最初に言っておきますが、私は何を思ったのかガオガイガーはFINALを先に見てしまったのでガオガイガーは正直にわかです(暇がある時にTV本編見進めてますが)
あとデアラは1巻からずっと読んでます、これ書いてる今現在はまだ18巻読めてませんが…(ちゃんと読むつもりです)
あと、これは目に見えて分かると思いますが完全に趣味のクロスオーバーです。ただやりたいなーと思ったから実行に移ったまでです。苦手な人はブラウザバック推奨。
雑談になりますがペンチノンの声優さん、あの独特な笑い声どうやって喉から出してるんでしょうね?毎回あの笑い聞く度に浮かぶ疑問なんですが
……けて………
……助けて…………………
「はっ!?」
謎の声の下、勇者・獅子王凱は目を醒ました。意識が朦朧としていながらも凱は頭を動かして辺りを見回す。
そこにあるものは一面に生い茂る木々で、今自分が横たわっているのは木の根があちらこちらに飛び出た土の上だと凱は自覚する。
身体をゆっくりと起こすと、頭に僅かな電流にも似た痛みが走った。
「どういうことだ……?俺は確かソール11遊星主を倒して……それで……」
そう、凱は故郷である地球、そして宇宙を消滅の危機から救う為、仲間達と共に機界昇華された三重連太陽系の復活を目論む集団・ソール11遊星主と死力を尽くして闘い、勝利したのである。
しかし、全ての戦いが終わった後の凱は満身創痍とも言える状態で、それからのことはよく覚えていないのだ。それなのに何故自分は怪我一つ無い状態で地面を踏んでいるのだろうか。
あの後、自分達は元の地球へ帰れなくなったはずではなかったか?様々な疑問が脳裏を過ぎる。
しかし、何より不可解であったのは、
凱の背後には鋼鉄の勇者王・ガオガイガーが奮然と大地を踏み締めて立っていたのである。
「こちら凱!メインオーダールーム、応答してくれ!くそっ、繋がらない…!」
あれから何回かGGG本部と通信を試みたが、全て駄目だった。まるで圏外にある携帯電話のように、まったく向こうからの応答がないのだ。
「知ってる顔はお前だけか、ガオガイガー」
諦めて背後を振り向く。そこには依然として仁王立ちするガオガイガーの姿があった。
更に不思議な点を挙げると、そのガオガイガーはソール11遊星主との戦いで猛威を奮った破壊神・ジェネシックガオガイガーの姿ではなく、天海護が宇宙へ旅立つ前のガイガーを中心としてファイナルフュージョンした、かつてのガオガイガーの姿だったのである。
「なんでお前がここにいるんだ…?」
訳が分からない状況に、凱は頭を悩ませる。
辺りには先の戦いで凱たちGGGを乗せて宇宙へ翔び立ったディビジョン艦の姿も無く、完全に凱とガオガイガーのみが森の中で孤立した状態であった。
「フュージョンッ!」
疑問は多かったものの、一先ず凱はガオガイガーとフュージョンし人が居ないか市街地を探してみることにした。
思うに、この星は地球とよく似ている。
澄み切った空気や周辺の環境などは地球そのものであり、もしかしたらここは地球なのでは、と思いながら凱はガオガイガーと共に翔ぶ。
上空一万五千メートルの高さを暫く飛行していると、巨大なビルが建ち並ぶ広い市街地が見えてきた。
「街だ!やっぱりここは地球なのか!?」
凱が歓喜と疑惑を含んだ声で叫ぶ。
しかし、ガオガイガーとフュージョンしたままでは目立ってしまうので、一旦ガオガイガーを隠せる場所を探す為に降下しようとした瞬間。
「ぐあっ!?」
ガオガイガーの全身に金属がぶつかり合うような鈍い音と衝撃が伝わり、体制を崩した勇者王はそのままかなりの速度で地に向けて落下していった。
凱の叫びが大空に谺響する。
「うわあああああああっ!?」
上空一万五千メートルに浮かぶ空中艦。
その名は〈フラクシナス・エクス・ケルシオル〉、通称〈フラクシナスEX〉。
強大な力を持った人型存在・精霊の保護を目的とした組織〈ラタトスク〉に所属する艦である…のだが、現在、彼の艦の艦橋ではけたたましい警報が鳴り響いていた。
「詳細不明の高速熱源体、接近してきます!」
「このままでは十秒後に接触します!あぁ、ぶつかる!!」
