目を瞑り、体外に放出していた霊力を操作する。
今まで俺は霊力をなんとなく放出していた。身体強化をするだけならそれで十分だったからだ。
今回は意図的に球状に展開するんだ。
──霊力を薄く、広く伸ばすイメージ……
理想は自分から半径4m程先に霊力の壁を作ること。
このような霊力操作は難易度が高く、加えて初挑戦であるため、要する集中力は尋常ではない。
霊力の壁を展開した後は、自分の領域にある物体を感知する。
無論、思うようにできずにタコ殴りにされる。
それでも諦めずに集中する。
──段々レミリアが間合いに入ってきた瞬間を感知できるようになってきたぞ。
真横から仕掛けてくる……。次は旋回してから斜め上、5時の方向からの打撃……。もう一度旋回。その次は……
──真正面からの貫手!
俺は目を見開いて縮地を使う。ほんの一歩分だけ左に避けるのと同時に、刀を身体の右に構える。
「つぁ!!」
レミリアの叫び声が聞こえたタイミングで、手に持っていた刀に大きな衝撃が伝わってきた。
「ちっ!」
強い衝撃で思わず刀を手放してしまったが、なんてことはない。また刀を創造すればいいだけのこと。
俺は、鞘に入れた状態の刀を創造して左手に持つ。
「今のは危なかった。私の動きを見切ったのか、勘が当たったのか。どっちかしら?」
「さて? まぐれかどうか試してみればいいですよ。但し、今度は予め妖斬剣を解放します。大方、慌てて刀を掴んでへし折ったんでしょうけど、今度触れたら終わりですからね」
「ふん、ちょっと自信がついたって顔つきね。いいわ。その挑発……乗ってあげる!!」
そう言って、レミリアは一旦後退した。
俺はその間に抜刀術の構えを取り、目を閉じて心を沈めていく。
さっきのでコツは掴んだ。雑念は捨て、心を無にしていく感覚……。
そうすれば、己の領域に入り込んだ物体の姿形、動きが感知できる。
──来た。今度は真後ろからの突進か
「そこだっ!!」
俺は抜刀の際に得た遠心力を活かして背後に斬り掛かる。そのままレミリアを斬れるかと思いきや、彼女は咄嗟に棒状の塊を生成して対抗してみせた。
目を開けて視れば、それは真紅のグングニルだった。どうやら、妖斬剣を持ってしてもグングニルを即座に打ち消すことはできないようだ。
恐らく、妖斬剣が
「厄介な刀ね」
「その言葉、そのままお返しします」
レミリアは、後ろに高く飛び退いた。
──さあ、次の段階に進もう
───────────────
お嬢様と祐哉の一騎打ちが始まった。当然、お嬢様が優勢だ。彼女は、いつかの戦いと同じように上空からグングニルを構えている。私は霊夢に、加勢するべきかどうか尋ねた。
「……もう少し様子を見る。もしものときはお願いね」
「お安い御用よ」
私達が見守っていると、祐哉は『
明鏡止水とは、邪念のない、落ち着いた静かな心境のことだ。
私には、目の前にある状況と明鏡止水という言葉が結びつかない。霊夢の方を見るが、首を振った。
「何をするつもりなのかしら。さっきの動きから察するに、アレの軌道を捉えて避けようとしているとか? でも、間に合うかな」
お嬢様が紅槍を放たんとする瞬間に私の能力──『時間を操る程度の能力』を発動する。
──時は緩やかに流れる……
瞬間、世界の色が欠けてモノクロになり、周りの物全ての動きが亀より遅くなる。
──これは……!
お嬢様が投げた槍が彼の霊力壁に触れた瞬間、まるでヤスリで研いだかのように削れている。
私は目の前で起こっている不可解な現象を追及すべく、彼の元に寄っていく。
「なるほど、考えたわね」
間近で見ればよくわかる。彼は、霊力壁に触れた物体と同じ大きさの物体を重ねて造り出しているのだ。
「槍が削れている」ように見えるのは、これを繰り返しているからだろう。恐らく、壁に触れた物体の位置とサイズの感知は1%の誤差も許されないだろう。
──相当高度な技術なはず。霊力をこれほど使いこなす人は久しぶりに見た。そういえば、彼の師匠は白玉楼の霊力使いだったわね。道理で……
「ふふ……」
相変わらず、貴方はグングニルの対処が上手いわね。
私は、彼の心配をする必要がないと判断して霊夢の元に戻る。
──時は正常に流れる
───────────────
「はあ、はあ……」
俺は、膝から崩れ落ちていた。汗が頬を伝っていく。
──なんとか形にはなったな。
『「明鏡止水」。霊力操作と
──この技は便利なように思えて相当な集中力を使う。内部破裂もなかなかだったがその比じゃない。
そもそも、霊力を球状に展開して維持する時点で大変なのだ。続いて、領域に入り込んだ物体の位置と大きさを感知するのも難しい。
また、感知と同時並行で全く同じ大きさの物体を創造しなくてはならない。
さらに、1秒間で60回も物体を創造しており、その度に脳にかなりの負担がかかっている。
ゆくゆくは、この技をオートで発動できるようにしたいのだが、それには練習が必要そうだ。
『明鏡止水を極めるのも良いですが、レミリアの素早い動きを捉えるだけならもっと楽な方法がありますよ』
──ゑ“?
