遅れてすみません、これからはもっと更新ペースが上がる…といいなあ。もっと頑張ります。
夜鎧ラルヴァは典型的な
基本的に神秘防具は装備しているだけで発動しているスキルはあまり持っていない。
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・夜鎧ラルヴァ 胴装備 ★
破壊不可 窃盗不可 売却不可 譲渡不可 廃棄不可 PKデスペナルティ対象外
VIT+500 ATK+100 スーパーアーマー 追跡 月の暴走 [月下吼獣]
裏切られた騎士は月の下で復讐を誓う。必ず、この忠誠に汚名と濡れ衣を着せた王家にこの世の地獄を味あわせるのだ。
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以上がラルヴァのステータスである。
他の例に漏れず
これらがアルカディア・プロジェクトにおける神秘防具を最上位とする風潮の理由である。まあこの風潮の最たる原因はとある一人のクォーレであるのは間違いないのではあるが。
さて、【《月》の暴走】である。
このスキルの効果は先述した通り、スキル使用者の暴走である。
プレイヤーから最後の足掻きだとか格上PKへの嫌がらせだとか呼ばれるこのスキルだが、『月』のアルカナの神秘防具が使用した場合、少々毛色が異なる。【狂乱騎士リュージット】は暴走の上位互換であるスキル、【狂化】のスキルを使っていた。【狂化】には深度と呼ばれる目安があり、それが進むにつれ強化具合が変わっていた。
【《月》の暴走】にもそのシステムが受け継がれており、深度が設けられている。この深度はアルカディア・プロジェクトの中でも異質であり、月の満ち欠けによって決定される。
現在の時刻は現実で午後1時半。アルカディアで言えば正午過ぎだ。例外的に例えその日の夜が満月であろうと、太陽が出ている間は新月として扱うという特性があるため、深度は最も
(だが、デメリットもその分マシになる)
【《月》の暴走】は深度が最も浅い状態で通常の暴走と同程度の効果がある。シャドウリザードが魔法攻撃を放ってくる以上、MNDが0になるのは厳しいが深度が深くなった状態でくらうよりはマシだ。
「ラルヴァ、《月》の暴走を発動」
『承認、効果範囲内に敵性モンスターを発見。スキル、起動』
ラルヴァから黒い靄が現れる。その靄はトトの兜の頬の辺りに集まり、複雑な紋様を描く。これが暴走の兆候である。もうこうなったら
スキルの発動者にも任意での停止は出来ない。
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「ーって言ってたんだけど、あれ何?」
「トト姉の神秘防具、ラルヴァの固有スキルだな。確かにこの状況なら有用だ」
ロータスは取り敢えずトトに言われた通り、クリップと合流してシャドウリザードの足止めに徹した。しばらくして後ろから恐ろしい程の気配が現れたので慌てて振り向いたら、なんとトトの恐ろしい全身の黒鎧から禍々しい靄が溢れ出ているではないか。ビックリしたのでクリップに説明を求めたらそんなことを言われた。
「……ラスボス?」
「どっちかっていうと俺は闇に堕ちた先代勇者とかそう言うのだと思う」
「ああ、分かる」
「あっ、トト姉がシャドウリザード蹴り飛ばした」
「おお、5mくらい吹っ飛んだぞ」
ウチのパーティーのリーダーが高笑いをしながら自分より数倍もあるドラゴンもどきを蹴り飛ばしている件について。
「一応、手伝っとく?」
「一応、な」
俺はこっちの方に蹴り飛ばされてきたシャドウリザードに斬りかかる。もう既にシャドウリザードはこれまでの戦闘での傷と先程トト姉に蹴り飛ばされた時の傷でボロボロである。まあ、8割くらいさっきから一方的にボコボコにしているトト姉の所為だとは思うけど。
「にしても、暴走のスキルヤバイな。デメリットがあるとは言え強すぎない?」
「いや、トト姉のアレは色んなのでドーピングしてるから」
「というと?」
「トト姉の
「ああ、そういやさっきも何か言ってたな、私の職業がどうのこうの」
「それに、色んなポーションとか魔法で強化してる。素のステータスが高ければ高いほど暴走は強くなるから」
だからあんなに一方的なのか。
横振りに当てることを意識した小振りな一撃が迫る。
黒鎧の狂騎士は避けようとする素振りも見せず、煩わしげに左手だけで持っている大楯で弾き、右手だけで持っている両手用の大剣で爪を何本か斬りとばす。
「Kishaa!?」
久しく感じる事のなかった痛みという感覚に思わず蜥蜴は仰け反ってしまう。その隙を狂騎士が見逃すはずはなく、通常の軌道では考えられないほど速く懐に潜り込む。
