暗殺教室 少年の求めていたもの   作:絆と愛に飢えるシリアス

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死神の時間 5

イリーナside

 

私の生まれた故郷ははっきり言って悲惨だった・・・・。今はどうなってるかも知らないし、存在してるのかも知らないけど・・・確実に言えるのは村の人たちが全滅したのは覚えている

 

そんな私をある人が私に向かっていった言葉が今も覚えている

 

『ひとつ言っておくぞお嬢ちゃん。この先どんなに平和な世界で暮らしたとしても、今日の記憶は洗い流せない。穏やかな世界に住むほど・・・残酷な思い出は鮮明に蘇る。だが、おまえには今、選択肢がある』

 

そう・・・当時の私はその言葉の意味をもしかったら理解してなかったかもしれない・・・。男は続きをいった

 

『俺は殺し屋だ。おまえの優れた暗殺の才能を育てられる。我々と共に血の中で暮らせば忌まわしい血の記憶もただの日常にできる。血の記憶に怯えながら・・・それでも平穏な日常を求めるか、血の記憶から逃げるのではなく、仕事として飼い慣らすか』

 

私は、ただ、そのナイフを見つめていた。

 

『幼子には酷な選択か。よし、難民キャンプへ・・ん?』

 

でも、私は、その男の人の服を掴んだ

 

『・・・戻れないぞ。いいのか?』

 

私は、黙って頷いた。恐らく両親を殺した男達を殺したいとその気持ちがあったからかもしれない・・・。そこから私は殺し屋の日々を送り続けていた・・・

 

 

 

すると不意に視界が明るくなった

 

不意に、視界が明るくなった。私の体を覆い尽くしていた大きな瓦礫を、誰かが持ち上げて、全身で支えている…誰かが・・・

 

「さっさと出てこい。重いもんは背負ってやる」

 

「えっ・・・?カラ・・・ス・・マ?」

 

私は、まだ、夢を見ているの…?体のあちこちは痛いのに心だけが、じんわり、と温かくなった

 

 

 

 

そんな死神はと言うと・・・・

 

水を流す前に、標的の様子を確認しようとスマホを開いた死神は、驚愕のあまり、声を出していた

 

「全員・・・逃げただと!?(一体、何をした!?あの檻を破壊もせずに抜けられるわけがない)」

 

滅多になく焦りを感じた死神だったが、すぐに気持ちを切り替えた

 

「ふっ(まぁいい、ならば首輪の爆弾を起動させる。2、3人殺してアナウンスで脅せば、どこにいようが否が応でもおとなしくなる!)」

 

3番までを選択して、EXPLOSION、の文字の上をタップする。だが、爆発は誰もいない牢屋の中で起こった

 

「何?!(爆弾は外して檻の中に捨てていった!?なんて手際だ!あの小娘もいない!振り出しか!!)」

 

標的も人質もいない檻に水を流しても意味がない。死神は、まだアジト内にいるはずの生徒たちを人質にして再び振り出しに戻す為に来た道を戻り始めた

 

 

 

 

 

一方牢に閉じ込められていたE組と冷華はというと・・・

 

 

「冷ちゃん?大丈夫?」

 

「はい・・・。しかしよろしかったのですか?この超体育着を借りて・・」

 

「殺せんせーがなぜ予備を持っていたのかはわからないが、今は非常事態だしな」

 

「ねぇ、冷華さん・・」

 

隣の片岡が冷華に声かけると慌てて返事した

 

「は、はい。なんでしょうか?」

 

「ごめんね?ここにいる事情ははっきりとわからないけど私たちのことでも巻き込まれてしまって」

 

「いえ、大丈夫です。私が心配なのは・・・下に今にも真っ赤になりそうなタコさんが心配です」

 

殺せんせーは普通に保護色になれるから皆の足元を自然に埋めてる

 

「赤くなんなよ、バレるから」

 

「恥ずかしい,超恥ずかしい。もう先生、お嫁にいけません・・」

 

「タコさんって・・男の人なんですか?」

 

「多分・・・」

 

冷華の問いかけに皆は自信なく疑問に、はっきり答えれなかった・・・。男であってると思うけど・・?っと頭に思い浮かんでいた

 

 

 

 

イリーナは先程までの烏間の会話を思い出していた

 

『お前に嵌められても尚、生徒たちはお前の身を案じていた。それを聞いてプロの枠に拘っていた俺の方が小さく思えた・・・。思いやりがかけていた。すまない』

『イリーナ、お前が育った世界とは違うかも知らんが、俺と生徒がいる教室(せかい)にはお前は必要だ』

 

「(ガキ共も・・私にはない優しさを持ってるのね・・・そしてカラスマのあの言葉も嬉しかった・・)」

 

突然の爆破した方向を見ると死神がこちらに歩いてきた

 

「イリーナ。烏間は?」

「別の道を探しにどっか行ったわ。ひどいじゃない、死神。私ごと爆破するなんて」

「いやあ、ごめんよ!ああでもしないと目的が達成できなくてね。・・・僕らの世界は騙し騙されの世界だろ?文句があるなら今度は確実に殺してやるよ?」

 

冷ややかに見下した死神にイリーナは・・・

 

「別にいいわ・・・ビッチだから」

 

「え?」

 

背後からいきなり、死神は両脇を伸びてきた両腕で固められた。そしてそのまま後ろに引きずられる

 

「自分のスキルを過信せずに・・信頼できる仲間を作るべきだったな?この場所じゃどんな小細工をされるかわからない。スッキリした場所へ移ろう」

 

烏間は言いながら、立坑へと後ろ向きのまま、烏間は通路から飛び降りた

 

「思ったんだが。お前・・そんなにたいした殺し屋か?」

 

落ちながら、烏間は平然とそんなことを話しかけてきた。やがて派手な水音がしたが、ふたりとも直前に回転して受け身を取っており、ダメージは殆どない

 

「なんだ!?」

 

「死神と烏間先生が落ちてきたみたいですねぇ・・」

 

その様子に皆は驚いていると、殺せんせーが状況を説明してくれた

 

烏間は死神の評価を淡々と告げていた

 

「受け身の技術はさすがだな。ひとつひとつのスキルの高さで強引に結果は出せるが生徒たちには踊らされ、イリーナにも騙された。ツメも脇も甘すぎる。ブランクでもあったのか?」

 

「黙って聞いてりゃ言ってくれるね」

 

自身の顔の皮を取った死神の素顔はもはや目玉だけがある頭蓋骨、といったものだった。表情筋などの筋肉はわずかに残っているが、鼻や唇などがない

 

「おまえ・・・なんだその顔は!?」

 

「顔の皮は剥いで捨てたよ。変装のスキルを高める上で邪魔でしかない。すべてを犠牲に築き上げた【死神】のスキル!おまえも殺して顔の皮を頂こうか!」

 

「・・・いくらなんでも生徒に教育が悪すぎる。退場を願おう」

 

烏間は死神に睨みながら構え始めた

 

 

 

そんな最強の戦いが始まるなか・・・

 

「もうすぐこちらにつくか・・・哀れな男よ・・」

 

今にもこちらに着きそうな男の気配を感じた男はこれまで高鳴る気持ちを押さえていた

 

「早く・・・貴様と戦えるのを楽しみにしてるぞ・・・」

 

男は暗い空間からゆっくりと出迎えるように歩き始めた・・・ 。死神とはまた違う男が動き始めたの・・・




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回も宜しくお願いします!

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