東方霊想録   作:祐霊

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#116「召喚されし者(d94tyx;dmk)

「準備できたわ。掃除よろしく」

「……分かった」

 

 俺は巨大な魔法陣を里の端に創造し、そこからレーザーを放った。数秒の間だけ放たれたレーザーは里の民家ごと飲み込んだが、2人のおかげで無傷で済んだ。

 

「掃除完了ね。また湧いてくる前に里全体を結界で囲っちゃいましょう」

uywbs=(??????)……」

「「「!?」」」

 

 不気味な声が聞こえた。日本語どころか人間の言葉とは思えない禍々しい魔力の篭った声。

 

 声がした方を見れば、黒い人型のナニカが立っていた。人型ではあるが、角や牙、翼と尾を生やしている。

 

 背丈は高く、2mに達しているだろう。

 

 ──コイツは、さっき双眼鏡で見たヤツだ。

 

 見るからに強く、ヤバい奴だ。

 

b;w@fz4d@ue(????????????)? ──しつれいしました。これで いしそつう を はかれる でしょうか?」

「こちらの言語に合わせてくれるとはありがたい。アンタ、何者だ? 俺達に何か用か?」

「……ふむ。わたし の ことば が きこえて いなかったのなら もういちど いいます」

 

 次の瞬間、再び魔力の篭った声で話しかけてくる。

 

「──よくも わたし の なかま を やってくれましたね

 

 たった一言だが、悪魔から衝撃波でも飛んでいるのではないかと錯覚する程の威圧感を感じる。

 

「あなたたちは、わたしたち に とって じゃくてん となる ちから を もっている。おそうじします」

 

 悪魔と俺は同時に動いた。

 

 俺は縮地で霊夢と霊華の元に移動した後、「もしもの時は頼む」と言った。

 

 悪魔は初めから俺を狙っていたのか、縮地に付いてきた。このままでは三人とも攻撃される。

 

「──明鏡止水」

 

 空中で霊力を展開する。貫手を繰り出していた悪魔は指先から削り取られていく。

 

「おー、すごいですね」

 

 悪魔は感嘆の声を漏らすと翼を羽ばたかせて俺達から距離をとる。

 

 ──咄嗟に回避することでダメージを最小限に抑えたか

 

「──あなたたちも、ちから を かしなさい」

 

 削られた指先を再生した悪魔は里中で蠢く有象無象に声をかけた。せっかく人里を掃除したのに、目の前の悪魔を相手にしている内にまた集まってきてしまった。

 

 ──下にいる有象無象はコイツの手下なのか?

 

 下っ端悪魔共は悲鳴をあげ始めた。

 

「仲間を喰っている……」

 

 霊夢が言うように、下っ端悪魔共は互いを捕食している。先に食い尽くした方が勝ち。もっとも、生き残った方も無傷では済まないが……。

 

 そう考えた俺は、有象無象を放置して目の前の悪魔に集中する。

 

「わたしたち あくま には れべる が あります。かれら は れべる1。あくま は れべる1 から すたーと します。かれら は いのち を くらう ことで せいちょう します。ほんとう は にんげん を くらう ことが のぞましい のですが、この せかい に にんげん は あなたたち いがい に いない ようです」

 

 時間稼ぎのつもりか、悪魔は語り始めた。

 

「だから仕方なく共食いをさせて成長させようとしているのか。確かに、レベル1じゃ俺達に歯が立たないからな」

「そのとおりです」

「で? お前のレベルは? 2か?」

「わたしは……れべる4(ふぉー)です。さっき しんか したんですよ。うふふ」

 

 レベル4は何故か照れるように身体をモジモジとさせて答えた。全身が黒く、容姿に愛らしさなどない故、その仕草から感じるものはない。強いて言うなら──

 

「気色悪い」

 

 だ。

 

「要は、アイツらが強くなる前に倒せばいい話でしょ? ここは手分けしましょう。アイツの相手は祐哉にお願いしてもいい? 情報を聞き出してくれると助かるわ」

「分かった」

「霊華は祐哉のサポートをお願いね」

 

 霊夢の指示で俺達は二手に分かれた。

 

「くすくす。ほら、ごらんなさい。はね が はえた もの が うまれた でしょう。あれが れべる2 です」

 

 レベル4の言う通り、地上を見れば羽を生やした悪魔が次々に生まれている。

 

 ──まずい。空中を自由に飛び交うやつが増えたら戦いにくくなる。

 

 霊夢が夢想封印にて悪魔を祓っているが、あれだけの数を相手にするには手数が足りない。霊夢には悪いが少し手を出させてもらおう。

 

「──スターバースト!」

 

 先程同様、地上に魔法陣を展開してレーザーを放つ。今の攻撃でレベル1の数は大幅に削れた。後は霊夢に任せよう。

 

 そう思い、レベル4に視線を戻そうとしたとき──

 

「──よそみ したら しにますよ?」

「──しまっ……!?」

 

 レベル4が懐に入り込んできた。

 

 反応が遅れた。

 

 死──

 

「──夢想封印!!」

 

 神々しい大玉がレベル4の背後に直撃する。

 

「ぐはっ……!?」

「──貴方こそ、余所見したら退治しますよ」

 

 今の霊華はパワーアップしている。故に、夢想封印の火力は霊夢にも劣らない、悪魔に対して必殺の攻撃となる。

 

 レベル4は苦しそうに呻き、蹌踉ける。俺はその隙に抜刀して斬撃を繰り出す。

 

「──祓え、妖斬剣。我流抜刀術『斬造閃』!!」

「ぎゃぁあああああああああああああああ──────────!!」

「くっ!」

「きゃっ!?」

 

