ターゲットの暗殺教室 改訂版   作:孤独なバカ

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実力

「い〜ち、に〜、さ〜ん、し〜」

「うわぁ〜。絶対普通の中学生じゃ見られない光景だな。」

「……羽川は見てるだけだろ。」

俺が苦笑すると前原先輩が言う。

今は体育の時間で内容はもちろん暗殺。

体育の担任は表向きは烏間先生だが身の安全を守るために受け身や身の安全に関することは俺が教えることの方が多い。

「だって俺はどちらかというと殺される方だからな。それに半分は俺が受け持ちだし。」

「……確かにそうだけどよ。」

と納得はしてない

「まぁ、ナイフがうまく使えるようになったら二刀流とか使えるようになるので結構オススメですよ。それに前原先輩は4股している最低野郎ですけど、運動神経はありますし銃が壊滅的に下手なんでナイフだけに専念した方がいいですよ。」

すると前原先輩が固まる。

「……」

「えっと、羽川?なんでそれを?」

磯貝先輩が聞いてくると

「えっと銃は見てたらわかりますし、女性関係については岡島先輩と磯貝先輩、片岡先輩に話している彼女さんの学校名が違ったので。後もう一人は3年C組の土屋先輩ですので合計4人です。」

「……」

「ついでに本命は磯貝先輩に話していた人だと。」

「…スゲェ。あってる。」

前原先輩が驚くけど女子からの最低みたいな視線は無視なんだろうか。

あれから、俺に話しかけてくる先輩は増えていった。

一応磯貝先輩などのグループに入ることが多くなった。

だけど昔のことは何も聞いてはこない。

聞くのが怖いのか気遣ってくれているのかその両方か。

「でも羽川くんって暗殺の技術はどうなの?」

「ん?」

「そういえば暗殺に関しては羽川って未知数だよな。」

するとそこからはどんどん広がっていく。

純粋な興味なんだろうけどでもそうなると授業どころではない

そんな空気に少し苦笑してしまう

どちらが戦闘力が優れているのか

まぁ当たり前なことだろう

「はぁ、じゃあ烏間先生。模擬戦しませんか?」

するとクラス中が騒ぎ出す。

「……なんでだ?」

「いや、なんか俺だけ見てるって言うのもおかしいしその武器だったら怪我もしない。それに実力を見せるのはうってつけの機会ですし、あんたの実力を少し見せてほしいかなぁって。」

「……わかった。君の実力も見てみたいしいいだろう。」

すると歓声があがる。

「ねぇ、どっちが勝つと思う?」

「私烏間先生!!」

とか色々言っているクラスメイト。下馬評は俺二割烏間先生八割で烏間先生有利か。

「にゅや!じゃあルールはこのインク付きの武器を使って一撃当てられたら勝利。」

「先生ノリノリじゃねーか。まぁ、いいけど先生何割の力出していい?」

するとみんなが凍りつく。

「だって柔かったら殺す可能性があるし、強いのは知ってるけど…」

「……本気でやっても構いませんよ。伊達に先生の観察役を勤めてませんので。」

「……へぇ〜」

俺は少し息を吐く。烏間先生を見る。

手元にはナイフを握りしめている。

……かなり強いな。

見た目以上の腕前だと俺は判断する。

暗殺には向いてないが銃、体術、ナイフ全てにおいてレベルが高い。

俺は今まで狙われた中で三番目に強いと判断する。

油断はできない。

一気に決める。

「暗殺始め。」

俺は素早く近づき牽制のナイフを一回振る。すると烏間はそれをギリギリで避けナイフを振利かかろうとするのでバックステップで避けながら一撃目の射程外から外れる。その瞬間振りかかろうとしたナイフを諦め防御に回る烏間。その初動の速さに少し驚く

