~ヨークシン外 荒野~
クラピカたちはウボォーの強さに冷や汗を流していた
「…とてもじゃないが…捕まえるのは無理だ」
「本当に人なの…?」
ダルツォルネとセンリツは知らず知らずに後退りする
そのとき、ピクリとセンリツが背筋を伸ばす
「どうした?」
その様子を見逃さなかったクラピカが問いかけるが
「━━━心音…増えてるわ」
耳をそばだてていたセンリツからその言葉が出たとき
スッ
どこからともなく人が現れる
「あいつらただのコソ泥じゃない」
「殺しが生活の一部になってるな。いわば殺しのプロだな、うんうん」
「餅は餅屋。オレたち陰獣に任せときな」
「………」ズリュ
いつの間にか横に現れていた4人
この4人こそが、十老頭の懐刀と噂される実行部隊である陰獣
そして先行して送り込まれていた
”病犬(やまいぬ)”
”豪猪(やまあらし)”
”蛭(ひる)”
”蚯蚓(みみず)"
4人はクラピカたちの横を通りすぎていく
その視線の先には暴れまわっていたウボォーギンの姿
「…ここは、任せよう…」
陰獣のその存在感から、ダルツォルネの口から自然と出た言葉に誰も反論はしなかった
その頃、マイティマスクは全体が見渡せる高所の岩場の影から様子を見ていた
「どっちが悪者?トランクスくんわかる?」
「んー、あの大きな人の周りにいっぱい人が倒れてるから…大きい人が悪者かな?」
ウボォーとマフィアを見てそう考えるトランクス
「でも周りの人たち銃持ってるよ?」
「そうなんだよなぁ…」
そして2人が迷っているとき
「あ、1人が前に出てきたよ」
大きなロケットランチャーを担いだマフィア
「そこまでだバケモンが!戦車も一発でオシャカにしちまうスーパーバズーカ砲だぜ!」
砲身をウボォーギンに向ける
「悲しいぜ。オレはたかが戦車と同じ評価かよ」
嘆く様子を見せながら右手を前に出す
ロケットランチャーを受け止めるつもりのよう
「コナゴナになれや!!」
バシューー! ドッゴォオオオオオオオン
着弾してもうもうと立ち込める煙
それを見ていたトランクスたちは
「トランクスくん!」
「うん!あの黒い服の男たちが悪そう!」
「いくよ!」
「力はギリギリまで下げとけよ!」
ふわっ シュン
浮かび上がったあとに高速移動するマイティマスク
遠巻きに見ていたマフィアたちの合間を縫うように通りすぎ、全ての首筋に手刀を落として意識を刈っていく
そして残った、ロケットランチャーを撃った男の前に出る
「貴様は━━━」
ドフッ
お腹に一撃を決めて倒れさせる
マイティマスクが岩影から飛び出してわずか3秒での出来事
「よし、っと。悟天、バッチリだぜ」
「いいなー、トランクスくんあとで変わってよぅ」
そんなことを言っている間に煙が次第に晴れていく