投稿に心が折れ掛けて、キャラ紹介でなあなあに済ませようと思ったとか、言えない……
ちなみに今回から第2章です。
#23 蔦の宮殿ver.2
私は何故生まれたのだろう?
ふと唐突にそんな事が頭をよぎる。すでに何回考えたか分からないというのにいつまでたっても答えは出ない。
この世は紛い物で出来ている。
世界は明確に破綻への道を歩んでいて、いつだって私たちをそこへ引きずり込もうとする。
ならば、私はいつものように振る舞おう。
人ならざるこの身なれど、ヒトになる事は出来るのだと。そう証明してみせよう。
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「はい、了解しました」
いつもの定時連絡。
「これより、調査を開始します」
だけど、今日からは違う。
「対象への接近任務。拝領しました」
これは、私が私になる為の物語だ。
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「うわー!すっごい!」
初めて見るアルカディアの光景にはしゃいでいるのを見ると、こちらとしても招待した甲斐があるというものだ。
「お兄!ここ本当にゲームの中なんだよね!?」
「ああ、ようこそ。アルカディアへ。ティア」
「ふふー。なんか恥ずかしいね」
「言うなよ。俺もまさか妹をプレイヤーネームで呼ぶなんて新鮮な気分だわ」
「えへへ。あっ!もしかして、レベッカちゃん?」
「うん!はじめまして、ティアお姉ちゃん!」
「きゃー!かわいいー!今日から私がお姉ちゃんだよー!」
ふふふ。なんかこう、
「おっ、揃っているな」
「おい、ロータス。なんかすげー気持ち悪い顔してんぞ」
「うるせえ、ブン殴んぞ」
「ティア、良い名前ですね」
ティアの種族は人間。武器はどうやら見た感じ銃のようだ。大きな拳銃が腰に差してある。
「とにかく組合に登録だな。みんなで行っても邪魔になるだけだ。別行動にするか」
「じゃあさ、女子組と男子組に分かれて行動しようよ。久しぶりに響子姉……じゃなかった、トト姉と美夜ちゃ……ネオンちゃんとお買い物とかしたいし。あっ、勿論レベッカもこっちだからね」
「私は、大丈夫です」
「ふむ、私としても構わないが。ついでに組合にクランの登録をしてこよう」
「私もいいよ!」
まあ、断る理由も無いか。クリップの方を見れば同意見だったらしく、頷き返された。
「俺らもいいぞ。適当にぶらついてるから何かあったら連絡してくれ」
「では2時間後にまた噴水広場で集合だ。では解散」
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「つっても、やる事ないよな」
「軽戦士と魔導士のパーティーで狩りに行くわけにも行かないしな。野良で募集するか?」
「出来れば野良は避けたいな、『名無しの南瓜』も『魂の灯』も見せたくない」
「ああー、確かに。まだ討伐すら知られてないからな」
そんな事を話しながら商店街を冷やかしていたが、そういえばクリップに聞きたい事があったんだった。
「そういや、転職ってどこでやるんだ?【エルドゥーク】の討伐で何やら経験値が溜まったっぽいんだが、セラフの時みたいに転職用の施設とか無いよな?」
セラフィム・ワールドの時はプレイヤーが転職したい場合は、専用の転職の館があったのだが、一人で散策していた時に探してみたのだが
、エターリアには見当たらないのだ。王都ほどの大きな都市でそんな重要な施設が無いとは考えにくいので、多分ほかの方法があるのだろうと思ったので聞いてみることにした。
「ああ、ウィンドウから転職できるんだよ。一時期そのせいでモンスター狩りの時に合間合間に転職して有利を取り続けるっていう戦法が流行ったんだけど、転職するごとにレベルアップまでの経験値がリセットされるらしく、効率が結局は悪いって事で廃れたんだけどな。そうそう、ここだ」
クリップが操作してくれたウィンドウには確かに新たにジョブチェンジ候補として斥候と先駆者が追加されたステータスウィンドウが表示されていた。
「へえ、斥候は罠とか索敵能力とかが上がるのか。んで、先駆者は軽戦士の正当進化と。まあ、先駆者だな」
「ちなみにこの説明最初の組合の受付嬢さんから一回聞いてるからな」
それは悪い事を聞いた。どうも事務的な説明は覚えられんのだよな。
「んあ?」
「えっ?……きゃ!」
先駆者にジョブチェンジを終えて、前を向いたら軽い衝撃があったので、横を向いたら長身の美女という響きが似合う女性が横からどうやら突っ込んできたようだ。
「あっ、すみません。前見てなくて……」
「いえいえ、こっちこそウィンドウ見て歩いてので」