忙しなくコンソールを操作するクルー達が悲痛な叫び声を挙げる。
艦長代理を任されていた副司令・神無月はそんな慌ただしい空気の中でも毅然とした態度でクルー達に命令を下した。
「衝突は避けられません!総員、対ショック姿勢!」
言われるがままにクルー達はこれから来るであろう凄まじい衝撃に耐えうる姿勢をとった。
次の瞬間、大音量の鈍い金属音が響き、予測していた通りの衝撃が〈フラクシナス〉を襲った。
『うわあああああ!!』
それぞれのクルー達が悲鳴を挙げた。
〈フラクシナス〉は常に
幸い、〈フラクシナス〉はギリギリで体制を立て直すことができ、墜落は免れた。
「衝突してきた熱源体、天宮市郊外へ落下していきます!」
クルーが神無月に向けて報告する。
「怪しいですね…地面に激突するのを待ってから回収してください」
「了解!」
神無月の命令を受けたクルーが作業に戻り、先程と同じようにコンソールを弾く。
「まさかDEMの新兵器…?だとすれば、司令に報告しなくては」
神無月が右手で顎を擦りながら呟いた。
それから一、二分後。
ガオガイガーは見事に墜落し、市街地から少し離れた広い林に横たわっていた。
「いてて…何だったんだ?」
ガオガイガーから出てきた凱が頭を押さえながら言う。
ただでさえ分からないことだらけなのに、更に透明な壁のようなものに衝突し墜ちたことで凱はここに来た当初よりも混乱していた。
「何が何だか分からない…とりあえず街に出よう」
墜落という格好がつかない形にはなったものの、ひとまずガオガイガーを置くという目的には達したので、凱は市街地のあった方角へ走り出そうとした。
しかし。
「_あぁ、やっと来てくれた」
「えっ!?」
何処からか声がして、思わず辺りを見渡す凱。
「こっちだよ」
声の主はいつの間にか凱の背後にいた。
年端もいかない少女である。淡い翠色の長髪、整った美麗な顔立ち、服はごく普通のセーラー服のようだが、うっすらと緑の光が彼女の身体を包んでいた。
それは一見、護やカインと同じ緑の星の民のようだった。しかし、何か違う。凱は直感でそれを感じ取っていた。
「君は…誰だ?」
しばしの静寂を打ち破るように凱が訊く。
少女はニコリと笑い、それに答えた。
「私は
「勇者…?」
彩星の発言に含まれていた「勇者」という言葉に凱は少々困惑した。確かに自分はGGGの長官・大河幸太郎を始めとした仲間達から勇者と呼ばれていたが、何故目の前の少女はその呼び名を知っているのだろうか?
しかし、他に訊きたいことは山ほどある。凱は一旦その疑問を心の底に押し留め、他のことについて尋ねた。
「君は何者なんだ?」
「私はこの世界で言う〈精霊〉だよ。もっとも、あなたが居た世界での精霊とは定義が違うだろうけど」
「定義が違う…?」
凱が言うと、彩星はその場で得意気にくるんと一回転してからまた喋り出す。
「そう、私はその精霊の中でもイレギュラーな存在。突然変異体って言ったほうが伝わりやすいかもね」
「勿体ぶらずに教えてくれ。ここは何処の星なんだ?俺は何故ここに居る?君はそれを知っているんじゃないのか?」
「そうだね、説明しないと訳分かんないもんね。ごめん、もっと早くあなたに会えばよかった」
そう言うと彩星は『てへぺろ』と言わんばかりに舌を出す。それから急に真剣な顔つきになり、話し出した。
「単刀直入に言うと、あなたをこの世界に連れてきたのは私。あなたにはこの世界でやってもらいたいことがあるの」
「やってもらいたいこと?というより、この世界って?ここは俺がいた世界じゃないってことか?」
「そういうこと。ここは紛れもない地球だけど、あなたが住んでた地球とは違う。多元宇宙論って知ってる?」
「ああ、様々な宇宙が無数に存在するってやつだろ?」
「概ねそんな感じ。この世界も無数に存在してる地球の一つだよ。それで、あなたにやってもらいたいことなんだけど……」
それを言うと、急に彩星の顔が影を帯びた。
凱はそれに気づき、心配するように声をかける。
「どうしたんだ?」
やがて、彩星が達観したように口を開いた。
「…異物が入り込んじゃったんだよ。本来この宇宙に存在しちゃいけない異物がね」
「異物?」
