生徒が画面越しに烏間先生と殺せんせーが来たことに、安心感と嬉しさが出ていた
そんな二人はというと・・・
「ここです。犬に変装したおかげで自然に匂いを辿れました」
「こんなうすらデカイ犬のどこが自然だ」
殺せんせーは犬の着ぐるみを脱いで、いつもの教えてる姿になり、ここまでの経緯と今感じることを話していた
「生徒たちの匂い、花の匂い・・おそらく、私がこれをたどって来た所を殺す気でしょう。敵にとって計算外だったのは、私が試合を見れずに帰ってきたこと、烏間先生と一緒に来たこと。そして、烏間先生がロヴロさんから聞いた話と残されていたメモで、敵が何者であるか把握できたこと。急ぎますよ、烏間先生」
烏間は返事せず、殺せんせーと共に中に入ったのだ。そんな様子に死神はというと・・・
「参ったな・・・このタイミングでここに来るとは・・・プランは変更だ。イリーナ。まずはエレベータで所定の位置まで来てもらう」
「・・・分かったわ」
少し苦虫を潰した顔でイリーナに指示を出して動いたのだ。そんな死神とイリーナに悠馬は無視をしてすぐに冷華の側に駆け寄った
「冷ちゃん?大丈夫か?」
「悠ちゃん・・・私・・私は・・・いったい何が真実かわからないです・・・。それに悠ちゃんの格好はなんですか・・・?」
「(あいつの過去がばれてしまったのか!?)・・・冷ちゃん。まず落ち着こう?」
悠馬は兎に角、虚ろな目になっている冷華を宥めることに専念したのだ
そんな殺せんせー達はというと・・・
死神は短機関銃のイングラムを両手に、イリーナを人質に取っている状態でふたりの前に現れた。
「イリーナ!」
「イリーナ先生!っ・・お前は!?」
烏間がその死神の顔を見て、松方老人がケガをした時に事務処理の一環として生徒から聞いた救急車を呼んだ花屋の青年だと気がついた
「この間の花屋!?お前が首謀者か!」
「そう。聞いたことあるかい?【死神】の名を」
「ニュッ・・生徒たちも、ここのどこかに?」
「そうだよ殺せんせー。君さえ死ねばこの娘も生徒も殺しゃしないよ」
死神は無造作に、烏間の足元へとイリーナを転がした。イリーナは手枷で手を後ろに拘束されている
「彼女と生徒全員の首に爆弾を着けた。僕の合図ひとつで爆破できる」
「随分と強引ですねぇ。人質で脅しただけで、私が素直に死ぬとでも?」
「・・さぁ、どうだろうね」
「・・・(他に私を狙う『敵』の気配はない。彼の両手の銃に気をつければ)」
殺せんせーが思っていた時だ
いきなり、足の触手が狙撃された
「なっ!?」
慌ててみると撃った犯人はイリーナだった。それを見て殺せんせーは動揺していた
「イリーナ先生、何故・・!?」
「ウフ」
だが、それに答えずイリーナは、ウインクしながら手にしたリモコンのひとつのボタンを押した。とたん、殺せんせーの足元にあった落とし穴がその口を開ける
「にゅぅ!?(すぐには飛べない!掴まらねば!)・・!?」
死神のイングラムMAC11から対先生用弾が容赦なく速射されるが、殺せんせーはあることにビックリしていた
「(え・・触手を見切って撃っている!?)ぐっ!」
次々と叩き込まれた銃弾に、殺せんせーはあっけなく、生徒たちと同じ牢屋に落とされてしまっていた。このことに、さすがの生徒たちも驚愕している
烏間はイリーナの行動に驚きながらも、後を追うと、鉄格子の中に生徒たちと殺せんせーの姿を認めた
「みなさん、ケガはありませんか!?それに、一体ここは・・・?」
殺せんせーの問いかけに、生徒より早く、死神が解説を始める
「近年のゲリラ豪雨に備えて、洪水対策で国が造った地下放水路さ。密かに僕のアジトと繋げておいた。地上にある操作室から指示を出せば、近くの川から毎秒200tの水がこの水路一帯に流れ込む。二度ほど使われたらしいが、僕のアジトは気付かれずに済んだ」
