~オークション会場 上空~
「オラ!!降りてきやがれコラァ!!!」
怒号が飛び交う
オークション会場を襲撃した幻影旅団たちは、気球で会場をあとにしていた
会場の異変に気づいたコミュニティを仕切るマフィア達は、上空の気球を発見
犯人と断定して追跡を開始した
「おい、会場には観客も椅子も何もなかったらしいぞ!」
会場を見てきたマフィアの一人が情報を伝える
「まさか!…敵は能力者!?十老頭に連絡だ!!」
そして上空、気球の上では
「おーおー、うるさい蟻共が騒いでやがるぜ」
ウボォーギンが下を見ながら笑う
「そんなことどうでもイイネ。問題はお宝ヨ」
「そうですよ。なぜ金庫が空っぽだったのか」
フェイタンの言葉にシャルナークが補足しなが頷く
そして電話をかけ始める
「あ、ダンチョー?オークション会場、お宝なにもなかったですよ。事前にフクロウとかいう陰獣が移動させたとか」
『なるほど…』
「もしかして情報漏れてます?」
『それは…ユダがいるということか?』
「そういうわけじゃないんですけどね」
『ユダはオレたちの中にはいない。何かの噂を聞いたコミュニティの上層部がやったことだろう。だが…単なる噂を信じる者が上層部にいる…いや、信じるに値する噂を流せる者がいる、といったほうが正しいか』
「とりあえずマフィアたちの掃除をしたら帰りますね」
電話を切ったあと、みんなの方へ振り向くシャルナーク
「と、いうことで。このまま気球は荒野に向けてください。そこでマフィア全部片付けて帰りましょう」
ニコッ、と笑ってそう伝えた
~ヨークシンシティ あるホテルの一室~
そしてちょうどその頃
クラピカの元にも情報が届いていた
”オークション会場襲撃”
はっ!と顔を上げるクラピカ
(オークション会場を襲うなど、普通の者なら考えない。普通の…まさか幻影旅団!?)
ばっ!と振り向くクラピカ
そこにはダルツォルネが居た
「シャッチモーノたちとの連絡が取れない」
「…多分…、オークション会場の襲撃者は幻影旅団…」
そのクラピカの呟きにダルツォルネが目を丸くする
「幻影…旅団、だと!?あの!」
「そうとしか考えられません」
「くそっ!なら生存確率はほぼ0か!」
どうしますか?と尋ねるように問うクラピカだが、その表情は追いかけることしか念頭にない
「もちろん、追いかけるさ。もし本当に幻影旅団ならコミュニティへ恩を売るチャンスだ!」
そしてダルツォルネとクラピカはセンリツを連れて車に乗り込み、動き始めた