「失礼します。」
俺が職員室に入ると黒いスーツの男が一人座っていた。
「誰だ?まだ始業式から誰も帰って来てないはずだが。」
体格からして普通の教師ではないことがよく分かるので自然と警戒するようになっている。
そして俺は自分の記憶からその人の名前を思い出す。
「なるほど、情報部の烏間か。珍しく適任の人をよこしてきたじゃん。」
俺は口笛を吹きながら笑う。
「なんで俺の名を。」
警戒する烏間に異変を覚える。
「……お前、俺のこと知らないのか。」
「あぁ。貴様は誰だ?」
俺のことを知らされてない?
「……羽川建設の羽川康太って知ってるか?」
「確か五年前に死んだ男の子だろう。それがどうかしたか?」
「……なるほど。そういうことか。」
その一言で厄介なことになったことが分かる。
「俺は羽川建設5代目羽川康太。あんたが死んだと認識している羽川康太さ。」
「はっ?」
その男性は固まってしまう。まぁ、当たり前か。
「その様子だったらなんで昨日焼肉屋で俺たちをつけてきたんですか?」
「っ!!気づいていたのか?」
「はい。ってかあの後あなたの部下らしき人からAKぶっ放されて大変だったんですよ。」
「そ、それはすまなかった、って羽川くん今なんて」
「あんたの部下からアサルトライフル撃たれました。」
あの後は大変だった。街中で躊躇なく銃を撃たれたのは初めてだった。
最初は信じてなさそうだったので、俺は撃たれた銃弾を机の上に転がす。
「……」
口をポカンと空けている烏間。
「……ついでにあのタコから何も聞いてないって。ちょっとぶん殴るか。あいつ。」
「ちょっと待て。色々聞きたいことがあるのだが……」
「ん?別にいいけど。朝のHRまでに終わらせてくれると嬉しいんだが。」
「君は何者だ?」
烏間が声を低くしている。
「……六年間、日本政府から隠蔽されてきた標的だよ。懸賞金は100億。」
「……すまないがもう一度言ってくれないか?」
「多分だけど日本政府に聞いた方が早いぞ。羽川康太が3-Eに来たっていえば一発で伝わるから。」
すると信じないと思っていたのだがやけに素直に応対してくれた。
「はぁ。全くあのタコ。何を考えてやがる。」
「おや。やけに殺気立っていますね」
「だれのせいだぁ。」
「にゅや!!」
俺は力一杯にいつのまにか入って来ていた死神を殴りつけた。
「痛いじゃないですか!!」
「はぁ?てめぇ防衛省に俺がこの教室に参加すること黙っていただろうが!!おかげで烏間に何言ってんだこいつって思われたじゃないか。」
「それはあの後アメリカ軍の軍事ミサイルを返しにいってまして。」
「はぁ?そんなもん知るかよ。てか、てめぇは携帯電話とかいうハイテクなもの知らないのか。いつも報告、連絡、相談、のほうれん草はしっかりしろって言われて来なかったのかよ。」
「しりませんよ。そんなもの。」
「じゃあ、今覚えろ。今すぐ覚えろ。」
「ぎゃー。ぎゃーうるさいぞお前ら!!」
バンッと机を叩かれ俺と死神は黙ってしまう。
やべぇ、この人怖い人だよ。
「ところで、あの速度。まさかまたあれを。」
「……」
死神の言葉に俺は黙り込む。
「……正直あんたとの殺し合いの後結構服用した。まぁ予防線にな。」
「そうですか……」
俺は苦笑してしまう。
「ほら、先生になるんだろ?笑顔、笑顔!!」
と死神の肩を叩く。
「は、はい!!」
「それにあぐりさんの妹がいるからな。今晩空けとけ触手持ってたから抜く条件に交渉条件にあんたを使った。一回ちゃんと話せ。」
「はい。ってはい?」
「多分偽名で通っているはずだけど。」
とクラス名簿を見てあかりねぇが誰かすぐにわかった。
「茅野カエデ。確か八年前に単発ドラマのボツ役の名前。カエデって言う珍しい名前はそうそう見ないし多分そいつが雪村あかりだよ。」
「それは。」
「話さないといけないぞ。一応大まかには話してあるけど、ちゃんと話せ。好きだった人の妹だろ。」
「……はい。」
「ほら、一応俺も生徒だから笑顔を忘れるな。」
俺は笑い
「でも、昔のあんたより人間らしいよ。あの時のあんたが今のあんたなら俺は死んでいたな。」
「……」
死神は悲しそうにこっちを見る。
それがIFの話だと知ってるから。
「わかりました。失礼します。」
と電話を切る烏間
「……」
烏間の顔は黄色。俺のことを聞いて驚いているのだろう。
「本当だとわかりましたか?」
「あ、あぁ。」
「まぁ、一応中二ですけど特別強化生徒っていう名目でここにいるんで。ついでにテストは中三の問題を受けることになってます。元々テストはほとんど入学試験時にここの高等部のテストで全部90点以上は取れていたので学力には問題ないのでご安心を。」
俺は笑う。
「後日本政府と暗殺者に警告しますが俺は一応このタコの依頼ってことでこの教室にいます。決してあなた方には協力しないのでそこのところは理解しておいてください。」
「にゅや?」
「は?」
驚いたような二人が俺を見る
「いや、当たり前のことじゃないですか?だって俺は日本政府から狙われてるんですよ。もし協力なんかして殺されたら元も子もないし、俺がするのは生徒の安全性を保つこと。それ以外は基本何もしない。ってか元々俺はここの学生なんだから。そう言う生徒がいたっておかしくはないだろう?」
「……やっぱり君は。」
すると死神は何か知っているのか俺の方をただまっすぐに見てくる。
それでも辞める気はない。
「……まぁ、暗殺の手伝いは状況によってはするだろうけど、学生の暗殺は基本は中立。それと殺し屋は俺が潰すから。俺にとったら敵になるんだし。」
軽い殺気を放ちながら言う
「悪いけど俺にとってそいつに死なれたら困るんだよ。……それに数少ない友達だから死んでほしくないって言うのもあるけどな。」
笑う俺にどこか警戒している烏間
「烏間さん。大丈夫ですよ。羽川くんは基本的に無害です。私達とは違って基本は逃げるだけの逃走専門のターゲットですから。」
「……まぁ、最低限度のナイフと銃も使えるけどな。あんたのスキルもあんたほどじゃないけどいくらか盗ませてもらったし。まぁ、人を殺すってことはあんたらみたいにしないから。」
「……」
「まぁ、どちらかというと学校生活を安全に送るためにこのタコから依頼された同業者ってことで、一応こいつの弱点も、触手の弱点、元の正体についてはこの中じゃ一番知っているのでどちらかというと殺す為のサポート役みたいになると思いますが。」
「羽川くんは触手を知っているのか?」
「……まぁ、そのナイフもそのBB弾も俺が元々作った奴ですし。」
「「……は?」」
すると二人が黙り込む。なんだ知らないのか
「ってか、その触手考えたの元々は俺ですから。知らないわけないですよ。」