アッセンブルできたカドックくん   作:雪風冬人 弐式

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 前回の投稿から、時間がかかって申し訳ない。本当は、インフィニティ・ウォーの公開日あたりに投稿する予定だったんや。
 それでは、お待ちかね本編をどうぞ!


第一話「戦え!カドックくん!!」

『速すぎて、見えなかった?』

 

――――それが、僕の運命(Fate)の始まりだった。

 

『最後まで、とことん付き合うよ』

 

――――その信念に、憧れた。

 

『これが、魔法さ』

 

――――そして、自分は変わることが出来た。

 

 

「って、これって走馬灯じゃん!?」

 

 

 懐かしい夢を見たと思ったら、死にそうになっていた。ヤベーイ!

 

「ジャービス。ジャービス!状況はどうなってる!?」

 

 周囲を警戒しながら、通信を行うが返ってくるのはノイズだけ。

 右腕の腕時計を数度叩くと、赤いメタリックなグローブへと形を変えて、立体映像が投影される。

 しかし、こちらもコンソールやキーボードは映るがそれ以外には砂嵐の状態だ。

 

「GPSどころか、ネット回線もダメか。となると……」

 

 あの時、咄嗟に掴んだ左手に嵌めた金色のガントレットに視線を落とす。

 そこに刻まれた六つの真紅の紋様をなぞる。

 

令呪起動(セット・オーダー)

 

 拳を握り締め、思い浮かべるのは、かつて迷い込んだSAMURAIが跋扈していた世界。そこで、絆を結んだ大切な頼もしい仲間にして家族。

 

「来い、―――――!!」

 

 真紅の紋様が輝くと同時に、足元に魔法陣が広がって一筋の光が空へと昇った。

 

令呪受理(イエス)我が主(マイロード)

 

 光が収まると、そこには片膝をついて恭しく頭を下げている仲間がいた。

 

「どうぞ拙者に、主命をお与え下さい」

 

 

 

 ―――――その少女は、一人見ず知らずの街の中を走っていた。

 

「なんで、私がこんな目に!?レフ!レフはいないの!?レフ、出てきてよォオ!!」

『所長!落ち着いて!!敵らしき反応は、付かず離れずで追ってきています』

 

 涙を流し、恥も外見も殴り捨てて所長と呼ばれた少女は走り続ける。相手に遊ばれていると分かっていながらも、一秒でも長く生き残る為に。

 

「私が死んだら、誰がカルデアを!人理を!守るって言うのよぉおおお!!」

 

 僅かな希望に賭けて、己の使命を全うする為に。

 だがそれも、限界が訪れる。元より苦手な全力疾走、生命の危機という強度の緊張、予定通りに事が進まなかった焦りなど、少女は遂に足がもつれて転んでしまう。

 

「クスクス。残念デシタ。頑張ッタゴ褒美ニ、永遠ニ石像ニシテアゲル!」

 

 今まで、少女にわざと追いつかないようにゆっくりと近付いていたフードを被った手に鎌を持った妖艶な女性が、灰色の髪を靡かせながら少女の前に姿を現した。

 嗜虐的な笑みを浮かべながら、手に持った鎌を振り上げた。

 

 

 

 無事に仲間を召喚でき、装備の確認も一通り済ませると移動を開始する。

 仲間は既にこの街の情報収集をお願いして、別行動に移っている。

 ウイングスーツかアイアンスーツがあれば、移動が楽になったのだがないものねだりをしても仕方ない。

 

〈この先、一キロほど行った右手のビルの影でござる。そこに、生存者らしき反応と〉

「かつての君たちと同じ、サーヴァントの反応か」

〈如何にも。生存者が襲われているでござるが、拙者は待機で宜しいので?〉

「ああ。この辺一帯の地形を把握するために、魔術で走査してから誰かが見てる。敵だったら、情報を吐かせて」

〈御意。主、ご武運を〉

 

 襲われている生存者を目視できる距離までとなり、今まさに倒れている生存者に鎌が振り下ろされようとしている。

 

「せーのッ!!」

 

 引っ搔き傷ような傷跡で一部の塗装が剥がれている、真ん中に星が描かれている円形の盾をフリスビーのように力一杯投げる。

 同時に腰のベルトに取り付けていた二本指だけ通すメリケンサックのような形状のレリック、スリング・リングを使って生存者のすぐ後ろに飛ぶ。

 ガアァァン!!と痺れるような金属音が、盾と鎌の刃にぶつかったことで響き渡る。

 というか、生存者って所長じゃん。

 

「失礼しますよ、っと!」

「貴方は!?」

 

 生存者こと所長を抱えて、ビルの影に隠すとすぐさま鎌を持ったサーヴァントの所に戻る。

 所長が何か言っていたが、取込み中なので後にしてもらう。

 おっかない女性のサーバントだが、見たところクラスはランサーだろうか。

 こちらを睨んでくるが、気にせず右手の磁力の装置を起動して近くに落ちた盾を回収して構える。

 

「貴様ァ、ヨクモ私ノ楽シミヲ邪魔シタナ」

「プロフェッショナルとして、見過ごすわけにはいかないから、ね!!」

 

 右手を翳してフラッシュを焚く。おまけとばかりに、普通の人間ならば思わず耳を塞いでしまう音波も流し続ける。

 目を逸らした隙に地面を蹴って接近すると、盾の縁で頭を叩くと続け様に身を捻って腹部に左肘を打ち込む。

 鎌という武器の性質上、近付きすぎたら切れない為か距離を取ろうとして後ろに跳ぶサーヴァント。

 

「残念、トリックさ」

「ナ、ニィイ!?」

 

 スリング・リングで盾で両腕を隠しながら、左手だけ魔術で作った剣を持ったまま転移させていた所へ自分から飛び込んでしまったので、胸から火花が散る剣が生えている。

 

「貴様、名ハ?」

「カドック・バートン。コードネームは、義父さんから受け継いだホークアイ。アベンジャーズの一員さ」

 

 胸から引き抜いた魔術の剣を剣の状態から、紐に変えて縛り上げて拘束する。

 

「さて、知ってることを話してもらおうか?」

「ククク。精々、足掻ケ人間」

 

 嘲笑しながらこちらを睨み付けてきたが、睨んだ瞬間にサーヴァントの体が硬直して倒れ、光の粒子となって消えた。

 こっちをやけに視界に入れようと目を動かしていたから、魔眼の類かと思ってミラー・ディメンションを展開しておいて正解だったようだ。

 こちらを観察するような視線もいつの間にか消えているから、彼女が上手くやってくれたのだろう。

 しっかし、生存者がうら若き少女とはいえ、オリエンタル?オルガナイザー?オルガなんとか所長だけとは。

 これは、先が思いやられるな。




現在のカドックくんの装備

・パンサー・スーツ…「シビル・ウォー」で陛下が使用していた着るタイプ。使わなくなったお古を譲ってもらった。

・アイアンスーツ・マーク46(右手部分のみ)…これもシビル・ウォーでトニー社長が、ウィンター・ソルジャー戦で使っていた物。マーク50が完成して使わなくなったので、譲ってもらった。

・爪痕の付いた円形の盾…これもシビル・ウォーでキャプテン・アメリカが手放しを元にトニー社長がキャプテン用に新しく作った盾のプロトタイプ。せっかくだからと、譲ってもらった。

・金色のガントレット…手の甲の部分に円形の窪みがあり、本来はそこに六つのとある石を嵌めて使う。しかし、カドックが持っている物には、窪みには六つの真紅の紋様が刻まれている。
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