アルカディア・プロジェクト   作:ムササ

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ようやく、章タイトルの片鱗が見えた……(尚まだ主要キャラは揃ってない)


#6 そして四人は邂逅す

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 ロータス

「やべえ、どうしよう」

 

 トト

「どうしたん?」

 

 ネオン

「どうしたんですか?」

 

 ロータス

「一人暮らしじゃ無くなった」

 

 クリップ

「ざまぁw」

 

 ロータス

「花蓮も付いて来るって」

 

 ロータス

「ちょー嬉しいんだけど」

 

 トト

「ギルティ」

 

 クリップ

「ギルティ」

 

 ネオン

「えっと……」

 

 クリップ

「お巡りさんこっちです」

 

 ロータス

「襲ったりなんかしねーよ!」

 

 トト

「ギルティ」

 

 クリップ

「嘘は良くない」

 

 ネオン

「わ、私は信じてます……よ?」

 

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 なぜここまで言われにゃならんのだ。

 ネオンだけじゃないか信じてくれるのは。

 時を少し遡るが、夕食の準備を終えると殆ど同時に両親とも帰宅した。そのままの流れで一緒に夕食を食べたのだが、その話題は勿論俺の大学入試の事だった。

 そしてその話はひとり暮らしの事にまで及ぶ。

 

「でも花蓮をこの時間まで一人にしておくのは怖いわねえ」

 

 母さんのその言葉が発端だった。

 

「だったら蓮也の所に花蓮も付いて行ったら良いんじゃないか?」

 

「でもあなた、そっちの方が心配じゃない?」

 

 余計なお世話だ。つーかもっと息子を信用してほしい。

 

「花蓮はどう思う?」

 

「んー、私としてはお兄について行った方が楽……ごほんごほん、安心かな」

 

「まあ、花蓮が良いなら良いかしら。蓮也は……聞くまでも無いわよね」

 

 勿論である。

 

「そうだな、花蓮の高校も蓮也のマンションからの方が近いだろう」

 

「いきなりだけど大丈夫?」

 

「うん、まあそんな荷物は無いし」

 

「俺も結構部屋割り迷ってたし」

 

「じゃあ決定ね。寂しくなるわー」

 

「大丈夫だ。俺が居るからな」

 

「一史さん……」

 

 俺の両親、九条 一史(くじょう かずふみ)九条 葉子(くじょう ようこ)は今でも新婚の様に仲が良い。見ていて恥ずかしくなるくらいに。

 俺たちがいなくなったらイチャイチャしだす事だろう。

 とまあ、こんな感じで冒頭に戻るわけである。

 

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 ロータス

「そういや明日はトト姉とネオンもログイン出来るか?」

 

 トト

「私は講義無いから一日出来るわ」

 

 ネオン

「私も高校が半日授業なので長い時間出来ます」

 

 クリップ

「じゃあロータスのエリアボスでも手伝う?」

 

 トト

「あー、良いわね。何気にあいつ強いし」

 

 ロータス

「それって有りなのか?」

 

 トト

「そもそもエリアボスって倒さなくても良いのよ。倒さないとかなり面倒なルート辿らないと次の街に行けないからみんな倒してるだけで」

 

 ネオン

「だから大丈夫なんです」

 

 ロータス

「なるほど、じゃあ頼むわ」

 

 クリップ

「OK、じゃあ1時に組合で待ち合わせな」

 

 トト

「了解」

 

 ネオン

「分かりました」

 

 ロータス

「分かった」

 

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 ちなみにこの会話は全部『Messa(メッセ)』というアプリでやっている。その中の『蔦の宮殿(ivy palace)』というグループである。

 この『蔦の宮殿』は俺たちが出会ったゲームのでのクランの名前である。クランマスターであるトト姉が一目惚れしたクランハウスの外見から取られている。まあみんなは蔦の宮殿って呼んでたから英語名の方はあんまり浸透しなかった。

 

「あの頃は無茶苦茶やってたなぁ」

 

 俺たち四人が出会ったゲーム。『セラフィム・ワールド』は『アルカディア・プロジェクト』が発売されるまで不動の1位を誇っていたゲームである。そこで偶々野良で組んだパーティーが意気投合したのが俺たち四人である。

 みんなの歳が近く、住んでいる場所もそこまで離れていない事が分かってからはよくオフ会なんかも開くようになった。何だかんだ5年以上の付き合いである。

 この『セラフィム・ワールド』で、俺たち『蔦の宮殿』はクランランキングのトップ5常連だった。俺たちを含めて10人しか居ない小規模クランだったけどトト姉の指揮の元、暴れまわったのはいい思い出である。

『セラフィム・ワールド』は『アルカディア・プロジェクト』の発売によって段々人口が減ってしまって残念だったが製作者である橋本司博士がどちらの制作にも関わったというだけあって『蔦の宮殿』のメンバーもみんな『アルカディア・プロジェクト』に移動したらしい。

