ロータス「同じくロータスのR!!」
レベッカ・ロータス「「我らダブルR兄妹!!」」
ティア「ロータスの綴りはL.O.T.U.Sだよ」
レベッカ・ロータス「「!?」」
人間国 ストルタスから獣人国 プグナーデは隣国であるが、王都エターリアはストルタスのほぼ中心部に位置しているので、それなりに距離がある。徒歩でなら丸一日かけてもストルタスから出るどころか、10分の1も進めないだろう。
流石にそれは不便なので、馬車などを借りるのが移動手段として一般的なのだが、それでも他国まで行くには時間がかかる。故に昔のクォーレは転移門を設置した。大陸全土と繋がる不思議な門である、移動が出来ないど○でもドアの様なものだ。
しかしそんなものを戦争で使われては大問題なので、現在では自国間の転移門のみ使用出来るようになっている。ストルタスに存在する転移門は10。エターリアには防衛の関係上存在しないらしいので、一番近くの転移門まで徒歩で移動して、プグナーデとの国境付近に一番近い転移門に転移して、徒歩でプグナーデに入国することとなる。
王都エターリアから一番近い転移門は古代遺跡アルサマ、プグナーデに一番近い転移門は城塞都市ボランレー。目的地は国境付近の村の近くである。クララによれば、その村の付近で『ラプラス』がクォーレの大量死を予知したらしい。おそらく、村の付近に発生したアルカナを倒す為にプグナーデの城塞都市から増援が送られ、ストルタスの城塞都市ボランレーがプグナーデに攻め込み、それを発端として戦争が起こる。との事だ。
「それを俺たちが食い止めるのが今回のクエスト。先ずは古代遺跡アルサマに向かおう。中継地点は森を抜けた先にあるナフタ、出来れば今日の夜にはナフタに着いておきたい」
クランハウスで最後の確認、『蔦の宮殿』が建っている名も無き村の跡地を東に抜けるとナフタという都市が存在する。ナフタはこれといって名産が無いので、普通プレイヤーは北か南に移動するらしい。
ナフタから北に進むと、古代遺跡アルサマが見えてくる。ここはいわゆるダンジョンだが、転移門は遺跡の中央に位置していてダンジョンアタックをする必要は無いらしい。
転移門を抜けると城塞都市ボランレーの
「改めて聞くと酷いクエストだよな、俺たちみたいな小規模クランに発行されるクエストじゃ無いって……」
「まあいいじゃないか、そのおかげでアルカナに三体も会えるんだ。運が良ければ大幅な強化に繋がる」
「そういえば、
俺のその言葉を聞いた途端、レベッカがぐるんと首を回してこちらを向いた。正直ビックリした。
「酷いお兄ちゃん浮気っ!?」
「はぁ!? い、いや、浮気って……そんなつもりじゃなくて……っていうか、浮気じゃなくね?」
「あれ? ……確かに、でもモヤモヤする。ううぅー……」
「くくっ、質問の答えはレベッカの反応の通りだな。一応神秘防具を複数持つ事は出来るらしい。だが、そうとう二つの相性が良くない限りアルカナ側が反発して本来の力を使わせなくなるらしいぞ」
「な、なるほど」
「MVPをとった時に放棄する事が出来るらしい、と言っても今まで二度のアルカナ討伐を成し遂げたのは一人だけだがな」
「あっ、私その人知ってる」
「ティティ?」
「有名な人だよ? 人類最強の探求者、『日輪』グラディス・カンペアドール。史上初のアルカナ単独討伐者」
「私も知ってるよっ、グラディス様、クォーレの英雄、アンナ様直属の騎士、子供でも知ってるよ」
レベッカも知ってるのか、トト姉やネオンも頷いているのを見ると有名な人らしい。知らなかったな、もう少し攻略サイトやらプレイヤー掲示板でも見てみるべきだろうか。でも、極力そういうの見たくないんだよな。
「おそらく、プレイヤーを含めても最強だろうな。《太陽》の正位置 天輪覇王 エルガイアとの一騎打ちは動画として残っているから見てみるといい」
トト姉にそこまで言わせるか、アルカディアにはセラフィム・ワールドからそのまま続けてるプレイヤーもかなりの人数居るはずだ。元『蔦の宮殿』のメンバーも殆どやっているらしい。俺はまだ会っていないが、トト姉とネオンとクリップは何回か会ったとの事だ。
新しいクランを立ち上げたり、有名クランに入った奴が多いな。みんな元気そうで何よりだ。また今度、この遠征が終わったら会いたいものだ。
「まあ、今はこの遠征の話に戻すぞ。っと、忘れる所だった。ロータス、ネオン、クリップ、ティア、篝火装備が調整し終わったぞ、さっき受け取って来た。それぞれ装備してから出発することとしよう」
