~ベーチタクルホテル 8003号室~
「この能力で傷もなく手術ができる」
ちょっと自慢げに言うレオリオ
「実際どうなってんだよ」
そんなレオリオに説明を求めるキルア
「さっき言った通りさ。指先、もしくは指先に持ったものだけを空間移動させることができるのさ。神字を使わない代わりに、範囲はせいぜい3mってとこか。頑張れば拳くらいは空間移動させれるぜ」
「はぁー、ほんと凄いや」
感心しきるゴン
「すげぇけどさ、実際こう見ると医療と暗殺ってすげぇ近いもんなんだな」
そう呟くキルア
「どうして?」
「考えてみろよ。気付かないうちに心臓の大動脈切られるかもしれねぇんだぜ」
ゴンの疑問に恐ろしい例えで返すキルア
「ま、武器も念も使う人次第ってことだな」
そうレオリオがまとめると、悟天とトランクス水見式をしたいとせがみ始める
レオリオはグラスに水を注ぎ
「ほらよ、悟空たちの子なら何が起こってももう不思議じゃねぇな」
そう言いながら水の入ったグラスをテーブルに置く
「ねぇ、もうやっていい!?」
トランクスが手を伸ばす
「えー、トランクスくんずるいよ」
「悟天もすぐできるから待ってなって」
そしてトランクスが手をかざす
「えっと…気を手から外に?」
「━━!ちょっとま」
ベジータが止めに入ろうとした瞬間
ドッザバァアアアアアアアアアアア
道路に設置してある消火用水のごとく水が勢いよく吹き出す
「…あ、あはは」
苦笑いするトランクス
天井は水圧で大きな穴が空いている
「さ、最上階で良かったね」
なんとか取り繕う
「ちっ、気の出しすぎだバカめ」
ゴンッとトランクスに拳骨を落とすベジータ
「あちゃぁ…部屋も廊下もぜーんぶ水浸しだぞ」
ドアを開けて廊下を確認していた悟空が戻ってくる
「ま、まじか…」
惨状に目を丸くするレオリオと、言葉が出ないキルアとゴン
「ゴホン」
わざとらしく咳をするベジータ
「い、いまのはマグレだ」
そうベジータが誤魔化している間、悟空は悟天に耳打ちする
「悟天、ちゃんと気を抑えないとダメだぞ。いいか」
「うん、わかったよ」
そして悟天がグラス近づいたとき
「あれ?トランクスくん、中に何か入ってるよ?」
鉄のような金属の塊がグラスの中に入っていた
「まさかトランクスも?」
レオリオがその金属を取り出す
「ものが現れるのは具現化系ってことだね」
それを見ながらキルアが言う
「じゃぁトランクスは念が強化系で気が具現化系?」
ゴンが確認するようにキルアを見る
「いや、水の勢いが凄すぎてどっちが先だったかわかんねぇ。でもこの気の強さの感じだと、たぶん気が強化系で、念が具現化系かな」
そのキルアの説明を聞いてトランクスは喜ぶ
「え!?じゃあ何か作り出せるの!?」
「ってことになるけど、何か作りたいものあるのか?」
「んーと、剣!カッコいいやつ!」
にんまりと笑っていうトランクス
そこで我慢しきれなくなった悟天がレオリオからグラスを受けとる
「ボクもする!」
そして気を小さくしながらグラスに向ける
スゥゥ ザバー
水が紫色に変化したあと、水が溢れてこぼれる
「…悟天もか」
既にレオリオは当然として見はじめる
「ボクのこれってなぁに?」
キルアの方を見る悟天
「悟天はわかりやすかったな。気が放出系で、念は強化系だな」
「何ができるの?」
「んー、特に変わったことはできないかな。たぶん今までと同じ戦い方が一番だと思うぜ」
そう説明したキルアだったが、悟天は口を尖らせる
「…つまんない。ボクだけ新しいこと何もできない」
「拗ねるなよ悟天。ボクだってまだ何か新しいことできるって決まったわけじゃないんだしさ」
トランクスが慌ててなだめるが、悟天は完全に拗ねて部屋を出ていく
「ちょっと待てよ悟天!もぉ…パパ、悟天と先に部屋戻っとくよ」
そしてトランクスは悟天と共に、205号室へと向かった
「んー、やっぱりトランクスと比べると悟天はまだ子供だなぁ。オラが甘やかし過ぎてっかな」
ポリポリと頭をかく悟空
「貴様の甘さがそのまま受け継がれたようだな」
ふっ、と笑うベジータ
「ま、とりあえず部屋変えようぜ。修理代は半分持ってくれよな」
そう言って部屋を出るキルアに続き、悟空たちはフロントへ向かい、修理費の手続きをし、キルアたちは部屋の変更を始めた