「そう、あなたも知ってるであろうゾンダーメタルだよ」
「何っ!?」
それを聞いた凱が驚愕し目を見開く。
ゾンダーメタル。かつてGGGの敵として立ちはだかったゾンダリアン達が人間のストレスなど、負の感情を利用して巨大なロボット〈ゾンダーロボ〉を生み出す為に使っていた道具である。
「何故ゾンダーメタルがこの世界に…!?」
「詳しいことは不明だけど、どうやら自然に発生したワームホールによって一つだけこの世界に飛んできたみたい」
「そのゾンダーメタルは今どこにあるんだ?」
凱が訊くと、彩星は肩を竦めて首を左右に振った。
「…分からない。もしかしたら良くない人の手に渡っちゃったかもしれない…あれを対処できるのはあなただけなんだよね?だから私はあなたに希望を見出してあなたをこの世界に連れてきたの」
「連れてきたって、一体どうやって…」
「私には任意で次元干渉を引き起こす能力があるの。精霊だからね。あのガオガイガーも、あなたの世界から分岐した世界、所謂並行世界に干渉して持ってきたんだ」
言って、彩星は今し方凱が置いていこうとしたガオガイガーを指差す。
「並行世界から…」
「そう、あなたにはどうしても必要なものだと思って。ちなみに彼女にとってはゾンダーメタルが流れてきたのは想定外の事態だったらしくて、対処の為に急遽造られたのが私」
そして、彩星がガオガイガーを差していた指をそのまま自分の顔に向ける。
「…ちょっと待ってくれ、彼女?造られた?」
その言葉の内容に凱はまたしても困惑する。
すると、彩星は慌てて「しまった」と言いたげなリアクションを取った。
「危ない、脱線脱線。口が滑るところだった」
「まぁいいか。それで、ゾンダーメタルをどうにかして排除しなきゃいけないというのは分かったけど、俺はこれからどうすればいいんだ?俺一人じゃ何もできないぞ?」
「その点は大丈夫。あなた、さっき空中で何かとぶつかったでしょ?」
「あぁ、あれか。…まさかあれが新手のゾンダーか!?」
「違う違う。あれはこの世界で言うGGGみたいな組織の艦だよ。非政府組織だけど」
「この世界にもそんなのがあるんだな…」
「うん。その組織に事情を説明して、彼らと協力してこの世界からゾンダーを取り除いて欲しいんだ。終わり次第あなたは元の世界に戻してあげるから」
彩星の言葉に、凱は納得したように頷く。
「なるほど、よく分かった。必ずゾンダーを倒してみせるさ」
「ありがとう、そうと決まれば彼らとの接触を急いで。早くしないと…」
その時、彩星が言い終わる前に鋭い一筋の閃光が彩星と凱の間を斬り裂いた。
「っ!何だ!?」
「ち、立ち話が過ぎたか……!」
二人はバックステップで元いた場所から即座に距離を取る。
そこに居たのは、美しいアッシュブロンドの髪の女だった。機械的な装備を身に纏い、手には強く発光する刃が握られている。
「今のを躱しますか…並大抵ではないようですね」
アッシュブロンドの女が口を開く。
「何者だ!」
凱が女に向かって問い質すが、女は聞く耳を持たずに刃を構え直す。
「名乗る必要などありません」
「く…!凱、早く行って!」
彩星が叫んだ。しかし凱は彩星を守る為にあくまで応戦する姿勢を取る。
「君を放っておけるか!ウィルナイフッ!!」
凱が左腕のガオーブレスから収納されていたウィルナイフを取り出し、彩星を庇うようにして女の前に立ちはだかった。
「ほう…何処の何方かは知りませんが、やる気ですか?」
「そっちが襲ってくるなら、正当防衛をするまでだ!」
言って、ほぼ二人同時に地を蹴り跳び出していく。
斬り結ぶ度にお互いの刃が干渉し、眩いばかりの火花を散らして戦闘の雰囲気をより緊張感のあるものに変えていく。
「やりますね、しかしこれは防げませんよ」
女が言うと、突如女の周囲に透明なフィールドが現れ、その範囲を凄まじい速度で広げていき、やがて凱の身体を呑み込んだ。
「なっ、これは…!?」
フィールド内に入った途端、思うように身体が動かせず藻掻く凱。
「凱!」
彩星が悲鳴にも似た叫びを挙げる。
「さぁ、終わりです」
女が光る刃を構え、凱に向けて刺突の構えを取った。
(マズい……!!)