『アルカディア・プロジェクト』こそ『セラフィム・ワールド』の正統な後継であるとみんなが言っていた事もあって、俺もすんなりと受け入れられた。

 今度機会があったらまた『蔦の宮殿』のメンバーにも会ってみたいものである。

 

 

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「ログイン完了っと」

 

 次の日の正午過ぎ、俺は一人でアルプロにログインしていた。

 約束の1時にはまだ少し早いが、発注していたマン・ゴーシュを受け取りに行く為だ。

 

「どうもー。こんにちわー」

 

「おう、らっしゃい。ああ、あんたか。ロータス、でいいな?」

 

「はい、ロータスです。頼んでたやつって出来上がってます?」

 

「おう、出来てるぜ。こいつだ、確認してくれ」

 

 そういって、店主がカウンターの奥から何かを取り出し、無造作に机の上に置いた。

 

『鋼造のマン・ゴーシュ』

 簡素な造りではあるが、しっかりと鍛え上げられた一品。数打ち品ではあるものの、多少オーダーに合わせてカスタマイズされている。

 

「おお、ありがとうございます」

 

「中々の出来栄えだ。鋳潰した鋼だけで作った割には強度も中々、本音を言えばもうちょっとこだわりたかったが、お前さんはそういうところ気にするだろ。それに不満が出始めたらまた来い、素材を持って来てくれりゃあ強化してやる」

 

「何から何まで丁寧に、本当に感謝します。出来ればお名前を教えて欲しいんですが」

 

 ウィンドウ登録の際にも店舗名である『鉄の森』としか出なかったからな。まだこの店主の名前はしらない。

 

「おう、そういや教えてなかったな。俺はライレン。今後ともご贔屓に」

 

「ライレンさん。はい、これからもよろしくお願いします」

 

 ガッチリと握手を交わす。すると、「うぉっ」、いきなり目の前にウィンドウのポップアップ。

 

・サブクエスト『鉄の森』が発生しました。

 クリア条件、店主のライレンと友誼を結ぶ。

 推奨レベル 25

 

 サブクエスト?文面から想像するに、ユニークまではいかないが個人個人に不定期発生するクエストって事か?

 どうやらライレンにウィンドウは見えていないらしく、いきなり奇声をあげた俺を不思議そうに見ている。

 まあ取り敢えずこの考察は後だ、もうすぐ集合時間だし、早く合流を済まそう。

 

「じゃあ、そろそろ俺は行きますね」

 

「おう、あんたはプレイヤーだから死んでも生き返るんだろうが、なるべく死ぬんじゃねえぞ」

 

「はい、なるべく俺も死ぬ体験は少ない方が良いんで」

 

「がはは、確かにその通りだ。じゃあ時々顔出しな」

 

 重量級の武器を振り回していそうな腕をブンブン振ってライレンさんは見送ってくれた。

 

 

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「あっ、来た。おーいロータス!」

 

 待ち合わせ場所の組合前に見覚えのある三人組。無駄にイケメンな魔術師となんか魔王が来てる鎧みたいなオーラを醸し出す鎧を着ているフルフェイスの見るからに騎士ですっ!みたいな騎士とこれぞヒーラーみたいな正統派の白いローブを纏った小柄な少女。

 

「おそいぞー、5分遅刻だ」

 

「ごめんごめん。発注してた武器受け取りに行ってたんだ、許してくれトト姉」

 

「謝罪ならネオンに言ってやれ、時間に厳しいロータスが遅刻とか何かあったのかと心配していたからな」

 

「い、いえっ。私はそんな……」

 

「いやいや、遅れたのは事実だし。ごめんな、ネオン」

 

 この魔王っぽいオーラを醸し出す鎧を着ている騎士の方がトト姉。『セラフィム・ワールド』から続く俺たちのリーダーであり、頼れるお姉さんだ。

 それでこの小動物っぽいオーラ醸し出す僧侶みたいなのがネオン。俺たちの中では最年少でありながら的確な回復で生命線な女の子。

 トト姉はリーダーの素質をフルに発揮して大学でもカリスマ的立ち位置を確保しているらしい。ネオンは引っ込み思案な性格で人見知りも激しいが最近はなんとか学校にも馴染んでいると話していた。

 

「まあ、その話はここまで。にしてもロータスはアルプロに来てもスタイルは変えないのね」

 

「まあ何だかんだこれ(・・)が一番馴染んでるし、そういうトト姉もネオンも役割(ロール)は変わってないよな」

 

「わ、私もこれしか出来ないので……」

 

「私もこれが一番しっくりくるからね。それより、見てよこれ、この鎧。カッコよくない!?」

 

「あー、その魔王みたいな鎧?それが噂の神秘防具(アルカナアーマー)ってやつ?」

 

「そうそう。これが夜鎧(ヤガイ)ラルヴァ。私が必死こいて何とか一つ手に入れた《月》のアルカナの神秘防具」

 

 ほー。これが噂の。『アルカディア・プロジェクト』に44体存在するアルカナボスからしかドロップしない文字通り世界に一つの特注品(オーダーメイド)

