ターゲットの暗殺教室 改訂版   作:孤独なバカ

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自律固定砲台

修学旅行が終わり今日からまた通常授業に入るんだが

「何だあれ。」

教室に入った途端俺は少しだけ唖然としてしまう

修学旅行前にはなかった席に黒い直方体の物体が置かれてある

「…あっ。羽川くん、おはよう。」

「……おはようございます。」

と矢田先輩はやっぱり修学旅行中のことを気にしているのかどこか遠慮しがちのようだった。

……やっぱり俺が悪いんだよなぁ

そうやってため息を吐くととなりで同じようにため息をつく矢田先輩

どこかギクシャクしながら俺は席に座る。

で結局あれなんなの?

と聞きたかったが聞く人がいないしなぁ

多分AIを生徒に見立てたんだろうけど……

そしてしばらくすると死神がやってくる

「おはようございます。羽川くん。」

「おう。ってかあれ何?」

「自立固定砲台律さんです。」

「……やっぱ人工知能の参加かよ。」

俺は少しため息をつく

そして脳の中を詮索。知識の中に元となった軍事施設、及び武器を考えるとすぐに見つかった

「……多分イージス艦の戦闘AIを改良したのか。」

「イージス艦?」

「コンピューターが搭載された戦艦で遠くの敵機を正確に探知できる索敵能力、迅速に状況を判断・対応できる情報処理能力、一度に多くの目標と交戦できる対空射撃能力が優れているんですよ。このシステムのことをイージスシステムと言ったりしますね。アメリカ軍にお世話になっている時に何度か見た事があります。」

ってか何回か乗ったこともあるし説明も受けたんだよなぁ

「……今凄いこと聞いたような気がしたけど。」

「別におかしいことはないと思いますが。ってか訓練しないとさすがに銃や体術、罠作成は上手くいきませんし。それなら軍がきちんとしているところにしていた方がいいですよね。それに暗殺者を紹介することもありますし、逆に暗殺者に転向させるさせることも。」

「……羽川くん敵を増やしてどうするの?」

矢田先輩は苦笑するけど

「……まぁ色々あるんですよ。こっちも。」

案外仲のいい暗殺者を作っとかないといけない時もあるしな

……それで多分銃を作成するのは熱を使っているんでろう。

そしてこのシステムの肝は

進化し成長していく砲台か

「これ俺授業サボっていい?絶対授業中撃ち込んでくるだろ?」

「にゅや?」

「固定砲台ってことは動けないんだろ?それなら授業中発砲するしかチャンスないじゃん。あいつほぼ休み時間中教室にいないし。どうせ授業にならないなら俺いる意味ないんだけど。」

すると全員がハッとしたように気づく先輩達

「……あの、気づかなかったんですか?」

「すっかり忘れてた。」

「そっか、授業中に銃撃するんだよね。さすがにちょっと迷惑かも。」

「…ちょっとどころじゃないと思いますが。」

倉橋先輩の言葉に冷静に突っ込んでしまう。

まぁ別にいいけど

「まぁ、サボらないけど、授業どころじゃないと思うけどなぁ。」

そうして迎えた一時間目の授業

「続けて攻撃に移ります。」

すると授業中ずっと射的の的になっているクラスにため息を吐く

確かにわずかに死神に命中しているが

…これ以上はさすがにまずいだろう

銃声の度に悲鳴が漏れているし

授業どころではない。

俺でさえ集中しないと聞き取れないのに

しばらくたつと授業がおわりやっと一息つけると思いきや

「……これ掃除しないとダメなのか?」

つい呟いてしまう。

俺は少しだけ引きつってしまう

自分で行動パターンを分析して撃つのはいいんだけどそれでも

「さすがに迷惑すぎるだろ。」

自然と漏れた言葉にみんなが頷く

俺にとってはやったことのある授業なんだが先輩達にとっては今年は受験なのだ

先輩達にとっては何も意味をなしていない。

「……よし。」

「サボるのはダメだよ。」

「先に言わないでください。矢田先輩。」

まぁ、多分サボるけど

「……羽川くんって時々分かりやすいよね。」

「隠そうとはしてませんから。」

元々分かりやすい性格だしそれに隠そうと思えば隠せる

でもそれは演技している俺だ

……案外気楽でいいんだよなぁ

死神に怒鳴った時だってなぜか普通に許されたし

本当の自分が出ているんだよなぁ

「……まぁ、サボるけど。」

俺は気配を消すとただ、何を変哲もなく歩き教室を出る

「……えっ?」

教室でそんな声を聞こえたのも気にせずに俺はサボる場所を探しにいった。

……もちろん。後から死神から説教を受けたのは言うまでもない

 