『貴方は下手に能力があるので難しいことをやろうとする傾向があります。そして、それをやり遂げることができてしまう……。さっきは褒めましたが、簡単な方法がないかどうか考えるのも大切ですよ』
──ごもっともで……
『恐らく、妖梨が言いたかったことは霊力による身体強化を活かせということではないでしょうか。さっき咲夜を受け止めたとき、貴方は足腰に霊力を集めていましたね。何故あんなことをしたんですか?』
──何故って、足腰を強化するためだけど…………あっ!
アテナに言われて漸く気付いた。何故気づかなかったのだろう。最初からこうすればよかったじゃないか。
「さあ、レミリアさん。続けましょう!」
「良いわ。次は何を見せてくれるのかしら」
レミリアは俺の言葉に機嫌良さそうに返答すると、もう一度グングニルを生成して一直線に肉薄してきた。
俺は、普段通りに身体に霊力を纏った後、目に霊力を集中させる。
「はぁっ!」
「ほう……」
正面からのグングニルを妖斬剣で受け止めることに成功。槍を受けられたレミリアは、一旦退いて俺の周りを素早く飛び回る。
──かなりの霊力を使って動体視力を強化しているのにまだ動きが速く感じる。流石はレミリアだ。でも、最低限の動きは捉えられるぞ。
十分に加速したレミリアが再び仕掛けてくる。その動きを見切った俺は、レミリアの攻撃に合わせて妖斬剣を振る。
「そこだ!」
「──素晴らしい!」
───────────────
祐哉がこの短時間で飛躍的に成長しているのを感じる。初めは防御すらままならなかったが、今では動きを見切ることはもちろん、避ける、捌くといった対応もできている。
「さて、そろそろ私達も仕掛けるわよ」
「ああ、そういえばこれは3人で連携を図る訓練だったわね」
「そうよ? 足を引っ張らないでね」
「あら、足を引っ張るのは霊夢の方よ。私の方が速いもの」
───────────────
長いこと剣を振っているため、息が切れてきた。しかし、レミリアは休む暇もなく連撃を繰り出してくる。
体力差という、人間と妖怪の間に生じる絶対的な壁の存在を感じてくる。
「ほらほら、どうしたの? スピードが落ちてるよ!」
「がっ!」
レミリアが槍を払ってくることを読み、身を屈ませて躱そうとするが、彼女はそれを読んで蹴りを入れてくる。それをモロにくらって壁まで飛ばされ、壁を貫いても勢いは落ちない。もし霊力でガードしていなければ、今頃全身粉砕骨折しているだろう。
「っ……!」
砕けそうな身体を根性で動かし、床に刺した刀を支えに立ち上がろうとする。
しかし身体は動かない。痙攣した手足に力は入らず、立ち上がれずに膝から崩れ落ちる。
──息が苦しい。身体も限界がきている。
「まずは1人脱落ね」
レミリアはそう言って俺に飛びかかってくる。集中力が完全に切れた俺はもう霊力操作ができない。動きが見えない故に訪れる恐怖をもう一度味わいつつ覚悟を決める。しかし──
「──『殺人ドール』!」
声が聞こえたのと同時に無数のナイフが目の前に降ってきた。これは咲夜によるレミリアへの牽制だ。
「危ないところだったわね」
例の如く突然横に現れる咲夜。いつもなら心臓に悪いと心の中で呟くところだが……
「助かりました」
「貴方も大切な戦力なんだから、簡単にはやらせないわ」
大切な戦力、か。流石にお世辞かなぁ。でも、仮にそうだとしてもそう言ってくれたのは嬉しい。
そう思っていると、咲夜が静かに語り始めた。
「……貴方は以前、お嬢様達と引き分けたそうね。正直に言うとその話を聞いても信じられなかったの」
最後に咲夜に会ったときは剣術の修行を始める前だったから、そう思われてもおかしくない。
「よっぽどお二人が手加減したのだと思っていたけれど、今はもう微塵も疑っていないわ。貴方は見違える程に強くなった。ルールのない戦いでお嬢様を倒すのは難しいけれど、私達3人ならできるかもしれない──」
咲夜は、一歩前に進んでナイフを構えた。
「──だから、今はゆっくり休んでいて。回復したら3人で一気に決めるわよ」
「──! はいっ!」
咲夜が俺の力を頼りにしてくれていることが伝わってきて心が軽くなるのを感じた。
──やる気が戻ってきた
───────────────
「待たせたわね」
「遅いわよ。危うく1人で片付けるところだったわ」
霊夢はそんなことを言っているが、流石に冗談だろう。
「霊夢、あなたは祐哉をどう思っているの?」
「どうって、どういう意味?」
「戦力として、よ。他に何があるの?」
