「……そういや、鷹岡の件何も解決してねぇや。」
俺はため息を吐くとそう呟く
授業中にボソッと呟いたのに倉橋先輩は聞こえてらしく少し反応する。
そういや烏間に呼び出されることもなかったし、なんか対策でもしているのか?
俺は少し首を傾げる。
まぁ、6限目が体育だし分かることなんだろうけど。
どうすればいいんだろうか
どうすれば人を傷つけられずにこの問題を解消できるのか
その答えは未だに出そうにない
この問題は多分俺は出てはいけないのだろう
烏間がどうするのかが今回の件の肝だろう
烏間がこれからどんな関係を築きたいのかの試練だろう
……はぁ、なんかこの教室にきて色々考えているな
ノートに今の現状と予想そして想定されるこの後を書き出していく
一番いいのはこのまま防衛省とは違い適切な指導をする場合
まぁ、これならば文句なしに一番いいんだけど
二番目は烏間先生で対処できる場合。
まぁ、この二つに関してはほぼ確実に可能性はないと言っていいだろう
この二つを除外するとなるとどうする?
俺は制約上教育に関連する行為には触れることができない。
一応生徒兼安全な暗殺のサポートと護衛をやっているはずなので先生の任命権は俺にはない。
理事長からも任命権は預かってあるけど、成る可くは触ってほしくないらしい。まぁ利益とかそんな感じだろうけど
まぁ、一番どうしたいのか決めるのは生徒とこの教師だろう
……本当こういうところだよなぁ俺がクラスに馴染めないのは
本当上から目線で、実力も圧倒的に優れている
だから本当に距離感がある
どこか見えない壁があるように感じる
近づきたいのに、壊したいのに
遠くに行ってしまいそうで
焦ってしまい余計に壊れてはくれない
だからこうやって冷静になった時に改めて後悔するのだ。
前に進んでいるように見えて
俺はいつも進んではいない
6年前のあの日からずっと
思考の中で鎖に囚われていく
もがけばもがくほど絡まっていく鎖が複雑で厳しくからまり苦しみを生み出す
それは呪いのように
闇を形成し、そこに引きづりこんでいく
……どうすればいいんだろうな
分からないことが多すぎる
どうすれば正解なのか
どうしたら前に進めるのか
一向に分からず時が過ぎて行く
「…う………。」
どうしたらいいんだろう
「こ…ちゃ…。」
俺が人を本当に信用できるようになるには
「こうちゃん!!」
すると肩を叩かれると一気に視界に倉橋先輩が目の前に立っていることに気付く。
「あっ。すいません。ぼーとしてました。」
といい静かにノートを隠す。
……こういうところだよなぁ。
自分だけで抱えようとして頼ろうとしないところが
ぶっちゃけ人を使えば簡単に解決する
鷹岡の体罰を撮影し、理事長に利益を計算すれば簡単に追い出すことができるだろう。
でもそれは俺が受けたって意味がない。
あいにく俺はターゲットである以上殺されるのは当たり前なのだから
「……どうしたの?今日一日中話しても反応ないし。」
「……えっ?」
時間を見ると12時30分を少し過ぎたあたりで昼休みの時間に入っていた。
「……すいません。完全に考え事してました。」
「あ〜桃花ちゃんのいう通りだったんだ。」
まぁ、矢田先輩には一度見られているからな。
「……そういや、タブレットって。」
「烏間先生に渡しておいたよ。」
「ありがとうございます。」
といい俺はまた思考の渦へ身を任せようとすると
「こうちゃん一緒にご飯食べよう!!」
と珍しく倉橋先輩が昼食を誘ってくるんだが
「いや、今日俺飯ないんですけど。」
昨日は夜中防衛省が会議を開いている時の盗聴や鷹岡のデータを入手するために防衛省に忍んでいたので飯を持ってきてないのだ
「じゃあ、私のお弁当分けてあげるから。」
純粋な目に少しだけため息を吐く
「……別にいいですけど今の俺結構きついこと言いますよ。結構朝の件引きずっているんで。」
「あはは。やっぱり引きずっているんだ。」
「……引きずりますよ。平和ボケであんなに隙だらけの俺なんて自殺行為にも近いんですから。」
ため息を吐く。それよりも今はどんな問題よりも難しいことを解いている
というよりも、こっちで疑問になっていることを聞いてみるか
「それよりもなんで倉橋先輩は最近俺に話かけてくるんですか?珍しいですよね?あんなことが起こっても話かけようとするなんて。」
俺は率直に聞いてみる。
少しくらい恐怖があるのが当たり前だろう。
すると周辺の空気が少しだけ変わったのが分かった
全員が思っていることかそれとも俺に避けていたってことを見抜かれたくなかったのか
まぁ、ほとんどが両方なんだろうけど
「……ぶっちゃけ、取り返しのつかないということをしたし、嫌われる覚悟はあったんですけど。」
覚悟というよりも懺悔の感じが強い
「嫌われたいの?」
「いや、そんなわけじゃないんですけど。」
というよりも分からないのだ。
なんでこんな自分を話しかけてくるのかが分からない
「助けてほしいんだよね?」
「……」
その一言に俺は倉橋先輩を見てしまう
そういえばこの先輩には聞かれたんだよな
助けを求めたいのに求められない
俺は修学旅行の時に言った言葉だ
「……多分、こうちゃんは私たちに隠していることだって立場上色々あるし、私たちに気を使っているのも分かっているよ。でも私たちだって少しは力になりたいんだよ。」
素でこう言える先輩は少しだけ羨ましく感じる
純粋すぎて、考えていたのが、バカみたいに思えてくる
「……なんか、本当にバカらしいや。」
俺は少し笑って
「それじゃあ体育の教師が烏間先生に戻ったら今まで以上に倉橋先輩鍛えないといけませんね。」
「えっ?」
「今のままじゃ助けになるどころか足でまといにしかならないので。」
事実そこまで差が開いているのだ
それにナイフ術に関しての努力は女子の中で群を抜いている
正直なところあんまり伸びるとは思ってなかったんだけどなぁ
烏間の影響だろうけど、それでもいい攻撃手に成長するだろう
「……む〜。さすがにひどくない。」
「俺のサポートなんて烏間くらいにしか今はできませんよ。」
するときょとんとする倉橋先輩。なんか変だったか?
「そういえば、こうちゃん烏間先生と最近仲いいけど。」
「別に何かと相談受けるだけですよ。殺し屋関係は俺の方が詳しいですし暗殺業は俺が教える方ですしね。」
「教えるっていいの?そんなことして。」
「別にいいんじゃないですか?それで俺を殺せるっていうなら話が別ですが。殺されるつもりはないので。」
まぁ、多分殺す気もないんだけど
「……それに烏間かっこいいですもん。だって普通ターゲットの俺なんか信用してくれる先生なんてあの人ぐらいですよ。」
俺の先生での評価ではどう考えても死神よりも烏間の方が上だ。
あれ以上にまっすぐで俺見てくれる人なんて見たことねぇよ
「それよりも昼食食べないでいいんですか?時間結構経ってますよ。」
「あっ、本当だ。」
「それも先輩方盗み聞くのならもうちょっと話すか食事の箸を進めてください。盗み聞きしてるってバレバレですよ。」
それにやることが見えてきた
そして決心するこの件は俺は何もしないでおこうと。
……まぁ、元々関わってなんとかなる訳じゃないけど。
まぁ弁当の件は適当に嘘をついて誤魔化しながら断ったので少し五時間目倉橋先輩の機嫌が悪かったのを書いておこう。