たんたんと微笑みながら説明をしていた。そして、とんでもない発言をした
「その恐るべき水圧は君の体から自由を奪い、対先生物質の頑丈な檻に押しつけられ、ところてん状にバラバラになるって寸法さ」
「待て!生徒ごと殺す気か!」
烏間が詰め寄るのに、死神は平然としてこう告げた
「当然さ。今更待てない。生徒と一緒に詰め込んだのも計画のうちだ。乱暴に脱出しようとすれば、ひ弱な子供が巻き添えになる」
「イリーナ!お前それを知った上で・・・」
「プロとして、結果優先で動いただけよ。あんたの望む通りでしょ」
「なっ・・」
「ヌルフフフ。確かに厄介な対先生物質ですが!!私の肉体はついにこれを克服しました」
「本当?」
死神が尋ねると、殺せんせーは無意味なポーズを取った
「初めて見せますよ?私のとっておきの体内器官を!」と舌でペロペロと鉄格子を舐め始めた
「いや、確かに殺せんせーのベロ初めて見たけど!」
「消化液でコーティングして造った舌です。こんな檻など半日もあれば溶かせます」
「「「「「遅えーよ!」」」」」
「・・・言っとくけど、そのペロペロ続けたら全員の首輪爆破していくよ」
死神の発言に殺せんせーはショックを受けると、村松が疲れた声で「当たり前だろ」と突っ込みいれていた
「まぁ・・・・、そこにいる金髪の可愛い子には申し訳ないけど・・・巻き込まれて死んでもらうか」
「「っ!?」」
「一般人をも、まきこんだのか?!」
「僕がさらったわけではないよ。ある男がその子を人質でとらえたわけであるけどね」
「・・・」
「冷ちゃん・・大丈夫だ」
「はい・・」
死神の言葉に烏間は怒気を含んだ声で問いかけるも、死神は何処と無く知らぬ振りをしていた。殺せんせーは微かに怒りそうになってる中、悠馬が不安げな冷華を落ち着かしていた
「さて、急ぐか。他にもどんな能力を隠してるかわからない。来い、イリーナ。今から操作室へ行って水を流す・・(ガシッ)ん?」
そう言って、歩き始めた死神の肩を、烏間が掴んだ
「・・なんだいこの手は?日本政府は僕の暗殺を止めるのかい?確かに多少手荒だが地球を救う最大のチャンスをみすみす逃せと言うのかな?そもそも烏間先生、本当なら君も倒して人質に加える予定だった。君の腕ではこの僕は止められないよ」
そんな烏間はというと、ため息つきながら上司にあることを問い合わせたのを思い出した
「(要するに、責任は俺が負えってことだ。ならば今は、俺の判断が政府の見解だ)ふん!」
いきなり、烏間は死神の頭を拳でぶん殴った。さしもの死神も、そのままの態勢ながら、後退する
「くっ・・」
「日本政府の見解を伝える。27人の命は地球より重い。それでもお前が彼らごと殺すつもりならば俺は止める。・・・そして無関係の人も巻き込んだことも危険行為と見なしお前を止める」
「「「烏間先生!」」」
「すごいです・・」
生徒たちの顔が輝いた。殺せんせーはなぜか舌を出したまま、妬ましそうに「か、カッコイイ!」と呟く。冷華は烏間の意思をはっきりという姿と姿勢に驚いていて
「・・・へぇ・・」
「言っておくがイリーナ。プロってのはそんな気楽なもんじゃないぞ」
烏間は自身のネクタイを緩めながら、目の前の男をにらんだ・・・
ある場所にて・・・
「(一瞬、微かな感じが7時の方向に気配を感じた・・)ここから飛ばしても遠くない距離だな・・・」
男は走りながら、先ほどの微かな力の感じた方向に走りながら考え事をしていた
「この嫌な予感がまだ続くのはなぜだ・・・?力は押さえて進むか・・」
そういいながら男は走るスピードをあげていき、飛んでいった・・・・
三連休の最終日というのもあり、この時間にのせました!いつも読んでいただいてる皆様に感謝します!