~ヨークシン郊外 廃屋~
(━━━ここは…どこだ…?)
ぼーっと辺りを見回すクラピカ
天井が見えるところから、自身が寝かされていることがわかる
(明るさからいって朝、か。天井の壊れ具合から廃屋だと推察できる。気候は変化がない、ということはヨークシンシティ周辺か)
そして首を回して部屋を見渡したとき
「やぁ◆」
この男と目が合う
「━━っ!ヒソカ!」
起き上がろうとするが体が動かない
「まだ無理みたいだね。オーラの使いすぎ◆」
その様子に、何かをされることはないと感じたクラピカ
「私は、どうなった?」
その問いにヒソカは簡単に説明する
「キミと彼は相討ち。と言ってもほぼキミの勝ちみたいなものだったけどね◆無駄にオーラを消費してオーラ切れにならなければ余裕で彼を屠れただろうね」
「奴は、どこだっ!」
「それは教えられない◆キミはボクに助けられた。だから彼をどうするかはボクの自由」
「何が目的だっ!」
指先の上でトランプをくるくると回しながら答えるヒソカ
「うーん、前にも言った通り目的は”団長”◆そこに彼が使えそうだからカードとして持っておこうと思っただけ」
数秒ヒソカと視線を合わす
「━━━くそっ!」
クラピカは拳で地面を叩く
わかっているのだ
自分がヒソカに助けられて借りができてしまったこと
だからこそ、ウボォーギンをどうするかはクラピカに決められないこと
冷静になれず、オーラを無駄に消費しすぎた自身が招いた結論だということも
「さて、じゃぁボクは行くよ◆1日くらいは大丈夫だと思うけど、彼のほうも見とかなきゃ逃げられるしね。キミはダメージも少ないからもう少し横になってれば動けるだろう」
そう言うと、ヒソカはクラピカの横に水の入ったペットボトルを置いて、廃屋から姿を消した
~ヨークシンシティ 中心街~
「じゃぁどうやって探す?」
裏路地から中心街へと出てきたゴンたち
「やっぱりなんも考えてなかったか…」
ゴンの発言に首を落とすレオリオ
「それより、本当にやるのかよ」
改めてそう言ったキルアは、話をしはじめる
「実はさ、オレの親父が仕事で幻影旅団の1人を殺ってんだ。そして珍しくぼやいてたんだ”割りに合わない仕事だった”って」
「それってどういう意味?」
「それは標的に対する最大の賛辞なんだけどさ、その時オレたちに言ったんだ。”旅団には手を出すな”ってね。まぁ3年くらい前の話だけど」
静まる3人
「━━━でも、できるだけのことはやるよ!それに今回は捕まえるだけなんだしさ!」
「しゃーねぇな。なら探すか」
「えっ?レオリオ、なにか良い方法あるの!?」
「まぁな。他のやつらもやってるはずだぜ」
それはネット掲示板
3人は掲示板に幻影旅団の写真を張貼り付け、有力な情報に支払いをする方法を取った
一瞬で溢れかえる情報に、”場所・時間・証拠写真”を条件にし、正確な情報の選別を始めた
次回はついにあの三つ編み男についてが…