やっと出来たのか、『反逆ナリシ愚者ノ篝火』の特殊報酬、便宜上篝火シリーズと呼んでいるがそれで定着したのね。ちなみにクララによると特殊報酬の条件は一定以下、具体的には参加プレイヤー五人以下での【エルドゥーク】討伐だったらしい。
俺は前もって決めておいた通り、『篝火(脚)』をインベントリに入れてから装備する。篝火装備は別にユニーク装備では無いが流通している訳でも無いようだ。火龍の素材を使った装備に似ているらしいので、討伐した証のようなものだろう。
トト姉は(頭)、ネオンは(腕)、クリップは(アクセサリー)、ティアは(胴)をそれぞれ装備した。
「おおっ、カッコいいですね、です」
「《愚者》の特別討伐報酬だとか、流石ですね」
それぞれの篝火装備が仄かに5つの炎を灯している。これが名前にもなっている[篝火]のスキルなのだろう。確かに詳細を見るとステータスに倍率が掛かっている。
「さて、確認も終わったな? そろそろ時間だ、早く出ないと今日中にナフタに着かないからな。ああ、そうだティア、クエスト受けたな?」
「うん、受けたよ。トト姉」
「クエスト?」
何かついでに受けるのか? そんな事聞かなかったけどな。
「まあ、お前は忘れても仕方ないな。思い出せ、ティアはこの森を抜けるのは初めてなんだぞ。いや、お前もだったか」
初めて森を抜ける? ……うーん? なんだ?
「
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『森の暴れん坊』俺は『限界村落の村娘』のユニーククエストに上書きされてよく分からないままクリアしてしまったが、本来ならばエルダーエイプという銀色のゴリラを討伐するクエストである。
この森に生息している猿系統のモンスターの親玉のようなモンスターであり、生息数はそれなりに存在する。それぞれが小さな群れの長として君臨しており、縄張りを侵すものには容赦しない。プレイヤーが森を抜けるにはどう頑張ってもこの縄張りを通る必要があるので戦闘に発展するという事である。
更にこの群れを統括しているゴールデンエイプというモンスターがいるのだが、基本的に森の奥に引きこもっているらしく、未だに遭遇例は数えるほどである。ちなみに俺たちが戦ったシャドウリザードとは敵対関係にあるらしく、一度戦闘しているのを見たプレイヤーがいる。ゴールデンエイプの圧勝だったとの事なので強さはここら辺では最強だろう。
なのにシャドウリザードが森の主と言われる理由はゴールデンエイプは外に出てこないからだそうだ。エルダーエイプよりは圧倒的に強いし。
「それにしても意外です、シエルさんも『森の暴れん坊』クリアしてなかったんですね」
「ああ、別に敬語は無しで良いですよ、ゲームですし、お隣さんですし。まあ、人間族の変装をして入国してますから、『森の暴れん坊』をクリアしてないとバレると面倒なので行商人の護衛クエストを受けて強引に突破したので、です」
今回クエストに挑戦するのはティアとティティとシエルとレベッカである。俺たち既にクリア済みの四人は今回は遠慮、やばそうになったら介入することにした。
レベッカは精霊になった後の自分の力量を確かめたいとの事で参加を表明した。レベッカは大精霊ではあるが、本体というかHPは俺の『魂の灯』に依存している。んでもって神秘防具は耐久値無限、という事でレベッカは実質無限のHPを持っている事になる。まあ疲れたりはするらしいので、ずっと戦い続けられる訳では無いが。
「ティティちゃんは何でこのクエスト受けて無かったのー?」
「ティアちゃん……エルダーエイプはソロにはキツいんだよ、最低でも4人パーティーじゃないと……死んでも復活できるプレイヤーの人たちとは違うからさ」
そうだよな、俺たちは死に覚えが出来るが、クォーレは無理だ。他のクォーレと混ざってやっているプレイヤーは何回も死んでから対抗策を練って挑むらしい。
今回は対抗策を組むまでも無いくらいティティのレベルが高いのと、俺たちという後詰がいるので初見突破を目指す。
「ようし、頑張るぞー」
「レベッカは無理すんなよ」
「大丈夫だよお兄ちゃん、私だって一人でモンスター倒せるし、精霊になってからは火魔法の威力だって上がったんだから」
まあ、確かにあまり心配して過保護になりすぎるのも良くない、か。
「さあ、準備は終わったな。そろそろ出発しよう、遠征開始だ」
目指すは獣人国プグナーデ、目標は『
『ユニーククエスト『アンビリカル』をクリアしました』
『称号『魔銃使い』を獲得しました』
『称号『支援者』を獲得しました』
『ユニーククエストが進行しました』
『ユニーククエスト『フィータス』が発生しました』
『特殊称号『■■を冠する者』を獲得しました』
『特殊称号『■■の友』を獲得しました』