「んー、そうね。十分やっていけるんじゃないかな。あの子を守るために頑張ってたからね。口にしてはいなくても見ればわかるわ」
あの子……? ああ、
「私もあんな風に殿方に守られたいですわ」
「……アンタを守れる奴なんてそう居ないでしょ」
「それは霊夢だってそうでしょう」
「私は別にいいもん。守ってもらわなくたって……」
霊夢はそう言ってそっぽを向いた。
「おしゃべりしているのは、時間稼ぎかい?」
「作戦会議ですわ、お嬢様」
「そんな暇、アイツはくれないよ!」
お嬢様はそう言うと翼に力を込めた。彼女が飛びかかってくるよりも早く、霊夢が動き出した。
「させないわよ! 『八方龍殺陣』!!」
部屋中に無数の御札が散りばめられる。広間は瞬く間に御札と弾幕で埋め尽くされていく。いつも思うけど、こんなに沢山の御札を一体どこにしまっているのかしら。
「──時よ止まれ、『ザ・ワールド』!」
世界がモノクロになり、全ての物は動きを完全に止めた。そんな中、私だけが唯一行動できる。
私が投げつけた無数のナイフは、お嬢様のすぐ手前でピタリと止まった。
「──時は動き出す」
瞬間、モノクロの世界が色を取り戻し、動き始めた。お嬢様は、突然目の前に現れたナイフを見ても動揺した素振りを見せず、手で振り払おうとした。……あるいは、先程のようにナイフの運命を操ろうとしたのかもしれない。
「──これは!?」
しかし、直ぐにナイフに込められた力に気付いた様子。そう、今投げたナイフはついさっき祐哉から貰ったもの。彼は、「これなら妖力の壁越しでも触れないはずです」と言っていた。
このナイフは煌々と光っており、温かな波動を帯びている。
「触れるどころか、近付くのも嫌になるわね」
お嬢様はそう言うと、2人がかりの弾幕を上手く縫って躱してみせた。
──流石お嬢様。
「ですがこれはルール無用の戦い。当てに行きます。──『ザ・ワールド』」
世界はもう一度モノクロになる。私はお嬢様を抱えてナイフの軌道上に運ぶ。これにより、時が動き出せばお嬢様はナイフに当たる。
「お嬢様ならきっと、なんとかすると信じていますわ」
──時は動き出す。
「くっ、咲夜か! 『不夜城レッド』!!」
お嬢様はその身から十字の紅いレーザーを放つことでナイフと御札を蹴散らす。回転する十字レーザーの軌道上に霊夢がいることに気づいた私は、再び時を止めて彼女を移動させようとする。
──霊夢の周りの弾幕が濃すぎて近づけないわね。まあ、霊夢ならなんとかするでしょう。
そう思った私は彼女の救出を諦めて次の手を考える。
───────────────
「あれは、不夜城レッド……だっけ? 流石に、妖斬剣の第二段階でもレーザーには敵わないなぁ」
俺は、咲夜に第二段階の妖斬剣を渡しておいた。正確には、妖斬剣の力を付与したナイフだ。刀と同じ力を付与しているため、「祓え、妖斬剣」と唱えれば当然第二形態になれる。
──あのままだと霊夢にレーザーが当たるぞ。霊夢は気づいているのか? あの子なら心配はいらないと思うけど、万が一のこともある。
「創造、反射鏡!」
反射角を計算して反射鏡を創造する。これにより、紅いレーザーは幾度か反射を繰り返してレミリアに向かっていく。
辺り一帯が真っ赤に染まったことに気付いた霊夢は、八方龍殺陣を解いた。
一方、レミリアはレーザーが自信に返ってくることに驚いて『不夜城レッド』を解く。
その隙に霊夢がこちらにやってきた。
「ごめん、見てなかった。助かったわ」
「それは良かった」
「もう回復できたの?」
「うん。お待たせ」
「じゃあ、そろそろ終わらせようか」
霊夢の言葉に頷くと、彼女はまた飛び立っていった。今の俺達の立ち位置は丁度3人でレミリアを挟んでいる形になっている。
勝負を決めるなら今だ。
「──『夢想天生』!」
霊夢の周囲に八つの陰陽玉が現れた。そこから発生した御札は直線状に並び、レミリア目掛けて高速で飛来する。
『夢想天生』は、霊夢の奥の手であり、俺は勿論多くの人が相手にしたくないと言う技だ。
これは、ありとあらゆるものから浮くことで透明人間のような無敵状態となるという反則技なのだ。
彼女によると、ありとあらゆるものから浮くということは「空を飛ぶ程度の能力」の本質なのだそう。
本来、厄介な技を使う相手には直接攻撃すれば妨害できるが、この状態の霊夢には触れられないため、この手は使えない。
さらに、霊夢曰く目を瞑っているだけで夢想天生を使えるため、長時間使っても疲れないらしい。まさに主人公の奥の手にふさわしい技だ。
