~ヨークシンシティ中心 あるホテルのフロア~
十老頭たちは顔を付き合わせていた
昨晩、陰獣の梟(フクロウ)を抱えて戻ってきたカストロ
怪我の具合は酷くはなかったが、その口から聞かされたのは”他の陰獣全滅”の言葉だった
他にもたらされた”幻影旅団かもしれない”との情報は、まだ完全な確認ができていない為、結論は横置きされていた
こんなに何度も集まることはないな、と思いながらも、十老頭たちは朝から円卓に集合していた
「昨日の話はもう聞いた者もいると思う。━━梟以外の陰獣は全滅した」
そう口を開いたのは初老の男
ざわっ、とざわつく円卓
自分達の安全は大丈夫か!?敵は倒せるのか!?
各々が自分勝手に話はじめる
初老の男は手でそれを制して、そして全員を見ながら言う
「我々の安全はここにいらっしゃる先生が守ってくれる。そして敵に対しては、昨晩のうちに先生以外のプロの殺し屋を雇った」
それを聞いてカストロが反応する
「聞いていなかったのですが…。一体どのような者を」
「━━━ゾルディック家の者だ」
一瞬溜めを作って口にした初老の男
「あのゾルディック…」
殺し屋として有名なその名前を聞き、眉をひそめるカストロ
そしてもう1人の男も眉をひそめていた
先生と呼ばれている男だ
「ちょっといいですかな?ゾルディック家の誰を呼んだのか、まさかあのジジイは呼んでないでしょうな?」
急な問いかけに初老の男は困ったように言い淀む
「…ゼノ先生のこと、でしょうか…?」
「もちろんだとも」
「呼んではまずかったでしょうか…?」
「そうか、もう呼んでしまったか」
苦々しげに呟く男
何か因縁があるのか、それとも
男は静かに三つ編みをいじりながらどこか遠くを見ているようだった
そして━━━微妙な空気が流れる中、会議は終わった
~ヨークシン裏路地 地下~
「なにここ」
裏路地にある小さなビルの階段を下りたゴンたちの目の前には、およそビルの敷地面積の数倍はあろうかという地下ホールが広がっていた
地下ホールはボクシングやレスリングでお馴染みの、試合会場のような出で立ち
”レディース&ジェントルメン!”
急に舞台の上から派手な格好をした司会者がマイクで話はじめる
”今回の条件競売は!「かくれんぼ」でございます!”
ざわざわっ
”皆様には、このヨークシンシティに隠れている者たちを捕まえて頂くのが条件です!参加費用は500万ジェニー!”
そして、と続ける
”捕まえた者1人あたり、20億ジェニーをお渡しします!”
おおおおおおおおおお!!!!!
大歓声と共に舞台に詰めかける観客
”500万ジェニーを支払った方には、かくれんぼの対象者の顔写真をお渡しします!では━━━競売スタート!”
「20億ジェニー…」
呟くゴン
「3人も捕まえたらグリードアイランド買えるかな」
呑気に言うキルア
「…何かあったな」
「何かあったってどういうことだよ」
真剣な表情のレオリオに疑問を挟むキルア
「この場所を見ろよ。地下ホールに試合の舞台。本来ならここはボクシングやレスリングの試合を賭けにしたお金稼ぎをしてたとこだったはずだぜ」
「…ってことはここのマフィアたちに何かあったってことか」
頷くレオリオ
「ああ、だがヨークシンシティを仕切るコミュニティマフィアにケンカを売るやつなんて国でもいやしねぇ」
「いや━━━、いる」
真顔でそう言うキルア
「え?誰?」
「ゴン、オレたちが聞いたことある名前さ。もちろんレオリオも。…そう、”幻影旅団”」
一瞬沈黙の流れる3人
「…あの幻影旅団か」
「そういうこと。…どうする?」
そう問いかけるキルアに返事をしたのはゴン
「オレは…やるよ」
「おまっ!相手はあのA級首だぞ!」
「それでもやらなきゃ始まらないから」
ゴンの真っ直ぐな目
「無理だよレオリオ。こうなったらこいつは聞かないよ」
そのキルアの言葉に従うように、3人は500万ジェニーを支払って地下ホールを後にした
ちょっと立て込んでまして、更新できない日がぽつぽつあるかもしれません。
ちなみに、95~100話くらいでこのヨークシン編も終わる予定です