは見たことの無い木製の屋根。その次に辺りを見渡しここが何処かの部屋なのだと理解する。
─うーんここはどこだ?全く知らないところだけども......
「やっと起きたか」
背後から優しげな声がかけられ後ろを振り向く。
小さな小窓に腰を置きながら外を眺め、自分の傷口を撫でている老けた男がいた。
髪は年相応の白髪で、顔の至る所にシワがあり今までの人生の苦労が伺える。だが、そのすぐに男の正体を知り険しい表情をする。
「大天狗」
「知ってたか...それと、それ種族名だから名前は他にあるぜ」
「興味ない」
腰から生えた一対の黒い鴉の羽に、肩についている赤く伸びた鼻が特徴的な面。白、黒、緑の順番で羽織られ和服が印象的だ。
天狗なのはすぐに分かったがもしかしたら他の種族かもしれない。それでも口から零れたのは『大天狗』だった。というか、それ以外の種族を知らないので当てずっぽうである。
「と言われても無理やり言うがな。俺の名は
肩のお面を人差し指で触れながら質問する。
「昔よく見た」
「なるほど」
─まぁ昔ってか前世?なんだけどね。口下手な今だとこれが限界だからな。
朧花は会話に行き詰まったのか外の風景を見る。
その姿には何処か儚さがありその姿を見ていて突然思い出した。思い出したと言っても微かな記憶であり、あの時は一時的に暴走していたせいで記憶にはほとんど無い。
「ここは城?」
「いいや違うぜ。城はあんたに破壊されたからな。ここは離れにある名も無き神社だ。証拠にほれあそこを見てみろ」
外を指差しそちらの方を見ると真紅の大きな鳥居が構えている。鳥居の向こう側には階段が下へ続いていて、何処か山の麓なのだと分かる。
現代でもほとんど見ることの出来ない綺麗な鳥居はそこにあるだけで、アンの心を虜にする。
「すごい」
「なんだ、綺麗なものに感動できる心はあるのか」
「失礼」
「そうかそうかすまんねぇ」
軽いおちゃらけた謝罪をしながら窓枠に置いてあった小さな椀を掴み、中に入っている液体をちょびっと飲む。
外から風がなびきその液体の匂いがアンの方へ流れていく。
匂いは嗅ぎなれたアルコール。その質は明らかに高く、何処か甘さも感じるいい酒である。
「酒飲んでる」
「そりゃ飲むさ、せっかくの宴なんだからな」
その言葉通り外からはどんちゃん騒ぎする音が聞こえる。
大きな声や太鼓を叩く音。自然界ではありえない動きをする火や水。異常な程に明るい階段下。
どこか懐かしさがあり、子供時代の縁日に近い。
「なんで?城が壊れたから?」
「はっ、壊れて喜ぶヤツがどこにいるよ...こりゃ妖怪の性ってやつだな」
「性?」
椀に乗っている酒を一気に飲み干し、一息ついてからオーフィスの方へ身体をしっかり向ける。
「ここには多種多様な妖怪がいる。今じゃ正確な数は分からないほどにな。
だからこそだ、そうなりゃ確実に喧嘩や暴動が起きるんだわ。どうにかそれが収まっても遺恨が残ったまんまだと後味悪いだろ?一緒に生きていくってのにな。
そこでだ。俺ら妖怪は何か事件が起き解決したら、宴をする。酒を飲んで笑って恨み辛み憎しみ全てを流すのさ。これもその一つだ...だからよ飲めや」
空の椀を差し出す。
受ける取るべきか、受け取らないべきか。そんな事を考える前に身体は勝手に動き、椀を受け取る。
殻の椀を受け取り酒を入れろとコールをすると、笑いながら注ぐ。
「かっかかか!いいねぇ!そうでなくちゃ!!」
「酒に罪はない」
椀はアンの手ではかなり大きくピンと開いた手のひら程あり、突然注がれた酒に落としそうになるが何とか堪える。
「危ない」
「すまんすまん!さて飲む前に一応聞いておこうか、名前はなんて呼べばいい?」
「アン」
即答だった。
疑問に思う余地もない。確かにこの身体の持ち主の名前はオーフィスだ。
しかし、俺の今の名前はさとりから名付けられたアンなのである。それだけは揺るがない事実だ。
「そうかいなら、アン乾杯だ」
「乾杯」
二人はそっと椀を近づけぶつけ合わせる。
カラン。木と木のぶつかる乾いた音の後に一気に口へ含む。
鼻を抜けるアルコールの香り。口には溢れんばかりの旨み。喉にはきめ細かい液体がツルと入っていく。
並の安い酒ではなくかなり上等な代物だ。
「美味い」
「だろうて!俺の最高作だ」
「作った?」
「当たり前だ。当主としては情けない趣味だが、これだけは止められねぇよ。自分で作った酒で、この満天の星空を見るのはな」
背後の小窓には満天の星が輝く。
あぁ確かに最高だ...これは。
否定の余地のないツマミに酒は進む。
「もう一杯か?いいぜほれ」
「お前は許さないけど、酒は美味い」
「褒め言葉として受け取っておくよ」
二人の間に何か会話があるわけではない。何せ命を奪いかけ奪われかけた本人だ。
いきなり仲良くしろと言う方が無理であり、許せというのも不可能だ。
そんな二人が何か文句を言うわけでもなく酒を飲む。酒に向き合い空を見る。
あまりにも不格好なその光景はいつまでも止まることなく、夜遅くまで続いていった。
その時に声を盗み聞きしていた少女はその光景を見た後、すぐに白髪を月光に照らされながら宴の方へと足を運んでいく。