パーンダ パンダー パンダのダンスー
通信機の音を聞いた全員が蛍のほうを向いた。
「はい、こちら蛍です。ああ、蜜柑? あんたスイッチ入れるの遅いのよ」
「今井さんっ!? 連絡とれたのっ!? 」
蛍の行動に、鳴海が勢いよく席を立つ。
「どこかの倉庫で結界が張られとって、全員縛られてるねん。言われたとおり縄は解いたけど、棗の具合が悪そうやから見張りの目を盗んで走って逃げるのは難しそうや」
「全員、危ないから今から黙って聞いて、こちらに状況が伝わるようにマイクのスイッチはオンにしておくんだ。その手足を縛る縄は自力で解くか、それが無理なら、夏目君に無理してもらって縄を燃やすんだ」
「無効化で結界を如何にかできないか? 試すだけでもやらないよりはましだろ」
「・・・うまくいったみたいや」
「あと、確実に逃げられるように縛られたふりを続けるんだ」
「神野だ。聞こえるか、自分のアリスをなるべき敵に明かしちゃ行かんぞ。自分の手の内を見せるということは相手が対処してくるということだ。こちらに不利になるということになる」
「それと一番重要なこと。何があってもレオの声を聞いちゃいけない。もし聞いたら・・・」
途中でレオの声が入る。
「成程。通信機だったんだコレ」
やっぱ消しても揺らすのとあんま変わらないか。
「紫堂の結界揺らすなら兎も角、消すなんて黒猫じゃないな。誰がやった。むしろ何をした」
「玲生…お前なんでZなんかに」
「僕のほうこそアナタほどのひとが、なんで学園の犬なんかに収まってんですかー? あなたはこっちの人だと思っていたのにな。先輩の可愛い生徒勝手にお預かりしちゃってスミマセン。ま、預かったっいってもお返しする日なんて来ませんけどね」
「玲っ」
ブツッ
通信機が切られた。
俺が小型のテレビを机の上に置くと柚香が全員にわかるように説明した。
「実は蜜柑ちゃんの通信機の中に盗聴器と小型の撮影機を仕込んでたんだ。さすがに発信機までは仕込んでないけど、映像だけでもかなりの手がかりになるはずだよ」
「レオの写真を隠し撮りして売ろうと思って仕掛けたのがまさかこんなことに使う羽目になるとは思わなかった。発信機も仕掛けときゃよかった」
実際には怪しまれないためにあえてつけなかったんだけどな。
「仕方ないよ。まさか誘拐事件に発展するなんて知らなきゃ予想の仕様が無いし」
「そりゃそうか」