……なんで普通の人間がナイフを1秒間で5回切りかかれるんだよ。

舌打ちをしてしまう。こいつも化け物すぎるだろ。俺も得意な防御に回るしかない

「……」

「……」

足や腕、目線の向きを見て立ち位置を変え次の攻撃を備えると烏間先生3秒ほどで手を挙げた。

「……降参だ。」

「……賢明です。烏間先生。」

死神が一言で言い切る。

烏間先生の降参宣言に少し苦笑してしまう

「えっ?どういうこと?」

みんながポカーンとしていると。

「一切の隙が見当たらないんだ。どこから攻撃してもカウンターでナイフで刺されるか体術で抑えられてしまう。」

「……えぇ、羽川くんは防御に優れています。烏間先生の強さを見て攻撃から防御に回ったのでしょう。目線や少しの変化で体制を変えていました。」

「多分ナイフを振る速さは1秒に10回は振れる。どうやっても勝てる見込みがない。」

「……最初の一発かなり手加減したのになんで本当の振る回数わかるんだよ。」

1秒に5回切る速さで切りつけたのにな。

「……でもそんなに強いのか?100億円の懸賞金をかけられるようでは思わないんだけど。」

「あぁ。ナイフも正しい振り方をしていた。そして速さも勘の良さもいい。それに、合気道か?」

「体術は後中国武術と柔道、後は合気道ですね。空手も少しかじってますが…基本はナイフを使いますよ。ナイフは軽いことが長所ですしリーチがないから小回りが効くんで。防御で使うことが多いんですよ。なれると銃弾をくらいなら弾けますし。」

「「「それは絶対おかしいから!!」」

とクラス中にツッコミが起こる

「でもっけっこう俺レベルの暗殺者なんて結構いるぞ。それにそのスキルだけでは生き残れない。」

「えぇ。ナイフ術、体術、銃もトップレベルですが、本当の凄さは気づかれないことです。」

「……どういうこと?」

「殺し屋のほとんどは居場所がわかっているのに羽川くんを見つけられないまま暗殺に失敗しています。」

「ステルス能力な。実質は、最初俺が入ってきた時先生も気づかないで教室に入って授業しただろ。自然にいてターゲットだと思わせない。それが種明かし。まぁ殺気や匂いに敏感だからすぐに逃げるっていうのもそのひとつだけどな。」

すると全員がはっとする。

「他にもトラップが俺の管轄かな?睡眠取るときには必ず仕掛けるしそれに薬品や医学も詳しい方だな。」

「……烏間先生、羽川くんを舐めない方がいいですよ。防御技術に単純にあなたよりもいや今の私よりもスキルが高い。無駄な技術は覚えず逃走や防御に使える技術を持ち合わせてます。頭の良さも知恵も多分私より優れてる。それに羽川くんは実力のまだ3割程度しか出してませんよ。」

「悪いけど。先生。人との勝負にこれ以上力出すつもりはないぞ。ってかあまり使いたくない。」

「知っていますよ。それが君のいいところですから。」

「……えっ?」

「ちょっと待ってよ先生。それって。」

「今の速さで半分も出してないって。」

「……おそらく実力では私より数倍は上です。私が本気で殺しにかかっても羽川くんは殺せません。まぁ地球を爆破すれば問題はないですが…」

クラスメイトが騒めく。烏間先生は少し考え事をしていた。

その隙を見て俺は何事もなかったようにその場を離れる。しかし一人だけついてくる先輩が一人いた。

俺をよくかまってきているので最近はこの人に能力が効きづらくなっているのも一つの原因だろうけど。

角を曲がって少し待つとその人は声をかけてくる

「……殺せんせーより強いってどういうことなの?」

するとやっぱり矢田先輩が聞き込んできた

この先輩はよく話かけてくるんだよなぁ

悪気もないから拒絶するわけでもいけないし今の悩み事の一つだったりする

「……経験の差だよ。こいつはターゲットとしてまだ一年か二年程度にしかたってない。それにこいつは殺されるのを楽しんでいること、俺は生き残るために必死になっている。それも一応生き残るために自由な時間なんてほとんどない。それに動きも単調すぎる。特に野外暗殺においてあのままじゃ第三者のことを全く警戒してない。まだまだ甘すぎる。」

「……厳しいね。」

「一応プロですから。」

と苦笑してしまう

「ターゲットっていうのは一つのことだけ優れていてもやっぱりすぐに殺されます。多くのことを学んで、経験しないとそれはターゲットして生き残れない。それも全てに関して暗殺者よりも優れていることが条件なんですよ。」

俺がいうと少しだけ驚く矢田先輩

「……命を奪うより命を守る方が難しい。どんな生き物にだって命は一つしかありませんから。」

「えっ?」

「命の価値は決められないので。」

俺の言葉に矢田先輩はただ驚くだけだった。

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