翌日、

「あっ。やっぱそうなるか。」

俺が教室に入るとガムテープでぐるぐる巻きにされている機械の姿があった

「おはよ〜。こうちゃん。」

「倉橋先輩。おはようございます。」

俺は苦笑しながら挨拶をする

「……まぁ、暗殺以前のポンコツだったしなぁ。」

「うわぁ、容赦ないね。」

「だって事実ですよね。」

「まぁ、そうだけどさ〜。」

ってか倉橋先輩もちゃっかり認めているし

「そういえば、桃花ちゃん。怒ってたよ。昨日。」

「サボるなって言っておいて堂々サボったしな。」

木村先輩が笑っている。でも

「……別にいいんじゃないんですか。まぁ、最悪逃げればいいだけですし。」

あまり気にすることでは無いだろう

どうせ今のままじゃあ逃げ切れる自信はあるし

「……そんなこと考えていると桃花ちゃん怒るよ。」

「まぁそうなった場合はとことん逃げたらいいですし。」

「羽川ってこんなダメ人間だったか?」

「何を今更。」

「それは堂々と言うことじゃないと思うんだけど。」

といつのまにか矢田先輩以外のいつものメンバーが揃っている

なんかこのメンバーで集まるのも当たり前になりつつあるな。

……まぁ、矢田先輩の特徴から考えれば口をきいてもらえないと思うけど

「そういえば、昨日ってどうやったんだ。お前急に皆の前から消えたけど。」

「俺の武器は教えませんよ。あれは俺が暗殺者対策の一つなんですから。」

クスクス笑うと

「でも、不破さん曰くミスディレクションだと言ってたけど。」

「あぁ、違いますね。ミスディレクションは意識している相手には通用しづらいですし。それにミスディレクションを使ったらもっと完璧に姿消せますよ。」

そう言って笑うと全員が固まる

「……俺隠密に関しては暗殺者以上の腕はありますよ。」

昔からかくれんぼとかあぐりさんとあかりねぇとよくやってたのだが全く見つからなかった

それでよくあぐりさんとあかりねぇからぐちぐち文句言われてたもんなぁ。

それは逃亡者になってからも同じように通用した。

隠密スキルは逃亡者の基本であったので今でも十分気をつけていることだ

まぁ、考えすぎて前に矢田先輩に見つかったけど

すると矢田先輩が入ってくる

「……あっ。おはよ〜羽川くん。」

「「……えっ?」」

つい俺は声が漏れてしまう

「……えっ?どうしたの二人とも。」」

笑顔で笑っているように見えて笑ってない

……とても怖い

顔が真っ赤だからこれが怒っているんだと思うんだけど

感情をよめるから知っているんだけど

こう言うタイプは怒らせたらダメだ

……いつか、矢田先輩が潰れてしまうから

「すいませんでした。」

頭を下げる

たったそれだけだけどクラスは驚いたような顔をする

それでも謝った方がいいと判断していた

すると矢田先輩も意外そうな顔をしてたけど

「うん。反省しているなら別にいいよ。」

と笑って対処してくる

……てか、この人も

ちらっとあかりねぇの方を見ると潮田先輩に話しかけている

……まぁ、あとから相談してみるか

まぁ、そこの機械のことが解決してからだと思うが

 

そして何事もなかった翌日

いつも通り朝礼の暗殺が終わった頃を見計らい教室に入ると

「おはようございます!!羽川さん。」

「……は?」

俺はさすがに一瞬フリーズしてしまう

全身表示モニターと制服等のモデリングソフトそれだけで60万はするはずだ

「……」

どんだけお金かけたんだよあいつ

まぁ、金銭的なサポートは俺も取引の件でするとは言ったけど

……これだけで100万は損しているような気がする

「……羽川くん?」

「あっ、すいません。ちょっとさすがにあまりにも変な方向に転校生が進化してたので。」

「……さすがに羽川でも戸惑うよな。」

磯貝先輩が苦笑している

「いや、戸惑わない人いるんですか?あれですよ。」

「……まぁ、気持ちはわかるけどな。」

「折角ハッキングツール作ってきたのに無駄になったし。」

「「「何作っているんだよ!!!」

クラスから突っ込みが入る

「いや、迷惑ですし、それなら一度壊して俺が性能は同じだけど強調できるマシなものに作り直そうかなぁって。」

「……いや。絶対やめた方がいいと思うよ。」

「てか、羽川今同じもの作れるって言わなかったか?」

「いや、この程度くらいだったら俺もっと高性能のもの作れますよ。トラップで人工知能搭載している警報機とかあるんで。」

「……」

「そういえばもっと化け物がこのクラスにいたわね。」

片岡先輩に呆れたように言われ苦笑してしまう

「まぁ、こうちゃんだしね〜。」

「それ絶対褒めてないですよね。」

と突っ込む。

まぁ自分がおかしいことはわかっているし別に気にすることではないんだけど

「「……違うよ。」」

と小声で悲しそうに言っている二人の小さな声に気づいていた

 