 左右前方から斬撃を食らったレベル4は、この世の終わりのような悲鳴をあげた。その声量は遥か遠くの山にも届きそうな程大きい。思わず両手で耳を塞いでしまう。

 

 レベル4はその間に飛び退き、体勢を立て直す。

 

「舐めんなよ! 『殺戮の時雨(ブラッディ・レイン)』!!」

 

 耳を塞ぎながら殺戮の時雨を発動する。

 

 体内から無数の妖斬剣に刺されたレベル4は吐血する。

 

「──博麗さん!!」

「夢想封印!!」

「うううううぅぅがぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ──────────!!!!!!!!」

 

 夢想封印に飲み込まれたレベル4は再び叫び声をあげる。その声はあまりにも大きく、人里の建物や周辺の木々を震わせる。

 

 悪魔の弱点を付ける妖斬剣と夢想封印による連続攻撃。

 

 流石に倒せたはずだ。

 

 ──霊華と組んで戦うのは初めてだけど、息はぴったりだな。

 

「──あぶなかった」

「嘘……」

 

 未だ輝きを放つ光球から声がした。

 

「れべるすりぃー だった ころ の わたし なら まけていた……」

 

 霊華はレベル4の言葉に、或いは目の前で起きている事象に驚愕している。無理もない。俺も、口にはしていないが正直驚いている。

 

「ですが、わたし は れべるふぉー。しんか した わたし の ぱわー は けたちがい。あなたたち が なに を しよう と、わたし には かてません」

 

 遂に光球から脱出したレベル4は無傷だった。今は何事も無かったように宙に浮いている。

 

 ──俺の妖斬剣と、一時的に霊夢と同等の力を持つ霊華の夢想封印を食らってもピンピンしてやがる。

 

「くすくす。こうしている あいだ にも かれら は ぱわーあっぷ している。あなたたち は もうすぐ まけます」

 

 ───────────────

 

 祐哉と霊華がレベル4に苦戦している間に、他の下級悪魔は成長を続けていた。既に半数がレベル2になっており、徐々にレベル3も増えてきている。

 

 レベル2になると羽を生やし、レベル3になるとその巨躯に無数の砲台を宿す。砲台から魔弾を発射することで、レベル2よりも効率的に殺すことが可能となり、その分レベル4への進化も早くなるのだ。

 

 ──こうなったら霊華に頑張ってもらうしかない

 

 そう考えた祐哉は「座標転換」で霊華を自身の元に移動させ、作戦を伝える。

 

「私一人で、ですか?」

「ああ、レベル4はすぐに倒せない。それなら、アイツは一旦無視してレベル3の増殖を阻止するべきだ。これ以上レベル4を増やさないためにもね。大丈夫、今の博麗さんならできるよ」

「そうかな……」

「そうだよ。だから自信を持ってな」

「……分かりました。頑張ります!」

 

 祐哉は霊華の瞳に力が篭もるのを見た後、目を閉じて『明鏡止水』を使う。この領域内には霊華も含まれている。

 

「夢想封印!!」

 

 霊華が領域内で夢想封印を行使する。

 

 大量の光弾がレベル3の放つ魔弾に向かっていく。悪魔の力が込められた魔弾は強力だが、それが魔弾である以上、巫女の夢想封印で打ち消すことができるはずだ。

 

 実際、狙い通りに魔弾を打ち消せているが、一つの光弾で一つの魔弾を相殺するので精一杯だ。無数に飛んでくる魔弾に対し、こちらが放てる光弾の数は十数個程度が限界だ。

 

 ──手数が足りない! 

 

 そう考えた霊華は、遠くにいる霊夢の方へ目を向ける。霊夢もまた、夢想封印を使って数多の悪魔を祓っていた。

 

 ──あれは「夢想封印 寂」。確かにあの技なら普通の夢想封印よりも多くの敵を相手にできる。

 

 ──でも、私は「夢想封印 散」までしか使えない。

 

 夢想封印は数種類あり、霊夢が使っている「夢想封印 寂」は「夢想封印 散」の上位互換となる技だ。その違いを簡単に言えば、弾の速度や数が挙げられる。また、技の威力も寂の方が強い。

 

 そして、『夢想封印 散』は純粋な夢想封印と比べて、弾数が多い分一発の威力は()()

 

 こういった性質を持つため、実力が乏しいことを自覚している霊華は、魔弾を打ち消す威力を出せるとは思えなかった。

 

「6p6p! b@l6db@l6d♪」

「……!」

 

 ──レベル3の数が増えてきた。夢想封印(このまま)では神谷くんを守りきれない。

 

「やるしか、ないよね……」

 

 霊華は()()()()()()()()()()()()

 

 それはつまり、魔弾の雨を遮るものがなくなったことを意味する。

 

 一応、祐哉の『明鏡止水』で魔弾を弾けるが、未完成の技であるため失敗する可能性もある。

 

 当然霊華はそのことを理解していた。だから、魔弾が『明鏡止水』の射程距離に入る直前に技を切り替えた。

 

「迷っている暇はない! 私ならできる! 私を信じて任せてくれた神谷くんを信じるんだ! ──『夢想封印 ()』!!」

 

 意を決して、初めての技に挑戦した。

 

 自分を頼ってくれた祐哉の期待に応えるために。

 

 そして、大好きな人を守るために──

 




3lt@s4b@x@ejdq。9tzqotyc4hq@xe。

ヒント:日本語対応のキーボード。または、「o2]b@-y7hg」

暇を極めた方は暗号解読してみてください。

東方霊想録の作品中で最も熱い戦いだと思う話を教えてください。

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