 何でもトト姉は野良で偶々発見したアルカナクエストの最終戦。《月》のアルカナボスに横から突っ込んだらしいな。その戦線はタンクが落ちかけてて本当ならマナー違反だったけど負けるよりはマシと見た目上(・・・・)明らかに騎士のトト姉の助力を得た、と。

 

「ご愁傷様としか言いようが無いな」

 

「はっはっは。騙される方が悪い」

 

 まあ、トト姉の格好を見てタンクと思うなと思う方が無理があるけど。

 

「まあそんな経験を積んだら騎士からジョブチェンジしてな、最近新しいジョブになったんだ」

 

「わ、私も最近治癒術師から神官になりました」

 

「俺は魔道士だな、前話したろ」

 

「私は、騎士から狂騎士になったぞ」

 

 何でも未だ軽戦士の俺は第1世代と呼ばれるジョブらしい。

 プレイヤーは全員旅人から何かしらの第1世代ジョブに就く。

 トト姉は重戦士、ネオンは治療師、クリップは魔法使いという風に就き、更にそこからトト姉は騎士、狂騎士。ネオンは治癒術師、神官。クリップは魔道士になったという訳だ。

 

「にしても狂騎士って。いや、確かにトト姉のスタイルを顕著に表してるけど」

 

「ステータス補正的にもこのジョブが一番だったな。あんまり選んでいる人は少ないらしいが」

 

 本人が喜んでいるのなら何も言うまい。

 

「それより、今日は俺のエリアボス解禁を手伝ってくれるんだろ?」

 

「ああ、その為にはロータスに『森の暴れん坊』というクエストを受けてもらう必要があるあるんだ。だから組合での集合にしたんだ」

 

「成る程、じゃあ早速受けてくるわ」

 

 クエストカウンターに向かい、『森の暴れん坊』を受ける。

 

・ノーマルクエスト『森の暴れん坊』を受注しました。

 クリア条件 ストルタス近郊の森を荒らし回っている大型モンスターの討伐

 推奨レベル 20

 

「俺、レベル12なんだけど平気?」

 

「その時だけパーティー組むから平気。俺のレベル56あるし」

 

「わ、私は62です」

 

「聞いて驚け、私は86だ」

 

 わーい。これ只のヌルゲー(リンチ)だー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ん?これは……確かこの名前、おーいクララ姉さん(・・・・・・)ー!」

 

 狭い部屋にポツンと置かれているモニターの前に一人の少女が座っている。

 その少女はタンクトップにオーバーオールとお洒落とは対極に存在する存在でありながら、その顔立ちは美しく、それがギャップとなって一種の魅力となっていた。

 

「はいはい、何ですかフルティア。もっと淑女らしく慎みを持てとアンナ姉さんに言われているでしょう」

 

 そこに入ってくるのは、一言で言えば絶世の美少女。透き通った氷のような髪と目をした美しいとしか表現出来ない少女である。

 

「はいはい、ゴメンナサイ。そんな事よりこれ、見てみ」

 

「これは……」

 

「こいつ、クララ姉さんのお気に入りでしょ?いやー、凄い偶然だね」

 

「……貴女が介入した、訳では無いのよね?」

 

「まさか、私は武器管理AI。クエスト関係は専門外だよ」

 

「そう、なら何も言わないわ」

 

「およ、もっと驚くかと思ったのに。姉さんのお気に入りでしょ?」

 

「まだ、そうと決まったわけじゃない。私達は観察者。干渉は出来ないわ」

 

「およよ、行っちゃった。まっ、そうだよねー。でも面白そうだしちょっと見てよっと。ロータス、か。貴方はどんな人なのかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ユニーククエスト『限界村落の村娘』

 発生者 ロータス

 クリア条件 村娘を無傷で守り抜いての『森の暴れん坊』のクリア

 推奨レベル 70

 




クララ「今回はクエストの種類についてです。尚今回から妹が一人増えます」

フルティア「やっほー。フルティアでーす」

クララ「真面目にやりなさい。アンナ姉さんに言い付けますよ」

フルティア「はーい」

クララ「ごほん、それでは本題に、クエストは大きく分ければ五つに分けられます」

フルティア「ノーマルクエスト、サブクエスト、メインクエスト、ユニーククエスト、アルカナクエストだね」

クララ「そうです。ノーマルが組合で受けられるクエスト、サブは不規則発注だけど不特定多数が受けられるクエスト、メインはそのプレイヤーのストーリーに大きく関わるクエスト、ユニークはそのプレイヤーのアルカディア・プロジェクトでの生き方そのものに関わるクエスト、アルカナはアルカナボスが関わるクエストと覚えておけばOKです」

フルティア「メインとユニークの違いが分かりづらいでーす」

クララ「メインは影響がプレイヤー全体に関わるクエストです。例えば、戦争とか新天地の発見とか新たなモンスターの発見とか。ユニークは基本的にはその個人の範囲に収まります」

フルティア「まあ、何事にも例外は付き物って事でー」

クララ「では今回はこの辺で失礼致します」

フルティア「バイバーイ」
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