自分にしか出来ないことの為にこの世界に呼ばれたのに。
自分を必要としている娘がいるのに。
まだ何もこの世界に貢献できていないのに。
こんなところで終わってしまうのか。
凱がそう思った瞬間。
「こっちだよ!!」
その光景を傍観していた彩星が突然、霊力で編んだ幻想的な衣装を纏いながら凱とは真逆の方向へ飛び出していった。霊装を纏ったのである。
「…!逃がしませんよ」
女はさっきまで展開していたフィールドを解除し、彩星の後を追って飛ぶ。
「ひ、彩星…!ダメだ…!!」
フィールドによる高速が解け、地面に打ちつけられた凱がうつ伏せに倒れながら叫んだ。
「本当に必要なのは私じゃない、あなただよ凱!早く行って!!」
彩星が女に追われながら凱に向けて叫び返す。
そう、彩星は凱が敵の手を逃れ、〈ラタトスク〉と一刻も早く合流することを促す為に自ら囮となったのである。
「彩星……」
凱は己の無力を噛み締めるように拳を震わせ、そして決心したように立ち上がりガオガイガーの方へ走っていった。
「すまない、彩星!このチャンスは無駄にしない!!」
今の凱の瞳には、決意と勇気が満ちていた。
「よし、着いた!」
あの女と戦っている間に随分遠くへ来てしまったようで、さっきまで凱がいた位置とガオガイガーが放置されている位置とはそれなりの距離があった。とはいえ、エヴォリュダーとなっている凱には大した距離ではないのだが。
凱は早速フュージョンして〈フラクシナス〉との接触を図ろうとした。だが、フュージョンを行おうとした瞬間、凱は自分の身体から重さが無くなるのを感じた。
「何だ!?」
その原因を知る由もなく、凱とガオガイガーは瞬時にその場所から消滅した。
「……ん?」
次に凱が見た光景は、何処かの施設らしき部屋だった。何か全体的に物々しい雰囲気が漂っている。
「こちらへ」
と、そこに待機していたと思われる制服を着た男達が凱を連れていく。
「お前達は何なんだ?」
凱が尋ねても、男達は口を固く閉ざしている。
正直、凱はまた困惑していた。今日は次から次へと分からないことが立て続けに起きるな、と凱が心の中で思っていると、凱の前を歩いていた男が立ち止まり、凱に道を譲ってきた。
見るとそこには自動式であろう重厚な扉がある。凱が進むと、扉は意外とあっさり開いた。
そこはSF映画によくある宇宙戦艦の艦橋のような部屋だった。構造的にはGGG本部のメインオーダールームとよく似ている。
凱が中へ入ると、出入口のすぐ前にある艦長席が回転し、その椅子に座る者の姿を露わにする。しかし。
「えっ…!?」
またもや凱は驚き、混乱した。
そこに座っていたのは、まだ中学二年生くらいの華奢な少女だったのである。
如何にも司令官といった服装を着こなし、燃えるような真紅の髪はツインテールに纏められ、口にはチュッパチャップスを咥えている。
「ようこそ、〈フラクシナス〉へ。変な格好したおじさん」
少女が口を開く。
凱は先程から困りっぱなしであったが、ひとまず今言うべきセリフは分かっていた。
凱が肩を竦めておどけるように言う。
「おじさんはやめてくれ、俺はまだ二十歳だ」
君たちに最新情報を公開しよう。
ようやく〈ラタトスク〉と接触し、協力関係を結んだ凱。
しかし、安心も束の間、精霊と融合した最強のゾンダーロボが天宮市を襲う!
ほぼ全てのツールが使えず、機動部隊の面々もいない状況で、我らが勇者・ガオガイガーは勝利を掴むことができるのか?
デート・ア・ガオガイガー Next
『孤独の勇者王』
次回もこのチャンネルで、ファイナルフュージョン承認!
如何でしょうか?文章力はあると言われるんですが自分じゃ地の文がまだまだと思っているので精進したいです
あと私かなりの飽き性なので、出来るだけ少ない話数で収めるつもりです。あんまり多いと完結できなくなる
今回出てきた千寿彩星はオリキャラです。上手く繋げるためには彼女の登場が必要不可欠だったので…オリキャラ苦手だって人はごめんなさい、物語の進行上仕方ないことなんです
ちなみに彼女はあの人、いや精霊に造られました。ええあの方です。17巻読んでる人なら大方予想がつくだろうと思ってます
次話は出来るだけ早めに更新したいと思っております。飽きが来なければ良いのですが(困惑)
全3話、長引いて4話程度で終わらせるつもりなので新幹線とかの中で暇潰しにでも読んで頂ければ幸いです。
では。