暗殺教室 少年の求めていたもの   作:絆と愛に飢えるシリアス

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演劇の裏の時間

さて、現在あいつらは演劇発表会に備えて待機をしているが、俺はというと・・・・

 

「「・・・・」」

 

理事長室にいて、理事長も俺もお互いに目をそらすことなく見ていたのだ。正直・・・何を話したらいいのか分からねぇ・・・

 

「土見海斗君」

 

「は・・はい!」

 

「そう固くならないでいい。リラックスしてくれたらありがたい」

 

「いくら何でも、固くなるなと言う方がムズいですよ。理事長」

 

俺がそういうと、理事長は“ふむ”と考えていた。洗脳されるとかめんどくせぇのだがな・・・

 

「1ヶ月休んでいたのが聞いたから呼び出したは建前だよ」

 

「?どう言うことですか?」

 

「君は何を悩んでるんだい?初めて会ったときよりも幾分かはマシになってきたが、目の色はあの頃とそんなに変わらないな」

 

「お言葉ですが、人間はそう簡単に代わりませんよ?理事長」

 

「確かにそうかもしれないね・・・。だが、君はまだ若いのだから変わろうと思えば変われる。人はその気になれば変えれるのさ」

 

「・・・この間の過去の話となにか関係あるのですか?理事長?」

 

俺はにこやかに笑っていた浅野理事長の殺気に引かずに受け止めながら質問していた

 

「ふむ。なら将棋で私が勝ったら君の隠してることを話してもらおう。ただし、私が負けたら君の過去は話さなくっていい。・・・やりませんか?」

 

「わかりました。将棋となれば勝負受けますし、理事長とはいえ・・・負けるつもりはないです」

 

「(・・・当時のあの失望した目は今思えば、世の中すべてを憎むかのような目だったが・・・恐らく何かを吹っ切れたのだろう)交渉成立。では・・・始めよう」

 

理事長は将棋を取り出し、理事長の対面に座り対決したのだ。どんな理由であれ、勝負頼まれたら答えるのが礼儀だと俺は思う・・・

 

 

そんな俺と理事長の他所では、本番前に迎えたE組のメンバーは俺のことを話していた

 

「海斗、大丈夫かな?」

 

「海君ですから、恐らく大丈夫かと思われますが・・・」

 

「嫌々、土見だぞ?あいつの性格上、めんどくさがってなにかとんでもないのを起こしそう」

 

「なんか問題を起こして退学されるかもね」

 

「あはは。それは・・・あり得るかも」

 

「「「「「・・・・・・はぁ・・・」」」」」

 

本人の知らぬ裏でそんなやりとりをされてるとは、誰も思わないだろう・・・

 

 

 

 

再び理事長と俺の方に視点を戻して、話そう・・・

 

「ぬっ?そういう攻め方で来るか」

 

「よし。・・・くっ!まさか、そこで角をとられるなんて・・・嵌められたか」

 

一進一退の将棋の戦いでやりながら、E組の演技もみていた。本当なら彼処に行きたかったが、サボった自分がわるいので泣く泣く我慢したのだ

 

「・・・君は口が固いかい?」

 

「どうでしょうね・・・。少なくとも、口は軽くないと思いますよ」

 

「そうか。王手」

 

「!?」

 

「君は確かに頭は回るところがあるがまだまだ若い。そして、私よりも経験が足りない部分が多い」

 

「・・・」

 

「だが、時にその若さは力に変えることも出来る。良い方向にも悪い方向にもね」

 

「つまり、俺はもっと勉学も励んで何か越えれるようになれということですか?」

 

俺の問いに理事長は答えなかったが、俺自身はそれが答えのような気がして仕方がない・・・

 

「私の勝ちだね」

 

「・・・俺の敗けです・・・。約束通り話しますが、これは他言無用でお願いします」

 

「・・・それを言うという事は余程なのかね?」

 

「・・・はい」

 

「わかった。約束はするが・・・それの真実を彼らは知ってるのかね?」

 

「一人は・・・俺の隠された真実を話してます。そして・・・俺の正体も・・・その子しか知らない」

 

「なるほど。話は長くなりそうだから、紅茶を飲むかい?」

 

「・・・いえ、恐れ入ります。では、話します」

 

そして俺は包み隠さず、自分は作られた人間であり、特別な力が有ることを・・・そして、復讐は今も辞めずに生きていることを・・・何一つ隠さず、理事長に話したのだ

 

 

その間の理事長は目を逸らすことなく聞いてくれて、時々驚く仕草もみられた

 

 

 

そして、俺は話終えると一息ついた・・・

 

「なるほど。確かにその話は他言無用だね。彼らに話さないのかい?」

 

「俺の過去一部は全員知ってると思いますが・・・人工生命体というべきなのですかね。それを話してはいません」

 

「彼らと話すのは怖いのかね?それを話すのは」

 

「情けない話ですが、結論から言えばそうです。彼らを信用してますが、この話は・・・」

 

「・・・君は不器用だね。私もそうだが・・・」

 

「えっ?」

 

理事長が小さい声で俺に向かってなにか言ったのを聞き取れなかったが、なぜか気になった

 

「君は先程も言ったように頭はよく回るし、若さもある。しかし、今の君は悪い方向にいってる」

 

「・・・」

 

「しかし、君の良いところはそれだけではないはずだ。その一年間で君は一体どんな先生たちに教わったのか忘れたのかい?」

 

!!

 

「人生は長いが、自ずと答えは見えてくるはずだ。私の授業はここまでだ。あとは君自身が答えを探さないといけない」

 

 

「・・・ご指導ありがとうございました」

 

俺は頭を下げて、理事長室を出たのだ。恐らく遠くないうちにあいつらに俺自身の出生を話すことが来るが・・・どんな罵倒でも覚悟するか・・・

 

めんどくせぇが・・・もうそういうので逃げるのはやめよう。一回ぐらい・・・あいつらに向き合わないとな・・・

 

 

 

尚、演劇の方はあとで聞けば別の意味ですごかったらしいが・・・参加したかったな―と思ったのは内緒だ




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