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すんごい寂しがり屋なので…(泣)
~ヨークシンシティ 繁華街~
「なかなか網にかからねぇな」
「ほんとにこんなとこに出て来るのかね、鎖野郎は」
長髪の男と、ボサボサ髪の女
2人は連れ立って歩く
既に陽は真上
昼間を回っていた
「ウボォーを狙った理由がわからねぇからな。狙いがオレたち幻影旅団なら、あのとき荒野にいたオレたちを狙いに来る可能性はあるが」
「どうだろうね。あたしはすぐに出ては来ないと思うけどね」
「またお得意の勘か?」
「勘もあるけど、鎖野郎があのときウボォーを拐ったんは、あたしたち全員と戦うのを避けるためだったと思うんだよね」
そう言いながら繁華街を見回す2人
「ってことはなんだ、オレたちが2人でいたら鎖野郎は来ないってか?」
「と、あたしは思ってる。けどツーマンセルは団長の指示だから個人行動はさせないよ」
そう言ったところで、女、マチが足を止める
「ノブナガ、あそこならテラスがあるからちょうど良いんじゃない?」
そして2人はテラス付きの喫茶店へと入っていった
~ヨークシン 秘密の会合所~
(━━━間に合ったか)
ヨークシンのあるビルの一室
十老頭が管轄する秘密の会合所
そこには殺し屋が集められていた
今回のオークション会場襲撃犯の暗殺の為である
そこにクラピカはノストラードファミリーから派遣される形で参加していた
先に部屋に居たのは7人
凄みも何も感じない、冴えない者が3人
別段特徴もなく、コミュニティに恩を売るためにどこかのファミリーがその中で腕の立つものを派遣してきたような感じだ
その横にいるのは、確実に殺ってそうな者が2人
ベレー帽のようなものをかぶった男
センターの左側だけを剃った男
そして壁際で静かに立っている者が2人
銀色の長髪で整った顔立ちの男
顔に機械を取り付けた三つ編みの男
(この2人は確実にできる…)
クラピカが参加している者たちを見渡していると、背中から声がかかる
「すまんが退いてくれんかの?」
後ろに居たのは、老人と壮年の男
クラピカはスッと避ける
「すまんの」
そう言って老人は壮年の男と共にソファーへ向かう
と、老人だけが三つ編みの男の前で足を止める
「お主、…もしや桃白白か?」
桃白白(タオパイパイ)と呼ばれた男は苦々しげに老人と視線を合わせる
「ゼノ、やはり貴様が来たか」
ゼノと呼ばれた老人
「ふむ、お前さんがおるならここに集められた者たちのレベルが知れるということじゃな」
「ゼノじじい…。いつまでも昔のままの私とは思わない方が良いと思うがね」
キュイン
桃白白の機械の目が注意深くゼノを見る
「なんじゃお主、機械なんぞ使いおってからに。…まぁ40年以上も会ってなければ人は変わるからの」
それだけ言うと、ゼノはソファーに座る
全員が揃ったことを確認したのか、銀色の長髪男が口を開く
「お集まり頂きありがとうございます。今回は十老頭よりの依頼で、幻影旅団の抹殺指令が出ております。私は十老頭で陰獣統括をしているカストロと申します」
そうカストロが説明すると、冴えない3人組から質問が出る
「やり方は?」
「特にございません。依頼事項は”幻影旅団の抹殺”それだけです」
それ以上の説明がないと悟ったのか、冴えない3人が残りの殺し屋たちに話しかけ始める
「とりあえず呼び名でも決めよう。何かあったときに連絡も取り合える。…色でいいか。オレはブラックと呼んでくれ」
「じゃぁオレはレッド」
「なら私はイエローで」
そう3人組が言ったあと、順番的に壮年の男とゼノの番になる
「シルバ」
「ゼノ」
それだけ短く言うと興味なさげにする
「シルバーに…ゼノ?何色だ?というよりさっき呼ばれてた名前じゃないのか?」
冴えない男の1人がそう口を開いたとき
もう1人の冴えない男が反応する
「待て、シルバにゼノ…まさかゾルディック家!?誰も本当の姿を見たことがないという伝説の…」
「別にワシらは普段、変装も潜伏もしとらんのだがのぉ」
「もしかしてゾルディックというのも暗号名じゃなくて本名なのか!?」
「そうじゃ。名刺やっとこか?住所と電話番号も載っとる」
不気味に笑うゼノ
「な、なら…」
そう言って冴えない男は後ろを振り向く
「ま、ま、まさかあんたの桃白白っていう名前も本当に…」
「私も隠してはいませんがね。いまなら1億ゼニーのところを、半額の5000万ゼニーで引き受けてあげても良いですよ」
そう言って笑う桃白白を、更に鼻で笑うゼノ
「ふん、お主は割引し過ぎじゃ。もし殺したいやつがいたら連絡をくれ。3割引で請け負うぞ?しかもやつとは違って確実にな」
それを聞いて冴えない男3人組は静まり返る
クラピカはゼノとシルバを見る
(彼らがキルアの家族…成る程、明らかに他の者より威圧感が数段上だ)
そして冴えない3人組を見る
(この者たちも、決して暗殺者としてレベルが低いわけではないだろうが、力の差を感じて萎縮してしまっている…)
次に視線を向けたのは桃白白
(桃百百…暗殺者としてあまりにも有名。表世界で有名なことから、実力は裏世界の者に劣るかも知れないと言われていたが…そんなことはないな。明らかにゾルディック家の2人と同等…。)
そして隣に立つカストロ
(彼は見たことがある。天空闘技場のフロアマスターになった男。すぐに辞めたことで有名になったが…まさか十老頭のところに居るとは…。かなりできそうな雰囲気だ)
最後に残りの2人に目をやる
(そんな強者たちになんとか対抗できそうなのはこの2人、か)
「別にいいじゃん呼び名なんて。だって呼ぶことないもん」
ベレー帽をかぶった男がそう口を開き、続ける
「一人一人が好きにやって良いんじゃないの?」
「同感だな互いに流儀も思想も違うんだ。無理に足並みを揃えることはあるまい。オレも勝手にやらせてもらう」
髪を半分だけ剃った男も、ベレー帽の男に同意する
それに合わせてクラピカも口を開く
「私もその意見に賛同だ。稚拙な連携はかえってミスを生む。人手が必要ならコミュニティの者を使えば良いだろう」
「そういうことじゃな」
クラピカの言葉にゼノも頷く
そして頃合いを見ていたカストロが口を開く
「それに桃白白先生は十老頭の護衛任務が入っている。それぞれやるべきこともあるだろう。では、これで解散です」
その言葉を最後に、殺し屋たちは部屋を出ていった
やっぱりあの三つ編みの男は桃百百!
自信を見せているところからも、修行を積んで強くなっている模様
一体どれほどの強さなのか!?
次回もお楽しみに!
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