「──『デフレーションワールド』!」
霊夢に続いて、咲夜も大技の名を口にした。
咲夜はナイフを幾つかの方向に投げた。その数秒後、突然ナイフの軌道上に無数のナイフが現れた。直線的に飛ぶナイフはまるで極細レーザーのようだ。
『デフレーションワールド』は、時空を収縮させることで投げたナイフの過去と未来を具現化させる技だったと思う。
説明を聞いても「なるほど分からん」としか言えない。
ナイフを投げる。そのナイフが投げられた瞬間とその1秒後のナイフ、更に1秒後のナイフ、またまた1秒後のナイフ……というように、過去と未来のナイフを同時に顕現させているのだ。故に基本的に一直線に飛ぶため、それは実質的にレーザーとも言える。
当然、咲夜が今使っているナイフは全て『第二形態の妖斬剣』であるため、レミリアに乗っ取られる心配はない。
「──『
──その辺の妖怪にこの技を使ったら弱い者イジメになるけど、戦う前に遠慮は要らないって言っていたし、いいかな?
「──祓い尽くせ、妖斬剣!!」
瞬間、俺の言霊に反応した妖斬剣が全て第三段階へと変わっていく。第二段階より強く発光する妖斬剣は、あの八雲紫も感心する威力を誇る。刀が放つ波動は人間にとって温かなものだが、妖怪にとっては氷雨そのものだ。
3種類の濃厚で強力な弾幕がレミリアを襲う。3人の人間が勝利を確信したそのとき、レミリアが紅く発光した。
───────────────
「疲れた」
「疲れたね」
レミリアとの模擬戦を終えた後、俺達はお茶会という名の休憩をとっている。レミリアが着替え中で、咲夜がそれに付き添っているため部屋には俺達2人しかいない。
この部屋に来てから暫く経つが、会話は殆どない。俺もそうだが、流石に霊夢も疲れたようだ。
「お前達、中々楽しかったよ」
ボロボロになった服を着替えてきたレミリアが咲夜とともに部屋に入ってきた。そんな彼女は椅子に座るや否や上から目線な感想を口にした後、咲夜に着席するように促す。それを受けた咲夜は一礼して席についた。
本来であれば従者である咲夜はレミリアの側で立って待機するのだろうが、疲労している咲夜にそれを強いるほど酷ではないようだ。
「納得いかないなぁ」
「そう言わないで、霊夢。あのまま続けていたら今頃瓦礫の下敷きになってるわよ?」
「なんとかなるでしょ。ね? 祐哉」
「レーザーで紅魔館にトドメを刺していいならね」
今は昼で外は快晴。もし霊夢の言う通り決着がつくまで戦っていれば紅魔館は更地と化し、レミリアは太陽に焼かれ塵になり、主人を失った咲夜が独り涙していただろう。
瓦礫だのトドメだのと言っている状況を理解してもらうには、勝負の行方から説明するのが早い。
レミリアは俺達三人の弾幕に対抗するためにラストワードを使った。
彼女のラストワード──『スカーレットディスティニー』は無数のナイフ弾幕を高速で全方位に放つのと同時に、紅い大弾幕をばら撒くというものだ。
妖力で生成されたナイフは小さかったため、妖斬剣が触れた瞬間に打ち消すことができたのだが、大弾幕には敵わなかった。
強い妖力が込められた大弾幕と妖斬剣の力が衝突すると、爆発が生じた。弾幕なので大弾幕も妖斬剣も無数に存在する。つまり、部屋中で爆発が生じるわけで、紅魔館がその衝撃に耐えられなかったのだ。大広間の壁にヒビが広がり、パラパラと天井の破片が落下してきていることに気づくにはそう時間が掛からなかった。
「このままでは紅魔館が崩れる」と考えたのは俺だけではなかったのだろう。全員が次第に弾幕を止めていく中、いち早く次の行動に移っていた咲夜が俺に向かって叫んできた。
それは、創造の力で天井と壁を補強して欲しいという内容だった。咲夜の手には懐中時計が握られていたから、時間を操って建物の崩壊を遅らせていたのだろう。
俺は、残りの霊力を惜しまずに使い、東京ドーム数個分の広さを持つ部屋を支える物体を作り出した。正直、模擬戦よりもこの作業の方が疲れた。サイズが大きいので俺の霊力はスッカラカンである。
「それで、アイツには勝てそう?」
「余裕ね」
「勿論ですわ」
「正気か!? 結構手加減されてたと思うけど……」
2人とも、何でそんなに自信に満ちているんだ。
「初めてにしては連携も取れていたと思うわ。時間を操る奴と創造者とかいう反則人間が集まれば勝てるでしょ」
と、霊夢が言った。
「……確認したいのだけど、一番の反則は貴女だって自覚はある?」
「マジそれ」
やろうと思えばずっと夢想天生を使って一方的に攻められ、妖怪にとってその攻撃は全て必殺そのものだなんて、反則そのものじゃないか。