昼休み時間俺は久しぶりに屋根上に出るとあかりねぇが座っていた

「……おう。久しぶり。」

「うん。久しぶり。」

俺はあかりねぇの隣に座る

するとあかりねぇは雑誌を読んでいたらしい

本をあかりねぇの後ろに隠していた

「……別に見てていいぞ。」

「こうちゃんとちゃんと話すのは修学旅行前以来だから別にいいよ。それよりそっちは大丈夫なの?」

「今頃砲台に目が向いている隙に出てきた。最近は少し居づらいし。」

「こうちゃんは時々無神経だからね。少しは女心研究した方がいいんじゃない。」

「うっせ。」

と軽く頭を叩く

「そういえば、これ。」

「ん?」

すると目の前にはプリンが置かれていた

「一緒に食べよ。」

その言葉に苦笑してしまう

「あかりねぇ、プリン本当好きだよな。」

と俺は一つ受け取り食べると甘みが俺の口に広がりほろ苦いカラメルソースの味が口のなかに広がる

「こうちゃんも好きじゃなかった?」

「俺はチョコ派。男だと食べづらいしな。プリンも好きだったけど佳奈の方だろ。」

「……そっか。」

そう言ってプリンを食べる

「……てかこれうまいな。」

「うん。お父さんに買ってきてもらったの。たまたま神戸に出張に行ってたから。」

「へぇ〜そっちは経営安定しているのか?」

「ううん。柳沢に買収されたよ。元々はそっちの資金援助のお陰で経営できていたから。」

「……そっか。」

俺はため息を吐く

「そういえば、あの砲台すごいね。」

「おかげさまで数100万吹っ飛んだけどな。」

「やっぱりこうちゃんのお金なんだ。」

「あの月に100万以上もらっている教師ってせめて教授レベルだろ。……そんな甘くはねぇよ。」

俺はそう言うと

「なんか詳しいね。」

「まぁ、調べたからな。」

と俺はその間にもプリンを食べ終わっている

「まぁ、変わったとはいえ結局は機械に人権はないしな……全部持ち主の意向でまた元どおりになるだけだろ。」

「……まぁ、クラスのみんなはまだ気づいてないみたいだけどね。」

「まぁ、やろうと思えば止められるけど。さすがに機械に意思があるはずじゃないし、それがそいつの意思なら止めに行けるんだが。それに死神が最悪契約違反に引っかかるんだよな。」

「危険なことしたら怒るよ。」

「……分かってる。そんな危ない橋渡るようなことはしないさ。」

「……ならいいけど。」

「てか心配しすぎなんだよ。あかりねぇは。一応これでもターゲットだぞ。」

「一応私お姉ちゃんなんだよ。弟の心配して何が悪いの?」

「……成長は完全に幼児体型のままだけどな。」

「……せ、成長期まだだもん。」

と弁解しているあかりねぇを見ると笑えてくる

どこか懐かしげに

そしてお互いに笑顔で

「でも、こうちゃん大きくなったね。昔は私の方が大きかったのに。」

「俺男子の中では小さい方だけどなぁ。」

「態度は大きいのにね。」

クスクス笑うあかりねぇに少しだけホッとする

最近元気がなさそうだったからな。少しだけ心配していた

そうしながら過ぎる昼休み。

のんびりしながらもそれでも踏み出せずにいる

あかりねぇがクラスに演技し続ける理由を

 

「……まぁ、こうなるよな。」

翌日教室に入ると昨日の改良点は全部なくなり暗殺特化に戻った機械の姿がいた

……まぁ、壊すこともできるけど死神の契約違反と言いかねないし

「おはよう。こうちゃん。」

「おはようございます。倉橋先輩。」

「もどっちゃったね。」

「まぁ。当たり前といえば当たり前なんですがね。」

苦笑すると

「じゃあ羽川くんは分かってたの?」

「いや、さすがにあんな派手なことしてたらこうなりますって。一昨日にガムテープで括りつけて武器出せないようになればこいつの価値はゼロになるし。」

「……時々毒はくよな羽川って。」

「まぁ、最悪理事長に言ってやめさせますよ。……一応理事長をおど……納得させるカードは何枚かありますし。」

すると全員が絶句していると

そして死神が入ってきたので席に着く

授業を始めて数分後

文字列を書かれプログラムを展開している

しかしそれは暗殺のためではなく

……花?

すると一斉に飛び出す花に俺すらビックリしてしまう

「花を作る約束をしていました。」

機械音ながらどこかおかしく

「殺せんせーは私のボディに計985点の改良を施しました。そのほとんどはマスターが暗殺に不要と判断し削除。撤去、初期化してしまいました。しかし学習したE組の状況から、私個人は強調能力は不可欠の要素と判断し関連ソフトの隅に隠しました。」

「……は?」

俺はその意味を理解していた。つまり

「自分の意思で持ち主に逆らったってことか?」

「はい。その通りです。羽川さん。」

「……」

いや。意思のある機械ってなんだよ。

「……はぁ。」

科学的に進化する固定砲台

甘く見ていたのは俺の方か

小さくため息を吐く

予想外な転校生に俺は完全にお手上げだった

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