ヨークシンシティでオークションすっぞ!   作:KTケイティ

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遅くなりすみません


【76】追う

~ヨークシン郊外 道路~

 

「場所わかるあるカ?」

 

「とりあえずヨークシン方面に逃げたのだけはわかります。そこまではこの街道一本しかありませんしね」

 

フェイタンにそう答えるシャルナーク

 

マフィアの車を盗んだ幻影旅団たちは、ウボォーギンを拐った者たちを猛スピードで追いかけていた

 

「それにしてもあのマスク野郎は一体何者?」

 

マチは直接戦ったノブナガに尋ねる

 

「…陰獣じゃねぇ、って言ってたがな…」

 

「なにそれ?じゃぁなんで来たの?」

 

不思議そうに今度はシズクが尋ねる

 

「知らねぇよ。あの2人に聞けよ」

 

「2人?」

 

「あぁ、多分だが子供2人だな」

 

思い出しながら説明するノブナガ

 

「お前さんたちは他の陰獣と戦ってたから見てねぇだろうが、あのマスク野郎をぶった切ったんだよ」

 

自慢じゃねぇぞ、と一言告げて続ける

 

「手応えがないから避けられたと思ったら…2つに分裂して何か話ながら飛んでいきやがった」

 

「飛んだ?」

 

シャルナークがそこに反応する

 

「あー、そこはなんだ…、ちょいと驚いてて忘れてたが、確かに空を飛んで逃げていきやがった」

 

「なぜ子供ってわかるあるカ?」

 

「見たわけじゃねぇよ。ただ声が幼いのと、元々手足が短かったじゃねぇか」

 

ふーむ、と考え込むシャルナーク

 

「で、強さは?」

 

「…団長以上だ」

 

マチの質問に少し難そうに答えるノブナガ

 

「はっ、それはあり得ないね。あんたが弱くなったんじゃないの」

 

ふざけるなと言外に伝えるマチ

 

「冗談なんか言ってねぇよ。マチ、お前はオレの居合いを止められるのか?」

 

「なんの関係があんのさ」

 

「いいから答えろよ」

 

「…そりゃ難しいかもしれないけど…あんただってうちの強化した糸を絶対に切れる保証はないだろ」

 

ノブナガはポリポリと頭をかきながら、そういうことじゃねぇんだよなぁ、と呟く

 

「いいか、あのマスク野郎はこっちを見もせずに、オレの居合い抜きを指先で”掴み”やがった。この意味がわからねぇお前らじゃねぇだろ」

 

「それで?パワーはウボォーギン以上あるカ?」

 

静かにしていたフェイタンが口を開く

 

「速さはノブナガさんの居合い抜き以上、力はウボォーさん以上、そして空を飛ぶ能力ですか…危険ですね…」

 

危機感を顕にするシャルナーク

 

その瞬間

 

ドンッ

 

ボンネットに人影が見えた瞬間、車が影に包まれる

 

ザザッ

 

車から飛び出した4人

 

「おい!こら!出せ!」

 

ボンネットに飛び乗った男の手、そこに小さな布が袋状にして包まれている

 

その袋からノブナガの声が響いていた

 

「…ノブナガは場所が悪かったネ」

 

ノブナガは後部座席の真ん中に座っていた

 

そして街道の横、崖を見上げる幻影旅団の4人

 

そこには━━━━

 

 

 

 

 

 


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