「ほ、本当にすみません、急いでいるので、これで!」
そう言って、ぺこぺこ頭を下げながら走って行ってしまった。
「珍しいな。女性一人でのプレイヤーなんて」
「単独行動とか時間帯が合わないとかで一人の場合だってあるだろ」
「まあ、そうか。にしても美人だったな」
「ゲームのアバターだし。誰でも多少美化はするだろ」
「そんなもんかね」
にしてもあの人……なんか、横から走ってぶつかってきたにしては、衝撃が少なかったような。
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「これで登録は完了です。我々探求者組合は新たなメンバーの誕生を心から歓迎致します。
私に新しく出来たお姉ちゃん、ティアお姉ちゃんが探求者登録を終えて、組合から出てきた。付き添いとして、ネオンさんがついていたので手間取ることもなく直ぐに終わったようだ。
「うわあ!カッコいいね!お姉ちゃん!」
「ふっふー、そうでしょう、そうでしょう。自分でもカッコよく決まったと思ってるんだよね」
「ロータスさんから、沢山お金貰ってましたからね」
そんなお姉ちゃんは
「この魔銃に付与できぬ強化は無し!ってね」
「珍しいけど、無い構成ではないです。ただ、プレイヤースキルが要求されるので、初心者には難しいかもしれませんけど……」
「まあそこはバスケやってたから、人の動きを見るのは得意なのよ。それにネオンちゃん達に合わせるにはそれくらい出来ないとね」
と、そこへ隣のクラン用の組合から出てきたトトさんが目に入りました。
「ああ、待たせたかな?こっちも今終わったところなんだ」
「いえ、こちらも今終わった所です。トト姉、クランの登録終わりました?」
「ああ、バッチリ登録したきたぞ」
そう言って取り出したウィンドウの公開画面には『
「?『蔦の宮殿』そのまま、ですよね?」
「いや?メンバー違うし、折角だし名前も心機一転で『蔦の宮殿ver.2』に変えたぞ。カッコいいだろ」
「「「うわぁ……」」」
それは、ちょっと……
「そうでした……トト姉のネーミングセンスを甘く見てました……同じ名前をそのまま申請するだけだから大丈夫だと思って送り出した私のミスです……」
「なんだよー、カッコいいだろ?」
「カッコいいかはともかくとして、トト姉。セラフの時のメンバーに確認取りました?」
「あっ……」
「はぁ……一応問題は無いと思いますけど、連絡つくメンバーには言っておいた方が良いかと」
「そうだな、後で私から言っておこう」
「取り敢えずロータスさん達と合流しましょう。ティアさんを入れたパーティーで連携の確認もしたいですし」
「はーい!私お菓子買ってから行きたい!」
お菓子!私も食べたいです。
「では人気の菓子屋で買っていこう。ミーティングも兼ねて軽食タイムだ」
「賛成っ!」
そうやって噴水広場まで歩き出そうとした時でした。
「あ、あのっ!」
突然私たちに対して声が掛けられました。
見ると少し小柄、と言っても私よりは全然大きいですが。そんな女の子が私たちに声を掛けてきていました。
見た感じ私と同じクォーレのようです。まあもう私は厳密に言えばクォーレではなく、精霊なのですが。
「クォーレ?弓を持っている事と、組合の近くということを考えれば探求者か?女性一人とは、珍しいな」
「えっ、えっと。あの!め、メンバーは募集していませんか?」
「パーティー募集か?いや、残念だが我々は別に……」
「そ、そうですか……」
トトさんがそう言うと女の子は見るからにしゅん……としてしまいました。栗毛のツインテールが心象を表すようにへなっとしました。
「トト姉……」
「トト姉ぇ……」
「うーむ……何かのフラグになるかも知れないし……いや、でもウチにはレベッカもいるし、見られたく無いものが……ううむ、ええい!」
「取り敢えず!一度他のメンバーの意見を聞いてからだ。それで良いな!」
「っ!っはい!!」
ツインテールがぴょこんと跳ねました……年上ですが可愛いです。
「わ、私!ティティって言います!職業は魔女、武器はロングボウ、好きな食べ物はショートケーキ、それで、それで……」
「ああ、そうテンパらなくても良い。ともかく、取り敢えずよろしくなティティ」
「はいっ!」
拝啓お兄ちゃん、どうやら新しい仲間が増えそうです。
・アルカディアストーリー『道化は己の夢を嘲笑う』
発生クラン『蔦の宮殿ver.2』
クリア条件 非公開
推奨レベル60〜153
WARNING!! WARNING!! WARNING!!
未来演算システム『ラプラス』よりマスターAI クララへと警告。
このままではアルカディアでのクォーレ存続に対する重大な危機が発生する事が予測されます。
英雄への介入を検討する事を具申します。