何名かの方から「ボク」⇒「オレ」じゃないのか?
との問い合わせが来ましたが、子供の頃のトランクスは「ボク」と言っていたので、この小説では「ボク」で通させて下さい
~ヨークシンシティ中心 あるホテルのフロア~
「幻影旅団の可能性はどれくらいだ?」
円卓に10人の壮年の男たちが向かい合って座っている
「マフィア共の言うことだから当てにはならんのじゃないかね?」
「いや、ノストラードからの情報が当たったことを考えるとあながち嘘ではないかもしれんぞ」
「最初に行かせた陰獣4人だけじゃ荷が重いか?」
「ふむ…ならば陰獣統括の彼に行ってもらうかね?」
部屋の扉の傍らに静かに立っていた男に視線が集まる
「ご命令とあらば直ぐにでも」
目を伏せて即答する男
「残りの6人の陰獣も連れて行くがよい」
「しかしそれではここの警備が…」
陰獣統括と共にこの10人の男たち、十老頭を護衛する身としては陰獣全てと共に出払うわけにはいかない
だが、十老頭はそれを見越して答える
「ここは問題ない。先生がいるのでな」
視線の先には十老頭が先生と呼ぶ男がいる
部屋の隅に置かれた一際豪華なソファーに腰をかけ、自身の三つ編みした毛先を整えている男
男は見もせず、手だけで”行け”と指示する
「…わかりました。では、陰獣を連れて私も向かいましょう」
一礼をして男は出ていった
~ヨークシン外 荒野~
「どうしたぁーーーー!!!」
ドォゴォオオオン
その頃荒野ではウボォーギンがマフィア相手に大立ち回りをしていた
まるで人を紙屑のように素手で千切って投げ捨てる
ダダダダダダダダ
マシンガンの音は鳴り止まずに響き続ける
だが、ウボォーの体の前には銃弾など効かない
いつしかウボォーの回りには人が居なくなっていた
遠巻きに立ち、呆然とするマフィアたち
「どうした?もう終わりか?」
その言葉に反応できないほど、マフィアたちはあまりにも圧倒的な力を見せ付けるウボォーにのまれていた
ズキューーーン
その静寂を切り裂く鋭い銃声
「ってー、…ライフルか?」
ウボォーの顔にライフルの銃弾が当たった
だが、普通の人間が消ゴムを投げられた程度の痛がり方
そしてウボォーは足元の小石を拾う
ライフルを撃ったスナイパーを見つけると、拾った小石を投げる
ボンッという音と共にはぜるスナイパーの頭
そのあまりの強さに絶望しかけた時
1人のマフィアがあるものを担いでウボォーの前に現れる
~ベーチタクルホテル 205号室~
そしてその頃
トランクスと悟天が変身したマイティマスクがベーチタクルホテルを飛び出した
ドヒューーーーーーン
「悟天、場所ちゃんとわかってるか?」
「うん、大丈夫!」
「基本的な動きは下半身役の悟天なんだからしっかり頼むよ!」
「トランクスくんはちゃんと指示してよ!」
そんな話をしてる間にグングンと距離を縮める
ヨークシン中心街を抜け、郊外を抜け、あっという間に荒野が見えてきた
「あ!悟天あそこだ!」
「わ!人がいっぱい!」
上空から荒野を見下ろすマイティマスク
「言っただろ、変装してたほうがいいって」
「さすがトランクスくんだよ」
へへーん、と得意気に胸を張るトランクス
「とりあえず岩場の影から観察しようぜ」
「うん、あそこ?」
ヒューン
全体を一望できる岩影を探し始めた