「[クロススラッシュ]」
その柔らかい腹部に十字の裂傷が刻まれる。
「Graaaa!!」
推奨レベルが70と言えど、トトのレベルは86。トト一人でシャドウリザードの討伐など既に幾度となく繰り返している。しかし、ユニーククエスト『限界村落の村娘』という名前の通り、このシャドウリザードはレベッカに異常な程のヘイトを向けている。故にトト一人ではヘイトを受け持つ事も逃げる事もできず、かといって討伐する前にレベッカは死んでしまうだろう。
しかし、ここまでくればトトの援護をするという前提ならばロータスとクリップのレベルが低いということは殆ど問題にはなり得ない。
「[クロスアベンジ]」
まあ、その必要性も無いのだが。
【《月》の暴走】でステータスが上がっているトトは単純なステータスだけで見ればアルカディア・プロジェクトの中でも
既にシャドウリザードは最初の勇猛な森の主の見る影もなく、身体中ボロボロである。月の獣と化したトトはシャドウリザードに対して殆どのステータスで勝ち越している。負けているのは暴走の効果で下がる魔法系のステータスであるINTとMND、それにシャドウリザードが元々高いAGI位だろう。シャドウリザードが得意な影系統の魔法を当てられればまだ勝負は分からないが、それを許すほどのAGIの差では無いし、その為のロータスとクリップ、ネオンである。
クロスアベンジは重戦士系統には珍しいカウンターのアーツである。効果は効果に指定した敵対者から受けたダメージを自分のSTR分上乗せして跳ね返すというもの。タイミングがシビアではあるが当たれば必殺と言われる程の強力なアーツである。その保障をするようにシャドウリザードがロータスの体感10m程上まで吹き飛び、ポリゴンが見えたと思ったら綺麗に爆散した。
『敵性モンスターの消滅を確認、機能を終了します』
「ふう、終わったか」
暴走の効果が切れ、トトが臨戦態勢を解く。一人、やりきった感を出しているが、見ている二人からしたら唖然とする光景である。
「ねえ、シャドウリザードって、何メートルあった?」
「大体、5メートル位じゃね?」
「じゃあさ、何メートル飛んだ?」
「10メートル位じゃね?」
「……マジかよ」
「……マジだよ」
心なしかクリップの目が死んでいるのは錯覚であろうか。おそらくは今までに何回が見ているのだろう。絶対に逆らうような愚は犯すまいとロータスは静かに決意した。
「凄い、森の主倒しちゃった」
「あ、はは。やっぱトト姉は凄いな」
シャドウリザードの打ち上げ花火は先頭を走っていたネオンとレベッカにも見えていた。それを見た二人は限界に近かった足を止め、来た道を引き返し始める。
「やあ、レベッカ。無事かい?」
「うん!トトお姉ちゃん!すっごいカッコよかった!」
「ふふ、どうだロータス。私の方がカッコよかったらしいぞ?」
「くっ、次こそは」
「お前は何を張り合ってるんだ」
「ふふっ」
その後は警戒しつつも先ほどまでの終われる緊張感もなく、普通に歩みを進めていた。
すると突然目の前が開け光が差し込んだ。
「あっ!」
突然レベッカが声を上げて一人で駆け出す。
そして森を抜けた所で立ち止まり手を広げて向日葵のような笑顔で振り返った。
「ようこそ!私達の村に!」
『名も無き村へと到達しました』
『プレイヤー未到達領域へと到達しました』
『称号「開拓者」を獲得しました』
『称号「愚かな勇気」を獲得しました』
『称号「巨人喰らい」を獲得しました』
『称号「森の覇者」を獲得しました』
『称号「弱者の庇護者」を獲得しました』
『ノーマルクエスト『森の暴れん坊』をクリアしました』
『通行許可証1を獲得しました』
『ユニーククエスト『限界村落の村娘』をクリアしました』
『レベッカをフレンドリストに登録しました』
『レベッカをパーティーに組み込めるようになりました』
『特殊称号「村娘の義兄」を獲得しました』
『特殊状態「村娘の英雄」になりました』
『ユニーククエスト『限界村落を立て直せ』が発生しました』
『ユニーククエスト『村娘の願い』が発生しました』
『特殊条件を達成しました』
フルティア「今回は特に説明することが無いので雑談でーす。ではゲストのレベッカちゃんどうぞー」
レベッカ「えっ、えっ?ここ、何処?」
フルティア「まあまあ、夢みたいなものだよー。あっ、ちなみにクララ姉さんは私用で外出中です」
レベッカ「えっ!?と、というかフルティア様?」
フルティア「違いまーす。私はミセスFです」
レベッカ「は、はあ?」
フルティア「それでそれで?好きな人とかいるの?」
レベッカ「ふぇっ!?」
ーー以下雑談が続く
クララ「続く、かどうかは分かりかねます」