「ま、もし私達だけで無理だったとしても、大丈夫よ」
「何か隠し球でもあるの?」
「忘れたの? アイツが黙ってるわけないでしょ? レミーのことだって、きっと勝手に調べてると思うわ」
アイツ……ああ、アイツか。霊夢と同じくらい頼りになる親友だ。
咲夜も霊夢の言う「アイツ」を思い浮かべたのか、「そうね」と言って紅茶を口にした。
───────────────
夕方、俺は今日の出来事を報告するため、紫と会っていた。
「そのメンバーなら心配はいらないでしょうけど、もし太刀打ちできないようならあの力を使うことを勧めるわ」
「意外ですね。前にも思いましたけど、まさか紫さんの方から使用を促されるとは」
「創造の力では吸血鬼の能力を禁止できなかった。それなら、もう一つの手段を取る他にないでしょう?」
「貴女の力でなんとかできないんですか」
「愚問ね。でもこれは貴方がやることに意味があるの。レミーを倒すことは過程であって目的ではない。いつでも私がサポートできるとは限らないのよ」
「……分かりました」
「そうと決まれば、早速訓練をしましょうか」
ありがとうございました。
よかったら感想ください!
以下、任意で読んでください。
【本編で書ききれないであろう妖斬剣の設定】
・第1段階
見た目は普通の日本刀。妖怪が嫌う力を宿している。そこらの妖怪なら、頑丈な肉体も斬ることができる。また、雑魚妖怪の場合、妖斬剣に触れる前にその刀気で浄化される。
・第2段階
「祓え、妖斬剣」という言葉に反応してこの段階に至る。第2段階の妖斬剣は刀身が白く発光する。刀から放たれる波動は人間にとって心地よい物だが、妖怪の類にとっては背筋が凍る程に不快なもの。第1段階よりも斬れ味が上がる。
・第3段階
「祓い尽くせ、妖斬剣」という言葉に反応してこの段階に至る。第2段階よりも一層強い光を放ち、斬れ味も上昇する。第3段階の妖斬剣は八雲紫やその式神である八雲藍といった強力な妖怪にも効果がある。
なお、妖斬剣は「妖しき者(物)を祓う力」を付与した刀であるため、それ以外の存在にとっては普通に斬れ味のいい日本刀でしかない。
東方霊想録の作品中で最も熱い戦いだと思う話を教えてください。
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VS妹紅(#27-29)
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VS鈴仙(#33)
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VS十千刺々(#38-40)
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VSレミリア(#46)
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VS風見幽香(#71)
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VS EXルーミア(#86-87)
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VS分裂野郎(通称)(#89)
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VS叶夢(#90-91)
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VS魂魄妖梨(#93)
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VS茨木華扇(#96)
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VSフランドール&レミリア(#98)
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VS八雲藍(#100)
-
VS八雲紫(#101-102)
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VS紅美鈴(#106)
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VSレミー(#107)